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【就活の業界研究】:重機械メーカー、重工業主要各社の現況を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では機械業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

機械業界の6つのポイントを押さえよう

  • 機械業界の構造とビジネスモデルを理解しよう
  • 機械業界の現状と課題・未来
  • 機械メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 機械メーカーに働く人のモチベ―ションは何か
  • 機械メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 機械メーカーの上位企業の特徴と業績

この記事では機械製造業界の中でも重機械メーカー、重工業と呼ばれる企業の売上上位企業に絞って、各メーカーの特徴や現況を、直近の有価証券報告書や中期経営計画を基に解説します。

就活生が、未来をこの業界、機械メーカーに託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

機械製造業は工作機械・ロボット、建設機械・プラント、重機械・農業・縫製・食品・印刷産業機械など、様々な分野を専門的に扱っている企業や複数の分野を扱っている企業、更に部品と機械の両方を製造している企業等、あるいは総合電機メーカーの一事業として機械を製造している等、様々なパターンがあります。

従って厳密にカテゴライズするのは難しい部分もありますが、就活生の専門分野や興味のある分野もあるため大枠で分類しています。

それでは、重機械メーカーの特徴から解説していきます。

重機械メーカーとは

重機械とはどんな機械を指すのかは明確に定義されている訳ではありません。また重機械という産業分類が存在している訳でもありません。機械業界・機械製造業は多岐に渡る機械群で構成されているため、明確に線引きをすることはできないのです。

この記事では、逆説的ではありますが、総合重機械メーカーと呼ばれる企業が主に扱っている機械群、重工業用の機械群として捉えています。

具体的には日本産業機械工業会が分類している「産業機械」(鉱山機械、化学機械、環境装置、動力伝動装置、タンク、ボイラ・原動機、プラスチック加工機械、風水力機械、運搬機械、製鉄機械、ポンプ、圧縮機などを含む機械群)という程度の括り方になると思います。

造船業から陸(おか)上がりして産業機械を生産するに至った企業が多く、総合重機大手と呼ばれる三菱重工、IHI、川崎重工、日立造船、住友重機械工業、三井E&Sホールディングスの現況を、直近の有価証券報告書や中期経営計画をもとに、その概況を解説していきます。

総合重機メーカーの概況

三菱重工業株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上収益 (百万円)3,699,946
事業利益 (百万円)54,081
税引前利益 (百万円)49,355
親会社株主に帰属する当期利益(百万円)40,639
当期包括利益(百万円)181,616
従業員数(人)79,974
外、平均臨時雇用者数10,348
連結子会社263社
持分法適用関連会社30社

総合重機の最大手の巨大企業であり、三菱重工及びグループ企業では以下の4つのセグメントで事業を展開しています。

  • エナジー:火力発電システム(GTCC*、スチームパワー)、原子力機器(軽水炉、原子燃料サイクル・新分野)、風力発電機器、航空機用エンジン、コンプレッサ、環境プント、舶用機械等の設計・製造・販売・据付・サービス
    •  * Gas Turbine Combined Cycleの略

 

  • プラント・インフラ: 製鉄機械、船舶、エンジニアリング、環境設備、機械システム、工作機械等の設計・製造・販売・据付・サービス等

 

  • 物流・冷熱・ドライブシステム:物流機器、ターボチャージャ、エンジン、冷熱製品、カーエアコン等の設計・製造・販売・サービス・据付・サービス等

 

  • 航空・防衛・宇宙:民間航空機、防衛航空機、飛しょう体、艦艇、特殊車両、特殊機械(魚雷)、宇宙機器等の設計・製造・販売・サービス・据付・サービス等

三菱重工の2021年3月期における連結業績は、売上収益が前連結会計年度を3,414億29百万円(8.4%減)下回る3兆6,999億46百万円とり減収の結果となっています。

利益面では事業利益が、プラント・インフラセグメント、エナジーセグメント及び物流・冷熱・ドライブシステムセグメントが減少したものの、航空・防衛・宇宙セグメントが増加したことにより、前連結会計年度から836億19百万円改善*して540億81百万円となり、税引前利益も前連結会計年度から820億16百万円改善して493億55百万円でした。

