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【就活の業界研究】:鉄鋼・金属専門商社の概況をチェックしよう

「就活の答え」で日本語代表的な専門商社の概況を専門分野別で紹介していきます。

この記事では鉄鋼・金属を主に扱っている専門商社の内上位企業5社を直近年度の有価証券報告書や中期経営計画を基にまとめています。短時間で読めるようにコンサイスにまとめていますので参考にしてください。

専門商社と一口に言っても、国内外のメーカー企業に製造に必要な原料、素材、部品などを主に輸入して供給する上流部分を主な事業とする商社、製品や商品を国内のユーザーや小売業に卸売することを主な事業にしている商社、その両方を事業としている商社があるため注意が必要です。

それによって「海外」への向き合い方も違っていますので、専門的に取り扱っている分野とともに、商社毎の事業の内容を把握しておきましょう。

また鉄鋼・金属商社は規模にもよりますが、大手は鉄鋼・金属だけではなく、情報・電子商材や、産業機器、生活産業分野など、多角的な事業を展開しています。

それぞれの企業によって、扱う分野や注力事業、成長へのアプローチが違うため、志望を検討する場合は深い企業研究を行っていきましょう。

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鉄鋼・金属 代表的専門商社の業績と概況

株式会社 メタルワン

2023年3月期連結決算(2022年度)

収益 (百万円) 2,396,213
売上総利益 (百万円) 139,701
営業利益 (百万円):日本基準 54,800
税引前利益(百万円) 56,107
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 41,516
従業員数(人) 連結 約10,000名、 単体 947名(2023年4月1日現在)
拠点数(全世界) 約150
連結対象子会社(関連会社含む) 104社

メタルワンは三菱商事と双日の鉄鋼事業部門が統合して2003年に設立された企業です。

その後、2014年には三井物産スチールと国内建材部門を統合しています。また2018年1月にはカーギル(米国企業)の米国鉄鋼事業を買収、更に2019年4月には住友商事と国内鋼管事業を統合し、合弁会社の住商メタルワン鋼管を設立しています。

メタルワンは「グローバルNo.1の鉄鋼総合商社」という目標を掲げて事業を展開しています。

鉄鋼メーカーとユーザーの双方の取引に介在し、サプライチェーンマネジメント・戦略的ファイナンス・総合コンサルティング・ITソリューションといった付加価値の高い様々なサービスをグループで提供しています。

具体的な事業の概要は以下の通りです。

主に建機・建設・造船向け

  • 厚板事業部、建設鋼材事業部、鋼管事業部 (厚板BU*、建設鋼材BU、鋼管BU)*BUとはビジネス ユニットのことです
    • 主に造船や建産機、プラント、建設などの重工業・インフラ向けの厚板や鋼管、建材、鉄スクラップなどの広範な取り扱い

 

主に薄板・自動車・家電産業向け

  • 薄板事業部/グローバル事業部(国内自動車・電機・薄板BU)/(海外自動車・電機BU、鋼板国際BU)
    • 国内外の自動車や電機産業向けの薄板や、建材、容器、鋼製家具向けなどの様々な鋼板をグローバルに供給
    • EV(電気自動車)、電機・モーター向けの電磁鋼板の供給等

 

主に資源エネルギー・海外市場向け

  • 鉄鋼貿易・エネルギー事業部(鉄鋼貿易BU、エネルギープロジェクトBU)
    • メタルワングループのネットワークを通じた鉄鋼製品・半製品などのトレーディングや現地のニーズに対応した加工、物流、在庫管理まで総合的なサービスを提供
    • 石油や天然ガスなど資源エネルギー分野では油井管やラインパイプなど海外の資源開発プロジェクト向けに鋼管・資機材一式を供給

 

線材・特殊鋼・ステンレス

  • 線材・特殊鋼・ステンレス事業部(線材・特殊鋼BU、ステンレスBU)
    • 自動車や家電、土木・建築など様々な用途に使われる線材は、川上から川下までのバリューチェーンをグローバルに展開
    • 自動車や建機など特殊鋼ユーザーのきめ細かいニーズに対応
    • ステンレスは厨房機器や家電、自動車など幅広い用途に対応するとともに、製品からスクラップまでのバリューチェーンを展開
    • 高機能材であるチタン製品においてもグローバルな供給網を構築

