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【就活の業界研究】:大手食品メーカー14社の現状と業績を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では食品メーカー業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

食品メーカー業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 食品業界,食品メーカーのビジネスモデルを理解しよう
  • 食品業界の現状と課題・未来
  • 食品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 食品メーカーに働く人のモチベ―ション、やりがいは何か
  • 食品メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 食品業界の構造と主要メーカー
  • 大手食品メーカー14社の概況

この記事では食品業界、食品メーカーの中で特に就活生に人気が高い大手14社の現況やその事業を取り巻く状況をまとめて解説します。就活生が、未来を食品メーカーに託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

下の目次の社名をクリックすれば、見たい企業の情報に遷移します。

売上1兆円以上の食品メーカー(グループ)からピックアップ

明治ホールディングス株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)1,191,765
経常利益(百万円)110,176
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)65,655
包括利益(百万円)85,304
従業員数(人)17,832
外、平均臨時雇用者数(人)8,369
子会社77社
関連会社11社

明治ホールディングスは純粋持株会社であり、その傘下の事業会社が具体的な事業を展開する経営形態になっています。

事業セグメントは大きく食品と医薬品に分かれており、食品は株式会社明治とその国内外のグループ企業、医薬品は Meiji Seika ファルマ株式会社とその国内外の子会社、及びKMバイオロジクス株式会社の事業という構造です。

事業セグメントとその主要製品は以下の通りです。

食品ヨーグルト、牛乳類、飲料、チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品、チョコレート、グミ、ガム、スポーツ栄養、乳幼児ミルク、流動食、美容、OTC、飼料、砂糖及び糖化穀粉等
医薬品医療用医薬品及び農薬・動物薬等

2021年3月期連結決算でのセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期 連結決算 セグメント別業績概要

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
食品999,67383.8%87,46382.1%
医薬品193,66416.2%19,10517.9%
合計1,193,338100.0%106,568100.0%
セグメント間取引調整他-1,573-507
連結合計1,191,765106,061

2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、食品セグメントでは個人消費動向が不安視され、医薬品セグメントでは医療機関受診患者数が大幅に減少していることに加えて薬価改定の影響を受けるなど、厳しい環境下での事業展開となりました。

その結果、連結会計年度の売上高は 1兆1,917億65百万円(前期比 4.9%減)、営業利益は 1,060億61百万円(同 3.3%増)、経常利益は 1,101億76百万円(同 6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は656億55百万円(同 2.5%減)と減収減益の決算になっています。(ROEは 11.1%)

明治ホールディングスの中期経営計画

明治グループでは2026年までの長期ビジョンとして、「Beyond meiji ~想像以上の明治へ~」をスローガンに掲げています。

この「2026中期経営計画」を実現するために期間を3つに分け、「2020中期経営計画」「2023中期経営計画」、「2026中期経営計画」を設定しています。

また、2021年6月1日にはグループスローガンを「健康にアイデアを」に刷新しました。

目指す企業グループ像は、「明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続ける」として、グループ内外の食と医薬の知見を融合させ、新しい価値を創造し、特に「健康」というフィールドで「meijiらしい健康価値」を提供することを標榜しています。

「meijiらしい健康価値」とは、CURE(なおす)、CARE(まもる)、SHARE(わかちあう)のサイクルでひとりの健康をみんなの笑顔につなげていき、健康であることの幸せを周囲に拡げ、社会、地球が健康である「より良い未来」に貢献していくこと、定義しています。

現在は2023年中期経営計画を実行中であり、以下の具体的な方針を打ち出しています。

  • 基本コンセプト: 明治ROESG
    • 明治ROESGはROEとESG 指標に、明治らしいサステナビリティ目標を加えた指標
  • 事業戦略:
  • 食品セグメント:
    • コア事業での成長力回復
      • ヨーグルトやプロバイオティクスは、既存商品の機能やエビデンスを強化するとともに、新たな健康価値を持った新製品を開発
      • ニュートリションでは、スポーツプロテイン「ザバス」の売上拡大と乳幼児ミルクや流動食は提供価値の拡充によるシェア拡大
      • チョコレートは、カカオの価値を生かした新たな商品開発にチャレンジ。サステナブルカカオ調達推進等
    • 海外展開の強化
      • 注力する中国エリアでの、牛乳・ヨーグルト、菓子、アイスクリームの各事業において生産能力を大幅拡大、売上成長のを加速
      • プロバイオティクスや「ザバス」の売上拡大
  • 医薬品セグメント:
    • ワクチン事業強化
    • 受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化
  • グループ全体:
    • 免疫領域での貢献:抗老化素材の事業化や免疫増強物質の創出、健康寿命延伸に向けた新たな価値提供
    • オープンイノベーションの推進:外部との連携を強化し新規事業の創出を目指す
  • 目標とする経営指標(2023年度目標値):
  • 連結売上高:1兆800億円
    • 食 品: 8,745億円
    • 医薬品: 2,090億円
  • 連結営業利益(率):1,200億円(11.1%)
    • 食 品:1,020億円(11.7%)
    • 医薬品: 185億円(8.9%)
  • ROE:11% 以上
  • 海外売上高:1,345億円

明治を志望する方は、この中期経営計画の内容を理解しておいてください。中期経営計画は今後の方向性を知る上で非常に役に立つ資料です。ぜひ参照しておいてください。

直近の新型コロナウイルス関連では、明治ホールディングスの事業子会社であるKMバイオロジクス株式会社が、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。

また事業子会社である Meiji Seika ファルマ株式会社とKMバイオロジクスは、アストラゼネカ株式会社が日本へ導入する新型コロナウイルスワクチンについて、それぞれアストラゼネカと業務委受託契約を締結しています。(2021年2月)

契約に基づきKMバイオロジクスは「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」で整備した設備を活用し、2021年3月19日よりアストラゼネカから供給された原液の製剤化(バイアル充填・包装)を開始、Meiji Seika ファルマは自らが保有するワクチン流通・供給体制を活用してアストラゼネカのワクチンの保管・配送を担当し、KMバイオロジクスが製剤化する分を含め国内に供給する予定となっています。

日本ハム株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)1,176,101
税引前当期利益(百万円)48,874
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)32,616
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円)43,202
従業員数(人)17,168
外、平均臨時雇用者数(人)12,222
子会社81社
関連会社9社

日本ハム及びグループ会社は、以下の事業を管轄する事業本部制を敷いて事業を展開しています。

各事業の内容は以下の通りです。

加工事業本部:主に国内におけるハム・ソーセージ及び加工食品の製造・販売

 

  • 製造:製造会社は日本ハム及び子会社の日本ハムファクトリー㈱、南日本ハム㈱、日本ハム食品㈱及び日本ハム惣菜㈱等
  • 販売:販売は日本ハム及び販売子会社の日本ハムマーケティング株式会社を通じて行う体制
  •  水産物・乳製品の製造販売:子会社のマリンフーズ㈱、㈱宝幸及び日本ルナ㈱等を通じて行なう体制

 

食肉事業本部:国内における食肉の生産及び販売

 

  • 生産:食肉は子会社の日本ホワイトファーム㈱、インターファーム㈱等が豚、牛及びブロイラーの生産飼育を担当、処理加工は子会社の日本フードパッカー(株)が担当する体制
  • 販売:上記に併せて海外事業本部管轄の食肉販売子会社や外部からの食肉製品を日本ハム及び販売子会社の東日本フード㈱、関東日本フード㈱、中日本フード㈱及び西日本フード㈱等を通じて販売

 

関連企画本部:

  • 子会社のマリンフーズ㈱、㈱宝幸及び日本ルナ㈱等によって構成、主に国内における水産物 及び乳製品の製造・販売

 

海外事業本部:全ての海外子会社及び海外関連会社を管轄

  •  子会社のNH Foods Australia Pty. Ltd.、Whyalla Beef Pty. Ltd.、Day-Lee Foods, Inc.及びThai Nippon Foods Co., Ltd.等が、主にハム・ソーセージ、加工食品、 食肉及び水産物の生産・製造・販売を行う体制

