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【就活の業界研究】就活のはじめに、広告代理店のビジネスモデルを知っておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では広告業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

広告業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 広告業界、広告代理店のビジネスモデルを理解しよう
  • 広告代理店の現状と課題・未来
  • 広告代理店にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 広告代理店に働く人のモチベ―ションは何か
  • 広告代理店に向く人、向かない人はどういう人か
  • 広告代理店業界の構造
  • 主要広告代理店の概況

この記事では広告代理店のビジネスモデルについて解説していきます。広告業界入門編として活用してください。WEBに上がっている情報は踏み込み不足のものが多く、業界を外から知らない人が書いたものが多いので、「就活の答え」では就活生の大事な決断のために、もう少し踏み込んで解説をします。

広告業界、広告代理店のビジネスモデル

就活で広告業界、特に大手総合広告代理店を検討されている就活生は多いと思います。理系の皆さんもいらっしゃると思いますが、特に文系の学生にとっては伝統的に人気のある業界です。人気が高い上に採用人数が多くないために難易度の高い業界になっています。

広告が好きで、広告研究会に所属したり、既に広告代理店でインターンを経験されている方は、すでに広告代理店のビジネスモデルは理解できていると思いますが、就活を考えるまでは特に広告業界を意識せず、就活に際してこの業界を検討している学生のために、広告代理店のビジネスモデルを解説します。

広告代理店は何を代理しているのか?

広告代理店の「代理」は、誰の何を代理しているのでしょうか?まず、広告主に代わってテレビ、新聞、雑誌、ラジオ、屋外、Webなどの広告制作を行なっていると考えのではないでしょうか?次に考えるのは、広告主に代わって上記の媒体に広告を出す時間やスペースを購入することでしょうか?

この二つの業務は広告代理店の最も基本的な機能であることは間違いありません。日本の広告会社の歴史を振り返ると、新聞社に代わってそのスペースを広告主に販売することからこの業態が始まったため、本来の「代理」の意味は、新聞社を代理して広告主にスペースを販売することでした。

そしてこの基本的な取引のポジションは現在まで受け継がれています。日本の広告媒体取引の構造そのものはとてもシンプルですが、実態は非常に複雑、不透明であり、特に外国人のクライアント等の場合「理解できない」という声も良く聞かれます。

就活段階では、まず、基本の媒体取引の構造を理解しておきましょう。

広告媒体取引のフロー

媒体社のスペースや時間の料金を100として広告主と媒体社、それを仲介する広告代理店の3社が合意した場合、その100(グロス料金と呼びます)に対し、媒体社が設定した一定のパーセンテージ(一般的には15%=この場合は15のなる)をコミッションとして、媒体社が広告会社に支払う取引になりますが、実際には媒体社はその15を引いた金額を広告代理店に請求するという構造になります。広告代理店は仲介手数料としてその15を報酬として得るということになります。1000万円の媒体料金なら150万円がコミッションの粗利になります。ちなみに15%というのは標準的な場合であり、取引によっては18%、20%、あるいは20%以上の場合もあります。また取引にメディアレップ(メディアが指名しているメディア側のエージェント)が介在する場合は15%以下の場倍もあります。

いずれにしても広告代理店は、媒体社に代わってそのスペースや時間を販売したことになります。商業的な媒体社の場合、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、Webなど、どんなメディアでもコンテンツをつくって人々に届けることが本業であり、人々がそのコンテンツをみるときに広告に接触するというビジネスモデルをとっているため、媒体社は広告は広告会社に販売を任せるという商行為が定着しているのです。

新聞社の場合は発行部数によっても差はありますが、発行部数80万部以上の新聞社の場合、広告収入が占める割合は平均18.9%(日本新聞協会調べ)となっています。民放(テレビ局)は視聴料金をとらないため、広告収入は全収入の平均82.4%と非常に高い割合になります。しかしコンテンツが良くないと誰も見てくれないため、その本業はコンテンツ制作にあるのです。

媒体社にとって広告は収益という意味では非常に重要ですが、それにかかりっきりになれないとうジレンマがあります。コンテンツが生命線なのでそれに注力するために、自社のもつスペースや時間を自社の代理、エージェントとして広告代理店に日本全国の広告主に販売してもらう必要があるのです。

実際の広告取引は、媒体社の料金表があっても、その料金表通りに取引価格が設定されないケースがほとんどであったり、そもそもスペースや時間は需要と供給の関係で時期的に変動する性格という側面もあります。(例:典型的な例はテレビスポットの料金)

さらに設定される単価が広告主毎、業界毎で違っていたり、広告代理店の取引総量や代理店と媒体社との力関係でも違ってくるので、学生の皆さん(もしくは普通のビジネス感覚の持ち主)にはなかなか理解できないというのが実態です。これらの複雑怪奇な実態は広告代理店に入ってから学んでいけば良いので、今は上記の基本的なコミッション構造を頭に入れておきましょう。