2023年3月期(2022年度)の連結業績

メタルワングループは2020年度以降、安定的に連結純利益300億円以上を達成するため、「変革と挑戦」の徹底、「Quantum Leap(飛躍的進歩)」の実現を目指して事業を展開してきました。

2023年3月期におけるメタルワングループを取り巻く事業環境としては、世界の鋼材需要は金融引き締めによる建設投資減速、原燃料価格高止まり等による影響を受け、前年度比減少となっています。

日本の鋼材需要は、土木、造船部門で前年度比減少となったものの、建築、自動車、産業機械の部門では前年度比増加となり、全体では微増しています。

鉄鋼市況は高炉メーカーが設備を集約したことにより鉄鋼需給が逼迫したこと、更に、高騰した原料価格を製品価格に転嫁したことにより上昇しました。

メタルワングループは、このような事業環境のもと、「中期経営計画2024」にて「変革」と「成長」の2つのテーマを掲げ、デジタルを活用した効率化・差別化による変革や、地政学リスクを踏まえつつ、成長性の高い地域での成長施策の検討・実行に取り組みを行いました。

2023年3月期(2022年度)におけるメタルワングループの連結業績は、収益が2兆3,962億円となり、前年度比19.3%増収となっています。

収益の内訳は、国内関連9,519億円(39.7%)、海外関連1兆4,443億円(60.2%)という割合です。

また、利益面の業績は、売上総利益は前年度比207億円増加の1,397億円、営業利益は548億円(同:30.8%増)、税引前利益は561億7百万円(同:26.5%増)、当社の所有者に帰属する当期純利益は415億円 16百万円(同:47.9%増)となり、 前年度比で大幅増益を達成しています。

中期経営計画

現在、メタルワングループは、中期経営計画2024を策定し、事業を展開中です。

前中期経営計画では、不採算事業等からの撤退を含めた事業ポートフォリオの見直しや、経営資源のシフト、人材開発に向けた各種施策に注力し、また中期的な国内鉄鋼市場の縮小も見据え、コロナ後の新常態における鉄鋼市場環境に対応するため事業構造改革を推進してきました。

2022年にスタートした中期経営計画は、そのコンセプトを『変革』と『成長』としています。

基本方針は、川中である鉄鋼流通は川上のメーカーや川下のユーザーから様々な要求を受ける立場であることから、サプライチェーンの中の無理や無駄を見直し、デジタルの力を活用し、業態変革を進め、先鋭的で高度なサプライチェーンに変えていくこと、また国内事業を維持しつつ、海外戦略、特に北米・中米事業への注力していく方針です。

新たなビジネスとしては、カーボンニュートラル(CN)をビジネスチャンスと捉えています。脱炭素によって鋼材の価値が変わること、新しい事業領域であるグリーンスチール温室効果ガスを極力発生しない方法で製造された鉄鋼)を、商社のビジネスとして活かしていく方針です。

上記は計画のごく一部のサマリーに過ぎません。

就活でメタルワンを志望する皆さんは当然ですが、鉄鋼・金属商社業界に興味があるかたは、メタルワンの新卒向け採用情報サイトは必見です。

メタルワンの情報はもちろんのこと、グローバルでの鉄鋼商社ビジネスの内容が理解できるように、非常に充実した内容になっています。ぜひ活用してみて下さい。

JFEホールディングス株式会社 / JFE商事株式会社

参考:JFEホールディングス 2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 5,268,794
事業利益・事業損失 (百万円) 235,841
税引前利益又は税引前損失 (百万円) 210,282
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 162,621
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) 198,999
従業員数(人) 64,241
連結子会社 326社
持分法適用関連会社等 88社

JFEホールディングスとグループ企業で鉄鋼事業(生産事業)やエンジニアリング事業における国内外の環境・エネルギーおよびインフラ構築プロジェクトを手掛けており、商社機能はJFE商事が手掛けています。