2021年3月期連結決算の事業部別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
加工事業本部498,07940.8%17,90830.4%
食肉事業本部611,74150.1%41,11369.8%
海外事業本部112,3489.2%-94-0.2%
合計1,222,168100.0%58,927100.0%
消去調整他-46,067-6,501
連結合計1,176,10152,426

ニッポンハムを取り巻く経営環境は、2020年4月の緊急事態宣言発令以降、内食需要の高まりと買い置き需要により、コンシューマ商品が伸長する一方で、外食需要の低迷により業務用商品が苦戦するという状況が続いています。

2021年3月期の連結会計年度(2020年度)の売上高は、対前年同期比4.4%減の1,176,101百万円、事業利益は対前年同期比19.8%増の52,426百万円という結果でした。

日本ハムの中期経営計画

ニッポンハムグループは2021年4月よりスタートした「中期経営計画2023」(2021年4月1日~2024年3月31日)の最終年度において、連結売上高1兆2,200億円、事業利益610億円、事業利益率5.0%、ROE8.0%以上、ROIC6.0%以上の目標を掲げて事業を展開しています。

*ROEとはReturn on Equityの略で、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標のひとつです。計算式は当期純利益÷自己資本×100

また、2021年4月には中期計画と併せ、ニッポンハムグループ「Vision2030」の中長期計画を策定し、2030年におけるニッポンハムグループのありたい姿を発表しています。

Vision 2030の骨子は以下の通りです。

 

ニッポンハムグループ「Vision2030」:“たんぱく質を、もっと自由に。”

  • これまでの提供価値である「安全・安心」「おいしさ」に加え、常識にとらわれない「自由」な発想で「たんぱく質」の可能性を広げることで、社会環境や人々のライフスタイルの変化に対応する多様な食シーンを創出し、毎日の幸せな食生活を支え続けたい

「5つのマテリアリティ*」

*マテリアリティとは、組織に関わる「重要課題」のこと。企業活動のパフォーマンスに大きな違いを生みだす課題、社会課題への影響度合いを評価し、優先順位をつけたものです。ニッポンハムを志望する方は覚えておいてください。

  1. たんぱく質の安定調達・供給
  2. 食の多様化と健康への対応
  3. 持続可能な地域環境への貢献
  4. 食やスポーツを通じた地域・社会との共創共栄
  5. 従業員の成長と多様性の尊重

経営方針

  1. 収益性を伴ったサステナブルな事業モデルへのシフト
  2. 海外事業における成長モデルの構築
  3. 新たな商品・サービスによる、新しい価値の提供
  4. ビジョン実現に向けたコーポレート機能の強化

またこれらを実現するために、部門横断推進戦略として、事業横断戦略、新規事業への挑戦、北海道プロジェクト(グループの拠点が多数立地する北海道において、2023年の新球場の開業に向けて本業とのシナジーを創出するとともに、地域の発展に貢献)、コーポレートコミュニケーションの強化を行うとしています。

上記は骨子だけですが、日本ハムを就活の対象にする皆さんは、中期計画及びVision2030の内容と、なぜそのような長期的な方針が立てられたのかの背景、環境変化と共にしっかり理解しておきましょう。志望動機作成のヒントになります。

味の素株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)1,071,453
事業利益(百万円)113,136
税引前当期利益(百万円)98,320
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)59,416
当期包括利益(百万円)117,762
従業員数(人)33,461
外、平均臨時雇用者数(人)9,704
連結子会社116社
持分法適用関連会社16社

味の素及びグループ会社は日本食品、海外食品、ライフサポート、ヘルスケア、その他のセグメントで事業を展開しています。

具体的な製品は調味料・加工食品、冷凍食品、 コーヒー類、加工用うま味調味料・甘味料、動物栄養、化成品、アミノ酸等です。

事業セグメントと製品及びグループ会社の関係は以下の通りです。

事業セグメント製品区分主な会社
調味料・食品調味料味の素食品㈱、味の素AGF㈱、 タイ味の素社、タイ味の素販売社、 ワンタイフーヅ社、インドネシア味の素社、インドネシア味の素販売社、アジネックス・インターナショナル社、ベトナム味の素社、フィリピン味の素社、マレーシア味の素社、ウエスト・アフリカン・シーズニング社、ブラジル味の素社、ペルー味の素社、プロマシドール・ホールディングス社
栄養・加工食品

 

ソリューション&イングリディエ ンツ欧州味の素食品社、味の素ベーカリー㈱、デリカエース㈱、ヤマキ㈱
冷凍食品冷凍食品

 

味の素冷凍食品㈱、味の素フーズ・ノースアメリカ社
ヘルスケア等

 

医薬用・食品用アミノ酸味の素ヘルシーサプライ㈱、味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社、上海味の素アミノ酸社
バイオファーマサービス味の素オムニケム社、味の素アルテア社
化成品味の素ファインテクノ㈱
その他味の素アニマル・ニュートリション・グループ㈱、味の素アニマル・ニュートリション・ヨーロッパ社、味の素アニマル・ニュートリション・シンガポール社、味の素ダイレクト㈱
その他製造受託EAファーマ㈱
油脂㈱J-オイルミルズ (上場企業)
包材フジエース社
物流F-LINE(株)
サービス他味の素エンジニアリング㈱、 ㈱味の素コミュニケーションズ、NRIシステムテクノ㈱

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
調味料・食品620,50757.9%86,79676.7%
冷凍食品198,25418.5%2,3182.0%
ヘルスケア等239,51822.4%26,26423.2%
その他13,1731.2%-2,244-2.0%
合計1,071,453100.0%113,136100.0%
調整他
連結合計1,071,453113,136

2020年度(2021年3月期)は新型コロナウイルス感染症のグローバルでの拡大に伴い、主に、調味料・食品および冷凍食品において、内食需要の伸張により家庭用製品の販売が増加した一方、ロックダウン等の影響により引き続き外食用・業務用の販売が減少しました。その結果、売上高は10,714億円(対前年△3%)となっています。

一方事業利益は化成品の大幅増収、調味料・食品や冷凍食品における家庭用製品の増収効果や製品ミックス改善効果等により1,131億円(対前年比+14%)の増益を達成しています。

味の素の中期経営計画

味の素グループは2020年に「ASV*経営の進化」を社内外に誓約するため、2030年に目指す姿として「『食と健康の課題解決企業』に生まれ変わる」ことを宣言しています。

*ASV(Ajinomoto Group Shared Value)経営:社会価値と経済価値の両立の精神、明確な融和のビジョンを基に、事業を通じて社会価値と経済価値の共創を目指す経営

味の素グループのビジョンとして、「アミノ酸の働きで、食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人々のウェルネスを共創します」と定義し、併せて、2030年までの2つのアウトカムとして「10億人の健康寿命の延伸」と「環境負荷の50%削減」を掲げました。

味の素グループのASV(Ajinomoto Group Shared Value)と呼ばれる共通の価値観は、「うま味を通じて粗食をおいしくし、 国民の栄養を改善するという創業の志を受け継ぎ、創業以 来一貫した、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する」ことが定義されています。

2020年度は2030年の目指す姿から現在を振り返って定めた「2020-2025中期経営計画」がスタートし、1年以上が経過した段階です。

中期経営計画では、資本効率の改善とオーガニック成長への回帰を掲げ、ROIC(投下資本利益率)、オーガニック成長率(非連続成長の影響を除いた売上高成長率)、重点事業売上高比率、従業員エンゲージメントスコア、単価成長率(重量単価の伸長率、海外コンシューマー製品)の5つの財務・非財務の重点KPIを公表しています。

また、計画を実現するために、1.収益に関するマネジメントでのデジタル力の推進、2.企業文化変革の推進、3.人財育成・開発と組織マネジメントの変革、4.収益に関するマネジメントポリシーの変革、5.事業戦略をつくるプロセスの変革の5つをあげています。

就活にあたっては、これらの中期計画の詳細を理解する必要はありませんが、その計画の根底に流れている大きな方向性は理解しておきましょう。

特に、企業文化の変革に関しては、創業時のような開拓者精神を取り戻すことが、味の素グループの重要な課題としています。計画達成のためには前例踏襲主義を打ち破る、創業時のような開拓者精神が求められているのです。