*前期は航空・防衛・宇宙セグメントで三菱スペースジェット関連資産の減損損失を計上したことにより、企業全体の連結事業利益も損失計上

親会社の所有者に帰属する当期利益は、会計上の理由**により、前連結会計年度を464億83百万円(同53.4%減)下回る406億39百万円という結果でした。

**前連結会計年度において過年度の損失計上分を繰延税金資産に計上したことによる

三菱重工の2021年3月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期 セグメント別業績概要(連結)

事業名外部顧客からの売上収益(百万円)売上構成比セグメント利益/損失
(百万円)
エナジー1,533,38041.6%127,699
プラント・インフラ596,15316.2%-10,222
物流・冷熱・ドライブシステム855,44923.2%15,613
航空・防衛・宇宙**701,08719.0%-94,841
合計3,686,071100.0%38,249
調整額13,87515,832
計上額3,699,94654,081

尚、日立製作所が所有していた三菱日立パワーシステムズ株式会社の株式全てを三菱重工へ引き渡す旨の合意を受けて、三菱日立パワーシステムズは三菱重工の完全子会社となり、社名も2020年9月1日付で「三菱パワー株式会社」に変更しています。

今期決算の三菱重工の事業別の外部顧客への売上収益の割合は、エナジー41.6%、プラント・インフラ16.2%、物流・冷熱・ドライブシステム23.2%、航空・防衛・宇宙19.0%、という結果で、バランスの取れたポートフォリオになっています。

三菱重工の事業戦略

三菱重工では2018年度を初年度とした中期経営計画「2018事業計画」に基づき、財務基盤の強化、事業規模の更なる拡大及び収益力の向上に取り組んできました。

しかし主力の火力発電システム事業での世界的な市場縮小、その他の既存事業でも規模の伸び悩みと価格競争の激化による収益力低下という課題に直面し、また多くの事業が成熟化する中で今後の成長の軸となる新たな事業分野の開拓が必要となっています。

さらに、新型コロナウイルス感染症の流行による事業環境の急激な悪化により、特に民間航空機関連事業や中量産品事業が大きな打撃を受けています。

2018年事業計画策定時には予測できない大きな事業環境の変化に対応するため、現在は2021年度から2023年度の3年間をカバーする新たな中期経営計画「2021事業計画」を策定・実行しています。

「2021事業計画」では、事業規模の拡大よりも、「収益力回復・強化」及び「成長領域の開拓」に優先的に取り組み、2024年度からの中期計画での飛躍のための基盤づくりを行うとしています。

具体的には以下の領域を優先的に取り組む課題としています。

エナジートランジションの加速

  • 「カーボンニュートラル」社会の実現に向けて、脱炭素化技術の開発、水素エコシステムの構築等により貢献
  • 既存火力発電設備の高効率化と水素/アンモニア混焼による低炭素化への取り組み
  • 原子力発電領域では、既設軽水炉プラントの再稼働、特定重大事故等対処施設の設置、燃料サイクル施設の竣工に向けた対応等での着実な取り組み
  • 2030年代半ばの実用化を目標に、革新技術を採用した世界最高水準の安全性を実現する次世代軽水炉の開発を推進
  • 更に先のステージである脱炭素化に向けた水素・アンモニアの活用及びCO2回収・利用への取り組み

 

モビリティ等の新領域開拓

  • 多様な製品や技術について、デジタル化・AI化を進めることで新領域を開拓し、新たな価値を提供していく組織横断の取り組みを推進
  • 多様化・高度化する顧客の要望に応えるため、従来の製品提供主体のビジネスから、多様な機械システムを統合制御することで顧客の課題を解決して新たな価値を共創するソリューションビジネスへの転換
  • 具体的取り組み例:物流事業の「自動化物流」や、「コールドチェーン」等のソリューション提案、冷凍物流エンジニアリングの提供
  • 製品(ハードウェア)の設計・製造で積み重ねた知見とデジタルテクノロジーを融合させて、多様な知能化機械システムの統合によるソリューションの提供

 

