「就活の答え」では就活生が特に気になる人気企業を選んで、書類選考を突破するための企業別志望動機の作成方法を解説します。この記事では花王への志望動機の例文をあげ、その作成方法を解説しています。
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では早速、例文をみてみましょう。
Table of Contents
花王への志望動機(例文):技術系 研究職
就職活動に際し、あなたの企業選びのポイントを教えてください。
私の企業選びのポイントは以下の5つである。1:自社で基礎研究部門を持ち、基礎研究の価値を重視していること、2:自分の研究分野が活かせること、未知の分野への挑戦の道が開かれていること、3:優秀な研究者、技術者達と協働して成果を生む体制があること、4:研究開発テーマが社会や多くの人々の生活の向上に貢献し、役に立っている実感が得られること、5:働くことが幸せと感じられる企業であること、を基準としている。(200文字)
花王を志望する理由をご記入ください。
私は自分の研究や、携わった技術開発が、世界に存在しない新しいベネフィットを生みだし、社会や人の役に立つことを就職活動の軸にしている。貴社は常に基礎研究に注力し、商品開発部門、生産技術部門、マーケティング部門が有機的に連携し、画期的な新製品を数多く生んでいるところが他社にない強みと考える。個の研究に対するモチベーションとエキスパート集団の力を集約して製品化できるフィールドは非常に魅力的であり、「やりがい」を感じる。製品開発と並行して自由に研究に取り組める風土があることも大きな魅力である。貴社の事業は日本市場のみならず、グローバルに展開されているため、自分が開発に携わった新技術や新製品が世界をより良く変えていくこともできる。生活者が手に取るBtoC製品はもとより、BtoB分野や地球環境への取り組みにも興味があり、「技術の花王」を代表する人材として成長し、貴社の事業を通じて社会に貢献したいと考えている。(398文字)
入社後のキャリアについて、思い描くことをご記入ください。
入社後は自分が専攻する、有機合成化学を活かせる技術分野からキャリアをスタートできればと考える。基礎技術研究と並行し商品開発にコミットすることで幅広い事業分野のニーズや課題の解決に貢献したい。そして多くの人々から自分にない視点や知見を吸収し、また自分も他者に影響を与えられる技術者として成長していきたい。将来的には開発チームをリードする人材として、グローバル市場で戦える商品を創出たいと考えている。(198文字)
企業別志望動機を書き始める前の注意点
志望動機を書き始める前に、絶対に注意しておくべきポイントをあげておきます。
- 自分起点、事実起点で、具体的に、ポジティブに書くこと
- 志望動機を構成する要素(下記参照)はあらかじめ全て考え、揃えて、文章にまとめておくこと
- 志望動機単独で書かない事。ES全体の回答要求項目を精査して、そのバランスの中で何をどの質問に対してメインの要素として書いていくかを決めてから書くこと
- ES全体の質問の回答要求項目に対し、文字数制限やスペース制限に従って結論ファーストでドラフトをつくる
- ドラフトが完成したら、その上で面接の質問やつっこみ、会話のつかみを想定して志望動機の論理の一貫性が保たれているか、面接のつっこみ質問に耐えられるかを想定し、推敲、改善すること
- 完成したら信頼のおける友人や近親者に読んでもらい第三者のアドバイスをもらうこと。リクルーターにコンタクトできる場合は、見てもらえるかを相談してみること
- PC上で文字数制限内(少なくとも80%以上)で書き上げ、誤字・脱字をチェックし、手書きの場合はできるかぎり丁寧に、読みやすく清書すること
従ってES解禁前の準備段階では、本サイトや他の信頼のおける就活サイトで志望企業の過去のES(直近年度及びその前)のES内容を把握しておきましょう。
稀に企業の独自の考え方でESに「志望動機」を求めない会社も存在します。その場合でも志望動機は面接時に質問されると考え、以下に解説するロジックに従って作成しておいて下さい。
志望動機の作り方
志望動機の作り方のフローは「志望動機に、あなただけの説得力を増す方法」で詳しく解説しています。作成したことがない方は参照してください。
「就活の答え」では、学生に人気のある50の業界・業種別に志望動機の書き方を解説しています。これらの記事も実践的に具体的な企業名をあげ、過去のESの設問に従って50社の志望動機の作り方を解説しています。以下の記事も是非参考にして下さい。
この記事では、自己分析や企業研究を既に行い志望企業が定まった方が、具体的な企業を例に、どのように志望動機を書くべきかを解説します。
志望動機のロジック
「就活の答え」では、以下のチャートでの志望動機のロジックを推奨しています。「本当のあなた」の価値観から積み上げていくロジックです。