味の素は日本の食品企業で最もグローバル化が進んでいる企業です。就活での人気も高い難関企業ですので、企業研究で企業理念や文化、歴史はもとより、企業のDNAと2030年への方向性をしっかり理解しておきましょう。

山崎製パン株式会社

2020年12月期 連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)1,014,741
経常利益(百万円)19,734
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)6,956
包括利益(百万円)8,771
従業員数(人)29,243
外、平均臨時雇用者数(人)20,302
連結子会社51社
関連会社4社

山崎製パン及びそのグループ会社は、食品事業、流通事業、およびその他事業のセグメントで事業を展開しています。

以下は各事業を構成する具体的な製品別の事業会社を整理したチャートです。

食品事業:

パン、和菓子、洋菓子製造山崎製パン(株)、(株)イケダパン、(株)サンキムラヤ、(株)高知ヤマザキ、(株)スリーエスフーズ等
販売上記のグループ製造会社が自社業態店、量販店、コンビニエンスストアその他の販売店に販売
ベーカリー事業製造山崎製パン(株)、(株)ヴイ・ディー・エフ・サンロイヤルなどがパン用冷凍生地などの製造販売
販売(株)ヤマザキをはじめグループ各社が直営店を経営しパン、和・洋菓子の店内製造小売を担当

(株)ヴィ・ド・フランスがベーカリーカフェを多店舗展開

調理パン・米飯類製造販売 (株)サンデリカ、(株)イケダパン、(株)盛岡デリカなどグループ各社がサンドイッチ、弁当、おにぎりなどを製造販売

大徳食品(株)が麺類を製造販売

製菓製造販売ヤマザキビスケット(株)及び(株)東ハトがビスケット、スナックなどを製造販売

米菓は、(株)末広製菓及び秋田いなふく米菓(株)があられ、煎餅などを製造し、主としてヤマザキ製パンが販売

(株)不二家のよる菓子及び洋菓子の製造販売「カントリーマアム」、「ミルキー」、「ルック」などの菓子類を製造販売、洋菓子専門店のチェーン展開によるケーキ、デザートなどの洋菓子の製造販売

B-Rサーティワンアイスクリーム(株)によるアイスクリームを製造販売

持分法適用関連会社の日糧製パン(株)による、北海道におけるパン、和・洋菓子、米飯類等の製造販売

海外事業製造販売米国:ヴィ・ド・フランス・ヤマザキ,Inc. がパン用冷凍生地などのベーカリー製品を製造販売とベーカリーカフェを展開

台湾、香港、タイ、シンガポールなど東南アジアの各地で子会社の現地法人がベーカリーを経営

流通事業:

山崎製パンの流通事業はコンビニエンスストア及びスーパーマーケットの経営を指します。

流通事業経営山崎製パン(株)のデイリーヤマザキ事業統括本部のよるフランチャイズ方式によるコンビニエンスストア事業
食品スーパー事業

その他の事業:

その他事業物流(株)ヤマザキ物流及び(株)サンロジスティックス
食品製造機器(株)ヤマザキエンジニアリング
損害保険代理(株)ヤマザキ
機械・器器具洗浄剤(株)ヤマザキクリーンサービス

2020年12月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2020年12月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)
食品事業952,17893.8%18,582
流通事業49,3504.9%-3,892
その他事業13,2131.3%2,365
合計1,014,741100.0%17,055
調整他383
連結合計1,014,74117,438

2020年度はコロナ禍によって、量販店やドラッグストアを中心に食パンや食卓ロールの需要が急増した一方で、コンビニエンスストアでは、外出自粛や在宅勤務の広がりを受け、来店客数の減少により菓子パン、サンドイッチ、おにぎり等の需要が減少しています。

フレッシュベーカリー事業では、商業施設等の休業や営業時間短縮の影響もあり、経営状況は厳しさを増しています。

全般的に新型コロナウイルス感染拡大の収束の見通しが立たない中で、消費者の節約志向が強まっており、厳しい環境の中で、山崎製パンの2020年12月期の連結売上高は1兆147億41百万円(対前連結会計年度比95.6%)、連結営業利益は174億38百万円(対前連結会計年度比70.2%)、連結経常利益は197億34百万円(対前連結会計年度比71.4%)、当期純利益は69億56百万円(対前連結会計年度比50.2%)と言う結果でした。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により厳しい状況が続きコンビニエンスストアチェーンとの取引減少やフレッシュベーカリー等小売業の売上減少もあり減収減益となっています。

山崎製パンの事業を貫いている哲学

山崎製パンは創業以来の哲学、価値観が現在の経営にも色濃く反映されており、またそれを現代的なマーケティング理論、具体的にはピータードラッカーの提唱するマーケティング理論に結び付けて事業を展開しています。

それらは「個人の尊厳と自由平等の原理」、「自主独立の協力体制」、「高い倫理水準」、「良品廉価」、「顧客本位」、「製品をもって世に問う」、「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」等の創業以来のキーワードと、潜在需要に着目しイノベーション(技術革新)によって需要を創造するという、前向き積極的なピーター・ドラッカー博士の経営理論によって、経営基本方針や具合的な方針が導かれています。

山崎製パンを目指す就活生は企業の哲学を深く理解する必要があります。デイリーヤマザキというコンビニチェーンをご存知の方も多いと思います。何故、山崎製パンがコンビニ事業を行っているかも、企業の哲学を理解出来れば腑に落ちるでしょう。

売上5,000億円から1兆円までの食品メーカー(グループ)からピックアップ

マルハニチロ株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)862,585
経常利益(百万円)18,130
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)5,778
包括利益(百万円)12,923
従業員数(人)13,117
外、平均臨時雇用者数(人)12,976
連結子会社95社
関連会社54社

マルハニチロ株式会社及びそのグループ会社は以下のセグメントで事業を展開しています。

漁業・養殖事業:

  • はえ縄、まき網などの漁業、クロマ グロやカンパチなど付加価値の高い魚の養殖、海外合弁事業を柱とした水産資源の直接調達事業

 

商事事業:

  • 国内外にわたる調達・販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、畜産商事ユニット、市場流通の基幹を担う荷受ユニットで構成する事業

 

海外事業:

  • 中国・タイにおける水産物・加工食品の販売に加え、オセアニアでの基盤を強化しているアジア・オセアニアユニット、すりみ等の生産を中心とした北米商材の 日本・北米・欧州での販売を展開する北米・欧州ユニットで構成する事業

 

加工事業:

  • 家庭用冷凍食品の製造・販売を 行う家庭用冷凍食品ユニット、缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート等の製造・販売を行う家庭用加工食品ユニット、業務用商材の製造・販売を行う業務用食品ユニット及び化成品・調味料・フリーズドライ製品の製造・販売を行う化成ユニットで構成する事業

 

物流事業:

  • 冷凍品の保管及び輸配送

 

その他:

  • 飼料等の保管業、海 運業、不動産業及び毛皮・ペットフードの製造販売業等

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
漁業・養殖事業32,6293.8%-3,188-20.4%
商事事業419,65448.7%2,28914.7%
海外事業154,34317.9%5,12932.8%
加工事業226,65926.3%8,00251.2%
物流事業15,6221.8%2,14013.7%
その他13,6761.6%1,2428.0%
合計862,583100.0%15,615100.0%
調整額593
連結合計862,58516,208

2020年度はコロナ禍による在宅率の増加により、冷凍食品をはじめとする家庭用商品の販売は堅調に推移しましたが、水産物については飲食店の需要が激減し、鮮魚・養殖魚・高級商材の取扱いが振るわず、依然として予断を許さない状況が続いています。

マルハニチロの2021年3月期の連結決算では、売上高は862,585百万円(前期比4.7%減)、営業利益は16,208百万円(前期比5.1%減)、経常利益は18,130百万円(前期比8.9%減)、当期純利益は5,778百万円(前期比53.9%減)と、減収減益の結果となっています。

マルハニチロの中期経営計画

マルハニチロは2018年度から2021年度までの4ヵ年を対象とするグループ中期経営計画「Innovation toward 2021」において、2021年度(2022年3月期)に売上高1兆円、営業利益310億円、ROA(総資産経常利益率)5.7%、D/Eレシオ(負債 資本倍率)1.5倍、自己資本比率30.0%の目標を掲げて事業を展開していましたが、コロナ禍の経営環境の激変により、2022年3月期の連結売上高は8,200億円、営業利益は200億円の見通しとなっています。

