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【就活の業界研究】就活のはじめに、建設業界の現在と課題、そして未来を俯瞰してみよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では建設業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

建設業界の7つのポイントを押さえよう

  • 建設業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 建設業界の構造
  • 建設業界の現状と課題・未来
  • 建設会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 建設会社に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 建設会社に向く人、向かない人はどういう人か
  • 主要建設会社各社の概況

建設業界、大手ゼネコンの社員の方と話していてよく出るのが東京オリンピック後の需要の話です。2020年卒や2021年卒の学生は、就職直後に訪れる状況のため特に気になる話題でしょう。

この記事では建設業界の現状と課題、そして未来への考え方や戦略を中心に解説します。選考過程での質問や志望動機にも関わる内容なので参考にしてください。

2020年東京オリンピックの経済効果

2020 年東京オリンピックの経済効果について、日本銀行調査統計局が2015年にまとめたレポートでは、東京オリンピックの経済効果は、主として、訪日観光需要の増加と関連する建設投資の増加という2つの経路を通じて、日本経済にプラスの効果を及ぼすと結論付けています。

オリンピック関連の建設投資には、オリンピック会場設備などの直接的な需要だけでなく、民間ホテルの新築・増改築や都心の再開発、商業施設の建設や交通インフラの整備といった間接的な需要も含まれています。

過去のオリンピック開催国のパターンを参考にすると、関連する建設投資は、2017~2018 年頃にかけて大きく増加したあと、2020 年頃にかけてピークアウトしていくと予想しています。

民間アナリストによる試算では関連する建設投資の総額を10 兆円程度とするものが比較的多く、当時日銀がまとめた主な関連プロジェクトを積み上げていっても、10 兆円程度に達していました。開催地東京の関連施設、宿泊施設工事や交通、再開発事業は2020年開催までに完成されるため、2018年~2020年度のゼネコンの決算に及ぼす恩恵は非常に大きいのですが、一部には完成後の建設需要の伸び悩みが懸念されています。

東京オリンピック以降の需要

一般的にはオリンピック後の需要の落ち込みを懸念されていますが、ゼネコン、特にスーパーゼネコンと呼ばれている売上規模1兆円以上の大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店の5社は東京オリンピック後も老朽インフラの更新、リニア中央新幹線、オフィスビルなど民間の建築工事、耐震建て替え需要などの大型案件の受注を見込んでおり、東京オリンピック後も安定的な成長をしていく計画を立てています

むしろ受注が堅調でも、それを供給できるか、の懸念が成長の足かせになる可能性があります。

スーパーゼネコン以外のゼネコンや地方の中堅建設会社は、現在急成長している訪日外国人観光客を受け入れる宿泊施設や観光施設の建設が、東京オリンピック効果で更に加速し、オリンピック後も観光ブームが続いていくこと、そして国土強靭化、老朽インフラの改修や再整備などの公共事業に期待をかけています。

建設市場全体としては決して楽観視はできませんが、短期で急激に且つ極端には悪くはならないという業界関係者も多いのです。

長期的な人口の減少が与える影響

どの業界にも言える事ですが、長期的には日本の人口の減少は建設業界にも大きな影響を与えます。例えば住宅着工戸数は2017年度実績で94万6000戸のレベルであり、2009年に100万戸を切って以降微増傾向にあるものの一回も100万戸を回復していません。

総世帯数も全国では2020年を頃から減少に転じると予測されています。国立社会保障・人口問題研究所が2014年に発表した推計では、最も人口が集中している首都圏でも2020年には世帯数の伸びが頭打ちし、2025年以降は減少に転じ、2030年には首都圏を除くすべての地域で2010年時点の世帯数を下回るという予測です。

ハウスメーカーやマンションのデベロッパー、そしてデベロッパーから建設を請け負う建設会社にとっては住宅建設の総需要の増加は見込めない状況なのです。

ハウスメーカー各社は賃貸住宅の建設増などで一般住宅の建築の減少を補っているのが現状です。しかし単身世帯数も少子化により減少していく為、賃貸住宅の需要にも限界はあります。

建設企業の成長戦略

スーパーゼネコンの事業を前提に、現在進行形もしくは近未来の事業の方向性をみていきましょう。

日本のスーパーゼネコンという業態は、建設工事、建築と土木の施工を営業の中核としながら、社内に設計部門・エンジニアリング部門・研究開発部門を抱えており、基本的にどんな建築物の工事でも請け負う、建設に関する幅広い技術力を持っている特別な存在です。

