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【就活の業界研究】:エレクトロニクス専門商社の概況をチェックしよう

「就活の答え」では代表的な専門商社の概況を専門分野別で紹介していきます。

この記事ではエレクトロニクス専門商社の内、上位企業5社の概況を直近年度の有価証券報告書や中期経営計画を基にまとめています。短時間で読めるようにコンサイスにまとめていますので参考にしてください。

専門商社と一口に言っても、国内外のメーカー企業に製造に必要な原料、素材、部品などを主に輸入して供給する上流部分を主な事業とする商社、製品や商品を国内のユーザーや小売業に卸売することを主な事業にしている商社、その両方を事業としている商社があるため注意が必要です。

それによって「海外」への向き合い方も違っています。専門的に取り扱っている分野によって、就活生の専攻や強味が活かせるかも違ってきます。企業によっても戦略に違いがあるため商社毎の事業の内容や経営戦略を把握しておきましょう。

代表的なエレクトロニクス専門商社の業績と概況

株式会社日立ハイテク

旧社名:株式会社日立ハイテク

2020年3月期連結決算 (2019年度)

売上収益 (百万円)694,600
営業利益 (百万円)62,221
経常利益 (百万円)60,857
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)43,618
親会社株主に帰属する当期当期包括利益(百万円)41,021
従業員数(人)グループ連結:11,903
従業員数(人)単体:4,307
グループ会社日本:12社
グループ会社海外:36社

株式会社日立製作所は、2020年1月31日に日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)を完全子会社化することを発表し、その後株式の公開買い付けを実施し、2020年5月18日に上場廃止、完全子会社化を終了しています。

これは日立製作所の戦略の一環であり、日立ハイテク*の計測・分析技術を生かした社会イノベーション事業の成長加速と一体運営による成長機会の拡大を目指すものです。

具体的には日立ハイテクの子会社化によって以下の実現を推進しています。

  • 日立が推進するLumadaの強化として、日立ハイテクの計測・分析システムと日立のAI/データ解析などのデジタル技術を融合
  • 日立のヘルスケア事業の強化として、日立ハイテクの体外診断機器事業 (グローバルNo.1) を中核事業として育成、またヘルスケア・アナリティクス分野への進出
  • 日立ハイテクの人材活用とグローバル調達力の強化

日立ハイテク及びその子会社は科学・医用システム、電子デバイスシステム、産業システム、先端産業部材といったエレクトロニクス関連を中心とする各種商品の販売及び製品の製造・販売並びに、それらの取引に関連する保守・サービス等の役務提供を、一体とした事業として展開しています。

また、親会社である日立製作所より太陽光発電設備他・電力関連部品等の仕入を行っており、また、親会社に対して鉄道車両関連部材・電子顕微鏡・電力関連部品等の販売を行っています。

日立ハイテクノロジーズの事業内容をセグメントに分類すると以下の通りとなります。

アナリティカル・ソリューション:

  • 分光光度計・クロマトグラフ・蛍光X線分析・熱分析等の各種分析計測機器、電子顕微鏡、バイオ関連機器、医用分析装置の製造・販売及び据付・保守サービス業務

 

ナノテクノロジー・ソリューション:

  • エッチング装置・測長SEM・外観検査装置等の半導体製造装置の製造・販売及び据付・保守サービス業務

 

インダストリアル・ソリューション

  • リチウムイオン電池等の自動組立システム、発・変電設備、デジタルソリューション、テレビ会議システムの販売、計装機器及び関連システム、鉄道関連検測装置、ハードディスク関連製造装置、FA装置、FPD関連製造装置等の製造・販売及び据付・保守サービス業務
  • 鉄鋼製品、非鉄金属製品、基板材料、合成樹脂、電池用部材、自動車関連部品、シリコンウェーハ、ハードディスクドライブ、光通信用部材、光ストレージ部材、半導体等の電子部品、石油製品の販売

