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【就活の業界研究】:印刷業界の現状と課題、そして未来を俯瞰しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。

「就活の答え」では印刷業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

印刷業界の6つのポイントを押さえよう

  • 印刷業界の構造、特徴とビジネスモデル
  • 印刷業界の現状と課題・未来
  • 印刷会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 印刷会社に働く人の「やりがい」やモチベ―ションは何か
  • 印刷企業に向く人、向かない人はどんな人か
  • 印刷業界の上位企業の特徴と業績

この記事では印刷業界の現状と課題、そしてそこから予想しうる未来の姿を中心に分かり易く解説します。印刷業界入門編として活用してください。

印刷業界の現状

デジタル化の大波

印刷業界は全体としては縮小傾向が続いています。経済産業省がまとめている工業統計では、国内の印刷産業出荷額は1991年に8兆9286円をピークに長期的には減少傾向が続いており2018年のデータでは4兆9,828億円にまで減少しています。ピーク時からは44.2%のマイナスになっています。

バブルが崩壊した後1992年から1994年までは減少しましたが1995年から1997年まではいったん上昇しています。しかしその後は2007年の例外を除き一貫して減少傾向が続いています。

つまりバブルの崩壊はあったものの、構造的に減少が始まったのは1997年以降です。この現象はインターネットの普及による情報通信革命、デジタル化の影響が最大の原因です。

印刷物は紙というメディアに情報を載せて流通させるものであり、その情報を流通させるメディアがデジタルデータとなり、それがインターネットを通じて自由に、しかも多くの情報は無料で行きかう時代に急速に変わっていった結果です。

更に携帯やスマートフォン、タブレットの普及によって情報摂取の場所の制限すらなくなりつつあるため、紙を媒介にした情報の大きな部分がデジタルデータに置き換わりました。

もちろん印刷物での情報流通は依然重要であり、なくなることはありませんが、今後もデジタル化の影響を受け続けるのは避けて通れません。

出版印刷の減少

書籍や雑誌という出版物の減少や部数の減少も印刷出荷額の減少の大きな要因となっています。

出版業界も1996年の過去最大の売上となったあとは減少傾向が続いています。

特に雑誌市場はこの10年間で半分にまで縮小し、従来は収益部門と言われたコミック雑誌も今やほとんどが赤字となっていると言われています。

週刊少年ジャンプは1995年時点では公称653万部といわれていましたが、2019年10月~12月期では160.2万部まで減少しています。週刊少年マガジンも1996年年当時は400万部以上の部数を誇っていましたが、64.9万部という状況です。

コミック誌の部数減少の原因は、少子高齢化とデジタル化、そして超人気漫画の数の減少と言われています。

全国出版協会・出版科学研究所のデータによると、2020年の紙と電子コミックの市場合計は6,126億円(前年比23.0%の+)になっています。増加トレンドは2018年は1.9%増、2019年は12.8%増に続いて3年連続となりましたが、2020年の大幅増は新型コロナウイルスによる巣ごもり需要を反映しています。

その内訳は紙のコミックス(単行本)は2,079億円(前年比24.9% 増)、紙のコミック誌(雑誌)は627億円(同13.2%減)、電子のコミックスは3,420億円(同31.9%増)となっています。

電子の市場占有率は既に55.8%に達しており、既に紙媒体を逆転しているのです。

商業印刷の減少

カタログやチラシなどを印刷する「商業印刷」も減少傾向にあります。20年以上にも及ぶ低成長が続いている日本の経済環境では、企業は収益を出すための経費削減に注力しています。

インターネットの普及や企業の広告宣伝費の節約傾向が強まって、「商業印刷」の需要も低下しています。

デジタルで済むものはデジタルでというトレンドが続いています。また新聞を購読する世帯現象、主婦の共働きが普通となりかつてのようなチラシを購買情報源とした消費行動が変わっているのです。