もちろん自社で全ての工事を行う訳ではなく、各専門分野別にサブコントラクターを入れてプロジェクトを進行しますが、工事全体のスケジュール、進行、コストに関して責任を負う「総合的に建設工事を請け負う存在」がゼネコンの役割なのです。

特にスーパーゼネコンと呼ばれる5社は、特徴の違いはあるにせよ、ほとんどの部分は同じような能力を持った企業であるため、日本の他の業界のように「持っていない事業がある企業同士が合併して、より幅広い分野を持つことによるシナジーを得て、より強い企業として拡大・成長する」という戦略がとりにくい業界であると言われています。

従って、ゼネコンという業態を、成長させていくためには、現業を維持しながら本質的な構造改革を進め、徐々にでも受注型構造からの転換を図り、景気の下振れにも強い企業体質になっていくことが求められています。

その主要な戦略をみていきましょう。

建設会社の事業展開の方向性・重点事業分野について

建設事業の付加価値を高める

クライアントの課題を解決するために、様々な企業(人々)が一体となった「プロジェクトチー ム」を組み、高度なプロジェクトマネジメントのもと、技術、材料、機器、設備等を有機的に結合させ 高度な技術システムを構築していく「エンジニアリング分野」を建設事業での注力分野とする方向性が最も地に足の着いた取り組みとして考えられています。具合的には、医薬・医療関係の製造・研究施設などの建設が挙げられています。

更には多様な入札契約方式における、施工段階にとどまらない設計段階への関与範囲の拡大や、長谷川工務店のように大規模改修等のリニューアル・メンテナンス分野へ今後より一層注力するなど、他社と差別化した「強み」を先鋭化する戦略です。

海外への展開

スーパーゼネコンは現在でも海外進出をしており、海外売上比率は最も低い清水建設で7.4%、大成建設10.0%、竹中工務店14.1%、鹿島建設21.0%、最も高い大林組で23.4%となっています。

長期的に人口減少の影響を受ける日本以外の市場、特に成長が見込まれているアジアや中近東、アフリカ諸国への事業展開をより一層注力していくことは、成長戦略の柱の一つになります。

しかし、成長市場には現地企業や、有力な欧米系の建設会社との競合となるため、そう簡単ではありません。政府開発援助のひも付き案件以外で、競争して受注するためには高い技術力はもちろんのこと、コスト競争力を含めて特化した強みをつくっていく必要があります。日本の本社とのシナジーが活きる現地企業の買収を行い、その企業をマネージしていくことも選択肢です。

建設業以外の事業展開

中核の建設事業以外で、培ってきたノウハウが活かせる分野や、ゼネコンの枠にとらわれない事業の展開や開発も重要です。

不動産事業:

自らデベロッパーとしてオフィスビルや物流施設等の事業展開を行っていく戦略です。自社所有だけを目的とするのではなく、売却益の取得により収益性を上げて事業の安定化に貢献させる方法も考えられます。

再生可能エネルギー事業:

東日本大震災後、エネルギーソースの多様化は社会的な要請となっています。太陽光発電や風力、地熱エネルギー、バイオマスなどの再生可能エネルギーが注目され、多くの企業が参入しました。建設会社も自らの保有資産と建設技術を活かして、エネルギー分野を新たな事業機会と置捉えて積極的に参入しています。

具体的には、大林組は事業化が決定したすべての太陽光発電施設(全国28ヵ所、合計129MW、約4万世帯分の消費電力量を発電)の稼働を開始しており、2017年11月には、風力発電事業の売電もスタートさせています。

鹿島建設も風力発電、太陽光発電、バイオマス発電事業に取り組んでいます。このようなスーパーゼネコンだけではなく地方の建設会社も新しい事業として太陽光発電などに取り組んでいます。

農業・アグリビジネス:

製造施設等の技術・ノウハウを活用した植物工場による大規模で効率的な農作物の栽培を行う事業です。地方の建設会社でも、自社で建設した施設で地鶏やブルーベリーなど、地域に根ざした農作物の生産を行う企業は多くなっています。

