新型コロナウイルスの影響による全世界的な景況の悪化や、企業の業績悪化の発表が相次ぎ、就活生の間で、内定や内々定の取り消しへの不安感が広まっています。
この記事では、内定、内々定を取り消された時の対処法について解説します。
Contents
内定・内々定の違いと法的拘束力
内定・内々定の違いと法的拘束力ポイントは以下の通りです。
主な違い | 法的拘束力 | |
内々定 | ある段階(例:10月1日以降)に正式な労働契約*を結ぶことを約束**している状態 | なし |
内定 | 正式な労働契約*が成立 | あり |
*「始期付・解約権留保付労働契約」
**口頭での約束、メールやSNS上でのやり取りによる内示
内定・内々定の違いに関しては以下の記事で詳しく解説しています。より詳しく知りた人は以下の記事を参照してください。
内々定状態は不安定
内定はともかく、内々定状態は、企業側、就活生側双方とも非常に不安定な状態と言えます。
企業側から就活生に「採用したい」旨を連絡し、学生が即座に拒否しなければ内々定状態という期間が一定程度つくられることになります。
企業側は「内々定」を出す理由は少し複雑です。
企業が「あなたは当社の採用基準を満たしたため、採用したい」という意思表示をした上で、学生の反応や意識を判断して、本当に採用を見込めるかの判断をしたいということもあるのです。
就活生の側から考えると、複数内定を獲得している学生も多数あり、できる限り自分が納得できる企業に入社したいと考えているのが実情でしょう。
このような双方が不安定な状態のため、お互いに「内定」のような労働契約上の法的拘束力がないのです。
学生側が内々定を取り消す理由
学生側から内々定を取り消すのは、大きく3つのパターンに分かれます。
- 内々定を出してくれた企業には入社したくない場合(面接慣れをするための志望目的、とりあえず1社は内定を確保しておきたいと考え志望した場合
- 就活中に就活の軸や就職に対する考えが変わった場合
- 志望意欲が高い他社の内定を獲得していたり、かなりの確率で他社の内定獲得が見込める状況にある場合
この場合は自分の問題なので、内定を出してくれた企業に対し、なるべく早く誠意をもって「内定辞退」の連絡をすればよいので、学生側が感じる不安としては「企業側から怒られたり、嫌みを言われるのが嫌だ」という程度なので、さほど問題はないでしょう。
ただし、教授推薦や体育会OB/OG推薦ルートで内々定を獲得した場合は別の問題になるため、「内定辞退」は安易にできないと考えてください。どうしてもという場合は、「内定辞退」する前に必ず推薦者に相談することです。
企業側が内々定を取り消す理由
企業側は法的拘束力がないため、内々定を取り消すことはできますが、学生が取り消すほど簡単ではありません。
内々定を企業側が取り消す場合「契約を結ぶ過程での信義違反による不法行為」として学生側に慰謝料が認められた判例(福岡高裁判決)もあります。
また大手企業の場合、マスコミが報道したり、SNSで拡散されると企業イメージが傷つくことにもなるため、安易に取り消すことはありません。
中小企業やベンチャー企業の場合は大企業ほど気にしていない場合もあるので注意は必要ですが、それでも基本的に学生側に落ち度がないと取り消しはし難いのです。
企業が「内々定取り消し」をする理由
企業が「内々定取り消し」をする理由は企業側の業績悪化と学生側の落ち度・止むを得ない理由に大別できます。
企業側の業績悪化・業績不振:
- 金融経済危機(リーマンショック等)、自然災害(東日本大震災等)、予見不能且つ大規模な悪影響(新型コロナウイルス感染症、戦争等の影響)や自社の不祥事発覚等で顕著な業績悪化・不振が発生した場合などで、内々定を取り消すことが客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認できる場合
学生側の落ち度・止むを得ない理由がある場合:
- 内定者の単位取得不足などで学校を卒業できないことが明らかな場合
- 内定者が病気やケガ、妊娠などの健康上の理由で働けない状態になってしまった場合
- 内定者が違法行為・犯罪行為をした場合
- 素行不良・誹謗中傷行為・迷惑行為・差別発言が明らかになった場合
- 履歴や経歴虚偽や詐称が発覚した場合
- 必要な書類が未提出であり、連絡・催促しても未提出状態が続いている場合
- 企業が求めた期日までに入社の意思確認ができない場合
企業側が学生側が上記のどれかに該当すると判断した場合は、内々定を取り消すことが社会通念上是認されると考えてください。