若い世代は特に日々の買い物もスマホに送られてくる情報の方が親和性が高いく、家で新聞は購読していてもチラシをみない層も増えています。

このようにデジタル化を起因とする一般の「印刷」そのものに対する需要減は不可避ですが、印刷業界をリードする企業はそのデジタルをチャンスに変える努力をしています。

印刷業界の現状から、課題も洗い出していきましょう。

印刷業界の課題

印刷では収益の出にくい構造

電子書籍の発展、新聞の減少、インターネットの普及などによって、紙媒体による情報の流布が更に少なくなっていくことは確実な情勢です。

このトレンドは動かしにくい時代の必然のため、印刷会社は従来の印刷事業を縮小し、新たな分野での収益モデルの確立を模索しています。

急速にデジタル化が進んでいるため、全国で21,000以上もある印刷事業者の一部は淘汰されていくことになるでしょう。事実、今まででもそれは起こっており、業者数は減少しています。印刷業だけでは利益が出にくい構造になっています。

印刷業界全体の平均営業利益率は1~2%台と言われており、業界全体が縮小する中で仕事を確保しようとすると、印刷機械の稼働をあげるために安い仕事でも無理して受注することになり、結果的に価格競争に巻き込まれて利益を圧迫することになる、極端に言うと仕事を繋ぎとめるために、赤字の仕事でも受けるというような悪い循環に入ってしまいます。

そしてそれに負けてしまう事業者が倒産や廃業に追い込まれていくのです。

従って、印刷業界の各社は従来の「印刷」にとらわれることなく、新たに収益を稼ぐ方法に果敢にチャレンジしていくのが生き残っていくための唯一の道なのです。

ピンチをチャンスに。情報加工業への変革とデジタル トランスフォーメーション

印刷の前工程、つまり情報やコンテンツの企画・制作やフルフィルメント等の後工程は既に多くの印刷企業が手掛けています。

中小の印刷企業でも、ある分野に特化してノウハウを蓄積、高度化していけばその分野が必要な顧客のニーズを吸収することが出来ます。

例えば店頭POPは商品や売り場特有の環境に合わせて、対応が必要な印刷物になりますが、サイズ展開や素材、強度、視認性、設置のしやすさ、買う気にさせる情報やデザインなど、ノウハウときめの細かい対応が必要な分野です。

また多種多様なPOPを店舗ごとにセット、仕分けをしたり、店舗配送や在庫管理などフルフィルメントも必要です。

この分野を企画から設置フォローまでワンストップでサービスを提供することによってノウハウを蓄積していければ、POPに強い印刷企業として生き残っていけるでしょう。

もちろん店頭POPだけではなく、様々な専門分野を磨いてワンストップのソリューションを提供して独自性のある印刷企業になる戦略は有効です。基本は競争の少ないニッチ分野、多くの企業が「手間がかかりやりたがらない分野」や独自の技術・ノウハウが活かせる分野にに経営資源を投下していく戦略となります。

印刷にとどまらず、情報やデータを加工することで付加価値をつけていくアプローチは、どんな印刷企業でもあてはめることができます。

デジタル トランスフォーメーション(DX)への取り組み

印刷会社は印刷という領域から飛び出す意味は、従来の紙媒体や印刷物をデジタル化するだけではありません。

デジタルによるマーケティング領域を強化して顧客に独自のソリューションを提供することをビジネスとする戦略です。

現在は人々の購買プロセスがデータ化され、そのデータを所有して高度に活用できる企業が勝ち残っていく時代になっています。

この領域はIT企業や、Eコマース企業、カード会社などが先行していますが、印刷企業もCRM領域やダイレクトマーケティング領域、あるいは電子チラシとプロモーション効果、POS情報を結び付けるなど、顧客、印刷会社のノウハウとデータサイエンスを融合させることで新しいマーケティング・ソリューションを収益化する戦略を取り始めています。

マーケティングシステムやマーケティングサポートを顧客に提供し、収益を得る新しいビジネスモデルになります。

更にデータを通じて製造、マーケティング、バックエンド業務などを統合し、顧客に新たなサービスを提供していくことは大きなチャンスにもなるでしょう。

IoTやAI技術を活用できるかがポイントになるため、他社とのコラボレーションやオープンイノベーション、M&Aなども必要になる分野です。

印刷企業の未来

印刷企業の未来は、前述の課題解決の延長線上にあるでしょう。しかしそれだけはありません。凸版印刷や大日本印刷をはじめとした業界の大手企業は海外事業や非印刷事業に積極的に取り組んでいます。以下はその一例です。

