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【就活の業界研究】:食品専門商社の概況をチェックしよう

「就活の答え」では代表的な専門商社の概況を専門分野別で紹介していきます。

この記事では食品専門商社の内上位企業5社の状況を、直近年度の有価証券報告書や中期経営計画を基にまとめています。短時間で読めるようにコンサイスにまとめていますので参考にしてください。

専門商社と一口に言っても、国内外のメーカー企業に製造に必要な原料、素材、部品などを主に輸入して供給する上流部分を主な事業とする商社、製品や商品を国内のユーザーや小売業に卸売することを主な事業にしている商社、その両方を事業としている商社があるため注意が必要です。

それによって「海外」への向き合い方も違っていますので、専門的に取り扱っている分野とともに、商社毎の事業の内容を把握しておきましょう。

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代表的な食品専門商社の業績と概況

三菱食品株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 1,996,780
経常利益 (百万円) 25,199
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 17,126
包括利益(百万円) 16,719
従業員数(人) 4,944
外、平均臨時雇用者数 1,664
連結子会社 12社
関連会社 4社

三菱食品及びそのグループ会社は日本国内の加工食品、低温食品、酒類及び菓子類の卸売事業を主な事業内容とし、さらに物流事業及びその他サービス等の事業活動を展開しています。

総合食品商社として、既存領域である卸売事業を軸として、「エリア」「業態」「機能」の面で自ら事業領域を拡大し、最適なポートフォリオを形成、また三菱商事グループとして原料から製造、小売に至るすべての領域に幅広く展開する三菱商事グループの総合力を活用し、機能を拡充することで、事業領域の拡大・深耕を目指しています。

具体的には新設した「ブランド戦略本部」・「トレーディング本部」では、卸売の強みである営業力や多様なチャネルを活用し、自社開発商品の更なる拡販、メーカーとマーケティング・戦略等を共有したディストリビューター事業、及びトレーディング事業をより一層強化していく方針です。

現状の事業セグメントは、以下の通りとなっています。

  • 加工食品事業:
    • 主に調味料類、麺・乾物類、嗜好品・飲料類等加工食品の卸売
  • 低温食品事業:
    • 主に冷凍・チルド類等低温食品の卸売
  • 酒類事業:
    • 主に酒類の卸売
  • 菓子事業:
    • 主に菓子類の卸売
  • その他の事業
    • 子会社及び関連会社による、物流事業等

2023年3月期(2022年度)結業績の概要

三菱食品の2023年3月期におけるグループ連結業績については、売上高が、1兆9,967億80百万円となり、前年同期比2.1%の増収となっています。家庭内食品需要の落ち込みや取引の見直し等による減少はあったものの、人流回復等によって一部の業態で回復基調が見られたことによる微増収でした。

利益面の業績は、採算管理強化による利益率の改善や業務用取引の復調に加え、当連結会計年度の期首より株式会社ケー・シー・エスを新規連結したこと等により、営業利益が234億33百万円(前年同期比23.1%増加)、経常利益は251億99百万円(前年同期比23.7%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は171億26百万円(前年同期比22.8%増加)となり、前期比で大幅な増益となっています。

2022年度の経常利益、当期純利益とも、コロナ禍前の利益水準を超える実績となった前期の実績から、更に伸ばしたカタチです。

2023年3月期における事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2023年3月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益
(百万円)
利益構成比
加工食品事業 659,230 33.0% 5,761 23.0%
低温食品事業 579,488 29.0% 12,360 49.4%
酒類事業 483,198 24.2% 3,680 14.7%
菓子事業 272,471 13.6% 3,133 12.5%
その他の事業 2,391 0.1% 88 0.4%
合計 1,996,780 100.0% 25,023 100.0%
調整額 -1,590
計上額 1,996,780 23,433

中期経営計画

三菱食品グループは、日本の食を支える「中間」から「中核」を目指す企業として、「自覚と誇り」、「自由で風通しの良い社風」、「革新・チャレンジする精神」、「共創・共生」、「真のプロフェッショナリズム」という5つの行動指針に基づいた取組みを継続的に推進しています。

現在は「中期経営計画2023」を基に以下の方針で事業を展開しています。

経営計画では、三菱食品の存在意義である「パーパス」を「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」と定めると共に、中期的に目指す在り姿である「ビジョン」を「次世代食品流通業への進化(サステナビリティ重点課題の解決)」と定め、新たな中期経営計画での取り組みによりその実現を目指していく方針を掲げています。