収益力の回復・強化

  • 航空機用エンジン事業は、コロナ禍からの回復・再成長に向け体制を整え、また中量産品事業は、固定費を適正水準に抑えた体制を維持しつつ、今後の需要拡大に向け対応
  • 民間航空機のエアロストラクチャー事業は、2021年度も低迷が続く見通しであることから、損益改善のための固定費削減と生産プロセス改革を加速
  • 長期的な視点に立った事業ポートフォリオの組換え推進と、人員リソースのシフトを着実に実行

三菱重工は中長期的には、「MHI FUTURE STREAM」(中長期的な視点で既存事業の転換や新規事業の創出に取り組む活動)を通じて、新たな事業機会の創出や、エネルギー・環境事業の構造転換に引き続き取り組んでいます。

新たな事業分野の例としては、洋上風力発電など再生エネルギーの拡大と再生エネルギーの変動を補うための調整電源及び蓄エネルギーシステムを挙げています。

また、二酸化炭素の有効活用/固定化のためのバイオマス利用、二酸化炭素回収貯留などの分野等、ESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス))やグローバル指標であるSDGs(をSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を念頭におき、短期・中長期両方の視点での事業拡大を図っていく戦略です。

就活で三菱重工を目指す皆さんは、大きな変革期と言えるこの時代のトレンドとともに、三菱重工の事業内容や戦略を自分事化して、自身の就活の軸や志望動機に活かしていきましょう。

株式会社 IHI

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)1,112,906
営業利益 (百万円)27,961
税引前利益 (百万円)27,617
親会社株主に帰属する当期利益(百万円)13,093
当期包括利益(百万円)24,010
従業員数(人)29,149
連結子会社151社
持分法適用非連結子会社及び持分法適用関連会社26社

IHIおよびグループ企業は以下の資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械及び航空・宇宙・防衛の4つのセグメントを主として事業を展開しています。

  • 資源・エネルギー・環境:原動機(陸用原動機プラント、船舶用原動機)、ボイラ、プロセスプラント(貯蔵設備,化学・医薬プラント)、原子力(原子力機器)等の製造、販売、サービスの提供等
  • 社会基盤・海洋:橋梁・水門、交通システム、シールドシステム、コンクリート建材、都市開発(不動産販売・賃貸)、等の製造、販売、サービスの提供等
  • 産業システム・汎用機械:車両過給機、パーキング、回転機械(圧縮機、分離装置、舶用過給機)、熱・表面処理、運搬機械、物流・産業システム(物流システム,産業機械)等の製造,販売,サービスの提供等
  • 航空・宇宙・防衛:航空エンジン、ロケットシステム・宇宙利用(宇宙開発関連機器)、防衛機器システム等の製造,販売,サービスの提供等
  • またその他の事業として、通信、電子、電気計測、情報処理などの機器・装置等の製造、販売、サービスの提供等及びサービス業

2021年3月期は、全世界的な新型コロナウイルス感染症拡大により、航空産業が大打撃を受けており、IHIグループの主力事業である民間向け航空エンジンにおいて,エンジン及びスペアパーツの販売が大きく減少するなど大きな影響を受けています。

車両過給機については中国で自動車産業が早期に回復傾向となり、米国や欧州でも5月中旬から生産活動が再開され、販売台数は徐々に持ち直しており、表面処理においても,堅調な中国市場に牽引されて回復に向かいつつある状況です。

このような厳しい事業環境により、IHIの2021年3月期における連結業績は、売上収益が民間向け航空エンジンの大幅な減収の影響を受け、前年度比11.9%減の1兆1,129億円となって減収、損益面でも営業利益が民間向け航空エンジンの減収などの影響が大きく、198億円減益の279億円となり、減収減益の結果となりました。税引前利益は276億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年比48億円増益となり、130億円という結果でした。

これはIHIに限ったことではありませんが、重工業企業への志望を検討している就活生は2021年度の四半期、半期決算の動向も注視していきましょう。

2021年3月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期 セグメント別業績概要

事業名外部顧客への売上(百万円)売上構成比セグメント利益/損失
(百万円)
利益構成比
資源・エネルギー・環境315,72228.4%19,181175.5%
社会基盤・海洋148,24313.3%17,131156.7%
産業システム・汎用機械363,31432.6%11,446104.7%
航空・宇宙・防衛242,61921.8%-40,474-370.3%
その他43,0083.9%3,64633.4%
合計1,112,906100.0%10,930100.0%
調整額17,031
計上額1,112,90627,961

