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【就活の業界研究】鉄道業界の構造と、主要鉄道会社の概況を知っておこう

就活の業界研究:鉄道業界の構造と、主要鉄道会社の概況を知っておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

[/list] 「就活の答え」では鉄道業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

鉄道業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 鉄道会社のビジネスモデルを理解しよう
  • 鉄道業界の現状と課題・未来
  • 鉄道会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 鉄道会社に働く人のモチベ―ションは何か
  • 鉄道会社に向く人、向かない人はどういう人か
  • 鉄道業界の構造
  • 主要鉄道会社の概況
この記事では鉄道業界の構造と、主要鉄道会社(JR6社と大手民鉄4社)の概況について解説をしていきます。

全国の鉄道の構造

旅客の公共輸送機関分担率

2015年度のデータになりますが、国内旅客輸送における輸送人員数のシェアでみると、JRが30.4%、大手民鉄16社の合計が49.2%となり合計79.7%となっています。以下、自動車が19.7%、旅客船0.3%、航空0.3%の割合になっています。

利用人数に移動距離を乗じた輸送人キロのシェアでは、JR 45.7%、大手民鉄26.8%、航空14.9%、自動車12.1%、旅客戦0.5%という結果になりました。鉄道合計のシェアは72.5%ということになります。 (データ:大手民鉄の素顔より、数字でみる鉄道2017 国土交通省)

上記の大手民鉄とは、東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、東京急行電鉄、京品急行鉄道、東京地下鉄、相模鉄道、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、南海電気鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道、西日本鉄道の16社です。日本民営鉄道協会へは全国72社が加盟しています。詳しくは、日本民営鉄道協会のホームページで地域毎に参照できます。

2015年度の鉄道業界の市場規模はおよそ12兆円であり、JR系の旅客会社の売上高合計額が4.3兆円(36%)で、民鉄の売上額の合計額が7.7兆円(64%)という割合になります。

JRは旅客輸送という意味では全国を6社でカバーしており、長距離路線と主要都市を中心としたネットワークを持っており一社当たりの規模が大きいのが特徴です。特に長距離の路線はJRにしかありません。

民鉄は利用人数ではJRと比較するとはるかに多く、地域のきめ細かい短距離輸送を担っています。JRのターミナル駅と連結して、役割分担をしながら鉄道全体のネットワークを形成しています。

鉄道全体で国民の7割の移動をカバーしている巨大な業界なのです。それではJR6社の概況と大手私鉄の中から東急、東京メトロ、近鉄、阪急の4社の概況をクイックにみていきましょう。

JR 6社の特徴と現況

JR各社の状況を2020年3月期決算、有価証券報告書、決算公告、中期経営計画から概況をまとめておきます。是非参考にしてください。

JR東日本: 東日本旅客鉄道株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)2,946,639
経常利益(百万円)339,525
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)198,428
包括利益(百万円)173,329
従業員数(人)71,812
外、臨時従業員数(人)26,603
連結子会社数71社
持分法適用会社数6社

JR東日本の鉄道事業エリアは関東と東北の1都16県。駅数は1,657、営業キロは在来線が6,207.5km、新幹線が1,194.2 km、総合計 7,401.7 kmとなっています。鉄道旅客運送事業の他、流通・サービス事業、不動産、ホテル、その他金融等の事業を連結子会社及び持分法適用関連会社を通じて行っています。

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
運輸事業1,994,52267.7%250,57565.3%
流通・サービス事業502,07417.0%34,3879.0%
不動産・ホテル事業348,52111.8%74,60219.5%
その他事業101,5193.4%23,8776.2%
合計2,946,639100.0%383,443100.0%
調整額0-2,602
連結決算計上合計額2,946,639100%380,841

JR東日本の経営はセグメント売上・利益ともにバランスがとれており、本業の旅客輸送業でも売上規模に見合った利益をあげています。

交通インフラ全体を考えると、中長期的に一層の人口減少や高齢化、東京圏への人口集中が見込まれるとともに、自動運転等の技術革新やグローバル化の変容など、経営環境が大きく変化していくことが想定されています。

JR東日本グループも、会社発足から30年以上が経過し、社員の世代交代の進展や鉄道ネットワークの拡充など、様々な変革課題に直面しています。

加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当面の間は移動需要の大幅な減少など、かつてない厳しい環境となることが予想されています。