JFEホールディングスとしての2023年3月期(2022年度)の連結決算の事業セグメント別の業績は以下の通りです。

事業名 外部顧客売上収益(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
鉄鋼 3,427,239 65.0% 146,825 65.1%
エンジニアリング 498,079 9.5% 13,481 6.0%
商社 1,343,476 25.5% 65,115 28.9%
合計 5,268,794 100.0% 225,422 100.0%
調整額 -4,384
計上額 5,268,794 221,038

JFE商事及びグループ会社は、鉄鋼製品、製鉄原材料、非鉄金属製品、食品等の仕入、加工および販売を行っています。

主要取扱製品は以下の通りです。

  • 鉄鋼製品(厚鋼板、縞板、熱延薄鋼板、冷延薄鋼板、電磁鋼板、表面処理鋼板、亜鉛鋼板、ブリキ、鋼管、特殊鋼管、棒鋼、H形鋼、軽量形鋼、一般形鋼、コラム、線材、ステンレス鋼、特殊鋼、スラブ)、溶材、鉄粉、鋼材加工製品、製鉄原材料・資機材、非鉄金属製品、金属スクラップ、高炉スラグ、化学製品、石油製品、紙製品、船舶、バイオマス燃料、土木建築工事、テールアルメ工法、缶詰製品、農畜産物、水産物、半導体製品、不動産等

JFE商事はグループリソースを最大限活用し、鋼材販売量の拡大を進める共にグループ外への取引拡大にも積極的に取り組み、トレード収益の維持・拡大を目指しています。

鉄鋼サプライチェーンへ経営資源を投下し、需要を捕捉するための加工・流通拠点の機能強化や、再編等を通じた体質強化、活動領域の拡大に取り組んでいます。

更に、グローバル地域戦略も推進し、日本を中心に据えたグローバル4極体制(日本、米州、中国、アセアン)でのマネジメント強化を図ってグローバルに展開している、専門商社の代表的企業です。

JFE商事の事業は、日本で製造されるJFEスチール材のみならず、JFEスチール(株)の海外製造拠点やJFEグループのアライアンス先で製造される鋼材も含めたJFEブランドを、世界各地に製造拠点を展開する顧客へ良質なサービスとともに提供することです。

また顧客のニーズに合わせ、スリットなどの切断加工製品や、環境規制・省エネを背景に拡大している自動車用モーターコアや高効率変圧器用トランスコアなどの鋼材加工部品をグローバルに提供できる体制を整えています。

変化が激しいグローバル市場において顧客のニーズを先取りし、中核商社としてJFEグループの全体最適を考えながらトレードビジネスや事業を展開し顧客への価値貢献を最大化しています。

こうした他社にはないグループ全体最適を追求する商社事業モデルを通じ、グローバル市場におけるグループ全体の競争優位性を維持拡大してく方針です。

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

2023年3月期(2022年度)における、JFE商事の連結業績は以下の通りです。

売上収益 (百万円) 1,514,100
セグメント利益 (百万円) 65,100
従業員数(人):2022/3/31時点 (連結)8,631名
国内事業所 20ヵ所
海外事業所 35ヵ所
グループ会社(国内) 43社
グループ会社(海外) 23社

2023年3月期(2022年度)におけるJFE商事の連結業績は、売上収益が1兆5,141 億円(前年度比22.9%増)とななり、前年度に続いて高い伸びとなっています。

年間セグメント利益は、前年度比+92億円の651億円となり、過去最高益を達成する結果となっています。

中期経営計画に基づいた活動

現在はJFEホールディングスの第7次中期経営計画(2021~2024年度)の基、以下の事業に注力して事業を展開しています。

  • 電磁鋼板の世界1グローバル流通加工体制構築:
    • 現在国内の5拠点に加え、海外では中国、ASEAN、インド、メキシコ、カナダ等11カ国15拠点において事業を展開
    • 2022年、度には、名古屋および中国・浙江においてプレス加工設備の増強を実施
    • 急速に拡大が見込まれる電磁鋼板の需要捕捉に向け、流通加工体制の構築を着実に推進する
  • 海外建材事業:
    • 鋼製薄板建材製品の製造・販売会社である米国のCEMCO社を買収により、安定した成長が期待される北米の薄板建材の需要を捕捉するとともに、米国JFE商事やJFEスチール(株)の関連会社であるカリフォルニアスチール社等との連携を深め、収益の安定化を図る
    • 自動車向鋼材においては、ニューコア・JFEスチール・メキシコ社に隣接する加工センターにおける加工設備増強を決定
    • グループ連携によるサプライチェーン強化