IHIの事業戦略

IHIに限ったことでは有りませんが、重工業を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大による社会・経済の変貌や価値観の変容、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるビジネスモデルや働き方の変化、地球規模の気候変動問題に対する国際的な関心の高まり、企業のサステナビリティを重視するESG投資の拡大など急激に変化しています。

これらの時代の急激な変化に対応するため、IHIでは2022年度までの期間を環境変化に即した事業変革への準備・移行期間と位置づけ、「プロジェクトChange」という取り組みを策定・実行しています。

「プロジェクトChange」の目的は以下の通りです。

「プロジェクトChange」の目的

  • 成長軌道への回帰:新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより毀損した事業の収益力とキャッシュ創出力を早期に回復させる
  • 成長事業の創出:SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、“自然と技術が調和する社会”を目指し,「脱CO2の実現」、「防災・減災の実現」、「暮らしの豊かさの実現」をIHIグループが取り組むべき社会課題として考え、それらの課題を解決し、IHIグループの成長をけん引していく3つの成長事業を「カーボンソリューション」、「保全・防災・減災」、「航空輸送システム」と定義

またこれらの目的を達成するため、「プロジェクトChange」の取り組みとして、業績回復ドライバーの実行、環境変化に打ち勝つ事業体質への変革、財務戦略の実行と定量的な事務目標も掲げています。

IHIグループは「社会とお客さまの課題に真正面から取り組み、新たな価値を創造する」ことを通じて、持続可能な社会の実現へ貢献していくことを、長期視点に立った「目指す姿」と定義しています。

就活でIHIを志望する皆さんは、IHIの企業研究は当然として、重工業が担う「社会的課題の解決」を深堀して、自分の言葉として就活の軸や志望動機を語れるようにトライしてみて下さい。

 川崎重工業株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)1,488,486
経常利益/経常損失 (百万円)-2,855
親会社株主に帰属する当期純利益/純損失(百万円)-19,332
包括利益(百万円)12,848
従業員数(人)36,691
子会社112社
関連会社30社

川崎重工及びグループ会社では航空宇宙システム事業、エネルギー・環境プラント事業、精密機械・ロボット事業、船舶海洋事業、車両事業、モーターサイクル&エンジン事業及び、その他事業を展開しており、総合重機メーカーとして国内第三位という巨大企業です。
具体的な事業セグメントは以下の通りです。

  •  航空宇宙システム事業:航空機、ジェットエンジン等の製造・販売
  •  エネルギー・環境プラント事業:産業用ガスタービン、原動機、産業機械、ボイラ、環境装置、鋼構造物、破砕機等の製造・販売
  •  精密機械・ロボット事業:油圧機器、産業ロボット等の製造・販売
  •  船舶海洋事業:船舶等の製造・販売
  •  車両事業:鉄道車両等の製造・販売
  •  モーターサイクル&エンジン事業:二輪車、四輪バギー車(ATV)、多用途四輪車、パーソナルウォータークラフト(「ジェットスキー」)、汎用ガソリンエンジン等の製造・販売
  • その他事業:商業、販売・受注の仲介・斡旋、福利施設の管理等

川崎重工業の2021年3月期における連結業績は、航空宇宙システム事業、車両事業の減少が響き、連結売上高が前期比1,528億円減収の1兆4,884億円、損益面では営業損益が前期比673億円減益の53億円の損失、経常損益は前期比432億円減益の28億円の損失、親会社株主に帰属する当期純損益は前期比379億円減益の193億円の損失となり、損失計上の決算となっています。

2021年3月期の連結総売上高に対する各事業セグメントの売上比率は以下の様になっています。

2021年3月期 セグメント別業績概要

事業名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)
航空宇宙システム377,72025.4%-31,668
エネルギー・環境プラント240,11716.1%13,408
精密機械・ロボット240,86416.2%14,086
船舶海洋79,4255.3%-3,059
車両133,2489.0%-4,593
モーターサイクル&エンジン336,69422.6%11,758
その他事業80,4155.4%469
合計1,488,486100.0%403
調整額-5,709
計上額1,488,486-5,305