正攻法ですが、ESや面接における他の重要視される質問、例えば花王の技術職のESでは、以下のような設問に対し、回答するパターンになっています。
- 専門分野、習得したスキル(実験操作、機器、手法)
- どのように研究に取り組んだか。そこから得たこと、苦労したこと
- 学業や研究以外の活動で、学生時代に力を注いだこと
- 大学生活を通じて、ご自身が人間的に成長したと思うことがら
- 自身が自覚している性格の強みと弱み
- 心がけている事柄、自己啓発として取り組んでいる事柄
- 困難に直面したとき、どのように行動するか
- あなたにとって”働く”とはどのようなことか
- 花王においてご自身の個性や経験、専門性・習得技術などを通じて、どのような研究者になりたいか。
- 花王で取り組みたい研究技術開発の内容、または関心のある分野
また面接では定番の「学部・学科の専攻の理由」や「周囲の人を巻き込んで行った経験と成果」、「あなたがこれまで挫折や困難を乗り越えた経験」等々を答えなければならないため、自分の性格や価値観に紐づいた経験や事実、そこから見出されるあなたの強みと企業選択の理由を結び付けることは非常に重要なエクササイズなのです。
チャートで示したロジックの一貫性が「就活の軸」です。この軸の説得力があることがESや面接での戦闘力になります。
一部の学生は報酬や福利厚生の良さ、世間体、誰もが知っている大企業、人気企業、上場企業や格好よさげな業界や企業群から企業を選び、赤枠で囲った企業選択理由(志望動機)を考え、後付けでその下の構造を作っていく人もいます。そのやり方自体は理解できますが、お勧めはできません。
そのやり方は時間をセーブできるかもしれませんが、まともな企業であれば一部のハイパー学生(学歴も実績、能力が志望企業の水準に比べてずば抜けて高い学生)しか通用しないでしょう。
あとは人手不足でどんな学生でも欲しい企業、ブラック企業、ブラックでなくても早期離職が当たり前の厳しい業界や企業であれば内定は取れるでしょう。しかしそれは皆さんが望んでいることではないはずです。
人事担当や面接官はその企業で評価されている人達です。企業研究の深さや動機の強さ、弱さ、適性はすぐに分かってしまいます。
また花王のようなBtoC製品を扱う企業の場合、安全・安心は絶対的な価値です。
製品の使用により、肌や健康に問題が個人の特異性以上の頻度で起こった場合や、単純な製品の不具合などでも企業やブランドの価値を大きく傷つけることになります。そのためコンプライアンスは厳しく、選考過程で「嘘」や「ごまかし」、「不誠実さ」が感じられればなおさら選考を通過させません。
花王への志望動機(例文)の解説:技術系 研究職
それでは上記のロジックで積み上げた、花王への志望動機を再度例示しておきます。
花王のESは設問も多く、回答も詳細に書き込むことを要求しています。この年のESではどの質問も花王への志望の本気度と適正をチェックする設定になっていますが、志望動機に直接関連した質問は以下の3問に分かれています。
それでは1問毎に例文の要素を分解し、論旨のフローをみていきましょう。
再掲: 就職活動に際し、あなたの企業選びのポイントを教えてください。
私の企業選びのポイントは以下の5つである。1:自社で基礎研究部門を持ち、基礎研究の価値を重視していること、2:自分の研究分野が活かせること、未知の分野への挑戦の道が開かれていること、3:優秀な研究者、技術者達と協働して成果を生む体制があること、4:研究開発テーマが社会や多くの人々の生活の向上に貢献し、役に立っている実感が得られること、5:働くことが幸せと感じられる企業であること、を基準としている。(200文字)
要素の分解
結論: 就職活動に際しての企業選びのポイント
- 私の企業選びのポイントは以下の5つである
- →簡潔にポイントを記述するために、最初に何をいくつ述べるかを明示する
- →以下、ナンバーをふり箇条書きで企業選択のポイントを明記
- :自社で基礎研究部門を持ち、基礎研究の価値を重視していること
- :自分の研究分野が活かせること、未知の分野への挑戦の道が開かれていること
- :優秀な研究者、技術者達と協働して成果を生む体制があること
- :研究開発テーマが社会や多くの人々の生活の向上に貢献し、役に立っている実感が得られること
- :働くことが幸せと感じられる企業であること
- →上記の5つのポイントを基準にしていることを明確に述べる
再掲: 花王を志望する理由をご記入ください。