  • 機能性向上の取り組み:
    • リテールサポート・商品開発・メーカーサポート・SCM(サプライ・チェイン・マネジメント)の4つの機能をデジタルも活用しながら向上を図ると共に、これらを支える経営基盤の変革に注力
  • 地域での取り組み:
    • 食ビジネスのネットワーク・インフラを活用、更に機能の充実・向上により、地域における多様なパートナーシップを構築することで、食を起点とした地域コミュニティの活性化を図る

上記は中期経営計画の骨格の、また一部に過ぎません。

中期計画では、それぞれの取り組みや施策を理解することができます。是非、確かめてみて下さい。

三菱食品を志望する就活生の皆さんは、食品専門商社のビジネスを理解することは当然として、食品専門商社のトップ企業の経営戦略と、求める人材像に着目して、自分自身の将来ビジョンを明確にして就活を進めていきましょう。

株式会社 日本アクセス

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 2,197,570
営業利益 (百万円) 25,218
経常利益 (百万円) 26,088
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 17,409
従業員数(人):連結 3,908
関連会社 14社

かつて日本アクセスは伊藤忠商事が親会社の食品卸商社(伊藤忠商事が93.77%保有)でした。雪印メグミルクとも歴史的に関係が深く、雪印が第二位の株主(6.23%保有)となっていましたが、2019年3月に伊藤忠商事が株式交換により完全子会社(伊藤忠商事が100%保有)となり今日に至ります。

25年の歩みの中で磨き上げた調達力・提案力・開発力を集結、フルライン卸として多様なサービスを提供し、規模・機能・収益におけるNO.1の食品卸へ進化を目指してきました。

現在は、「卸売市場」、「ロジスティクス市場」、「製造・加工市場」3つの市場分野における「ACCESS VALUE」を実現し、「卸売」の枠を超えた「卸」企業を目指しています。

2023年3月期(2022年度)の連結業績概要

日本アクセスの23年3月期の連結決算は、売上高が2兆1976億円となり、対前同期比(以下、同)3.6%の増収となっています。

利益面の業績は、営業利益が同7.7%増の252億円、経常利益は同9.3%増の260億円、当期純利益は同6.5%増の174億円という結果でした。

前期の22年3月期に続き売上高、営業利益ともに業界トップとなっています。

中期経営計画

コロナ禍をはじめとした、食品業界を取り巻く環境、変化する市場環境に対応するため、第8次中期経営計画(2022年度から2024年度)を策定し、事業を展開中です。

第8次中期経営計画の骨子は以下の通りです。

テーマ: 構造改革2024「新たなサービス・価値の創造」

  • 構造改革と事業変革による、成長に向けた積極的な事業・ITインフラ投資、盤石な事業基盤の構築と、新たなサービスと価値を創造、競争優位を確立し、共にお客様のニーズや課題解決、本業を通じて社会的課題を解決することで、持続的な成長を実現する3カ年として位置付け、断トツの食品総合卸企業を目指す

基本方針と重点施策は以下の通りです。

 

成長・競争優位の確立

  • 既存領域の拡大(インストアシェア拡大、ロジスティクス事業の強化)
  • 新規事業の収益化(情報卸事業、ECビジネスの取組推進)
  • 差別化・競争優位の確立(商品開発機能強化、カテゴリ戦略の実行、デジタルマーケティング戦略の実行、プラットフォームの構築)
  • 事業モデルの改革:
    • シームレス化(内食、中食、外食)に対応した新たなビジネスモデルの構築、生鮮事業の成長戦略の実行、宅配、給食、介護ビジネスの拡大

 

収益構造改革

  • DXの推進(データ利活用による業務プロセス改善、データ基盤整備、データ活用人材の育成、DX認定取得)
  • 最適物流の構築(効率的な拠点整備、省人化・省力化マテハン*推進、CVSロジ事業と卸物流の相互活用による全体最適化)
  • 経営効率化・コスト削減(収支管理強化、経費コントロールの徹底)
  • 収益基盤の強化(新物流システムの構築および物流関連設備投資)

マテハンは「マテリアルハンドリング」の略称で、作業員の負担が大きい荷役作業の効率化や省人化を目的に使用される機械や設備全般を意味する用語です。

 

経営基盤改革

  • 人材・風土改革(最強の人員基盤づくり)
  • 経営管理の高度化(ガバナンス強化、現場主義の経営管理強化、リスク管理体制の整備、コンプライアンス意識とノウハウの向上)
  • SDGsの取組推進:(フードロス対策、CO2削減、食の安全・安心対策、社会貢献)
  • 広報・IR活動の強化(企業価値向上に貢献する広報活動の推進)