川崎重工業の事業戦略

川崎重工業は、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションとして掲げ、最先端の技術で新たな価値を創造し、顧客や社会の可能性を切り開く企業グループを目指しています。

「選択と集中」「質主量従」「リスクマネジメント」を指針とし、社会課題に対するソリューションの提供を通じてSDGs達成に貢献すべく、経済的価値・社会的価値の二つの軸で企業価値を高める経営を推進しています。

現在は2030年に向けて目指す姿、グループビジョン2030「つぎの社会へ、信頼のこたえを~Trustworthy Solutions for the Future~」を定め、その実現に向けて、以下の3つのフィールドに注力する方針です。

  • 「安全安心リモート社会」-新しい働き方・くらし方の提案:
    • 医療・ヘルスケア、ものづくり、産業インフラなど様々な分野で、遠隔操作・ロボット技術等を用いて、安全で安心な新しい働き方・くらし方を提案
  • 「近未来モビリティ」-人・モノの移動を変革:
    • 無人で物資を運ぶヘリコプターや配送ロボットなど、航空機やオフロード四輪車、ロボット技術等を組み合わせ、新しい輸送や移動手段を用いたスマートな社会を提案
  • 「エネルギー・環境ソリューション」-脱炭素社会の実現:
    • 世界に先駆けて水素サプライチェーン(「つくる」「はこぶ」「ためる」「つかう」)を構築するほか、輸送システムの電動化など、地球環境に配慮したカーボンニュートラルな社会の実現に貢献

また2021年4月に船舶海洋事業とエネルギー・環境プラント事業を統合し、社内の将来的な水素関連製品を集約し、コア・コンポーネントを中心としたエンジニアリング事業の推進体制を強化しています。

加えて2021年10月には車両事業及びモーターサイクル&エンジン事業を分社し自律的事業運営を強化するとともに、当社グループの事業を陸・空輸送システム、モーションコントロール&モータービークル、エネルギーソリューション&マリンの3つのグループに再編成をする予定です。

就活で川崎重工を志望する皆さんは、川崎重工の企業研究を深め、中長期の戦略や川崎重工が成長のための機会をどこに見ているかなどの戦略も把握しておきましょう。

また事業再編の動きも視野に入れながら、川崎重工業で実現したいことを自分の言葉で話せるまで、就活の軸や志望動機を高めて下さい。

日立造船株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)408,592
経常利益 (百万円)11,792
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)4,258
包括利益(百万円)10,382
従業員数(人)11,089
連結子会社115社
持分法適用関連会社19社

日立造船及びそのグループ企業では、主として以下の環境装置・プラント、機械装置、インフラ設備等の設計、製作、据付、販売、修理、保守・保全及び運営等を主な事業として展開しています。

  • 環境・プラント:ごみ焼却発電・リサイクル施設、水・汚泥処理施設、エネルギーシステム(発電設備)、バイオマス利用システム、海水淡水化プラント等各種プラント、電力卸売
  • 機械:舶用原動機、舶用甲板機械、自動車用プレス機械、ボイラ、脱硝触媒、圧力容器等各種プロセス機器、原子力関連設備機器、プラスチック機械、食品機械、医薬機械、精密機器、エレクトロニクス・制御システム
  • インフラ:橋梁、水門扉、煙突、海洋土木、シールド掘進機、防災システム、風力発電
  • その他:運輸・倉庫・港湾荷役

日立造船の2021年3月期における連結業績は、売上高が、環境・プラント部門で増加したことにより、前連結会計年度に比べ6,142百万円(1.5%)増加の408,592百万円と、増収を達成しています。

損益面については、営業利益が、環境・プラント部門で減少したものの、機械部門及びインフラ部門で大幅に改善し、前連結会計年度比1,505百万円(10.8%)増加して15,396百万円、経常利益は、営業利益の増加等により、前年度に比べ2,363百万円(25.1%)増加の11,792百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比2,061百万円(93.8%)増加の4,258百万円となり、コロナ禍にも拘わらず増収・増益の結果となっています。