2020年3月期の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2020年3月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名売上(百万円)売上構成比セグメント利益
(百万円)
利益構成比
アナリティカル・ソリューション166,44922.4%28,58741.6%
ナノテクノロジー・ソリューション187,08525.2%34,70050.5%
インダストリアル・ソリューション386,50452.0%6,3849.3%
その他2,5760.3%-969-1.4%
合計742,614100.0%68,702100.0%
セグメント間取引等、調整・消去-11,510-4,476
計上額731,10464,226

マクニカ・富士エレ ホールディングス株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

売上高 (百万円)521,193
経常利益 (百万円)11,072
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)5,633
包括利益(百万円)4,999
従業員数(人)3,453
外、平均臨時雇用者数381
連結子会社33社

マクニカ・富士エレ ホールディングスは集積回路、電子デバイス、ネットワーク関連商品の販売を中心とした事業を行っています。

2020年3月期の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2020年3月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名売上(百万円)売上構成比セグメント利益
(百万円)
利益構成比
集積回路及び電子デバイスその他事業459,97288.2%6,99649.2%
ネットワーク事業61,42611.8%7,22450.8%
合計521,399100.0%14,220100.0%
セグメント間取引等、調整・消去-205
計上額521,19314,220

独立系エレクトロニクス専門商社として、エレクトロニクス市場の黎明期から世界の最先端の商品・技術を提供することを使命として事業を展開しています。

変化の激しいエレクトロニクス・情報通信業界にあって、単なる商品の物流を担当する専門商社ではなく、テクニカル・サポートを行う技術サービス提供会社として、競合他社との差別化、位置づけの明確化を図っています。

今後は強みである技術力をさらに深化させ、「技術商社」の枠を超えた価値そのものを創造するデマンドクリエーション(需要創造)型企業として、付加価値を高める経営を目指しています。

また得意先や仕入先がグローバル展開を加速する中で、マクニカ・富士エレ ホールディングスグループもグローバルの観点から海外でのM&A等の戦略を強化していく計画です。

具体的にはこれまで培ってきた目利き力とハードウェアからソフトウェア・サービスまでの技術力をベースに、AI/IoTソリューションや自動運転、サービスロボット等の新しい分野へも果敢に取り組んでいます。

株式会社レスターホールディングス

2020年3月期連結決算(2019年度)

売上高 (百万円)379,548
経常利益 (百万円)9,025
親会社株主に帰属する純利益(百万円)5,722
包括利益(百万円)4,561
従業員数(人)2,715
外、平均臨時雇用者数427
連結子会社39社
関連会社17社

株式会社レスターホールディングスは、2019年4月、株式会社UKCホールディングスと株式会社バイテックホールディングスが経営統合し、商号を変更しました。主な取引先はソニー(株)やソニーセミコンダクターソリューションズ(株)という企業です。

レスターホールディングス及びグループ会社は、以下のセグメントで事業を展開しています。

  • 半導体及び電子部品事業:
    • デバイス:国内外の最先端半導体・電子部品及び関連商材の販売並びに技術サービスによるソリューション提案事業、半導体・電子部品・電気電子製品等に対する各種評価試験を行う信頼性試験受託サービス事業
    • EMS:自社工場における最先端の実装技術と購買、生産管理、品質保証機能を付加した電子機器受託製造サービス事業
  • 調達事業:
    • グローバル調達トレーディングと関連業務の受託サービスによる最適なサプライチェーンマネジメントの提案
  • 電子機器事業:
    • 電子機器:放送、ビジネス、教育、医療、公共施設、FA、セキュリティ等、多岐に亘る分野への映像・音響・通信のソリューション事業
    • 計測機器:電子計測器の販売、測定・利用・システム技術・設計のノウハウ、アプリケーションの提供並びに研究開発サポート事業
    • システム機器:デジタル・通信等の基幹技術とNFC(近距離無線通信)技術を融合した応用製品の開発、製造、販売事業
  • 環境エネルギー事業:
    • エネルギー:自社メガソーラー発電所、風力発電所等による再生可能エネルギーの導入・普及に向けた地域共存型運営管理サービス事業
    • 新電力:再生可能エネルギーを中心とした電力の供給、売買の仲介、電力コンサルティング事業
    • 植物工場:大手スーパーマーケット・コンビニエンスストア、外食チェーン等の業務用市場へ向けた完全閉鎖型の植物工場事業