私は自分の研究や、携わった技術開発が、世界に存在しない新しいベネフィットを生みだし、社会や人の役に立つことを就職活動の軸にしている。貴社は常に基礎研究に注力し、商品開発部門、生産技術部門、マーケティング部門が有機的に連携し、画期的な新製品を数多く生んでいるところが他社にない強みと考える。個の研究に対するモチベーションとエキスパート集団の力を集約して製品化できるフィールドは非常に魅力的であり、「やりがい」を感じる。製品開発と並行して自由に研究に取り組める風土があることも大きな魅力である。貴社の事業は日本市場のみならず、グローバルに展開されているため、自分が開発に携わった新技術や新製品が世界をより良く変えていくこともできる。生活者が手に取るBtoC製品はもとより、BtoB分野や地球環境への取り組みにも興味があり、「技術の花王」を代表する人材として成長し、貴社の事業を通じて社会に貢献したいと考えている。(398文字)
要素の分解
結論:花王を志望する理由
- 私は自分の研究や、携わった技術開発が、世界に存在しない新しいベネフィットを生みだし、社会や人の役に立つことを就職活動の軸にしている
- →志望者独自の情報(この例文の場合は就職活動の軸)を、花王を志望する理由の前提として冒頭に述べる
結論のRTB(Reason to believe):
- 貴社は常に基礎研究に注力し、商品開発部門、生産技術部門、マーケティング部門が有機的に連携し、画期的な新製品を数多く生んでいるところが他社にない強みと考える
- →花王の特徴を志望者の価値観による視点で「強み」と定義し、花王を志望する理由として表現
- 個の研究に対するモチベーションとエキスパート集団の力を集約して製品化できるフィールドは非常に魅力的であり、「やりがい」を感じる
- 製品開発と並行して自由に研究に取り組める風土があることも大きな魅力である
- 貴社の事業は日本市場のみならず、グローバルに展開されているため、自分が開発に携わった新技術や新製品が世界をより良く変えていくこともできる
- →志望者にとって花王のどこに惹かれ、技術職として「やりがい」を感じるのかを補強し、理由とする
まとめ:
- 生活者が手に取るBtoC製品はもとより、BtoB分野や地球環境への取り組みにも興味があり、「技術の花王」を代表する人材として成長し、貴社の事業を通じて社会に貢献したいと考えている
- →花王の事業分野、技術職としての志望者の成長への意欲と就活の軸を連結して文を結ぶ
再掲: 入社後のキャリアについて、思い描くことをご記入ください。
入社後は自分が専攻する、有機合成化学を活かせる技術分野からキャリアをスタートできればと考える。基礎技術研究と並行し商品開発にコミットすることで幅広い事業分野のニーズや課題の解決に貢献したい。そして多くの人々から自分にない視点や知見を吸収し、また自分も他者に影響を与えられる技術者として成長していきたい。将来的には開発チームをリードする人材として、グローバル市場で戦える商品を創出たいと考えている。(198文字)
要素の分解
結論:入社後のキャリアについて、思い描くこと
- 入社後は自分が専攻する、有機合成化学を活かせる技術分野からキャリアをスタートできればと考える
- →設問が「入社後のキャリア形成に対する考え方と姿勢」を聞くものなので、志望者が思い描く、キャリアパスの概要を述べる
- →この例文の場合は、まず自分が専攻・研究してきた分野を活かしてスタートする希望を記述
- 基礎技術研究と並行し商品開発にコミットすることで幅広い事業分野のニーズや課題の解決に貢献したい
- →花王の研究職の「マトリックス運営」方針をフォローし、貢献意欲を表現
- そして多くの人々から自分にない視点や知見を吸収し、また自分も他者に影響を与えられる技術者として成長していきたい
- →チームの一員としての成長意欲の表現
まとめ:
- 将来的には開発チームをリードする人材として、グローバル市場で戦える商品を創出たいと考えている。
- →将来への大きなビジョンを表現し文を結ぶ
まとめ
ESの設問のパターンによって答え方、書き方をアレンジする必要はありますが、志望動機のロジックツリーはあらかじめ作っておけるはずです。
あなたの軸が強ければ後は書き方を工夫すれば良いだけです。この志望者の志望動機の構成は、文系事務職や技術系の他のコースにも充分応用が可能です。要素の分解の→以下の要素を参考にしながら、自分のオリジナルを作っていくことです。
また花王のインターンシップに参加できた人は、その体験を通じての気づきや感動、花王の社員から得られたものを理由にあげることで、実際の体験を通じた「花王ならでは」を表現することも非常に有効です。インターンシップの厳しい選考を参加できた方はぜひ検討してみて下さい。また独自にOB/OG訪問が出来た方も同様です。
稀にESで志望動機の記述を求めないメーカーもありますが、面接では志望動機関連の質問は絶対にありますので、しっかり準備をしておきましょう。
ESの質問項目は毎年少しずつ変わる場合もありますが、志望動機のロジックツリーがしっかりできていれば問題ありません。
そして下書きができたら信用のおける第三者にみてもらい、ブラシュアップをしていきましょう。
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