JR東日本への就活では、2021年3月期(2020年度)の4半期決算や業績予測もモニターしてください。

現在は2018年7月に策定したグループ経営ビジョン「変革 2027」のもと、これまでの「『鉄道インフラ』を起点としたサービス提供」から「『ヒト(すべての人)』を起点とした社会への新たな価値の提供」へと「価値創造ストーリー」を転換する戦略を実施していますが、足元の2020年度第1四半期(2020/4/1~2020/6/30) では、営業収益は前年同期比55.2%減となり、第一四半期の営業損失は1,783億円(前年度は1,446億円の営業利益)となっています。

JR東海: 東海旅客鉄道株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)1,844,647
経常利益(百万円)574,282
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)397,881
包括利益(百万円)388,418
従業員数(人)29,603
外、臨時従業員数(人)9,112
連結子会社数29社
持分法適用会社数2社

JR東海は「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念のもと、東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させることに加え、大動脈輸送を二重系化する超電導リニアによる中央新幹線の建設により、「三世代の鉄道」を運営するということを使命として事業活動を展開しています。名古屋駅におけるJRセントラルタワーズ・JRゲートタワーの各事業展開に代表される不動産事業や流通事業、ホテル事業、その他の事業を展開しています。

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
運輸業1,419,00676.9%617,64393.9%
流通業250,11113.6%7,4011.1%
不動産業47,4872.6%19,0042.9%
その他128,0426.9%13,5122.1%
合計1,844,647100.0%657,561100.0%
調整額0-1,398
連結決算計上合計額1,844,647100%656,163

JR東海の経営はセグメント売上・利益ともに運輸事業の比率が高く、特に利益に関してはそのほとんどを輸送事業であげている形です。そしてそのほとんどが東海道新幹線によってつくられています。連結利益高ではJR東日本を大幅に上回っており、この収益力がリニア新幹線への投資を可能にしています。

しかしながら、2020年に入っての新型コロナウィルス感染症の拡大で、第一四半期(2020/4/1~2020/6/30)における外出規制、入国規制により出張や観光輸送需要が激減したことから、営業収益は前年同期比78.4%減の798億円、営業損失は757億円という厳しい状況です。

リニア新幹線も南アルプストンネル静岡工区においては、大井川の水資源への影響について、静岡県、流域市町等の理解が得られず、トンネル掘削の前段で必要となるヤード整備に着手できていないなど、実質的に工事が進捗しない状態が続いています。

2027年の開業に向けて、工程は大変切迫した状況にあり予定通りの開業は困難になりつつあります。

JR東海を志望する就活生は、JR東海の業績をしっかりモニターして就活を進めていきましょう。

JR西日本: 西日本旅客鉄道株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)1,508,201
経常利益(百万円)148,353
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)89,380
包括利益(百万円)87,050
従業員数(人)48,323
外、臨時従業員数(人)12,617
連結子会社数64
持分法適用会社数5

JR西日本は北陸新幹線金沢開業効果の最大化や大阪駅をはじめとしたターミナル駅の開発等、関西・北陸への観光促進と訪日外国人の観光需要の取り込みに注力してきました。

北陸新幹線のさらなる延伸、うめきた(大阪)地下駅開業等の大規模プロジェクトの進行中であり、また万国博覧会の招致によるプロジェクトが大きなビジネスチャンスになっています。福知山線で起きたのような大事故を二度と起こさないように、中期経営計画でも「安全性向上に向けた取り組み」も最重要課題として取り組んでいます。

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
運輸業933,41661.9%105,31364.3%
流通業226,05115.0%3,8552.4%
不動産業165,10010.9%34,90921.3%
その他183,63212.2%19,71812.0%
合計1,508,201100.0%163,797100.0%
調整額0-3,169
連結決算計上合計額1,508,201100%160,628

JR西日本の経営はセグメント売上・利益ともに運輸事業と不動産業の比率が高いのが特徴です。その他事業は鉄道事業と相乗効果の高いホテル業、旅行業やレンタカー、広告業や建設業、車両・電気・機械・設備工事業、情報サービス業などで構成されています。