マルハニチロはこの中期経営計画策定にあたり、長期経営ビジョンとして「10年後のありたい姿」を「グローバル領域で「マルハニチロ」ブランドの水産品、加工食品を生産・販売する総合食品企業」と定義しています。

「Innovation toward 2021」は長期ビジョンを実現にむけた最初の4年間という位置づけで、以下の経営戦略を実行しています。

収益力のさらなる向上:

  • 水産資源アクセスを最大限に生かしたバリューチェーンを再構築
  • 加工食品生産拠点の再編をはじめとした利益率の改善と商品開発力の強化

 

成長への取り組み:

  • 国内外における水産事業バリューチェーンへの投資
  • 冷凍食品事業への積極投資
  • 中長期的な成長領域への先行投資として、養殖事業、介護食事業、化成事業への投資

 

経営基盤の強化

  • 成長への投資を最優先としながらも、財務基盤の強化を図る
  • 運転資本の効率的な運用による財務体質強化

就活生の皆さんは「マルハニチロ」には「水産」のイメージしかないと思いますが、冷凍食品は畜産(肉系)商品や炒飯などの米飯商品、麺類、惣菜系、洋食材、農産物(野菜)やデザート(カップゼリー)商品など実に多彩な商品を展開しています。

もちろん水産がメインであることは変わりはありませんが、食品メーカーを目指すなら先入観念を捨ててマルハニチロの企業研究をすることをお勧めします。

伊藤ハム米久ホールディングス株式会社

2021年3月期 連結決算  (2020年度)

売上高(百万円)842,675
経常利益(百万円)27,000
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)20,204
包括利益(百万円)25,209
従業員数(人)8,313
外、平均臨時雇用者数(人)9,206
子会社50社
関連会社11社

伊藤ハム米久ホールディングス株式会社は2016年に伊藤ハム株式会社と米久株式会社が経営統合し、株式移転により設立された共同持株会社です。

伊藤ハム米久とグループ会社は、食肉加工品(ハム・ソーセージ、調理加工食品)及び食肉等の製造販売を主な内容として事業活動を展開しています。

事業セグメントは、加工食品事業、食肉事業、その他事業となっており、以下の企業が主になって事業をおこなう構造です。

加工食品事業:

  • 主に伊藤ハム株式会社、米久株式会社、その他子会社14社及び関連会社3社によるハム・ソーセージ、調理加工食品等の食肉加工品の製造・販売

 

食肉事業:

  • 主に伊藤ハム株式会社、米久株式会社、その他子会社31社及び関連会社8社による食肉及び調理加工食品の製造・販売

 

その他事業:

  • 子会社3社及び関連会社1社による事務代行サービス業並びに物流サービス業

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
加工食品事業307,04136.4%12,39748.1%
食肉事業531,58163.1%13,44352.2%
その他事業4,0520.5%-88-0.3%
合計842,675100.0%25,751100.0%
消去調整他-1,733
連結合計842,67524,018

伊藤ハム米久の2021年3月期の連結決算では、売上高は、前期に比べて9,774百万円減少し、842,675百万円(前期比1.1%減)となりました。

一方営業利益は、前期に比べて6,751百万円増加し、24,018百万円(前期比39.1%増)となっています。また、経常利益は、前期に比べて7,465百万円増加し、27,000百万円(前期比38.2%増)となり、当期純利益は、前期に比べて8,764百万円増加し、20,204百万円(前期比76.6%増)となって、減収増益という結果になっています。

伊藤ハム米久の中期経営計画

藤ハム米久は、2021年度より3カ年を対象期間とする「中期経営計画2023」をスタートしています。

中期経営計画では、「既成概念の打破」と「強みの再認識」による更なる成長・飛躍』を基本指針とし、「経営基盤の強化」、「収益基盤の強化」、「新規事業・市場への取り組み」、「サステナビリティへの取り組み」を主要テーマに設定しています。

具体的な課題と取り組みは以下の通りです。

  • 経営基盤の強化:効率的で競争力のある事業執行体制と組織体系を構築することで、統合効果を最大化
    • 組織再編によるグループ戦略の一体化
    • 各事業会社の制度統合
    • デジタル戦略の推進

 

  • 収益基盤の強化:コスト競争力の強化と商品・サービスの価値向上を図り、グループの市場競争力を高める
    • コスト低減に向けた取り組み
    • 商品付加価値の向上
    • 事業規模拡大

 

  • 新規事業・市場への取り組み:今後成長が見込める領域へ人材・資金等の経営資源を再配分し、グループの成長力を高める
    • 事業領域の拡大
    • 生産地域・販売市場の拡大

 

  • サステナビリティへの取り組み:社会や環境価値に対応した取り組みを進め、社会の一員として責務を果たし、グループ価値の向上と持続的な成長につなげる
    • サステナビリティ推進体制の強化
    • 社会貢献活動、労働環境整備
    • 環境に配慮した取り組み

株式会社 日清製粉グループ本社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高(百万円)679,495
経常利益(百万円)29,886
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)19,011
包括利益(百万円)49,252
従業員数(人)8,951
外、平均臨時雇用者数(人)10,258
連結子会社73社
持分法適用関連会社9社

日清製粉及び国内・海外のグループ企業の事業は「製粉」、「食品」、「中食・惣菜」の三つのセグメントに分かれています。各セグメントの主な製品は以下の通りです。

  • 製粉:小麦粉、ふすま
  • 食品:プレミックス、家庭用小麦粉、パスタ、パスタソース、冷凍食品、惣菜、 製パン用等の食品素材、生化学製品、ライフサイエンス事業、健康食品
  • 中食・惣菜:2019年7月に株式を取得し、連結子会社にしたトオカツフーズの弁当・惣菜等の調理済食品の製造販売他、ジョイアス・フーズの調理麺、イニシオフーズの惣菜製造販売、デパートの直営店舗等
  • その他事業:穀類・食品・化学製品等の生産加工設備の設計・工事の請負・監理、粉体機器の製作・販売及び粉体加工事業、メッシュクロス及び成形フィルターの製造・販売、配合飼料の製造・販売、物流事業、スポーツ施設の運営、等
    • 尚、2020年3月には、「日清ペットフード株式会社」のペットフード販売事業を譲渡し、2021年3月には生産を終了し、ペットフード事業を終了しています。

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
製粉285,79842.1%6,31723.2%
食品214,71031.6%15,35056.5%
中食・惣菜142,74721.0%1,2784.7%
その他36,2405.3%4,24015.6%
合計679,495100.0%27,187100.0%
セグメント間取引調整他9
連結合計679,49527,197

日清製粉グループの2021年3月期の連結売上高は、2019年7月に連結子会社化したトオカツフーズ株式会社の連結効果があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による国内外における業務用小麦粉等の出荷減や国内製粉事業における2020年1月の小麦粉価格の値下げ、エンジニアリング事業における設備工事の減少等により6,794億95百万円(前期比95.4%)と減収となりました。。

利益面では、米国製粉事業の業績回復、新型コロナウイルス感染症の影響による家庭用食品の販売増、医薬品原薬の販売増等による利益増があったものの、外出自粛等の影響による国内外製粉事業の販売収益悪化や中食・惣菜事業の販売低調、設備工事の減少等により、営業利益は271億97百万円(前期比94.3%)、経常利益は298億86百万円(前期比95.1%)、当期純利益は、190億11百万円(前期比84.8%)と減益となり、減収減益の決算でした。

日清製粉の長期ビジョン・中期経営計画

日清製粉では更なる複雑化・高速化が予想される社会全体の10年後、20年後の構造変化を見据え、長期ビジョン「NNI “Compass for the Future”新しいステージに向けて ~ 総合力の発揮とモデルチェンジ」を策定し、新たな取組みをスタートしています。