2021年3月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期 セグメント別業績概要

事業名外部顧客に対する売上高(百万円)売上構成比セグメント利益・損失(百万円)利益構成比
環境・プラント269,45065.9%12,68281.8%
機械101,71524.9%1,84711.9%
インフラ29,1007.1%7855.1%
その他8,3252.0%1921.2%
合計408,592100.0%15,507100.0%
調整額-110
計上額408,59215,396

日立造船の事業戦略

日立造船グループでは、事業規模のみならず収益性・健全性を兼ね備えた社会的存在感のある企業グループを目指して、2030年での達成を目指した長期ビジョン「Hitz 2030 Vision」を掲げています。(Hitzは略称社名)

長期ビジョン「Hitz 2030 Vision」では、今後世界的に、環境汚染や食料・水・エネルギーの不足の深刻化が予測される中で、日立造船グループが社会全体の環境システムの維持・向上に貢献する「循環型社会の実現に向けたソリューションプロバイダー」となることを目指しています。

そのためにバリューチェーンの拡大、既存技術の高度化、新製品・新事業の創出、グローバル化の推進及びダイバーシティ・マネジメントの推進に取り組んでいます。

具体的には、以下のような取り組みを展開しています。

クリーンなエネルギー・水に対する取組:

  • ごみ焼却発電の更なる展開、バイオマス利用システムによる発電、陸上・洋上風力発電の推進等により、CO2削減に貢献する再生可能エネルギーの利用拡大を目指す
  • 水事業に対する国内自治体の財源不足に対応するための官民連携や、レンタル設備による災害時の緊急水需要への対応
  • 環境保全、災害に強く豊かな街づくりの実現のため、ごみ焼却発電・リサイクル施設事業によるごみ処理・廃プラスチック問題への取組み
  • フラップゲート式水門による津波・高潮対策や、橋梁、高速道路、水門等のインフラ設備の老朽化や自然災害対策としてのメンテナンス・遠隔監視事業の展開

現在は中期経営計画「Forward 22」に基づき、2020年度から2022年度までの3年間を「収益力の強化」を推進し、成果を上げる期間と位置づけ、「私がやる! 踏み出す一歩が未来を変える」という行動規範を掲げており、最終年度となる2022年度における計数目標として、4,000億円レベルの受注高・売上高、営業利益率5%を目標にしています。

具体的な製品・サービス面では、「製品・サービスの付加価値向上」のために以下の方向性を打ち出しています。

  • 先端技術の活用:データの収集・蓄積・分析の基盤整備、診断・自動運転技術の開発及びグループの製品やサービスへのIoTやAIの組み込み提案など、先端技術を活用した新しいビジネスの創出と伸長を行う
  • 事業立地の転換、顧客・市場との対話の促進:顧客の課題を解決する新しい事業モデル、製品・サービスを提供することにより、事業領域の拡大、良質受注の確保に努める
  • グループ総合力の発揮:ごみ焼却発電、水処理、橋梁などの事業分野別に、当社事業部門と関係会社で、さらに共同研究開発機関等や業務提携先を加え共創型の事業グループに進化させ、競争力のある企業グループを実現する

就活で日立造船を志望する皆さんは、長期的なビジョンである「循環型社会の実現に向けたソリューションプロバイダー」の意味と社会的な存在意義を自分事化し、自分の言葉で成長の機会・意欲やビジョンを語れるように企業研究を緻密に行なっていきましょう。

住友重機械工業株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)849,065
経常利益 (百万円)49,544
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)26,764
包括利益(百万円)32,162
従業員数(人)24,050
子会社177社
関連会社12社

住友重機械工業及びそのグループ企業は総合機械メーカーとして以下のセグメントで事業を展開しています。

  • 機械コンポーネント:減・変速機が主体、他モータ、インバータ
  • 精密機械 :プラスチック加工機械、レーザ加工システム、極低温冷凍機、精密位置決め装置、制御システム装置及び防衛装備品、半導体製造装置、フォークリフト
  • 建設機械:油圧ショベル及び道路機械、建設用クレーン
  • 産業機械 : 加速器、医療機械器具及び鍛造プレス、運搬荷役機械、物流システム及び駐車場システム、産業用タービン及びポンプ
  • 船舶 :大型・中型貨物船舶・海洋構造物の設計、製造、改造、修理
  • 環境・プラント:ボイラ及び大気汚染防止装置、水処理装置、産業廃棄物処理設備、反応容器、食品機械
  • 全社(共通)・その他

