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【就活の業界研究】:自動車部品業界の構造とビジネスモデルを理解しよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。「就活の答え」では自動車部品業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

自動車部品業界の6つのポイントを押さえよう

  • 自動車部品業界の構造とビジネスモデルを理解しよう
  • 自動車部品業界の現状と課題・未来
  • 自動車部品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 自動車部品メーカーに働く人のモチベ―ションは何か
  • 自動車部品メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 自動車部品メーカーの上位企業の特徴と業績

この記事では自動車部品業界の構造とビジネスモデルを中心に分かり易く解説します。

自動車業部品界入門編として活用してください。尚、この記事とは別に、自動車完成車メーカーに関する業界研究記事もありますので、完成車メーカー興味がある方はそちらも併せて活用してください。

自動車業界の中の部品業界

自動車業界とは、自動車及び自動車部品の生産、販売、利用、整備に関連した非常に幅広い産業を指します。

自動車完成品メーカーからみると、自動車は2万から3万点にも及ぶ部品が必要であり、中小企業から上場企業まで含む数層のサプライヤー企業群が存在します。

更に車体・組み立てをする企業群、完成車を販売する自動車販売会社(ディーラー等)や、自動車金融会社、部品販売、修理、車検、陸運を行う流通・サービス領域の企業群の集合体が自動車産業全体を構成しています。

この記事では、理工系の学生以外ではあまり馴染みがない自動車部品業界の構造と自動車部品メーカーのビジネスモデルを解説していきます。

自動車部品業界の構造

垂直分業生産:

自動車完成車メーカーのビジネスモデルは、簡単に言うと、自動車を開発・設計して、必要なパーツを素材メーカーや部品メーカーに発注、調達もしくは一部自社で製造し、自社の組み立て工場、もしくは系列の車体・組み立て会社で完成車とし、完成車を販売会社(ディーラー等)に販売(卸売り)することによって収益を上げるモデルです。

自動車には約3万点の部品が使用されており、その大半を製造しているのが自動車部品メーカーです。

その意味で自動車メーカーは発注者であり、部品メーカーは部品を受注し、生産し、それを完成品メーカーに納品するという、下請けビジネスであることは明らかです。

更に、部品の下請け構造の中に、垂直的な生産分業が行われています。

発注者である完成車メーカーは、1次部品メーカーに必要な部品を発注し、1次部品メーカーはその受注した部品、もしくはその部品の製造に必要な部品を2次部品メーカーに発注する、更に2次部品メーカーは3次部品メーカーへ発注するという構造になっています。

自動車の完成品を組み立てる工場の近辺には部品メーカーも製造拠点を設けて、企業城下町を形成してJust in timeの部品供給をサポートしているのです。

系列の構造と変化:

更に自動車業界には「系列」と呼ばれる完成車メーカーと部品メーカーの強い関係(資本関係を含む場合もある)、協力体制が構築されています。

自動車部品メーカーには「トヨタ系」、「日産系」、「本田系」などという、メーカー傘下、もしくは非常に強い結びつきがある企業が多く、「~~会」の名称で部品供給協力会社グループを形成しています。

例えばトヨタ系では、デンソーやアイシン精機、豊田自動織機、日本精高工、ジェイテクト、豊田合成等、日産系で言えば、マレリ(旧:カルソニックカンセイ)、日産車体、ジャトコ等、本田系ではテイ・エステック、エフ・シー・シー、ジーテクト、ユタカ技研、ケーヒン等の代表的な企業があります。

「系列企業」以外ではある程度幅広いメーカーに部品を供給している「独立系」の企業も存在します。具体的には、スタンレー電気、曙ブレーキ工業、ニッパツ、矢崎総業等の企業です。

「系列」と呼ばれる企業の中でも、他の完成品メーカーに部品を供給するケース―が増えており、業界では「オープン化」と呼んでいます。従ってその「系列レベル」にも企業間によって違いが出ています。

完成車メーカーの部品の調達コストに対する考え方がシビアになっており、系列部品メーカー以外の部品メーカーから求める品質の部品が安く調達する方が合理的である場合は、系列を崩すという動きが出ています。