目指す姿を「未来に向かって、「健康」を支え「食のインフラ」を担うグローバル展開企業」とし、それは以下の3つによってなされるものと定義しています。

  1. 「安全・安心」を最優先に、多様な製品やサービスをお客様・消費者の皆様に安定的にお届けする
  2. グループ総合力」を結集したイノベーションを通じ社会に新たな価値を提供し続ける
  3. 自由な発想とボーダレスな思考に溢れた活気ある企業グループとして、新たなことに挑戦する風土を改めて醸成し、高い収益性と着実な成長性を生み出す原動力としていく

日清製粉グループではこの長期ビジョン実現のためにグループの 「総合力」を発揮する仕組みを構築するとともに「顧客志向」を改めて徹底し、「既存事業のモデルチェンジ」及 び「グループの事業ポートフォリオ強化」を柱に成長戦略を推進し、また、それを支える経営機能の一層の強化に取り組んでいます。

中期経営計画は2015年度に2020年度を最終年度とする「NNI-120Ⅱ」で、コア事業の収益基盤の再構築に注力すると同時に、買収事業を含めた自立的成長と新規戦略投資(M&A、設備投資)等の実行により、着実な利益成長を目指し、売上高7,500億円、営業利益300億円、EPS(1株当たりの当期利益80円の定量目標を掲げて事業を展開してきました。

結果的には新型コロナウイルス感染症の影響による製粉事業及び中食・惣菜事業の業績悪化、ペットフード事業の譲渡等もあり、売上高は6,794億円、営業利益は271億円、EPS(1株当たり当期純利益)は64円となって未達となっています。

日清製粉を目指す皆さんは、創業以来の社是である「信を万事の本と為す」と「時代への適合」の意味を深く理解するとともに、企業理念である「健康で豊かな生活づくりに貢献する」、コーポレートスローガンの「健康と信頼をお届けする」の意味も自分の言葉で語れるようにしておきましょう。歴史のある企業なので創業以来の理念は重要です。その上で、長期ビジョンや中期経営計画、具体的な事業戦略の内容に踏み込んだ企業研究を行ってください。

日本水産株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)656,491
経常利益(百万円)22,750
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)14,452
包括利益(百万円)20,009
従業員数(人)9,431
外、平均臨時雇用者数(人)8,437
連結子会社71社
関連会社27社

日本水産及び国内・海外(北米・南米・アジア・欧州)のグループ会社は水産事業、食品事業、ファイン事業及び物流事業を主な内容とし、さらに各事業に関連する研究及びサービス等の事業を展開しています。

  • 水産事業:水産物(鮮凍品、油脂・ミール)の漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業
  • 食品事業:冷凍食品、常温食品、その他加工品の製造販売事業およびチルド事業
  • ファイン事業:医薬原料、機能性原料、機能性商品、医薬品、診断薬の製造及び販売
  • 物流事業:冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業
  • その他:船舶の建造・修繕、運航、エンジニアリング等

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)営業利益利益構成比
水産事業262,10839.9%5,98423.6%
食品事業330,03750.3%14,00555.3%
ファイン事業26,4214.0%2,3979.5%
物流事業16,6712.5%2,2028.7%
その他21,2513.2%7342.9%
合計656,491100.0%25,324100.0%
調整額-7,245
連結合計656,49118,079

日本水産の2021年3月期は、コロナ禍による外出自粛により家庭内消費が増加したことで、家庭用食品の販売は国内・海外とも堅調に推移しました。

一方、外食・観光需要は急減し水産品・業務用食品の販売が減少、需要減により水産市況が悪化したことに加え、コンビニエンスストア向け商品の売上にも影響しました。また国内外の養殖事業は販売価格下落に加え減産もあり厳しい事業環境となりました。

その結果、売上高は6,564億91百万円(前期比335億24百万円減)、営業利益は180億79百万円(前期比47億55百万円減)、経常利益は227億50百万円(前期比30億56百万円減)、当期純利益は144億52百万円(前期比3億16百万円減)と減収減益の決算となっています。

日本水産の中期経営計画

日本水産では、中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」(2018年度~2020年度)を基に事業を展開しています。

中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」の基本骨子は以下の通りです。

基本的な考え方:

独自の技術を活かし価値を創造するメーカーを目指す

~ 持続可能な水産資源から世界の人々を健康に ~

 

主要戦略:

「MVIP+(プラス)2020」では、事業を通じた社会課題への取組の強化により、企業価値向上を目指すとしており、サステナビリティやCSR、品質の概念を基本に置いた上で、研究開発と経営基盤強化に取り組むとしています。

 

その上で、水産資源などの素材がもつ機能を活かした、健康に寄与する医薬原料や食品の拡大やライフスタイルの変化に対応した事業への構造転換、海外展開の加速などの、新しい価値をプラスしていくという戦略になっています。

 

例えば、「ライフスタイルの変化に対応した事業への構造転換」では、簡便/即食などのニーズに対応した美味しく、鮮度の良い商品を拡大すると同時に、これらの加工・生産機能の強化・再編を推進する計画となっています。

中期経営計画最終年度である2020年度(2021年3月期)は新型コロナウイルスの影響もあり、売上高・利益とも目標未達となっていますが、2021年度は重要課題を以下の内容で定め、事業を展開しています。

  • 「豊かな海を守り、持続可能な水産資源の利用と調達を推進する」
  • 「安全・安心で健康的な生活に貢献する」
  • 「社会課題に取り組む多様な人材が活躍できる企業を目指す」

日本水産も就活生の皆さんにとっては、水産・加工食品のイメージが強いと思いますが、畜産や米飯、洋食等の様々な冷凍食品やチルド食品、レトルト食品を展開しています。

まずはニッスイの商品情報サイトをチェックすると先入観も変わり、企業研究してみたくなると思います。ぜひ研究してみて下さい。

雪印メグミルク株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)615,186
経常利益(百万円)21,662
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)14,913
包括利益(百万円)23,265
従業員数(人)5,669
外、平均臨時雇用者数(人)3,438
子会社32社
関連会社14社

雪印メグミルク株式会社は2009年10月1日に日本ミルクコミュニティ(株)および雪印乳業(株)が経営統合し、両社を完全子会社とする共同持株会社として設立され、2011年4月1日に日本ミルクコミュニティ(株)および雪印乳業(株)を吸収合併して現在の経営形態になっています。

ちなみに、日本ミルクコミュニティは農協系乳業メーカーである全国農協直販(全国農業協同組合(全農)系)と、雪印乳業の市乳事業部門、ジャパンミルクネット(全国酪農業協同組合連合会(全酪連)系)の3社を経営統合して2003年に創業した会社でした。(ブランドは、メグミルク、毎日骨太、ヨーグルトナチュレ恵など)

雪印メグミルクの事業セグメントと製品及びグループ会社の関係は以下の通りです。

事業セグメント製品区分主な会社
乳製品乳製品(チーズ・バター・粉乳等)、油脂、機能性食品、粉ミルク等雪印メグミルク(株)、雪印ビーンスターク(株)、八ヶ岳乳業(株)、甲南油脂(株)、チェスコ(株)、(株)エスアイシステム、雪印オーストラリア(有)、台湾雪印(株)、三和流通産業(株)、イーエヌ大塚製薬(株)、協同乳業(株)
飲料・デザート類飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザート等雪印メグミルク(株)、八ヶ岳乳業(株)、(株)エスアイシステム、いばらく乳業(株)、みちのくミルク(株)、三和流通産業(株)、協同乳業(株)、ルナ物産(株)
飼料・種苗牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子、造園事業等雪印種苗(株)、道東飼料(株)
その他共同配送センター事業、飲食店・売店経営、不動産賃貸事業等雪印メグミルク(株)、(株)クレスコ、(株)雪印パーラー、(株)YBS、(株)エスアイシステム、ニチラク機械(株)、(株)ロイヤルファーム、(株)RFペンケル牧場、(株)RF青森牧場、三和流通産業(株)、直販配送(株)、北網運輸(株)、日本乳品貿易(株)、(株)アミノアップ化学、SBSフレック(株)

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
乳製品262,33742.6%13,67568.4%
飲料・デザート類274,48744.6%4,14320.7%
飼料・種苗43,3497.0%1,1235.6%
その他事業35,0125.7%1,0565.3%
合計615,186100.0%19,999100.0%
調整額-218
連結合計615,18619,780