2020年3月期の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2020年3月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名売上(百万円)売上構成比セグメント利益
(百万円)
利益構成比
半導体及び電子部品275,17072.0%4,40668.5%
調達73,39419.2%3866.0%
電子機器22,8716.0%1,06016.5%
環境エネルギー10,8892.8%5809.0%
合計382,326100.0%6,434100.0%
セグメント間取引等、調整・消去-2,777203
計上額379,5486,637

レスターホールディングスは従来のエレクトロニクス商社から、革新的な製品・サービスの開発・提供により、顧客や社会の発展に貢献する技術商社への成長を目指しています。

エレクトロニクス業界においては、IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)をはじめとした最先端の技術革新が顕著で、ADAS (先進運転支援システム)搭載の自動車や5G関連など、新しい市場への期待が高まっています。

このような事業環境のもと、商社機能の強化(ラインナップ拡充・顧客の拡大)、付加価値の向上と機能の多様化、革新的ビジネスの創出に注力、また、環境エネルギー事業等に代表される社会課題の解決に直結する各種取組みを推進しています。

加賀電子株式会社

2020年3月期連結決算 (2019年度)

売上高 (百万円)443,615
経常利益 (百万円)10,137
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)5,852
包括利益(百万円)4,005
従業員数(人)6,731
連結子会社53社
持分法適用関連会社3社

加賀電子及びグループ会社は以下のセグメントで事業を展開しています。

  •  電子部品事業:半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など
  •  情報機器事業:パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など
  •  ソフトウェア事業:CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など
  •  その他事業:エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など

2020年3月期連結決算における事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2020年3月期連結決算セグメント別業績概要

事業名売上(百万円)売上構成比セグメント利益
(百万円)
利益構成比
電子部品事業379,92584.1%7,50375.8%
情報機器事業45,21110.0%1,70717.2%
ソフトウェア事業3,5440.8%2362.4%
その他事業23,2955.2%4524.6%
合計451,977100.0%9,900100.0%
セグメント間取引等、調整・消去-8,362114
計上額443,61510,014

加賀電子の特徴は、独立系のエレクトロニクス総合商社としての強みを活かした電子部品・半導体販売に始まり、多品種・小ロットを得意とするEMSビジネス (電子機器の製造受託サービス) 、顧客企業の企画・開発や設計支援、ソフトウェア・映像制作、ネットワークソリューションを中心としたシステムサポート等、国内外を問わず多様なサービスを提供している点にあります。

2019年1月には、大手顧客への電子部品・半導体拡販および海外市場を中心としたEMSビジネス拡大を柱とする成長戦略を加速させることを狙いとして、富士通グループの商社である富士通エレクトロニクス株式会社を、また2020年4月には独立系商社である株式会社エクセルをグループ会社化するなど、企業買収も積極的に推進しています。

現在は、2020年3月期を初年度とする3ヶ年計画「中期経営計画 2021」を基に事業を展開しています。

中期経営計画の基本方針は以下の通りです。

収益基盤の強化:

  • 「車載」「通信」「環境」「産業機器」「医療・ヘルスケア」の成長分野に注力
  • EMSビジネス、海外ビジネスの強化・拡大

 

経営基盤の安定化:

  • グループ横断的なコスト削減施策の継続
  • 組織体制整備によるグループ経営の効率化推進
  • コーポレートガバナンスの強化、人財の育成

 

新規事業の創出:

  • 「社会課題(保育、福祉、介護等)ビジネス」「素材ビジネス」の取り組み
  • ベンチャー投資によるオープンイノベーションの推進
  • M&Aの積極的な活用

上記の具体化により、中期経営計画の最終年度にあたる2022年3月期には、売上高5,000億円、営業利益130億円以上を目指す計画です。

丸文株式会社

2020年3月期連結決算 (2019年度)