尚、2023年2月に太陽光パネルを静岡の鋼材加工センターに設置し、国内で初めて鋼材加工におけるCO2排出量の実質ゼロを実現、今後は他の鋼材加工拠点にも取り組みを拡大していく計画です。

2022年度のトピックとしては、電磁鋼板グローバル加工流通 No1 確立への増強として、浙江川電の隣に新工場を建設、アメリカの JSA では自動車用モーターコアプレスの増強、名古屋の工場の拡張など、着々と電磁鋼板の増強を推進しています。

以下、参考までにJFE商事株式会社の単体の業績を記載しておきます。

JFE商事株式会社

2023年3月期(2022年度)単体決算

売上高 (百万円) 516,024
営業利益(百万円) 24,719
経常利益 (百万円) 37,330
税引前利益(百万円) 37,955
当期純利益(百万円) 30,292

就活でJFE商事を志望する方は、親会社のJFEホールディングスの中長期の計画や戦略を把握して、自分自身のビジョンや志望動機を固めていきましょう。

神鋼商事株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 584,856
経常利益 (百万円) 12,668
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 9,196
包括利益(百万円) 12,756
従業員数(人) 1,404
外、平均臨時雇用者数 87
連結子会社 39社
持分法適用関連会社 16社

神鋼商事グループは、国内及び海外において鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属・機械・溶材を主体とした各種商品を取引しています。

更に関連商品の 製造、情報等のサービスの提供、先端技術分野への事業投資を行う等多角的な事業活動を展開しています。 具体的な事業分野と取引商品は以下の通りです。

  • 鉄鋼:
    • 銑鉄、鉄鋼半製品、普通鋼鋼材、特殊鋼鋼材、鉄鋼二次・三次製品、建材加工製品、チタン製品、ステンレス製品、鉄粉、鋳鍛鋼等
  • 鉄鋼原料:
    • 鉄鉱石、石炭、コークス、コークスブリーズ、鉄スクラップ、製鋼用銑鉄、還元鉄(HBI)、合金鉄、製銑・製鋼用副原料、チタン原料、石油製品、スラグ製品、化成品、再生可能燃料(RPF、PKS(椰子殻)、木屑、木質ペレット)等
  • 非鉄金属:
    • 銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップ、銅・アルミ加工品、アルミ・マグネシウム鋳鍛造品等
  • 機械・情報:
    • ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、真空成膜装置、各種炉、コンプレッサ、各種圧縮機、環境関連機器、その他産業機械全般、パネル配線用金属材料、電子関連設備及び部材等
  • 溶材:
    • 溶接材料、溶接機、溶接ロボットシステム、溶接関連及びその周辺機器、フープ材、溶剤原料、副資材、各種加工原料等

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

神鋼商事の2023年3月期におけるグループ連結業績については、売上高が584,856百万円となり、前連結会計年度比(以下、同)18.3%の増収となっています。

利益面の業績としては、営業利益は13,459百万円(同33.9%増)、経常利益は12,668百万円(同30.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は9,196百万円(同28.9%増)の増益を達成した年度となっています。