印刷企業の海外事業

印刷企業の海外事業のパターンはいくつかあります。その多くはコストダウンを主目的にしたものが多く、グローバルクライアントのニーズにこたえて工程の一部を海外でおこなう場合や、実際の印刷や製本納品を海外の工場でコントロールする場合があります。

海外の制作スタッフ(DTP)を使用して制作費を抑えたり、クオリティを担保できればコストの安い中国やアジア諸国で印刷や加工、納品まで行う、印刷企業が行うのはデータを供給するまでで、あとは現地にまかせるなど、クライアントのニーズに対応しています。

海外進出して成功している印刷会社はそれ程多くはありません。

印刷という業務はきめ細かいコミュニケーションが必要であり、それを遠隔でスピーディに行うのは簡単ではありません。納期に余裕がありそれが比較的スムーズに行えるDTP工程などから海外に展開する企業は古くからありましたが、日本の他の製造業の展開スピードに比べれば難易度は高い業界と言えます。

凸版印刷や大日本印刷は自ら海外進出も積極的に行うと同時に海外企業に対しM&Aを行い、その企業のビジネスを連結決算に加えるなどの大きな展開もしています。

包装や建材、パッケージング等の産業印刷分野で力のある企業を買収し、そこに日本のノウハウを移植することで更に競争力を高める戦略は資本力のある印刷企業にとっては非常に有効な戦略です。

成長していくためには人口減少が急速に進んでいく日本市場にだけ頼っていられないのは明らかです。ハードルは高いですが印刷企業の海外展開は就活のテーマとしても着目すべきポイントです。

エレクトロニクス分野等の非印刷分野

印刷業界はカード印刷や高度画像処理技術、識別技術を基にした、認証・セキュリティ技術の応用などでそのシステムを事業化していますが、印刷関連技術からかなりはなれた領域でも事業を展開しています。

例えば凸版印刷及びそのグループ企業では、生活・産業・事業分野の一部として高機能・エネルギー関連事業を行っており、主力製品として透明バリアフィルム、二次電池用関連部材、情報記録材などの生産を行っています。

またエレクトロニクス事業分野では、ディスプレイ関連事業として液晶カラーフィルタ、TFT液晶、反射防止フィルムの製造、半導体関連ではフォトマスク、半導体パッケージ製品などを扱っています。

これらの事業は国内・国外の事業会社を通じて行なわれており、印刷会社というより日本メーカーの海外進出と変わりはありません。

エレクトロニクス事業のみでも凸版印刷の連結売上の12.5%(2021年3月期)、産業印刷分野も含む生活・産業・事業は28.5%(同)となり、既に事業の大きな柱に成長しています。

大日本印刷及びそのグループ企業でも生活・産業部門として容器及び包装資材、包装用機器及びシステム、建築内外装資材、産業資材等の製造・販売やエレクトロニクス部門として電子精密部品等の製造・販売を行っています。

大日本印刷の2021年3月期の生活・産業部門の全連結売上高に対するシェアは27.5%、エレクトロニクス部門は14.8%に達しています。これらの事業は国内・海外子会社を通じて行われています。

また大日本印刷の場合、書店の丸善や北海道コカ・コーラボトリングを連結子会社化するなどの多角化にも積極的です。

これらの非印刷分野での多角化は技術力と資本力のある限られた企業のテリトリーとなっていますが、凸版印刷や大日本印刷をはじめとした大手を志望する方はこれらの事業の動向も注視しておいてください。

まとめ

このように印刷業界のビジネスモデルは急速に変化しており、いままでの「印刷をする会社」という認識では全く収まらなくなっています。

印刷業界の現状や課題、そして未来へのアプローチを知ることで、この業界に対するポジティブ、ネガティブ両面の理解が深まったと思います。

更に就活をすすめるにあたっては、印刷業界に特徴的な職種や仕事、印刷会社に働いている人の「やりがい」やモチベーションは何か、更には印刷会社に向いている人、向いていない人はどんな人なのか、その「適性」もあわせてチェックしてみましょう。

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