広告会社としての戦略立案、広告制作ビジネス

広告媒体取引以外の基本業務は広告制作に関する業務、及び「どんなコミュニケーションが広告主の課題を解決するか」を考える戦略立案業務も重要な仕事です。

業務の順序から説明すると、広告代理店の「営業」(=アカウントサービス部門とも呼ばれます)が広告主のマーケティング課題をヒアリングします。

広告主はオリエン(オリエンテーションの略)もしくはブリーフィングという形で、正式にマーケティング、もしくはマーケティング・コミュニケーションに関する課題や、何を広告代理店に託すのかを説明するセッションを行います。

しかしながら、広告代理店の営業はそのような正式の発注を待つことなく、日常の非常に密なコンタクトの中から広告主と課題を共有し、その情報を社内に共有して自主的な提案や、提案の方向性に対する打診を行うことが求められています。少なくともできる営業は、広告主に対するプロアクティブな姿勢が常に求められるのです。

いずれにしても、広告主のマーケティング上の課題、特にマーケティング・コミュニケーションの課題に対するソリューションの提供が広告会社の重要な存在意義となります。

クライアントの課題を解決するビジネス

理解しやすいように分かり易い例を挙げて説明します。カップ麺メーカーA社が、新しく開発したXというカップ麺をヒットさせたいと思って、広告代理店にその方法を提案して欲しいという状況を想像してみてください。

その場合、A社の宣伝担当者は、複数の広告代理店にその課題を説明し、複数の会社からの提案を受け、ベストと思われるアイディアや広告宣伝計画を提案してくれた広告代理店にその業務を依頼する方法があります。この方法を、「競合プレゼン」もしくは「ピッチ」と呼びます。

それ以外の場合は、使用している広告代理店に指名で提案を求めます。総合広告代理店の営業は、常に指名でこのような依頼を受けることを目指しています。なぜなら、競合となった段階で、その業務を受注する確率が下がってしまうからです。当然、提案内容がボロボロだといかに今までの付き合いが深くても受注できないという事態が発生してしまいます。

広告代理店の「営業」のビジネスは、「競合」にならないように、常に受注できるように、広告主に対して非常にキメの細かい、時によっては業務から離れた分野のケアまで行っています。また、自社の扱いがない新規の場合や、自社の扱いの少ない場合は、何とか「競合プレゼン」のチャンスをもらえるような営業活動を行います。

クライアントの課題を解決するということは、どういうことか?

広告会社の中でも、総合広告代理店と呼ばれる業態の広告会社の場合、その業務範囲を特定するのは難しいです。別の言い方をすれば、クライアントが求めるものは全て広告代理店の仕事の対象になります。

もちろん法律的には「定款」があるため、求められるからと言っても自社で全てのサービスを提供することはありませんが、ニッチな要求でもそれが可能な協力会社をみつけてきて、何とかクライアントの要求、期待に応えるのが「日本の総合広告代理店」です。

この性格が、欧米の広告会社、日本に進出してビジネスをしている外資系の広告会社と大きな違いがあるところです。外資系の広告会社はSOW (Scope of work) をクライアントと握って業務を行うのが通例です。Out of scope (握った業務以外の付帯業務やサービス業務)は基本的に行わない、行う場合は交渉してその業務に対する報酬をもらうというビジネスモデル(フィーによる報酬モデル)です。

核になるのはマーケティング・コミュニケーションの解決策の提案と実行

「なんでもやる」日本の総合広告代理店も、外資系の広告会社も広告媒体枠の確保以外の仕事の核になるのは、クライアントのマーケティングにおけるコミュニケーションの課題解決です。

そのコアになるのが、プランニングとクリエイティブという領域になります。仕事の流れからいうと、営業がヒアリングしてきたクライアントの課題を社内の、プランニング、クリエイティブ、メディア(媒体)部門にオリエン(ブリーフィング)を行い、それぞれの部門が知恵を出し合って、最適解としてのキャンペーン計画をつくりあげ、クライアントに提案していくというのが一般的な業務フローになります。

プランニング、クリエイティブの業務は別の記事で詳しく解説しますが、入門編として単純化すると以下の領域をカバーすることになります。

プランニング業務:

    • 既存のデータベースや、消費者調査、デスクリサーチによる分析
    • コミュニケーション戦略立案に必要な調査の設計・実施
    • 調査結果・分析によるコミュニケ―ションターゲットの設定と、訴求コンセプト(=何を伝えればクライアントの目的を達成ふぇきるのか)の提案

チャネルプランニングもしくはコミュニケーションデザイン:

  • ターゲットと訴求商品のタッチポイント毎のメッセージングによる、コミュニケーション全体のデザイン(PR/メディア/イベント/Web/マス広告等)
  • 尚、コミュニケーションデザインは戦略プランナー、メディアプランナー、クリエイティブディレクターの協業で行うのが通例です。データドリブンの分析がほぼリアルタイムで可能なWeb領域と、既存のマスメディアのプランニングと分けている代理店も多いです。これは両方のメディアに精通しているスタッフがそれど多くはいないという業際の問題、また、クリエイティブという多くの変数をもつ領域が関係するプランニングだからです。プランナーは最終的にまとめる役割を担います。

メディアプランニング:

  • メディアのコスト効率分析に基づく、最適な配分計画の策定、提案や、媒体投下後のパフォーマンス分析及びレポーティングを行います

クリエイティブ:

  • クリエイティブディレクターが全体の指揮、監督を行います。コピーライター、アートディレクター、デザイナー、外部制作会社(映像・CM制作会社や制作プロダクション)によって、メッセージを「どのように」伝えることが最終的にクライアントの課題を達成することになるのかを考え、広告を中心としたコミュニケーションを創っていく業務

上記以外でも、セールスプロモーション部門やイベント部門、PR会社が課題によって参画して、ひとつのキャンペーンをつくっていくことになります。

メディア業務以外のビジネスモデル

媒体枠の販売で仲介手数料を稼ぐ以外の領域で、広告会社が収益をあげるのは、かかったコスト(広告代理店にとっては仕入れコスト)に対して、何%のかマークアップ(上乗せ)して請求することによって、請求価格からみるとマージンを得るというのがもう一つの重要な収益ソースになります。

マークアップの基準となるのは仕入れコストに営業管理費として20%を掛けたり、15%を掛けたり、10%を掛けたり、もしくはクライアントが設定している率を掛けて請求する場合等がありケースバイケースです。広告代理店の営業は、クライアントと合意した一定のマージン率がない場合は、仕事の難易度や工数を勘案し、仕入れコストに上乗せした見積を作成して承認を得るよう努力をします。

また、仕入れコストのマークアップとは別に、広告会社のスタッフが費やした時間・労働の一部を「調査準備費」「企画費」「アートディレクション」「コピーライティング」等の実際に行う業務に準じた費目で見積書にまとめ、クライアントの承認を得てそれを請求するという方法もあります。

しかしこれらの請求をしても、営業、プランナーやクリエイティブスタッフを拘束に見合う報酬は回収できないケースが殆どです。それらのスタッフのコストをカバーして、且つ利益を生んでいるのが媒体枠購入に関わるコミッション収入というのが日本の広告会社、総合広告代理店の収益の構造になります。

日本の総合広告代理店のビジネスモデル上の課題

クライアントのマーケティング・コミュニケーションの解決策の提案と実行は、まさに広告会社の核心部分の業務です。そして最も手間と時間がかかる部分であり、本来であればこの核心部分の業務でそれに見合う報酬=収益を得るのが本来の業務のありかたです。

しかしながら、外資系の広告会社や、日本の総合広告代理店でこれらの業務できちんと収益をあげられているのはクライアントと広告会社の間にフィー契約が成立して、それが正当に運用出来ている場合でしょう。

フィー制をとっているのは外資系クライアント(全部ではありません)や、日本企業の一部の広告主ですが、これらは広告主と代理店との個別の契約によって決まります。

フィーの考え方は、クライアントと広告会社が、広告会社が行う業務範囲を決め、その業務に関わるスタッフとその稼働時間を握ってプロジェクトごと、もしくは年間というかたちで契約します。広告会社はスタッフ毎の稼働時間と時間単価をクライアントと合意して、実際の稼働をモニタリングして、定期的にクライアントに報告して、必要があれば+、-の調整を行うというのが一般的です。

広告会社側はスタッフの時間単価にその業務に関わるスタッフの人件費、マネージメントコストや本社費用、適性利益などを含めて、その業務に割り当てる時間計算によって全体のフィーを合意するカタチをとります。

プランニングとクリエイティブ部分を切り離してフィー契約を行い、媒体取引は媒体スタッフの稼働分のみを媒体のネット料金に数%を乗せる方式をとる場合もあります。また外資系クライアントの場合媒体枠はネット(コミッションやマークアップはなし)請求しか認めない代わりに、媒体スタッフの稼働もフィーとして契約する場合もあります。どんな方式でも、広告主と広告会社が正式な業務委託契約の合意が必要になるのがフィー報酬制度です。

ちなみに、大手広告主の先進国の日本以外の市場では、広告主と広告代理店の取引はこのフィー報酬制度が主流です。その意味では日本の広告市場のビジネスモデルは、もはや日本独特のものになりつつあります。

媒体コミッションで稼ぐモデルは、巨額の媒体費を使用している大手広告主は本来不利になります。しかしながら日本の大手広告主は大手総合広告代理店の提供する、媒体枠確保能力、プランニングやクリエイティブをはじめ、求めれば微に入り細に入り業際を問わず色んな業務を受けてくれる「便利屋さん」的な付加価値、良く言えば「総合力」を評価してコミッション方式を変えていません。端的に言って、大手を使用する付加価値の方を、コストでは測れないものとして重視しているとも言えます。

日本の広告市場は一部大手総合広告会社の極端な寡占市場であり、欧米のように広告会社が扱えるのは一業種一社のみで、その競合する広告主は扱えないという方式が通用しないのがフィー制にしたくてもできないもう一つの大きな理由でもあります。

ここまでの説明で、日本の広告代理店の収益のモデルと、どんな価値を提供しているのかの概略が理解できたと思います。その上で、広告代理店の現状、課題、そして未来もみていきましょう。

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