特に内々定を獲得したからといって、生活習慣を緩めすぎたり、無茶をしたりすると思わぬトラブルを引き起こしたり、巻き込まれたりすることがあるので注意してください。
企業は内々定者のSNSをフォローし、投稿内容や発言もチェックしていると考えて下さい。
内定・内々手を取り消された場合の対処の仕方
企業から内定取り消しを受けた場合は、合意した労働契約を企業側が破棄することになるので損害賠償の対象になります。
その通知を受けた場合は、まず大学のキャリアセンターに連絡をする、労働局の労働相談コーナー(各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内などの380か所)に相談する、もしくは弁護士(法テラス等)に連絡・相談してプロのアドバイスに従ってください。
不幸にも一時的にそのような状態になったとしても、悲観する必要はありません。
あなたを必要としてくれる企業は沢山あります。むしろ「内定を取り消すような企業」に入らないことのほうが、将来への展望が開けると思って就活に戻りましょう。
内々定の取り消しに対する対処法
あなたの側に全くの落ち度や止むを得ない理由が思い当たらず、企業側の理由で「内々定」を取り消された場合でもやることは同じです。
しかし内々定は内定と違って労働契約が成立していない状態であるため、内定取り消しのように損害賠償を求めることはできません。
信義違反の不法行為として慰謝料を請求できる可能性はありますが、そのためには「証拠」、「記録」を残しておく必要があります。
内定の場合は「内定承諾書」の署名のコピーや、「内定通知書」という書面で「内定状態」の証明できますが、内々定の場合は公式な書類が発行されていないケースがほとんどです。
最悪は口頭で、内定する旨の連絡であったり、よくてもメールやLINEでのやりとりであったりという状況です。
内々定の連絡を受けた学生は、内定通知書もしくは類似の書類の発行を要求してください。要求する際は、要求の仕方があまり高圧的にならないように、トーン&マナーに注意を払ってください。
それでも公式の書類を出さない企業は多いです。企業は企業で、「ボーダーラインすれすれの学生で、採用予定数より少し多めで内々定を出した学生」に関しては、正式内定と認定され、法的拘束力(損害賠償請求)が発生しないようなリスクヘッをそしておきたいと考えるためです。
従って、口頭(電話含む)で内々定を告げられた場合は、かならず相手に連絡内容と意思表示を明記したメールを必ず相手に送っておきましょう。返信がなくても送っておいてメールサーバーに記録を残すことが重要です。
企業とのメールのやり取り、SNS上でのやり取りは削除せず保存しておきましょう。SNS上の相手の重要なメッセージは画面の記録(スクリーンショットや魚拓)をとって保存しておきましょう。
内々定取り消しには、切り替えが大事
内々定状態は企業、学生側双方が不安定な状態なので、学生側からは容易に内々定の辞退が可能です。
そのことを冷静に考えれば、企業側が内々定の取り消しをしたとしても、企業側には内定を取り消すほどの罪の意識はないとも言えます。
もちろん学生が自分の側に非がないと考えれば、「怒り心頭。いままで使用した時間を返して欲しい」と思うでしょう。しかしその場合でも慰謝料請求をするために多くの時間と労力を使用するよりは、切り替えていくことをおすすめします。
その時点で複数内定を持っていれば、むしろ悩まずに済んでラッキーと思いましょう。企業側から内々定を取り消すということは、あなたを「それほど良く評価していない」という証拠です。
そんな企業より、「あなたをちゃんと評価してくれる企業」を選んだほうが、結果的に充実した仕事ができると思いましょう。
もし、内定をもっていない場合は、選考中の企業に集中しましょう。また持ち駒がなくなって選考中の企業がない、もしくは少なくなっている場合は、自己分析や今までの就活をもう一度掘り下げ、業界や企業の視野を広げてみましょう。自分の就活の軸にはまる業界や企業を再発見できるかもしれません。
またキャリアプランを中長期で考えてみて、ファーストキャリア、セカンドキャリアをふくめて自分のやりたいことを実現できる道(業界・企業)を広げる方法もあるのです。
取り消された内々定が元にもどることはありません。そんな企業にこだわって時間を使うより、切り替えていきましょう。
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