2023年3月期(2022年度)における事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年3月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
鉄鋼 238,585 40.8% 5,140 40.6%
鉄鋼原料 64,535 11.0% 1,498 11.8%
非鉄金属 194,480 33.3% 2,675 21.1%
機械・情報 58,143 9.9% 2,170 17.1%
溶材 28,870 4.9% 804 6.3%
その他 240 0.0% 378 3.0%
合計 584,856 100.0% 12,668 100.0%
調整額
計上額 584,856 12,668
  •  鉄鋼:
    • 鋼板製品・特殊鋼製品の取扱量については、造船・建築分野での需要が堅調に推移したものの、自動車関連向けは半導体不足等が続く中で生産台数の回復が進まず減少し、鋼板製品・特殊鋼製品とも取り扱い数量が減少した一方、鋼材価格が上昇したことにより、増収増益
    • 鉄鋼セグメントの売上高は238,585百万円(前連結会計年度比、以下、前年度比18.3%増)、セグメント利益は5,140百万円(同24.4%増)
  • 鉄鋼原料:
    • 神戸製鋼所向け主原料や冷鉄源の取扱量の増加、原料価格が上昇したことにより、増収増益
    • 鉄鋼原料セグメントの売上高は64,535百万円(前度比42.6%増)、セグメント利益は1,498百万円(同108.5%増)
  • 非鉄金属:
    • 自動車向け・半導体向けアルミ板条や非鉄原料取扱量増等によって増収とった一方、自動車端子向け銅板条や空調向け銅管の取扱量減等により、減益
    • 非鉄金属セグメントの売上高は194,480百万円(前年度比15.4%増)、セグメント利益は2,675百万円(同11.8%減)
  • 機械・情報:
    • 国内外で建設機械部品等の取扱量が増え、また、国内向け回転機も本体・メンテナンスともに取扱いが増えたことに加え、国内子会社の業績好調もあり、増収増益
    • 機械・情報セグメントの売上高は58,143百万円(前年度比4.9%増)となり、セグメント利益は2,170百万円(同37.1%増)
  • 溶材:
    • 国内の造船・建築向けや海外の造船向けの取扱量が堅調に推移し、溶接材料価格も上昇したことにより、増収増益
    • 溶材セグメントの売上高は28,870百万円(前年度比23.8%増)となり、セグメント利益は804百万円(同148.0%増)

中期経営計画

神鋼商事グループは「神戸製鋼グループの中核となるグローバル商社を目指す」を長期経営ビジョンとし、その実現に向け、現在は2021‐2023年度における中期経営計画を達成すべく事業を展開しています。中期経営計画では以下の課題に注力する方針を掲げています。

収益力の強化、投資の促進:

  • 収益力の強化
    • 大幅な為替レートの変動や運賃を始めとする諸経費の高騰等への対応を推進
    • 海外主導型ビジネスの拡大
      • 米国・タイ・中国の3大拠点を中心とした海外拠点の機能強化
      • インドにおける建設機械向け部品製造・販売合弁会社の設立
      • ベトナムにおけるアルミ板切断加工会社の設立など、
  • 投資の促進
    • 自動車EV化や環境対応強化等のグローバルな課題を踏まえた事業会社の設備投資を着実に推進
      • 北米の特殊鋼二次加工拠点であるGrand Blanc Processing, L.L.C.、Aiken Wire Processing, L.L.C.への伸線機等の導入
      • 中国のアルミ圧延材の加工拠点である蘇州神商金属有限公司への大型レベラーシャーラインの導入
      • 中国のアルミ厚板の切断加工拠点である神商精密器材(蘇州)有限公司の新型マシニングセンターの増設等、

商社機能の強化:

  • SDGsに関連する資源循環型ビジネスの拡大
    • 資源循環型ビジネス(バイオマス燃料の安定供給、冷鉄源のグローバル拡販、非鉄スクラップのリサイクル事業等)や、脱炭素関連機器(圧縮機、LNG輸送関連機器等)の販売に注力

 

  • 新規事業の強化:
    • 本部の枠組みを超えた新事業開発を行うため、全社横断型のプロジェクトチームを立ち上げ、長期経営ビジョン「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を念頭に、新たなビジネスの創出に挑戦
    • 新規事業の創出及び当社取引先との協業等を図ることを目的に、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(株)が設立したUMI脱炭素ファンドに出資
      • 脱炭素分野の切り口から当社の事業分野とのシナジーを模索するにとどまらず、新たなビジネスの創出に挑戦する

経営基盤の強化

  • コーポレートガバナンスの強化
  • ダイバーシティの推進
  • リスク管理体制の構築
  • DXの推進
    • DX推進の目的を「企業価値向上」と定め、「DX人材育成」、「生産性向上/働き方改革」、「お客様視点の提供価値創出」の三つのアプローチを同時並行で推進

上記は中期経営計画の骨子のみですが。就活で神鋼商事を志望する皆さんは、企業研究を深めるのは当然として、中期経営計画の方向性や成長戦略の中身まで踏み込んで理解をすることで、自分自身のビジョンの形成をして選考に進んで下さい。