また部品メーカーにとっては、系列以外の完成品メーカーに取引を拡大した方がスケールメリットによってコストダウンや固定費の回収を図ることができ、完成品メーカーのシビアなコスト要求にも応えていけるというメリットがあります。更に国内・海外の違ったメーカーの要求に対応することによって、自社の技術レベルを上げていくチャンスにもなるのです。

この三つの意味で「系列」の構造が一部で崩れつつあります。

また完成品メーカーは国内の部品メーカーに限らず、海外のメガサプライヤーから部品を調達した方が合理的であると判断した場合は「系列」にとらわれずに発注するという動きも出ています。

設計段階でBMWやメルセデス・ベンツなどのメーカーと部品を共有できるように、メガプラットフォーム化というトレンドもあります。

部品ごとの専門性を追求するビジネス

自動車部品を、あれもこれも総合的に製造している部品メーカーはありません。もちろん複数の重要パーツを製造している企業は存在しますが、自動車の部品すべてを製造しているような部品メーカーはありません。

業界最大手のデンソーでも、熱機器やエンジン、駆動系の部品を製造して広範囲ではありますが、ブレーキや車体を製造している訳でないのです。

大手の部品メーカーは電装やブレーキ、エンジンなど非常に高度な技術を要する部品を専門的に製造する非常に重要な役割を担っています。必要な部品の供給が止まったり、支障をきたすと自動車の生産そのものが止まったり、支障をきたすことになります。

その意味で、自動車完成品メーカーと部品メーカーの関係はネガティブな意味で使用される「下請け」とは違い、持ちつ持たれつという側面も強いのです。

比較的単純な部品なら複数のサプライヤーでリスクを分散させることも可能ですが、車の性能が向上し複雑になればなるほど代替がきかないサプライヤーも出てきてしまいます。

部品メーカーにとっては技術的にも、コスト的にも、部品生産・供給能力的にも代替が効かない存在になることが、事業戦略の基本となります。

人の命を預かる重要な産業

自動車は人の命を預かり、また時には凶器にもなり得る危険な道具でもあります。

その性能を担保するのは完成品メーカーはもちろんですが、部品の性能・品質にも関わっているため、それを製造する部品メーカーにも重大な責任があるのです。

そのため部品メーカーも徹底したテストや品質管理が必要なビジネスなのです。

甚大な被害の責任が部品にある場合は、企業の存続にも関わる問題になります。戦後最大のと言われたエアバック大手のタカタの倒産(2017年)はまさにその典型です。

変化する部品供給モデル

自動車部品のかつてのビジネスは、個々の部品メーカーがその部品を自動車完成車メーカーが必要とする時、必要な量を供給するビジネスモデルでした。

しかし現在は自動車の電子制御化が大幅に進み、部品点数の数も増大しているため、完成品メーカーが個々の部品の生産まで管理するとそこに膨大な工数が生じてしまうようになりました。

そのため、個々のパーツをあるレベルに組み上げた状態で納品した方が、自動車完成品メーカーとしては工数も、管理の手間も省けて効率的であるため、一次部品メーカーがそれを行うことが多くなっています。

システムアッセンブリー(部品を組み上げて機能を果たす状態で納品する)、もしくはサブアッセンブリー(バラバラの部品ではなく、いくつかの部品を組み合わせた状態にする)という手法がとられるように変化してきています。

一次部品メーカーは、自社及び二次以下のメーカーの部品をどう組み合わせることで優れた機能と経済性を提供できるかの企画・提案力が重視される時代になっています。

自動車メーカーの部品調達は競争入札の場合が多く、部品メーカーは入札に参加してそれによって採用が決定されるため性能・品質・コスト・納期・企画・提案力の総合的力が必要になビジネスなのです。

まとめ

自動車業界の中での自動車部品業界の構造や特徴、ビジネスモデルの基本を理解できたら、この業界の現状や課題、未来についてもチェックしておきましょう。

自動車業界に興味を持った方は、これから自動車業界が大きな転換点を迎えていることは研究されているでしょう。当然、自動車部品業界にも大きな影響が出ることが予想できます。

自分の将来に関わる問題でもあり、就活に際して、最も気になる自動車部品メーカーの現状と課題、そして未来についてもしっかり考えておきましょう。

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