中期計画に則り、地域に密着して、地域価値の向上、線区価値の向上、事業価値の向上を共通戦略として設定し一大観光周遊エリアの創出や訪日外国人へのサービス強化、関西都市圏のブランド化等に注力しています。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度第1四半期の営業収益は、前年同期比55.3%減の1,633億円、営業損失は942億円、経常損失は997億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する四半期純損失は767億円という厳しい状況となっています。

JR九州: 九州旅客鉄道株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)432,644
経常利益(百万円)50,613
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)31,495
包括利益(百万円)25,200
従業員数(人)17,450
外、臨時従業員数(人)4,632
連結子会社数54社
関連会社5社

JR 九州が2016~2018年に中期計画で掲げてたのが、「総合的なまちづくり企業グループ」を目指すという方針でした。3つの重点戦略として、事業の根幹である強靭な鉄道づくり、九州の積極的なまちづくり、新たな事業と九州外エリアへの挑戦でした。

2019年度より3ヵ年の「JR九州グループ中期経営計画2019-2021-次の『成長ステージ』に向けて-」をスタートしています。

3つの重点取り組みとして掲げた「更なる経営基盤強化」「主力事業の更なる収益力強化」「新たな領域における成長と進化」を推進するとともに、すべての事業の基盤となる「ESG」「安全とサービス」「人づくり」への取り組みにも注力する計画です。

九州新幹線の新たな需要喚起や、ななつ星in 九州などの企画列車の運行、アジア各国からのインバウンド需要取り組みなどを行い2016年には東証1部上場を果たし、以降しっかりした収益基盤を確立しつつあります。

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
運輸サービス166,26638.4%19,84839.2%
建設37,5978.7%6,58013.0%
駅ビル・不動産86,44120.0%19,13737.8%
流通・外食104,36624.1%2,8255.6%
その他37,9738.8%2,2844.5%
合計432,644100.0%50,676100.0%
調整額0-1,270
連結決算計上合計額432,644100%49,406

JR九州の特徴は鉄道と不動産を経営の2本柱と位置付け事業を展開しています。鉄道は赤字のローカル線への対応が焦点となっています。

企業としては、鉄道については収支を維持するために投資の適格性を厳格に判断していく姿勢を明確にしていますが、地方の交通・公共インフラをどうしていくかは地方自治体や国の問題でもあるためそう簡単ではありません。当面は新幹線や鉄道以外の事業収益でバランスをとるしかないというのが現状です。

JR九州も新型コロナウイルス感染症の影響を受けています。

鉄道利用者の大幅な減少、駅ビル等商業施設の休館又は営業時間短縮等による賃料収入の減、ホテルの休館又は客室稼働率減に伴う売上減、コンビニエンスストア及び飲食店の休業又は営業時間短縮等による売上減等の影響を受けています。

その結果、2020年度の第1四半期の営業収益は前年同期比38.4%減の618億48百万円、営業損失は157億3百万円(前年同期の営業利益は154億89百万円)、経常損失は152億34百万円(前年同期の経常利益は160億96百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は51億19百万円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純利益は123億65百万円)という厳しい状況です。

JR北海道 北海道旅客鉄道株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益 (百万円)167,298
営業利益 (百万円)-42,641
経常利益 (百万円)-13,557
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円)1,919
従業員数 (人)6,429
連結子会社数18社

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)
運輸業89,70054%-52,900
小売業34,20020%700
不動産賃貸業26,20016%7,100
ホテル業8,1005%1,200
その他8,8005%1,300
合計167,200100%-42,400
調整額0%-100
連結決算計上合計額167,298100%-42,600

JR北海道は人口減少地域を抱えて、単独で維持が難しい路線を数多く抱えています。インバウンド需要の促進策やホテルの開業、運賃改定などの経営努力は続けていますが、新幹線も赤字が続いており、在来線の老朽化や安全対策、豪雪対策や自然災害の復旧も必要であり黒字化するのが難しい上状況というのが正直なところです。

これらの構造的な問題に加え、新型コロナウイルス感染症の悪影響が加わることから、2020年度の決算は再び非常に厳しい状況(損失)の発生が予想されてるのが現状です。

JR四国 四国旅客鉄道株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益 (百万円)48,900
営業利益 (百万円)-12,000
経常利益 (百万円)-700
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円)1,200
従業員数 (人)2149
連結子会社数21社