雪印メグミルクグループの2021年3月期の連結売上高は、乳製品セグメントの増収等により、615,186百万円(前年同期比0.3%増)となり、営業利益は19,780百万円(前年同期比9.9%増)、当期純利益は、14,913百万円(前年同期比22.6%増)と増収増益を達成しています。

雪印メグミルクの長期ビジョン・中期計画

雪印メグミルクグループは、2017年5月に10年後に目指す姿を「グループ長期ビジョン2026」としてまとめ発表しています。

グループ長期ビジョン2026

10年後に目指す姿:「ミルク未来創造企業」と名づけ、「グループ企業理念」の実現に向けた具体的な姿として、以下の3つの未来を描いています。

  • 対消費者:乳(ミルク)の持つ無限の可能性を引き出し、「ものづくり」を通じて、世界の人々に「食の喜び」を提供。「乳(ミルク)で食の未来を創造します。」
  • 対酪農生産者:酪農生産者の良きパートナーとして、酪農・乳業の持続可能な成長へ貢献。「酪農生産者の未来に貢献します。」
  • 私たち:多様な人材が、希望と誇りを持ってそれぞれの個性と能力を最大限に発揮しながら、成長し続ける企業グループを目指す。「私たち社員の未来を拓きます。」

また「私たちの使命」として、3つの使命(「消費者重視経営の実践」「酪農生産への貢献」「乳(ミルク)にこだわる」)を果たし、ミルクの新しい価値を創造することにより、社会に貢献する企業であり続けることを標榜しています。

乳(ミルク)にこだわる、ではミルクの持つ無限の可能性を信じ、ミルクに向き合い、ミルクにこだわり続けることで、ミルクの持つ可能性を「深め」、ミルクの価値を「高め」、世界に「拡げていく」ことを示すコーポレートスローガンを「未来は、ミルクの中にある。」と定めました。

グループの長期ビジョン実現のためのコンセプトを『Transformation & Renewal 「変革」、そして更なる「進化」へ』として、事業ポートフォリオの変革、事業を支える生産体制の進化、グループ経営の推進をあげ、グループの事業領域を、「乳製品」「市乳」「ニュートリション」「飼料・種苗」の4つの事業分野に再編成を行ない、グループ企業との連携により、グループ・バリューチェーンを強化していこうという戦略になっています。

2017年度~2019年度は長期ビジョンを達成するための第1ステージ、第二ステージは2020年度~22年度であり、変革の加速、グループ経営の展開強化を行い、グループの収益基盤の確立と生産体制進化の始動を行っています。

雪印メグミルクは、長期ビジョン達成のために必要な社員の価値観として以下の3つのことをあげています。就活にも重要なので意識しておいてください。

  • 主体性:自分から動き出そう。私が実現したい未来のために。
  • チャレンジ:チャレンジを楽しもう。なりたい私の未来のために。
  • チームワーク:チカラを重ねよう。私たちみんなの未来のために。

森永乳業株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)583,550
経常利益(百万円)30,109
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)18,741
包括利益(百万円)21,240
従業員数(人)6,871
外、平均臨時雇用者数(人)2,377
子会社51社
関連会社5社

森永乳業及びグループ企業は、市乳、乳製品、アイスクリーム等の食品の製造販売を中心に、さらに飼料、プラント設備の設計施工、その他の事業活動を展開しています。

食品事業(市乳、乳製品、アイスクリーム、飲料など)製造森永乳業

委託製造:エムケーチーズ㈱、横浜乳業㈱、冨士森永乳業㈱、東 北森永乳業㈱ほか17社

販売森永乳業販売(株)ほか16社
その他事業(飼料、プラント設備の設計施工など)飼料森永酪農販売(株)
ペットフード㈱森乳サンワールド
調理パン・米飯類プラント、不動産、物流他森永エンジニアリング㈱ほか17社

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
食品559,37995.9%36,08692.1%
その他24,1704.1%3,0857.9%
合計583,550100.0%39,171100.0%
調整額-10,303
連結合計583,55028,867

2021年3月期(2020年度)は、コロナ禍における大きな需要の変化として、BtoC事業では、健康に貢献する機能性素材やヨーグルト、アイスクリーム、チーズをはじめとする家庭内需要は堅調に推移し増収とった一方、BtoB事業の外食産業、ホテル、観光業、お土産等向け業務用乳製品が大幅な需要減少となったことや天候不順等の影響を受け、連結売上高は 583,550百万円 (前年比 1.2%減)と微減収となっています。

業務用乳製品の大幅減少による売上利益の大きな減少があったものの、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、海外事業の伸長、コロナ禍におけるグループ全体でのコストの見直し等により前年を上回る結果を出しています。

海外では、世界的な健康ニーズの高まりを背景に機能性素材への需要が拡大し、事業拡大に向けた継続的な取り組みが成果として現れました。

その結果、利益面では連結営業利益 28,867百万円 (前年比 13.8%増)、連結経常利益 30,109百万円 (前年比 16.4%増)、当期純利益 18,741百万円 (前年比 0.5%増)と増益を達成しています。

森永乳業の長期ビジョン・中期計画

森永乳業では10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を制定し、10年後のありたい姿を「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」「世界で独自の 存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」と定めています。数値目標としては2029年3月期で「営業利益率7%以上」、「ROE10%以上」、「海外売上高比率15%以上」を達成することを掲げています。

この長期ビジョン実現に向けて、2020年3月期から2022年3月期までの3年間の中期計画をまとめています。

この期間を確固たる事業基盤づくりの期間と位置付け、以下の3つの基本方針を打ち出しています。

4本の事業の柱横断取り組み強化による持続的成長

 

  • 「基幹ブランドの更なる強化」、「ビフィズス 菌・独自シーズの展開加速」、「海外事業の育成」、「次世代ヘルスケア事業の基盤構築」を最重点テーマと設定、森永乳業グループの強みである素材および技術開発力を基礎とする健康栄養機能性分野における4本の事業の横断での取り組み等を強化

 

経営理念実現に向けたESGを重視した経営の実践

 

  • 次の100年に 向けて、サステナブルな社会をつくるため、そして人々の健康に貢献する企業であり続けるための指針として、「健康・栄養」「環境」「人権」「供給」「次世代育成」「人財育 成」「コーポレートガバナンス」の7つの課題ごとそれぞれに目標とする指標(KPI)を設定し取組を強化

 

企業活動の根幹を支える 経営基盤の更なる強化

 

  • ローコストオ ペレーションの推進
  • グループ全体の生産拠点再編
  • 所有する不動産資産の効率化と価値の最大化
  • コーポレートブランドの強化
  • 人財育成、研究開発を通じた社会への貢献
  • 安心を提供する品質保証体制の一層の強化

森永乳業を志望する方は、「森永乳業グループ10年ビジョン」やそれに基づいた中期経営計画を理解して、志望動機作成の参考にしてください。

株式会社 ニチレイ

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)572,757
営業利益(百万円)32,949
経常利益(百万円)33,532
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)21,212
包括利益(百万円)25,609
従業員数(人)15,383
外、平均臨時雇用者数(人)2,708
連結子会社73社
持分法適用関連会社16社

ニチレイ及び国内・海外のグループ会社は、加工食品事業、水産事業、畜産事業、低温物流事業、不動産事業及びその他の事業並びにこれらに付帯する業務を展開しています。

各事業セグメントと主要製品の関係は以下の通りです。

加工食品調理冷凍食品(チキン・食肉加工品、米飯類、コロッケ類、中華惣菜、自動販売機用製品、水産フライなど)・農産加工品・レトルト食品・ウェルネス食品・アセロラ・包装氷の製造・加工・販売
水産えび、たこ、さけ・ます、かに、貝類、魚卵類などの水産品、水産素材加工品の加工・販売
畜産畜産品(鶏肉、牛肉、豚肉、畜産素材加工品・パック品)の加工・販売、肉用鶏の飼育・販売
低温物流輸配送サービス・配送センター機能の提供、物流コンサルティング、保管サービスの提供、凍氷の製造・販売、建築工事・設計
不動産オフィスビル・駐車場の賃貸、不動産の管理、宅地の分譲
その他の事業診断薬・化粧品原料等の製造・売買、人事給与関連業務サービス、緑化管理・清掃関連サービス、加工食品の製造販売、情報システムサービス、食品の分析・評価、研究開発