売上高 (百万円)287,550
経常利益 (百万円)2,006
親会社株主に帰属する当期純利益・純損失(百万円)-75
包括利益(百万円)-155
従業員数(人)1,324
外、平均臨時雇用者数20
連結子会社15社
持分法適用関連会社1社

丸文株式会社及びグループ会社は、半導体、電子部品、電子応用機器等、国内外のエレクトロニクス商品の仕入販売を主に事業を展開しています。

事業セグメントは、デバイス事業、システム事業に分かれており、2020年3月期連結決算における事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2020年3月期連結決算セグメント別業績概要

事業名売上(百万円)売上構成比セグメント利益
(百万円)
利益構成比
デバイス事業239,70283.3%59124.9%
システム事業48,17116.7%1,78675.1%
合計287,874100.0%2,377100.0%
セグメント間取引等、調整・消去-323-8
計上額287,5502,369

エレクトロニクス業界は、5G通信技術やAI、ロボティクスなどの社会生活を変革する新しいテクノロジーの導入が拡大しつつあります。

丸文創業以来の「先見」と「先取」の精神をもって、このような変化をチャンスと捉え、既存事業の基盤強化と新規事業の創出により収益力の向上に取り組んでいます。

中期的な基本方針と具体的な取り組みは以下の通りです。

中期基本方針

  • 新たな価値を創造するビジネスモデルの構築
  • 成長市場に向けた事業開発の促進
  • 持続可能な社会に貢献する取り組みの強化

デバイス事業の具体的な取組み

 

  • 既存ラインカードの深耕:
    • 幅広いラインカードを組合せたソリューション提案力の強化
    • デジタルマーケティングを活用した新たな顧客ニーズの取り込み
    • 新規の顧客とのビジネス拡大
  • 成長市場での事業拡大:
    • 自動車、医療、介護、ロボティクスなどの成長分野で競争力ある商材を拡充し、事業拡大に注力
    • ソフトウェア製品を拡充し、デバイス商材と組み合わせた新たなソリューションの提案
  • 海外ネットワークの拡充:
    • 50拠点を超える販売ネットワークと、米国アロー・エレクトロニクス社との提携によりあらゆる商材を世界規模で取扱うことができる優位性を最大限に活用
    • 各地域の市場動向や日系企業の進出状況を注視しながら、拠点進出や再配置を迅速かつフレキシブルに実行

システム事業の具体的な取組み

 

  • 戦略市場での商材拡充:
    • 情報通信の分野では、5G通信向けをはじめとした通信インフラ向けの商材拡充とコンサルティング力の向上により専門性を高めコネクティッドソリューションビジネスへの展開
    • 航空機・自動車向けやインダストリアルIoT分野向けの新規商材の立ち上げに注力
  • 差別化推進による競争力強化
    • 航空・自動車用シミュレーションユニットや深紫外・紫外線用LEDなどの新規商材の拡充
    • 産業機器分野では最先端製品の開発とソリューション提案で差別化を推進
    • エンジニアリング力の更なる強化で競争優位性を確保
  • グループ総合力の発揮
    • グループ間の連携を一層強化し、販売エリアの更なる拡大を目指した取り組みを推進

まとめ

専門商社を目指す就活生は、その分野の代表的な企業を深く研究することが不可欠です。各社の戦略に違いがあり、その特徴を自分の価値観や強味、就活の軸に照らして吟味して、志望動機を磨いていきましょう。

そのマッチングが曖昧だと、上位企業の選考には勝ち残れません。「商社ビジネス」への憧れや、海外志向から志望業界にするのは良いですが、志望動機と現実を意識して専門分野と企業研究に時間をかけて取り組んでください。

エレクトロニクス専門商社は売り上げ規模を大きく、日本や世界の製造業を支える重要な役割を担っています。エレクトロニクス機器メーカーや部品メーカーを志望する方は、この業界も併せて検討してみてください。そして興味が繋げた方は、ぜひ積極的にチャレンジしてみましょう。グローバルに事業を展開しており、海外を相手に「総合商社」を志望する方も、日本を代表するビジネス分野だけに、ぜひ検討してみ下さい。

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