*億円未満切り捨て

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント売上高(百万円)構成比営業利益(百万円)
運輸業29,70051%-136,000
物品販売業8001%100
建設業12,20021%1,300
ホテル業6,40011%100
不動産業1,7003%200
その他事業7,60013%300
合計58,400100%

*セグメント別売上高には外部顧客に対する売上の他、他セグメントへの売上を含んでいます

*億円未満切り捨て

JR四国の決算を見ると、純粋な事業全体では赤字であり、中でも根幹の運輸事業の赤字が大きいのが特徴です。また近年、豪雨などによる自然災害の発生も経営に大きな影響を与えています。

各事業においてサービス品質の向上と収益の拡大、地域社会との積極的な連携に取り組み、2020年1月までは前年を上回り、当初の計画どおり業績は堅調に推移していましたが、2月以降は新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい経営状況となっています。

2020 年度においても感染症の影響により、会社発足以来、最大の危機的状況が予想されていますが、感染症の収束が見えた段階で、地域と一体となり四国への誘客や各種増収施策を進め、新観光列車「時代の夜明けのものがたり」の運行やアンパンマン列車20 周年記念キャンペーンの展開などによる旅行需要の喚起、宿泊特化型ホテルや簡易宿所などによる事業領域の拡大により、収入確保を図る計画です。

東急電鉄株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)1,164,243
経常利益(百万円)70,925
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)42,386
包括利益(百万円)35,132
従業員数(人)24,464
外、臨時従業員数(人)20956
連結子会社数137社
関連会社29社

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
交通事業211,04818.1%27,01839.8%
不動産事業165,67714.2%29,00042.7%
生活サービス事業691,95359.4%13,41119.7%
ホテル・リゾート事業95,5658.2%-1,495-2.2%
合計1,164,243100.0%67,934100.0%
調整額0825
連結決算計上合計額1,164,243100%68,760

連結決算上は、東急電鉄を鉄道会社と考えずに、鉄道と不動産、流通・生活サービス業の総合産業と考えた方が良いでしょう。特に売上高でみると、東急百貨店、東急ストア、渋谷109東、東急ハンズ等のブランド、クレジットカードビジネス、ケーブルテレビ事業、広告代理店事業などのグループ子会社で構成する生活・サービス事業の売上が交通事業の3倍以上となっています。

また不動産事業も自らが多摩田園都市を中心に宅地を造成販売し、住宅等の建設販売を行うとともに、東急不動産、東急リバブル等の不動産連結子会社も利益を積み上げ、セグメント利益では交通事業(東急主要沿線及び伊豆急行、バス事業などの収益)を抜いて、一番のシェアを誇っています。全体的に非常にバランスの取れたポートフォリオであり、本業の交通事業でも着実に利益をだしている民鉄の優等生といった事業内容・業績です。

直近の2020年度では、長距離移動や観光需要にそれほど依存しない首都圏の私鉄でも、新型コロナウイルス感染症の拡大により社会経済活動にかかったことから制限がかかるなど、極めて厳しい状況となっています。

感染症拡大を受けた外出や移動の自粛、消費需要の低下や利用の減少等により、大きな影響が生じました。

2020年度の第1四半期連結累計期間の営業収益は、2,097億5千5百万円(前年同期比25.1%減)、営業損失は157億1千6百万円(前年同期は231億5千6百万円の営業利益)、経常損失は181億6千1百万円(前年同期は234億6千万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は201億4千1百万円(前年同期は163億8千万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)という状況です。

東急電鉄への就職を志望している就活生は、4半期ごとの決算発表を注意深くモニターしていきましょう。

東京メトロ 東京地下鉄株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)433,147
経常利益(百万円)74,910
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)51,391
包括利益(百万円)46,233
従業員数(人)11,742
外、臨時従業員数(人)2,672
連結子会社数13社
非連結子会社1社
関連会社3社

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
運輸380,99888.0%70,99984.5%
不動産13,8993.2%4,6675.6%
流通・広告37,8738.7%8,3279.9%
その他3750.1%520.1%
合計433,147100.0%84,047100.0%
調整額0-129
連結決算計上合計額433,147100%83,917

注:セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

東京メトロは鉄道事業を中心に首都東京の都市機能を支え、東京に集う人々の生活に貢献している優良企業です。運輸業の売上、利益ともシェアは9割近く、本業でしっかりと利益を出しています。

あらゆる機能が集中した東京、しかも都心中心という非常に恵まれたテリトリーということもありますが、近年では駅を拠点にした周辺地域の活性化や、東京の観光資源の開発にも貢献しています。2021年に延期された東京オリンピックの開催できれば、それを絶好の機会ととらえ今後も更なる発展が期待できます。

2020年度第1四半期は、機能が集中する東京が新型コロナウイルスの被害を受けたため、まさに都市の交通網を担っている東京メトロも大きな影響を被っています。

第1四半期連結累計期間の業績は、輸送人員の減による旅客運輸収入等の減少、及び流通事業の売上の減少等により、営業収益が627億9千4百万円(前年同期比43.1%減)となり、営業損失が163億6千9百万円(前年同期は営業利益290億4百万円)、経常損失が183億2百万円(前年同期は経常利益264億5千6百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失が136億3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益182億1千7百万円)という厳しい結果になっています。

東京メトロへの就職を志望している就活生は、4半期ごとの決算発表を注意深くモニターしていきましょう。

近鉄グループホールディングス株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)1,194,244
経常利益(百万円)47,224
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)20,561
包括利益(百万円)2,816
従業員数(人)30,491
外、臨時従業員数(人)13,950
連結子会社数125社
関連会社16社

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
運輸214,74018.0%27,68656.9%
不動産129,97510.9%17,91936.8%
流通385,51332.3%5,15210.6%
ホテル・レジャー449,06137.6%-3,693-7.6%
その他14,2751.2%1,5813.2%
合計1,193,566100.0%48,647100.0%
調整額677733
連結決算計上合計額1,194,24449,380

近鉄グループは、鉄道事業を中心に幅広い事業を展開しており、「運輸」、「不動産」、「流通」、「ホル・レジャー」、「その他」の事業を行っています。

「運輸」は鉄道、バス、タクシー及び観光施設の営業等、「不動産」は不動産の販売、賃貸及び管理等、「流通」は百貨店、ストア及び駅売店における商品の販売等、「ホテル・レジャー」は旅行、ホテル及び旅館の営業等、「その他」はケーブルテレビ、情報処理の営業等を事業化しています。

近鉄グループは歴史的に多角を推進しており、国鉄民営化の時のお手本にされました。非常にバランスの取れた事業ポートフォリオであり、本業の運輸業でもしっかりと利益を出しています。

百貨店事業は、旗艦店である「あべのハルカス近鉄本店」の収益力のさらなる強化を図るとともに、郊外店では地域のお客様や取引先と連携した「地域共創型百貨店」を目指し、それぞれの地域の特性に合わせたリニューアルに取り組んでいます。

新型コロナウイルスの影響が甚大であった2020年第1四半期(2020/04/01~2020/06/30)では、4月の緊急事態宣言による外出の自粛及び店舗、レジャー施設の休業の影響により、主に運輸業、流通業、ホテル・レジャー業において大幅な減収となり、営業収益は前年同期に比較して62.1%減収の1,139億25百万円となり、営業損失は380億30百万円(前年同期は営業利益183億89百万円)という結果でした。

阪急阪神ホールディングス株式会社

2020年3月期連結決算(2019年度)

営業収益  (百万円)762,650
経常利益(百万円)88,795
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)54,859
包括利益(百万円)44,292
従業員数(人)22,800
外、臨時従業員数(人)9260
連結子会社数138社
関連会社43社

2020年3月期:セグメント別連結売上高及びセグメント利益の概要(単位:百万円)

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
都市交通222,47829.2%40,05640.7%
不動産216,80528.4%41,51042.1%
エンタテイメント72,5939.5%11,69511.9%
情報通信49,9046.5%5,5985.7%
旅行33,7624.4%2320.2%
国際輸送76,10410.0%1700.2%
ホテル59,1367.8%-3,142-3.2%
その他31,4724.1%2,3812.4%
合計762,254100.0%98,500100.0%
調整額393-3,332
連結決算計上合計額762,65095,170