上記は経営方針の骨子のみですが、日本アクセスの「新卒採用スペシャルサイト」は非常に内容が充実しており、且つ分かり易い構成になっています。

日本アクセスを志望する方はは当然として、食品専門商社業界に興味のある就活生はぜひ参照しておきましょう。

加藤産業株式会社

2022年9月期連結決算 

売上高 (百万円) 1,035,664
経常利益 (百万円) 15,387
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 11,276
包括利益(百万円) 11,087
従業員数(人) 4,210
外、平均臨時雇用者数 436
子会社 39社
関連会社 2社

加藤産業及びグループ会社は食品卸売業を主な事業内容とし、さらに物流及びその他サービス等の事業活動を展開しています。

事業セグメントは以下の通りです。

  • 常温流通事業:
    • 加藤産業による加工食品の卸売、カトー菓子(株)及び(株)植嶋が菓子の卸売、和歌山産業(株)及び兵庫興農(株)による、グループで販売する一部商品の製造加工
  • 低温流通事業:
    • ケイ低温フーズ(株)による低温食品の卸売
  • 酒類流通事業:
    • 三陽物産(株)、ヤタニ酒販(株)、エス・エイ・エスジャパン(株)及びカトー酒販(株)による酒類の卸売
  • 海外事業:
    • マレーシア、シンガポール、ベトナム、中国のグループ会社による加工食品を中心とした卸売
  • その他:
    • グループ会社による物流業務、保険代理店業務、飲食業フランチャイズ加盟店の運営、海外の関係会社の一部を統括・管理・運営

2022年9月期連結業績の概要

加藤産業の2022年9月期におけるグループ連結業績は、営業収益が収益認識に関する会計基準の適用*により1兆356億64百万円でした。

*2022年9月期の会計年度の期首(2021年10月1日)より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより、2022年9月期の連結決算における営業収益は1,425億88百万円減少し、営業原価は1,362億91百万円減少し、販売費及び一般管理費は62億96百万円減少したカタチです。

利益面の業績としては、営業利益が134億13百万円(前年度比15.9%増)、経常利益は153億87百万円(前年度比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却益の影響もあり112億76百万円(前年度比34.5%増)という結果でした。

尚、収益認識に関する会計基準の適用は、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益に与える影響はありません。

2022年9月期連結決算における事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2022年9月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
常温流通事業 656,068 63.3% 11,406 85.3%
低温流通事業 108,387 10.5% 520 3.9%
酒類流通事業 207,496 20.0% 898 6.7%
海外事業 59,573 5.8% 38 0.3%
その他 4,136 0.4% 506 3.8%
合計 1,035,664 100.0% 13,371 100.0%
調整額 41
計上額 1,035,664 13,413

中長期計画

食品流通業界は、国内人口の減少、少子高齢化により食品市場規模の拡大が見込めないなか、消費者の生活スタイルの変化等によって食生活及び購買行動の多様化も見られ、小売業を中心に企業を取り巻く競争が広範囲に行われています。

労働力不足や資源価格の高騰によって人件費や物流費など諸経費が増加するなど厳しい経営環境が予想される中、加藤産業では以下の3つの長期ビジョンを掲げ、成長を目指しています。

  • 食のインフラになる:
    • 商品、情報、ロジスティクスの総合力を発揮して、生活者の豊かな食生活を支える基盤を作る
  • 食のプロフェッショナルになる:
    • 食品流通に携わるプロとして知識を蓄え、スキルを磨き、生活者に豊かな食生活を提供する
  • 食のプロデューサーになる:
    • 生活者が豊かな食生活を実現するために、「つなぎ」を実現し、「食」が持つ価値を創造する

厳しい環境下の中で自主独立の経営を維持するため、以下の方針によって事業を展開しています。

  • 卸売業としての基本機能である営業と物流が連携を取りながら総合力を発揮して、取引先との取組みを強化し、提案型営業をさらに推進し営業機能を強化する
  • 自社ブランド商品の開発・拡売により収益の確保、消費者との接点作りによるブランド価値の向上
  • 物流関連企業との連携強化やデジタル化の推進、物流関連業務を含むすべての業務の見直しや業務の標準化推進に取り組むことで生産性を向上させ、コスト削減及び経営の効率化を推進
  • グループの成長戦略の一つである海外事業の強化として、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開(特に、マレーシア・ベトナムに注力)
  • 日本を含めたアジア地域における食品流通事業の一層の強化を推進