阪和興業株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 2,668,228
経常利益 (百万円) 64,272
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 51,505
包括利益(百万円) 71,336
従業員数(人) 5,442
外、平均臨時雇用者数 948
子会社 92社
関連会社 33社

阪和興業及びそのグループ会社は、鉄鋼を中心にプライマリーメタル、リサイクルメタル、食品、エネルギー・生活資材、木材及び機械等各種商品の販売を主たる事業とし、さらに鋼材加工、リサイクル金属加工及びアミューズメント施設の管理・運営等の事業活動も展開しています。

具体的な事業セグメントと主な取扱商品・サービスの内容は以下の通りです。

  • 鉄鋼事業:
    • 主に条鋼、建設工事、鋼板、特殊鋼、線材、鋼管及び鉄屑の取り扱い、加工及び保管等
  • プライマリー原料事業:
    • 主に、ニッケル、クロム、シリコン、マンガン及び合金鉄、貴金属、ステンレス薄板、高機能材の取り扱い
  • リサイクル原料事業:
    • 主にアルミニウム、銅、亜鉛、チタン、ニッケル等のリサイクル原料の取り扱い
  • 食品事業:
    • 主な取扱商品は、水産物及び畜産物等
  • エネルギー・生活資材事業:
    • 主に、石油製品、工業薬品、化学品及びバイオマス・リサイクル燃料の取扱い
  • 海外販売子会社:
    • 海外の主要な拠点におおける多種多様な商品の売買、商社事業
  • その他:
    • 木材及び機械の取り扱い、また、アミューズメント施設の管理・運営等

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

阪和興業の2023年3月期におけるグループ連結業績については、売上高が前連結会計年度比(以下、前年度比)23.3%増の2兆6,682億28百万円となっています。

経済活動が引き続き回復傾向にあるなかで資源高を背景に鋼材や非鉄金属、原油などの商品価格が前連結会計年度に比べて高い水準で推移したことに加え、海外販売子会社の業績拡大が寄与したカタチです。

利益面の業績は、営業利益がプライマリーメタル事業やエネルギー・生活資材事業の増益などにより、前年度比2.8%増の641億5百万円でした。

また、戦略的投資先等からの配当収入が増加したことやプライマリーメタル事業などの持分法による投資利益が増加したこと、為替差損が縮小したことなどから、経常利益は前年度比2.5%増の642億72百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として固定資産売却益などを計上したことも加わり、前度比18.1%増の515億5百万円という結果でした。

売上高、利益ともコロナ禍以前の年度(2019年3月期)の実績を大きく上回る結果となっています。

2023年3月期(2022年度)における事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年3月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
鉄鋼事業 1,232,686 46.2% 28,477 41.0%
プライマリー原料事業 267,389 10.0% 13,934 20.0%
リサイクル原料事業 144,406 5.4% 6,135 8.8%
食品事業 127,392 4.8% -960 -1.4%
エネルギー・生活資材事業 349,216 13.1% 11,574 16.6%
海外販売子会社 404,976 15.2% 7,278 10.5%
その他 142,160 5.3% 3,083 4.4%
合計 2,668,228 100.0% 69,522 100.0%
調整額* -5,249
計上額 2,668,228 64,272

*セグメント利益又は損失の調整額△5,249百万円は、セグメント間取引消去、各事業セグメントに配分していない
全社費用が含まれています。(全社費用は主に管理部門に係る一般管理費及び収益)

中期経営計画

現在、阪和興業では、現在2023年度から2025年度までの3か年にわたる中期経営計画を策定し、事業を展開しています。

中期経営計画の概要は以下の通りです。

テーマ:

『Run up to HANWA 2030 ~いまを超える未知への飛翔~』

定量目標:

最終年度(2026年3月期)に達成目指す定量目標は以下の通りです。

  • 業績目標:最終年度(2026年3月期:2025年度)
    • 経常利益:700億円
    • ROE(株主資本利益率):0%以上
    • DOE(株主資本配当率):5%下限
    • Net DER(純負債資本倍率):0倍以下
    • 累計投融資枠:800億円
    • 連結鉄鋼取扱重量:1,700万トン

 

この中期経営計画は、「サステナビリティ経営」を基礎に、「経営基盤の強化」(1階)、「事業戦略の発展」(2階)、「投資の収益化」(3階)という3階建ての構造となっています。