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
加工食品225,18039.3%17,16750.8%
水産62,98711.0%5211.5%
畜産81,68514.3%1,2983.8%
低温物流195,72334.2%13,08438.8%
不動産3,0770.5%2,0176.0%
その他4,1030.7%-325-1.0%
合計572,757100.0%33,764100.0%
調整額-814
連結合計572,75732,949

食品関連業界では、コロナ禍で外出自粛により外食需要が低迷する一方、巣ごもり消費による内食・中食需要が高まるなど、食生活のスタイルに大きな変化が生じています。

2021年3月期(2020年度)のニチレイグループ全体の連結売上高は、外食向け販売の減少などにより、5,727億57百万円(前期比2.1%の減収)となっています。

一方利益面では、経費抑制や業務効率化に加え、低温物流事業が伸長したことで、営業利益は329億49百万円(前期比6.2%の増益)となり、経常利益は335億32百万円(前期比5.5%の増益)、当期純利益は212億12百万円(前期比8.2%の増益)となり、減収増益の結果でした。

ニチレイの中期経営計画

ニチレイグループは、2019年度から2021年度の3年間を対象とするグループ中期経営計画「WeWill 2021」を策定し、それを基に事業を展開しています。

この中期経営計画の基本方針は以下の通りです。

  • 国内では経営基盤の強化や事業構造の変革により収益力の向上
  • 海外では事業規模拡大を加速
  • 中長期を見据えた新規事業開発・研究開発・業務革新の取組みを強化
  • 事業を通じて社会課題を解決し持続可能な社会の実現に貢献
  • 働き方改革や多様な人材の活躍推進に注力

中期経営計画の策定時の数値目標では2021年3月期に、売上高6,570億円(うち海外売上高1,022億円)、営業利益350億円、純利益220億円、EBITDA(営業利益+減価償却費用)576億円、3ヵ年累計の設備投資額1,088億円の達成を掲げていました。

計画最終年度にあたる2021年度は、コロナ禍の影響継続に加え、原材料費や労働力不足に伴う人件費や物流費などのコスト上昇の影響もあり、厳しい事業環境となることが想定されるため、連結業績は、売上高6,000億円、営業利益350億円を目指すとしています。

この中期計画ではセグメント別の事業計画も示されていますので、ニチレイを目指す方は加工食品事業と低温物流事業の具体的な強みに加えて、中期計画の事業計画までしっかり把握しておくことをお勧めします。

キユーピー株式会社

2020年11月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)531,103
経常利益(百万円)28,989
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)11,378
包括利益(百万円)13,879
従業員数(人)16,003
外、平均臨時雇用者数(人)9,268
連結子会社77社
関連会社6社
関係会社1社

キユーピー及びそのグループ企業は以下のセグメントで事業を展開しています。セグメントと主な取扱商品・サービスと事業会社の関係をチャートにまとめましたので、参考にしてください。

事業セグメント主 な 取 扱 商 品・サービ ス主要会社
調味料マヨネーズ・ドレッシング類キユーピー株式会社、Q&B FOODS,INC.、株式会社ディスペンパックジャパン、杭州丘比食品有限公司、株式会社ケイパック

北京丘比食品有限公司、KEWPIE(THAILAND)CO.,LTD.

調理食品等コープ食品株式会社
食酢等キユーピー醸造株式会社
タマゴ液卵、凍結卵、乾燥卵キユーピー株式会社

キユーピータマゴ株式会社

サラダ・惣菜サラダ・惣菜等キユーピー株式会社

デリア食品株式会社

株式会社旬菜デリ

株式会社ポテトデリカ

パッケージサラダ株式会社サラダクラブ
フルーツ ソリューションジャム類、フルーツ加工品等アヲハタ株式会社
ファインケミカルヒアルロン酸等キユーピー株式会社

株式会社トウ・キユーピー

物流システム食品の運送、保管等株式会社キユーソー流通システム

キユーソーティス株式会社

食品の運送等株式会社エスワイプロモーション
食品の運送や保管に関する車両・物流機器・燃料等の販売キユーソーサービス株式会社
共通食品製造機械の販売株式会社芝製作所、他

2020年11月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2020年11月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
市販用168,03131.6%15,82445.9%
業務用145,03527.3%7,78722.6%
海外47,1638.9%4,94714.4%
フルーツソリューション16,4733.1%5611.6%
ファインケミカル7,9421.5%1,1563.4%
物流140,42326.4%2,8378.2%
共通6,0341.1%1,3293.9%
合計531,103100.0%34,444100.0%
調整額-6,141
連結合計531,10328,303

2020年11月期は、コロナ禍による外出自粛や営業時間短縮の要請などにより外食需要が低迷する一方で、巣ごもり消費による内食へのシフトやデリバリー・テイクアウト需要の高まりなど食の消費行動で大きな変化が生じました。

食品物流業界においても、緊急事態宣言を受け外食需要が大きく減退したことに加え、内食需要の急激な高まりにより、商品配送に関わる調整や人手の確保が取りづらい状況が続きました。

2020年11月期の連結売上高は国内・海外ともに内食需要の高まりにより家庭用商品は伸張しましたが、業務用商品の販売数量減少により、5,311億3百万円と前年同期に比べ△146億20百万円(△2.7%)の減収となっています。

利益面では、営業利益は283億3百万円と前年同期に比べ△37億45百万円(△11.7%)、経常利益は289億89百万円と前年同期に比べ△42億86百万円(△12.9%)、当期純利益は113億78百万円と前年同期に比べ△73億20百万円(△39.1%)の減益となり、減収減益の決算となっています。

キユーピーの中長期戦略

キユーピーグループは2019年に創業100周年を迎えました。その節目として次の100年に向けて成長を続けていくために、グループの長期ビジョンとして「キユーピーグループ2030ビジョン」をまとめています。

長期ビジョンでは2030年にどうありたいかを、世界、お客様、社会の3つの視点でまとめています。

世界に対する視点では『私たちは「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって世界の食と健康に貢献するグループをめざします』として、100年の歴史の中で培ってきた調味料・サラダ・タマゴのメニューや技術を活かして、それぞれの国に合った豊かで健康的な食文化を育み、食卓を楽しくしていくキユーピーグループの想いを世界へ展開していくというコンセプトです。

お客様の視点は一人ひとりの食のパートナー(食品メーカーから食生活メーカーへ)、社会の視点では子供のおいしい笑顔のサポーター(未来を創る子供たちに向き合う集団へ)という企業の姿を描いています。

このビジョンは就活時にキユーピーという企業を理解する上でとても重要なものです。しっかり内容を理解して就活に臨んでください。

中期経営計画

キユーピーでは具体策として2019年度から2021年度の3年間を対象とする中期経営計画を策定していましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は食生活に関する環境を大きく変え、新たな生活様式を生みました。家で過ごす時間が増えたことで家庭での調理が見直されるようになり、買い物の回数・時間の減少による容量や日持ち、予防や免疫などの衛生・健康面のニーズでも変化が起こっています。

このような大きな環境変化の中、現状の事業構造では持続的な成長を実現するのは困難であると判断し、2019-2021年度中期経営計画を2年間で終了し、新たに2021年11月期から4年間を対象とする2021-2024年度中期経営計画を発表しています。

この新たな計画では、お客様や市場の多様化に対応し、「持続的成長を実現する体質への転換」をテーマに「利益体質の強化と新たな食生活創造」、「社会・地球環境への取り組みを強化」、「多様な人材が活躍できる仕組みづくり」の3つの経営方針を定めています。これを支える仕組みとして、これまでの事業担当制から市場担当制へ移行することで、市場の多様なニーズに対してグループ全体で迅速に対応していく計画となっています。

中期経営計画は企業の「今」の課題を明確に示しているものなので、キユーピーを目指す方はこちらの内容も深く理解しておくことをお勧めします。ちなみに基本的なことですがキユーピーはキューピーではなくキユーピーです。くれぐれも間違わないように!