加藤産業の成長戦略の一つである海外事業では、マレーシア・シンガポール・ベトナム・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、2020年10月にはMerison (M) Sdn.Bhd.の株式を取得してマレーシア半島部全域を営業地域とする同国最大級の卸売業グループになるなどの投資や、2021年7月にはベトナムにおいてSong Ma Retail Joint Stock Company(現Song Ma Retail Co.,Ltd.)の株式を取得し、子会社化も行っています。

尚、加藤産業の決算期は9月のため、2023年12月末ごろまでには、2023年9月期の決算が発表になる予定です。2025年卒で、加藤産業への就活を検討している皆さんは、2023年9月期の決算内容もチェックしておきましょう。

伊藤忠食品株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 642,953
経常利益 (百万円) 8,943
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 4,843
包括利益(百万円) 5,559
従業員数(人) 1,197
外、平均臨時雇用者数 990
子会社 5社
関連会社 2社
その他関係会社 4社

伊藤忠食品及びグループ各社は親会社の伊藤忠商事㈱とグループを構成し、食料品卸売業として酒類・食品の卸売及びそれに伴う商品の保管、運送ならびに各種商品の情報提供、商品流通に関するマーチャンダイジング等を主な事業として展開しています。

尚、伊藤忠商事は伊藤忠食品の発行済株式の52.18%を保有しています。(2023年3月31日時点)

伊藤忠食品はビールなどの酒類に強く、3大都市圏の売上高が全体の8割を占めています。

事業セグメントは以下の2つでシンプルな構成です。

  • 食料品卸売事業:メーカー及び親会社より商品(酒類・食品)を仕入れ卸売
  • その他の事業:物流管理・運送業、小売業、サービス業及び食品製造業

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

伊藤忠食品の2023年3月期におけるグループ連結業績については、売上高が、人流の回復に伴う外食・業務用取引の需要回復やGMS・SM向けにおける新規取引の獲得等により、前期比30,295百万円(4.9%)増収の642,953百万円となっています。

利益面の業績は、取引拡大及び近年進めてきた合理化・効率化等、低重心経営の徹底が奏功し、営業利益は前期比1,620百万円(27.5%)増益の7,507百万円、経常利益は前期比1,669百万円(22.9%)増益の8,943百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比528百万円(12.2%)、4期連続の増益となる4,843百万円という結果となっています。

中期経営計画

伊藤忠食品では2016年4月、「価値」を追求し、すべてのステークホルダーから 「信頼」されるグッドカンパニーになることを経営ビジョンとする「中期経営計画」を策定し、定量目標として 「2021年3月期売上高1兆円、経常利益率1%」を設定して事業を展開してきました。

しかしながら、食品流通業界は人口減少・高齢化による総需要の減少、小売業態間の競争激化による影響、人手不足と物流コストの上昇、消費者の購買行動の多様化などが同時進行しており今後の事業環境は益々厳しくなることが予測されています。

更に消費税増税の影響、酒税法の改正や新型コロナウイルスの問題も加わり不確実性が増大したため、持続的な成長基盤を構築するためには新たな中期経営計画策定の必要性を強く認識したため、中期経営計画を1年前倒しで終了し、2020年度を開始年度とする中期経営計画「Transform2022~領域を超えて~」を策定し事業を展開してきました。

Transform2022において、「売場作りへの貢献度向上・新価値創出」と「社会課題解決への取り組みによる持続的成長基盤構築」を柱にして製配販が連携しエコシステムを形成することにより、消費者の食生活に新たな価値を生みだすこと、また、事業活動を通じてSDGsならびにESG経営を推進し、社会課題の解決に主体的に取り組むことにより、持続的な成長基盤を構築していく方針を掲げ事業を展開した結果、最終年度である2022年度 (2023年3月期)の売上・利益指標は、目標を超える結果を達成しています。

中期経営計画「Transform 2025~創造と循環~」(2023年度~2025年度)

現在、伊藤忠食品グループでは、新たに2023年度を開始年度とする中期経営計画「Transform 2025~創造と循環~」(2023年度~2025年度)を策定し、事業を展開中です。

新中期経営計画の目指す姿を「食を中心とする領域での共有価値の創造と循環」とし、これまで取り組んできた新領域をさらに深化させ、消費者を含めたサプライチェーン全体での共有価値の創造と循環を目指すものです。