さらなる成長を支えるための基盤強化と既存の枠組みにとらわれない事業戦略の推進により、2030年度も見据えた持続的な成長への取り組みを推進する計画です。

基礎:サステナビリティ経営

  • ESG、SDGsに根差した事業/投資戦略
  • 持続的成長を支える組織体制の強化

 

1階:経営基盤の強化

  • 財務基盤強化、新たな株主還元方針
  • 投資の推進/管理、RM(リスクマネジメント)態勢高度化
  • CG体制高度化、人材戦略、DX戦略

 

2階:事業戦略の発展

  • 流通態勢強化、高付加価値事業への転換
  • ソリューション型ビジネスへの進化
  • 地産地消型ビジネスの海外での拡大

 

3階:投資の収益化

  • 事業投資を通じた利益の最大化
  • 電池材料や再生資源などへの投資促進
  • グループ会社の全体最適

 

特に事業戦略の発展については、以下の活動に注力し、事業を展開しています。

  • 国内では加工機能などを活かした高付加価値営業を一段と進める
  • 「そこか」戦略の全国的な展開やグループ会社における資産や物流網の有効活用などを推進し、縮小が見込まれる国内市場においてもシェアの拡大と収益性の向上に努める
  • 海外では東南アジアを中心に地産地消型ビジネスの拡大を図るほか、戦略的パートナーとのアライアンスの強化や戦略的投資からの利益の確実な獲得により、グローバルでの収益力の強化を図る。

上記は骨子の一部のみですが、就活で阪和興業を志望する皆さんは、「阪和興業 中期経営計画(2023年度-2025年度)」をチェックして、事業の方向性や成長戦略の概要を理解し、自分自身の将来ビジョンや志望動機の形成に役立ててください。

阪和興業は鉄鋼や非鉄金属の他に、食品事業や石油・化成品事業も行っており、付加価値を高めた商品の流通や顧客ニーズに即応した提案型サービスを提 供するユーザー系商社として、「存在感ある商社流通」を追求しています。

トレーディングから高付加価値営業への展開や、アセアン・中国への鉄鋼事業の展開など、事業戦略の重要な部分はしっかり理解して就活に臨みましょう。

岡谷鋼機株式会社

2023年2月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 962,016
経常利益 (百万円) 32,568
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 23,520
包括利益(百万円) 24,624
従業員数(人) 5,554
外、平均臨時雇用者数 188
連結子会社 75社
持分法適用非連結子会社 6社
持分法適用関連会社 14社

岡谷鋼機及びグループ会社は、商社である岡谷鋼機を中心として、鉄鋼、情報・電機、産業資材、生活産業の多様な商品の売買・製造等を扱っており、国内及び海外において多角的な事業活動を展開しています。

具体的な事業セグメントと主な取扱商品・サービスの内容は以下の通りです。

  • 鉄鋼事業:
    • 鉄屑、棒鋼、鋼矢板、H型鋼、鋼板、鋼管、機械構造用炭素鋼、合金鋼、軸受鋼、工具鋼、ステンレス鋼他
  • 情報・電機:
    •  銅、アルミ、レアアース、電子部材、汎用電機品、映像機器、半導体・周辺電子部品、ソフトウェア開発・販売他
  • 産業資材:
    • 工作機械、工具、産業用ロボット、環境・リサイクル対応設備、半導体・電子関連設備機器、航空機部材、自動車部品、合成樹脂原料、樹脂成形品 他
  • 生活事業:
    • 配管資材、住設機器、住宅用資材、不動産開発、分譲マンション、水産物、畜産物、倉庫業 他
  • 現地法人等:
    • 国内及び主要な海外拠点におおける多種多様な商品を扱う商社であり、多角的な事業を展開

2023年2月期(2022年度)連結業績概要

岡谷鋼機の2023年2月期におけるグループ連結業績については、連結売上高が前期並みの9,620億16百万円となっています。

損益面では、売上総利益が760億67百万円(前連結会計年度比、以下前年度比16.0%増)、営業利益は294億48百万円(前年度比29.6%増)、経常利益は325億68百万円(前年度比16.2%増)、また、親会社株主に帰属する当期純利益は235億20百万円で、前度比21.7%の増益となり、主要な利益指標で増益を達成した年度でした。