日清食品ホールディングス株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高(百万円)506,107
税引前利益(j百万円)56,233
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)40,828
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円)66,894
従業員数(人)14,467
外、平均臨時雇用者数(人)6,658
子会社65社
持分法適用関連会社3社

国内8事業会社(日清食品、明星食品、日清食品チルド、日清食品冷凍、日清シスコ、日清ヨーク他2社)、海外4地域(米州、中国、アジア地域、欧州地域)を戦略プラットフォームとして即席めん事業を中心に展開しています。

決算上の報告セグメントを「日清食品」、「明星食品」、「低温事業」、「菓子・飲料事業」、「米州地域」「中国地域」として、その他事業を加えてカタチになっています。

「日清食品」「明星食品」「米州地域」「中国地域」は主として即席袋めん及びカップめんを製造販売し、「低温事業」はチルド製品及び冷凍製品、「菓子・飲 料事業」は菓子製品及び飲料製品を製造販売する事業構成になっています。

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
日清食品205,62440.6%32,19656.1%
明星食品37,5517.4%3,1835.5%
低温事業61,86912.2%2,8905.0%
菓子・飲料事業56,91811.2%3,3375.8%
米州地域70,87314.0%4,0477.1%
中国地域48,1779.5%5,76310.0%
その他25,0925.0%5,95810.4%
合計506,107100.0%57,377100.0%
調整額-1,845
連結合計506,10755,532

2020年の即席めん業界は、コロナ禍での巣ごもり需要の増加により、各地域で販売が増加し世界総需要は1,100億食を超え、国内総需要も増加し、過去最高となりました。

日清食品グループの2021年3月期(2020年度)の連結売上収益は前期比7.9%増の5,061億7百万円、利益面では、営業利益は前期比34.6%増の555億32百万円、税引前利益は前期比31.8%増の562億33百万円、当期利益は前期比39.3%増の408億28百万円となり、増収増益を達成しています。

日清食品グループの経営戦略

日清食品グループは、創業者が掲げた「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」の4つの精神をもと に、世の中のために食を創造することを追求し、日々、CreativeでUniqueな仕事に取り組み、Globalな領域で、 「食」を通じて世界の人々にHappyを提供することで、グループ理念である「EARTH FOOD CREATOR」の体現を目指すとしています。

また、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディング・コーポレーション」を目指す企業の姿としています。

現在は2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定し、ビジョンの実現と持続的成長に向け、「人においしい」、「社会においしい」、「地球においしい」という3つの成長戦略テーマを設定して事業を展開しています。

具体的には以下の課題に定量目標を設けて取り組む計画となっています。

 

  • 既存事業のキャッシュ創出力強化:
    • 海外+日即席めん事業のアグレッシブな成長により利益ポートフォリオを大きくシフトさせながら持続的成長を追求
  • 新規事業の推進:
    • フードサイエンスとの共創による「未来の食」
    • テクノロジーによる職と健康のソリューション企業へ
  • EARTH FOOD CHALLENGE:
    • 有限資源有効活用と気候変動インパクト軽減へのチャレンジ

日清食品グループを目指す就活生の皆さんは、創業の理念を深く理解することは当然として、現在進められている中期経営計画の内容やグローバル展開、ブランド戦略の理解もあわせて、しっかり企業研究をすすめていきましょう。

特に「健康」や「環境」という視点での事業展開や、「海外」戦略は未来への持続的な成長に必要なキードライバーです。就活は中長期の視点で考え、志望動機を固めていくことが重要です。

生活に密着した誰もが知っている人気企業のため、就活のハードルはとても高いですが是非チャレンジしてください。

売4,000億円以上の食品メーカーからピックアップ

キッコーマン株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高(百万円)439,411
事業利益(百万円)42,650
税引前利益(百万円)43,194
親会社株主に帰属する当期利益(百万円)31,159
親会社株主に帰属する当期包括利益(百万円)43,919
従業員数(人)7,645
外、平均臨時雇用者数(人)646
子会社60社
関連会社2社

キッコーマン及び国内・海外のグループ会社は以下の事業セグメントで事業を展開しています。

事業セグメント主な事業内容主な会社
国内 食品製造・販売しょうゆ:国内におけるしょうゆの製造・販売キッコーマン食品㈱ 北海道キッコーマン㈱ ヒゲタ醤油㈱
食品:つゆ・たれ等しょうゆ関連調味料、 デルモンテトマト加工品・缶詰、 業務用食材の製造・販売日本デルモンテ㈱、キッコーマンフードテック㈱、埼玉キッコーマン㈱、宝醤油㈱、日本デルモンテアグリ㈱
飲料:野菜果実飲料、豆乳飲料等の製造・ 販売キッコーマン飲料㈱ キッコーマンソイフーズ㈱
酒類:みりん、ワイン等の製造・販売マンズワイン㈱ 流山キッコーマン㈱ テラヴェール㈱ 他1社
国内 その他医薬品、化成品、不動産賃貸、物 流、間接業務の提供キッコーマンビジネスサービス㈱、キッコーマンバイオケミファ㈱、総武物流㈱ ㈱総武サービスセンター ㈱、紀文フレッシュシステム
海外 食品製造・販売しょうゆ:海外におけるしょうゆの製造・販売KIKKOMAN FOODS, INC. KIKKOMAN SALES USA, INC. KIKKOMAN FOODS EUROPE B.V. 他11社
デルモンテ:デルモンテトマト加工品・缶詰の製 造・販売DEL MONTE ASIA PTE LTD 他3社
その他食品:健康食品の製造・販売COUNTRY LIFE, LLC他4社
海外 食料品卸売東洋食品等の仕入・販売JFCジャパン㈱他20社

2021年3月期連結決算のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名セグメント別売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
国内 食料品製造・販売145,31933.1%11,63126.1%
国内 その他7,5411.7%1,9154.3%
海外 食料品製造・ 販売88,68120.2%20,41645.9%
海外 食料品卸売197,86945.0%10,55623.7%
合計439,411100.0%44,519100.0%
調整額-1,869
連結合計439,41142,650

2021年3月期(2020年度)のキッコーマングループの連結売上収益は4,394億1千1百万円(前期比100.0%)、事業利益は426億5千万円(前期比112.1%)、営業利益は416億7千2百万円(前期比119.4%)、税引前利益は431億9千4百万円(前期比114.2%)、当期利益は311億5千9百万円(前期比116.1%)となり、増益を達成しています。

キッコーマングループの中長期経営戦略

キッコーマングループでは、グループの将来ビジョン「グローバルビジョン2030」を策定し、2030年に向けて、キッコーマングループが「新しい価値創造への挑戦」を行うための、「目指す姿」と「2030年への挑戦」を以下の様に定めています。

目指す姿:

  • キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする
  • 世界中で新しいおいしさを創造し、より豊かで健康的な食生活に貢献する
  • キッコーマンらしい活動を通じて、地球社会における存在意義をさらに高めていく

 

2020年への挑戦:

1.No.1バリューの提供

  • グローバルNo.1戦略
  • エリアNo.1戦略
  • 新たな事業の創出

 

2.経営資源の活用

  • 発酵・醸造技術
  • 人材・情報・キャッシュ・フロー

キッコーマンでは2018年度を初年度とし、2020年度を最終年度とする中期計画の重点課題を収益力強化と成長継続として、高付加価値化の推進、生産性の向上、新たな柱の構築において事業を展開してきました。

中期計画の連結業績目標は売上高5,000億円、営業利益450億円、営業利益率9%、ROE10%でしたが、新型コロナウイルスの世界的な蔓延等もあり、定量目標は未達と言う結果になっています。

キッコーマンを就活の対象にする方は、「消費者本位」、食文化の国際交流、地球社会にとって存在意義のある企業を目指すという経営理念から、「食と健康」に関わる商品とサービスの提供 をグローバルに展開している姿、そして「グローバルビジョン2030」の内容を深く理解しておきましょう。

国内は人口減少と少子高齢化で今後大きな成長は期待できません。守る市場であることはもちろんですが、成長の芽は海外にあることは間違いありません。

それは「キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする」というビジョンの一番目に明確に示されています。

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