成長を支える基盤の構築を推し進めるとともに、事業を通じた社会課題解決への取り組みも引き続き進める計画です。

新中期経営計画初年度である次期(2024年3月期)連結業績は、売上高6,800億円、営業利益70億円、経常利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益51億円を見込んでいます。

ヤマエグループホールディングス株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 587,982
経常利益 (百万円) 12,156
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 7,868
包括利益(百万円) 8,381
従業員数(人) 4,676
外、平均臨時雇用者数 8,153
連結子会社 48社
持分法適用関連会社 4社
持分法非適用関連会社 2社
非連結子会社 1社

ヤマエグループホールディングス株式会社は、2021年10月1日に単独株式移転によりヤマエ久野株式会社の完全親会社である持株会社として設立されました。

持株会社としてグループ会社の経営管理及びそれに付帯する業務を行う体制です。

ヤマエ久野株式会社は九州で有数の食品卸であり、グループ企業と以下のセグメントで事業を展開しています。

  • 食品関連事業:
    • 一般加工食品・菓子・酒類・冷凍食品等の販売及び焼酎の製造、弁当の製造、農水産物の製造加工販売、配達飲食サービス等
  • 糖粉・飼料畜産関連事業:
    • 食品原材料・飼料・畜産物・水産物の販売、畜産農業等
  • 住宅・不動産関連事業:
    • 住宅建築資材・住宅設備機器・木材等の販売、建設工事、不動産の売買・賃貸等
  • その他:
    • 運送事業、燃料関連事業、レンタカー事業、情報処理サービス事業、スポーツクラブ運営事業等

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

ヤマエグループホールディングスの2023年3月期におけるグループ連結業績については、売上高が前年同期比16.7%、843億46百万円の増収となり、5,879億82百万円となっています。

利益面の業績については、グループ全体で業務の見直しや効率化に取り組むことで経営基盤の強化を図った結果、経常利益は121億56百万円(前年同期比54.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は78億68百万円(前年同期比17.1%増)となり、いずれも過去最高の利益を達成しています。

2023年3月期連結決算における事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2023年3月期連結決算 セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
食品関連事業 394,586 67.1% 6,301 47.5%
糖粉・飼料畜産関連事業 96,862 16.5% 1,709 12.9%
住宅・不動産関連事業 77,111 13.1% 5,073 38.3%
その他 19,421 3.3% 167 1.3%
合計 587,982 100.0% 13,253 100.0%
調整額* -1,677
計上額 587,982 11,575

*セグメント利益又調整額△1,677百万円には、セグメント間取引消去1,557百万円、報告セグメントに配分していない全社費用△3,235百万円を含む(全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費)

中期経営計画

ヤマエグループは、「業界の公共性を十分理解し、社業の進展を通して社会に奉仕することを目標に、効率の高い営業体制をもって収益の向上に邁進する」を経営の基本理念として「人と物を結び、未来へとつなぐ企業」を標榜しています。

その実現に向けて現在は2020~2022年度中期経営計画「NEW STAGE 2022」を策定し、「ビッグ アンド グッドカンパニー」へ成長するための3ヶ年と位置付けて事業を展開してきました。

中期計画の成長戦略は以下の通りです。

  • 物流戦略:AIをはじめとした先端技術活用による次世代物流モデルの追求
    • 熊本物流センターに導入したAGV(無人搬送機)・自動倉庫等を他の物流センターへ横展開
    • 企業間連携による新たな物流プラットフォーム構築検討
  • 新規事業戦略:新しい事業領域への挑戦
    • 「食」「住」に次ぐ第三の柱を模索
  • M&A戦略: 継続して推進、更に加速
    • M&Aによる水平・垂直、新規事業分野への進出を加速
    • グループ会社との緊密な連携によるシナジー最大化
  • エリア戦略:九州で圧倒的シェアの堅守 / 九州外エリアでの基盤確立
    • 熊本物流センター稼働による売上拡大・シェアアップ
    • 関東・関西・中部圏における更なるシナジー追求

これらの4つの各戦略について着実に成果を得ることができた結果、2023年3月期の目標数値(経常利益72億円、経常利益率1.2%)は、1年前倒し(2022年3月期)で達成しています。

新中期経営計画「Progress Go ’25」(2023年度~2025年度)の概要

現在,ヤマエグループでは、2023年度より新たな中期経営計画「Progress Go ’25」(プログレス ゴートゥーファイブ)をスタートしています。

新中期経営計画「Progress Go ’25」はヤマエグループが持株会社体制となって初めての中期経営計画であり、グループの「パーパス(存在意義)」や「長期ビジョン」、「目指すべき方向性・戦略(ミッション)」を明確にグループ内外に示すことを狙いとしています。