2023年2月期(2022年度)における事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年2月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益
(百万円)
利益構成比
鉄鋼 408,616 42.5% 9,690 34.1%
情報・電機 223,805 23.3% 8,894 31.3%
産業資材 275,932 28.7% 7,190 25.3%
生活産業 53,662 5.6% 2,616 9.2%
合計 962,016 100.0% 28,392 100.0%
調整額 1,056
計上額 962,016 29,448
  • 鉄鋼:
    • 鉄鋼部門は、鋼材価格の上昇に加え、建材関連や製造業向けを中心に増加、特殊鋼部門は、産機・工作機械向けが増加、海外は、鋼材価格の上昇に加え、欧米・アジア向けが好調に推移
    • 鉄鋼セグメントの売上高は4,086億16百万円、営業利益は96億90百万円(前年度比7%増)
  • 情報・電機:
    • エレクトロニクス部門は、FA、PC及び車載関連が順調に推移、非鉄金属部門は、銅・アルミ価格の上昇により、車載・産機向け電子部品用材料が増加
    • 情報・電機セグメントの売上高は2,238億5百万円、営業利益は88億94百万円(前年度比1%増)
  • 産業資材:
    • メカトロ部門は、車載関連及び航空機向け部材が好調、化成品部門は、原材料価格の上昇に加え、国内外の自動車関連が順調に推移
    • 産業資材セグメントの売上高は2,759億32百万円、営業利益は71億90百万円(前年度比9%増)
  • 生活産業:
    • 配管建設部門は、分譲マンションの販売が減少しましたが、配管資材が増加、食品部門は、水産物の輸入取引が好調に推移
    • 生活産業セグメントの売上高は536億62百万円、営業利益は26億16百万円(前年度比7%減)

中期経営計画

岡谷鋼機グループは、「ものつくりに貢献するグローバル最適調達パートナー」を企業理念として、G(Global)、I(Innovation)、H(Human resource)を柱に、事業を展開しています。

G(Global)、I(Innovation)、H(Human resource)は以下の経営方針・経営戦略を表したものです。

  • G:世界市場で地域に根ざした「ものつくり」に貢献すべく、グループ総合力を発揮
  • I:時代の変化に向き合い、先端商品・技術の取扱い拡大に挑戦し続ける
  • H: 企業活動を支える社員一人一人が、成長を実感できる人材育成を行う

 

現在、岡谷鋼機グループでは、2025年度を最終年度とする中期経営計画「GIC 2025」を策定し、以下のG(Global)、I(Innovation)、C(Challenge)を柱に取り組みを行っています。

  • G:岡谷グループの国内外の拠点を拡充し、地域に根差した事業を構築します。
  • I:デジタル技術を活用したビジネスモデル(DX)によって商社機能を柔軟に進化させ、顧客に新たな価値を提供します。
  • C:社員一人一人が明るく自由闊達な組織の中で主体的に挑戦します。

岡谷鋼機グループはグローバル市場において次世代自動車、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、脱炭素社会など時代の変化や取引先のニーズを的確に掴み、内部統制の強化・コンプライアンスの徹底と企業の社会的責任を重視しながら、グループ総合力を強化して企業価値の向上を目指す方針です。

中期経営計画では2025年度に連結売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益200億円以上を目標として、事業を展開しています。

まとめ

専門商社を目指す就活生は、その分野の代表的な企業を深く研究することが不可欠です。各社の戦略に違いがあり、その特徴を自分の価値観や強み、就活の軸に照らして吟味して、志望動機を磨いていきましょう。

そのマッチングが曖昧だと、上位企業の選考には勝ち残れません。

「商社ビジネス」への憧れや、海外志向から志望業界にするのは良いですが、専門分野と企業研究に時間をかけて取り組んでください。

産業の基盤、特に重工業、製造業を支える鉄鋼・金属商社は規模も大きく、専門分野は限られますがグローバルに展開しており、総合商社の鉄鋼、金属部門と同様もしくはそれ以上の活躍もできる職場です。

興味が繋げた方は、ぜひ積極的にチャレンジしてください。

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