阪急阪神グループの特徴は宝塚や阪神タイガースという有力なエンターテインメントビジネスを持っていることです。特に阪神電鉄にとっては、タイガースの存在が売上、利益とも大きいことです。

阪急は利益では不動産事業のウェイトが都市交通事業とほぼ同等のウェイトを占めています。また阪急交通公社は旅行事業社としても大手旅行会社の一角を担っています。鉄道を核として、生活やエンターテイメントに密着した事業展開を行っており、近鉄と並ぶ関西の民鉄を代表する企業です。

 

参考:2020年3月期の阪急電鉄セグメント別連結売上及び利益の概要

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
都市交通167,10463.8%29,85754.8%
不動産59,09922.6%18,66334.3%
エンタテイメント34,38913.1%5,85110.7%
その他1,2390.5%730.1%
合計261,831100.0%54,444100.0%
調整額668239
連結決算計上合計額262,50154,685

参考:2020年3月期の阪神電気鉄道セグメント別連結売上及び利益の概要

事業セグメント外部顧客への売上高(百万円)構成比セグメント利益(百万円)構成比
都市交通167,10463.8%29,85754.8%
不動産59,09922.6%18,66334.3%
エンタテイメント34,38913.1%5,85110.7%
その他1,2390.5%730.1%
合計261,831100.0%54,444100.0%
調整額668239
連結決算計上合計額262,50154,685

阪急阪神ホールディングスの2020年度第1四半期も、新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。

主な悪影響は以下の通りです。

 

  • 都市交通事業:鉄道事業・自動車事業とも、旅客数が大きく減少したことや、前年8月にコンビニエンスストア事業及び駅売店事業を外部化した影響等により、営業収益は前年同期に比べ285億95百万円(△47.6%)減少し、315億29百万円となり、営業損益は前年同期に比べ200億50百万円悪化し、71億87百万円の営業損失
  • 不動産事業:梅田地区をはじめとした多くの商業施設で休館や営業時間の短縮を実施したこと等により、営業収益は前年同期に比べ64億4百万円(△13.1%)減少し、423億3百万円となり、営業利益は前年同期に比べ2億41百万円(△3.0%)減少し、78億65百万円
  • エンタテイメント事業:スポーツ事業において阪神タイガースの公式戦主催試合が皆無となったことや、ステージ事業において宝塚歌劇の公演を全て中止したこと等により、営業収益は前年同期に比べ194億74百万円(△84.7%)減少し、35億30百万円となり、営業損益は前年同期に比べ105億20百万円悪化し、26億2百万円の営業損失
  • 旅行事業:海外・国内ツアーの催行を中止したこと等により、営業収益は前年同期に比べ108億79百万円(△98.9%)減少し、1億25百万円となり、営業損益は前年同期に比べ69億94百万円悪化し、49億3百万円の営業損失
  • 国際輸送事業:航空輸送の取扱が減少したこと等により営業収益は前年同期に比べ3億21百万円(△1.7%)減少し、188億14百万円
  • ホテル事業:一部ホテルを一時休館したほか、宿泊部門・料飲部門ともに利用者数が大きく減少したことにより、営業収益は前年同期に比べ140億90百万円(△86.8%)減少し、21億42百万円となり、営業損益は前年同期に比べ54億88百万円悪化し、51億96百万円の営業損失

このように、新型コロナウイルスは多角化した鉄道企業の事業をことごとく追いつめる脅威の存在です。特に阪神タイガースや宝塚といった優良なエンタメ事業にも影響を与えたているため今後の状況の変化にアンテナを高くしておきましょう。

まとめ

JR系6社、大手民鉄4社の現状を駆け足で解説してきましたが、各社特徴も違い、また事業も広汎に及んでいるので、鉄道会社の「鉄道」というイメージだけで就活を組み立てるのは危険です。

志望する場合はきめ細かく企業研究をして、自己分析と合わせて志望動機を練る必要があります。理系の学生で専門分野のプロフェッショナル採用で勝負する場合でも、事業全体の構造や現状の経営戦略、未来に向けての事業計画をしっかり踏まえてエントリーしましょう。

大手優良鉄道会社は事業規模が巨大な割には採用人数が少ないため、非常にハードルが高い業界の一つです。OB/OG訪問、インターシップへの参加も含めて対策を練っていきましょう。

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