住友重機械工業の2021年3月期における連結業績は、売上高は8,491億円(前年度比154億2500万円減)の減収、損益面については、営業利益は513億円、経常利益は495億円という結果でした。

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として船舶部門等で58億円の減損損失を計上したことにより、268億円となり、前年度比では60億円の減益となっています。

2021年3月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期 セグメント別業績概要

事業名外部顧客への売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
機械コンポーネント122,15614.4%2,2284.3%
精密機械176,90220.8%17,10533.4%
建設機械248,70129.3%6,11911.9%
産業機械93,23811.0%8,47316.5%
船舶34,0454.0%-2,737-5.3%
環境・プラント167,98019.8%18,08335.3%
その他6,0430.7%1,9783.9%
合計849,065100.0%51,250100.0%
調整額92
計上額849,06551,342

住友重機械工業の事業戦略

住友重機械工業は各事業セグメントの売上構成のバランスが取れている点です。また特に機械コンポーネント部門、精密機械部門、建設機械部門及び環境・プラント部門において北米、アジア及び欧州を中心にグローバルに事業を展開しており、海外の需要の増加に対応するため、販売網の整備と生産設備の拡充を行っています。

住友重機械工業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により次期中期経営計画の公表を一年延期し、新たに「中期経営計画2023」を策定・実行しています。

「中期経営計画2023」では、企業価値と社会価値の両立を長期の目標として、社会や市場の構造が変化しても持続的に成長し利益を出し続け、社会価値創造に貢献できる企業を住友重機械工業のあるべき姿として設定しています。

社会価値創造のために解決すべき課題は、2030年を念頭に置いたメガトレンドや将来目指す姿からバックキャスティングして設定し、中期経営計画2023では、その長期目標に向けた基礎固めを行う方針としています。

中期経営計画2023の骨子は以下の通りです。

  • 強靭な事業体の構築: 新型コロナウイルスをはじめ、あらゆるリスクに対応する事業継続計画を構築しつつ、成長に必要なコンピテンスへの投資を続け、環境変化に耐えうる強靭な事業体を目指す
  • 企業価値向上のための変革:DXの活用推進、事業ポートフォリオの見直し等
  • 働きやすい会社への変革:人材開発、グローバルのリソースを活用しダイバーシティを推進等
  • 商品・サービスによるSDGsへの貢献:経済的、技術的発展に寄与する商品とサービスの提供による社会課題の解決と企業価値の向上、持続可能な社会実現への貢献
  • 事業を通じた環境負荷の低減:事業活動及び提供する商品ライフサイクル全体を通じて、温室効果ガスの削減やサーキュラー・エコノミーの推進、エネルギー効率の向上などによる、環境負荷の低減

上記に注力することで、最終年度である2023年度に受注高1兆円、売上高9,700億円、営業利益700億円を達成することを財務目標としています。

株式会社三井E&Sホールディングス

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)663,834
経常利益・損失(百万円)-8,223
親会社株主に帰属する当期純利益・純損失(百万円)134
包括利益(百万円)-9,665
従業員数(人)12,703
外、平均臨時雇用者数1,866
連結子会社82社
持分法適用非連結子会社1社
持分法適用関連会社49社

三井E&Sホールディングス及びグループ会社では、以下の船舶、海洋開発、機械、エンジニアリングの4つの事業を展開しています。

  • 船舶:船舶等の製造、販売、設計、 エンジニアリング、修理ほか
  • 海洋開発:浮体式海洋石油・ガス生産設 備の設計、建造、据付、販売、リース、チャーター及び オペレーションほか
  • 機械:舶用ディーゼル機関、産業機械、港湾関連構造物の製造・ 販売・設計ほか
  • エンジニアリング:発電プラント 等の各種プラントの設計、エンジニアリング、販売、運営・維持管理ほか
  • その他:情報・通信、販売、サービスほか