グループ理念:

  • 「私たちは、人・企業・社会をつなぎ、多様な豊かさと暮らしを一人ひとりの生活にお届けすることを通じて地域の発展、そして持続可能な社会の実現に向けて貢献し続けてまいります」

この新しいグループ理念は、創業来掲げてきた経営の基本理念を引継ぎ、役職員が共通で目指すべき不変の理念を表現するグループ理念を定義したものです。

ヤマエグループのパーパス(存在意義):

  • 「流通のトータルサポーター」として多様な暮らしを一人ひとりの生活にお届けする

長期ビジョン(目指す姿):

  • 「サプライチェーンのあらゆる場面でビジネスを創造し、サステナブルな成長を目指す企業グループへ」

そして、長期ビジョンの実現に向けた中期的な経営方針と経営戦略が、新中期経営計画であるという位置づけです。

「Progress Go ’25」(プログレス ゴー トゥー ファイブ)は、東証プライム市場への上場、ホールディングス体制への移行と着実に進化してきたヤマエグループにとって「2025年度へ向け進化し続ける」という想いが込められたものです。

新中期経営計画「Progress Go ’25」の骨格

財務目標:

  • 2026年3月期連結売上高7,200億円、連結経常利益180億円(売上高経常利益率5%)、ROEを10%以上を目指す

非財務目標:

  • 「脱炭素社会への貢献」「人的資本価値向上への取組」を目指す
    • エネルギー消費量の削減:
      • 2030年目標:CO2排出量を2013年度から50%削減
    • 重点施策:
      • 女性管理職比率の上昇
      • 男性育児休暇取得率の向上
      • 男女間賃金格差の解消

 基本戦略:

「Progress(進化)」に向けた基本戦略は「ガバナンス強化」、「サステナビリティ戦略」、「M&A戦略」、「エリア・物流戦略」の4つ

  • ガバナンス強化
    • ホールディングス機能強化
    • グループのガバナンス強化
    • 迅速で機動的な意思決定ができる組織への変革
  • サステナビリティ戦略
    • 一次産業への更なる取り組み強化(生産から販売機能まで有した企業グループへの進化)
    • 循環型ビジネス、脱炭素化等SDGsへの取り組み推進
    • 人的資本価値の向上に向けた取り組み強化
  • M&A戦略
    • 事業ポートフォリオの変革による事業多角化(新規事業及びBtoC事業拡大検討)
    • グループシナジー最大化の追求
    • 海外事業への更なる挑戦
  • エリア・物流戦略
    • 事業エリアの戦略的拡大(関東以北エリアから全国へ)
    • 自動化・AIを駆使した省人化の加速と次期基幹システム構築による物流DXの推進
    • エリア拡大に向けた物流機能強化

投資戦略:

M&Aおよび新規事業に関する成長投資と設備投資やDX投資に関する効率化投資を拡大することで、更なる事業領域の拡大と持続的に成長するための経営基盤の維持向上を図る

  • 投資合計(成長・効率化投資):900億円(2023年度~2025年度3ヵ年累計)

上記は新中期経営計画の骨格の一部に過ぎません。

九州で食品業界を志望する就活生は、ぜひ企業研究を進めてください。食品流通という視点から食品業界全体を理解することも重要です。

25年卒以降でヤマエグループへの就活を検討している方は持株会社制への移行後、本格的に成長を目指す野心的な事業戦略の変化に注意してください。

特に九州で食品業界を志望する就活生は、ぜひ企業研究を進めてください。

まとめ

食品専門商社を目指す就活生は、その分野の代表的な企業を深く研究することが不可欠です。各社の戦略に違いがあり、その特徴を自分の価値観や強み、就活の軸に照らして吟味して、志望動機を磨いていきましょう。

そのマッチングが曖昧だと、上位企業の選考には勝ち残れません。漠然とした「商社ビジネス」への憧れや、海外志向、身近な食品という存在から志望業界にするのは良いですが、業界・企業研究に時間をかけて取り組んでください。

食品専門商社の場合国内の卸売りがメインの業態にはなりますが、諸外国からの食品の輸入や日本の食品を海外に輸出展開している事業にも取り組んでいます。興味が繋げた方は、ぜひ積極的にチャレンジしてください。

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