今後は更に大規模な植物工場を展開したり、農業法人や小売企業と協力して、他産業の企業の運営ノウハウ等を取り入れようとする取組なども行われていくでしょう。

エネルギーマネジメント事業:

所有施設や周辺エリアにおいて、節電・省エネルギーに貢献する技術やマネジメント手法を開発し、その効果を実証して市場開拓につなげようという戦略です。

この分野はエネルギー企業やデベロッパーとの協業ということになると思いますが、IoTやAI技術と建物そのものが融合していくことになるため、建設会社としてのノウハウを蓄積できれば建物の資産価値を向上させる需要を取り込める「強み」になります。

建設業のIT化

Con-Tech 企業の参入

建設現場では電話とファックスがコミュニケ―ション手段の主流と言われている建設業界ですが、IT化、デジタル化の流れは建設現場でも、現場以外でも進んでいます。Con-Tech企業と呼ばれる建設業界にテクノロジーを持ち込むスタートアップ企業も増え、建設業の生産性向上に貢献しています。

身近なところではSketchupというソフトで書かれた図面をすぐに3D化できる技術、ネット上で発注者と受注者(設計会社や工事会社)を引き合わせるマッチングプラットフォーム、建機や工具の売り買い&貸し借りを行うマーケット・プレイス(モノタロウが行っているビジネス)、プロジェクトマネジメントを可視化し共有するツール、ネットを介し職人同士が情報交換できるコミュニティプラットフォームなどが既に実現し活用されています。

i-construction の促進

国土交通省として力を入れているのが「ⅰ-construction」という政策です。建設業のIT化を推し進め、人手不足を補い生産性を向上させる目的を持っています。具体的にはドローンを使った測量や保守点検、ICTで制御された建設機械による建築などの現場のIT化などが最も分かりやすい例でしょう。

設計段階ではBIM(Building Information Modeling)とかCIM(Construction Information Modeling)と呼ばれる3Dデータによる建物や構造物の3次元設計も導入されています。設計段階から精密なモデリングを行い、そこに仕上げや材料・部材、コストなどの情報を組み合わせ、設計、施工、維持管理に至るまで品質と効率性の向上を目指しています。

将来的にはインフラや建物などのメンテナンスで得られる様々な検査データを蓄積してAIによるディープラーニング機能で適切な補修を管理していくなど、ビックデータの応用による新しい事業も考えられます。

PPP/PFI事業への取り組み

PPP (Public Private Partnership)とは、公民が連携、役割分担をして公共サービスの提供を行うスキームを指し非常に幅広い概念です。

PFI (Private Finance Initiative)とは、1999年に施行されたPFI法に規定されている特定のPPPを意味します。公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るというスキームです。

これらの事業を建設会社側からみると、多様な入札方式に対応する能力、具体的には多様契約方式による分類に基づいて、事業プロセスにおける建設 企業の関与範囲を考える必要が出てきます。

また受注のための企画提案には、コンソーシアムの一構成企業となる場合と、コンソーシアムの代表企業となる場合で異なります。一構成企業の場合に求められる企画提案内容は、事業プロセスの設計・施工段階及び維持管理段階に関する工期短縮やコス ト縮減に関する企画提案が中心となります。

代表企業の場合に求められる企画提案内容は、建設企業としての建設事業の技術的な企画提案、事業企画や事業運営といったより広範囲な企画提案が求められます。特に、PFI 事業における企画提案には、資金調達やリスク管理等を含めた事業企画も必要になるため、建設会社の枠から出た創意工夫、ノウハウ、アイディアも必要になります。

PPP/PFIは公共予算の有効、効率的な活動という意味で社会的に必要なスキームであり、受注のためには従来のやり方以上に、知恵と力を発揮する必要があります。

まとめ

長い低迷から脱して活況を取り戻している建設業界も、建設就業者不足という不安要素もあり、また中長期的にみれば課題も多いことが理解できたと思います。

建設業界は受注型というビジネスモデルから、変化し難い業界とも言われてきましたが、人口減少を迎える日本では成長のために変化していかなければなりません。そのアプローチは多角化であり、海外展開であり、IT、ICTの活用であり、入札方法の精緻化、多様化など、建設業界には様々な変化が待ち受けています。

これから建設業界で活躍を志している皆さんは、ぜひ変化を受け入れ、今までにない活動や事業に果敢にチャレンジをしていってください。

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