三井E&Sホールディングスの2021年3月期における、連結業績は、売上高が6,638億34百万円(前期比15.6%減)、営業損失は122億43百万円(前期は620億79百万円の営業損失)、経常損失は82億23百万円(前期は604億57百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億34百万円(前期は862億10百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)いう結果でした。

2021年3月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期 セグメント別業績概要

事業名外部顧客への売上高(百万円)売上構成比セグメント利益・損失(百万円)
船舶92,39413.9%-2,021
海洋開発309,94946.7%-21,783
機械159,04824.0%9,819
エンジニアリング38,4265.8%287
その他64,0159.6%1,453
合計663,834100.0%-12,243
調整額
計上額663,834-12,243

三井E&Sホールディングスは2018年4月に純粋持株会社体制に移行し、船舶・艦艇事業、機械・システム事業、エンジニアリング事業を、それぞれ担う3つの事業会社に分割しました。

三井E&Sホールディングス グループはエンジニアリング事業の海外大型EPCプロジェクトの損失により、財務基盤を大きく毀損していることから、この回復が急務とされています。

また造船事業やエンジニアリング事業など既存事業の収益も悪化しており、不採算事業からの撤退や新たな収益の柱となる成長事業の育成が必要となっているため、「三井E&Sグループ事業再生計画」を定め、財務基盤の回復及び収益体質の強化に注力しています。

2019年度からの4年間を、事業基盤を再構築し、飛躍に向かい力を溜める期間と位置付け、「環境・エネルギー」、「海上物流・輸送」、「社会・産業インフラ」の3事業領域から、機械事業、海洋事業及び発電事業を注力事業と位置付けグループ内の連携を強化する戦略です。造船事業、社会インフラ事業は、グループ外企業との協業・連携により成長を目指していく計画です。

尚、三井E&Sホールディングスはインドネシアの火力発電所建設工事で巨額損失を出すなど業績低迷が続いており、早期の業績回復に向け子会社や事業を売却する経営再建策を2019年11月に発表しました。

再建策の一環としてプラント事業では子会社の三井E&SプラントエンジニアリングをJFEエンジニアリングに売却しています。この売却により、の株式会社三井E&Sプラントエンジニアリングは、2020年4月1日より「JFEプロジェクトワン株式会社」と商号を変更し、新たなスタートを切っています。

事業再生計画の各施策は順次実施しており、2020年10月1日付で「株式会社三井E&S鉄構エンジニアリング(同日付で三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社に商号変更)の一部株式譲渡」及び2021年4月1日付で「三井E&S環境エンジニアリング株式会社(同日付でJFE環境テクノロジー株式会社に商号変更)の株式譲渡」を完了、また、2021年3月29日付で「三井E&S造船株式会社の艦艇事業等の譲渡」の最終契約及び、2021年4月23日付で「三井E&S造船株式会社の商船事業の一部株式譲渡」の最終契約の締結を完了しており、事業再生計画を着実に進展している状況です。

現在は、2020年8月に策定した2020年度中期経営計画を基に、「財務体質の改善」、「事業領域の集中と協業」、「経営基盤の強化」を基本方針とした戦略に着手しています。

事業の集中と協業を明確にし、アライアンスによる市場創出を進め、「全ての機械にデジタル価値を付加する企業」を目指す方針です。

まとめ

以上、主要分野別で重機械メーカーの上位企業の現状をみてきました。凝縮したサマリーですが、機械メーカーの事業内容と規模感、各社がいかにグローバルな存在であるかは感覚的にも理解できたと思います。

上位企業は理工系の学生に非常に人気の高い企業であり、また社会的な課題の解決に大きな影響力のある業界であるため、難関となっています。

機械業界に興味や志望意欲を繋ぐことができた方は、志望企業候補のあたりをつけて、詳細な企業研究を進めて下さい。

新型コロナウイルスの影響で不確実性が増している業界ではありますが、日本にとって重要な産業・業界であることには変わりません。

上位企業の多くはインターンシップに積極的です。OB・OG訪問も含めぜひトライして門戸を開いていってください。

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