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【就活の業界研究】就活のはじめに、鉄道会社のビジネスモデルを把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では鉄道業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

鉄道業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 鉄道会社のビジネスモデルを理解しよう
  • 鉄道業界の現状と課題・未来
  • 鉄道会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 鉄道会社に働く人のモチベ―ションは何か
  • 鉄道会社に向く人、向かない人はどういう人か
  • 鉄道業界の構造
  • 主要鉄道会社の概況
この記事では鉄道会社のビジネスモデルについて解説していきます。鉄道業界入門編として活用してください。

鉄道会社のビジネスモデル

鉄道会社を鉄道事業法によって規定される鉄道事業者と定義すると、その数は全国で209に及びます。規模も事業内容も大きく違うため、この記事では就活生に人気のある、JR系各社、大手、準大手民鉄を中心に解説をすすめます。

就活の業界研究では、はじめに鉄道会社のビジネスモデルを理解することから始めましょう。鉄道会社はその地域の人々に不可欠な交通インフラとしての公共的な役割を負いながら、どのように収益をあげているのでしょうか。

鉄道会社の収益モデル

在来線ビジネス

まず基本になるのが在来線のビジネスです。在来線とは全国新幹線鉄道整備法第2条に規定される新幹線鉄道に当てはまらない鉄道路線のことと理解しましょう。厳密には秋田新幹線や山形新幹線のミニ新幹線は主たる区間を200km/h以上で走行できないため、法規上は「新幹線」にあたらず「在来線」に分類されるのですが、ここでは新幹線とそれ以外ということで解説します。

JR各社の新幹線以外の鉄道と私鉄(民鉄)の路線は在来線であり、主に通勤や通学、ビジネス、買い物やレジャー、等、日常生活での移動手段としてのインフラを提供することが存在意義です。貨物に関しても物資を輸送して企業や人々の生活を支えています。

鉄道ビジネスの基本は、決まった路線、決まった本数の電車を運行するときに、乗車人数が増え、乗車した人の移動距離が長ければ長いほど収益が上がるビジネスです。空いていれば空気を運んでいることになるため、利用旅客数及び運んだ旅客数(人)にそ それぞれの乗車した距離(キロ)を掛け算した数の累積値 である「旅客人キロ」で総需要を見ていきます。

JRの在来線のネットワークでは、「長距離」を結ぶ特別急行を運行して、普通乗車賃に加算して特急料金や指定料金を加算します。特急の運行は鉄道会社にとって効率が良く、プラスの料金も獲得できるため乗車率が一定以上になれば普通列車の運行より収益があがる構造です。

私鉄には新幹線はないので、すべて在来線ビジネスということになります。鉄道会社が、本業である在来線ビジネスで稼ぎ、収益を上げられれば良いのですが、なかなかそうはいきません。むしろ収益があがる路線、赤字の路線が混在する、もしくは在来線ビジネスは赤字や収支がトントンでも他の事業で稼いでいるのが現実です。JRの場合は、新幹線の収益と鉄道以外の事業で赤字路線を補っているという構造です。

在来線以外の事業が赤字、他の事業がほとんどないない、もしくはあっても稼げていない場合は、鉄道会社自体が赤字となり、地方自治体の支援を受けたたり、廃線・廃業の危機に直面している会社もあります。

一例ですがJR東海の旅客運輸収入の92%(2017年実績)が新幹線によるものです。路線ごとの収益が発表されていないため断定はできませんが、新幹線以外の在来線の収入が約1割ということは、在来線を維持・運営するコストを考えるとごく一部を除いてほぼ赤字で運営されていると考えるのが妥当でしょう。

普通の事業であれば運賃を上げて黒字化すれば良いのですが、鉄道運賃は鉄道事業法によって国土交通大臣の認可を受ける必要があります。運賃の設定(上限を設定して許可申請する)の仕方は複雑なので省きますが、特定の地域において独占的な事業であることから、無制限にコストを運賃・料金に転嫁できないような仕組みになっています。

また運賃を上げてしまうと他の交通機関・手段との比較で益々利用者が減ってしまうリスクもあります。更に言えば鉄道は社会インフラであるため、経済全体の動向や政治にも影響を受けます。従って、原価に適正な利益を加算して申請すれば良いという単純なものでないところが鉄道事業の収益モデルの難しいところです。

結果的に、新幹線や鉄道輸送事業以外で稼いで、在来線が赤字で在来線のインフラを支え、全体として収益を出していくというのが実情なのです。

新幹線ビジネス

新幹線はその大部分の区間において200 km/hを超える速度で運行するため、在来線鉄道とは異なった規格や技術によって運航されています。日本列島を大量の乗客が高速で移動するインフラを担い、ビジネス、観光等で重要な役割を担っているのです。

新幹線を持っているのはJR 東海、東日本、西日本、九州、北海道の5社ですが、JR北海道以外の4社の新幹線は黒字であり、前述の在来線インフラを支える収益の柱として成長しています。

JR北海道の発表によると北海道新幹線は2017年度における北海道新幹線(新青森~新函館北斗)の営業収益は96億7900万円で、営業費用(管理費含む)は195億5600万円。営業損益(同)はマイナス98億7700万円となっています。開業1年目の赤字が54億円であったので、赤字が増えているのが現状です。札幌まで延長されるのが2030年とまだ先なので、在来線の赤字をカバーできず、難しい状況が続いていくでしょう。更に言えば札幌延長後も航空会社との競争に勝てるのかという疑問を多くのアナリストが指摘しています。

一般的に高速鉄道は所要時間が4時間を超えると飛行機に対抗できないとされています。現在の北海道新幹線の所要時間は、東京-函館間が約4時間、仙台-函館間が約2時間30分、東京―札幌間が4時間45分にもなってしまうためです。利便性だけではなく、運賃面でもLCC(格安航空会社)との競争にはならないでしょう。

尚、JR四国は新幹線計画や促進運動はあるものの具体的な進展には至っていないのが現状です。人口減少と過疎化が進む中で、莫大なコストを投じて新幹線を通しても収益が上がらなければ民間企業として意味がありません。

このように、もはや新幹線だからドル箱になるという考え方は成り立ちません。次は鉄道輸送以外のビジネスで稼ぐモデルについて見ていきましょう。

貨物輸送

貨物輸送もトラック輸送が物流の主流になるにつれて鉄道輸送の総需要は減っていきましたが、JR系の日本貨物輸送鉄道が鉄道による物資の輸送を専業にしています。

日本貨物輸送(JR貨物)は、全国のJR系鉄道ネットワークを借りることで、長距離輸送を可能にしています。

2018年3月期決算では、売上高1945億6100万円(前年同期比2.3%増)、営業利益122億7400万円(1.3%減)、経常利益104億8100万円(1.2%増)となっています。しかし、JR貨物も鉄道貨物輸送を中心に、倉庫・トラック輸送・不動産事業などの幅広い事業を日本全国で展開しており、この利益は鉄道輸送だけで生まれているものではありません。むしろ、倉庫業、不動産業等を包含したロジスティックス企業として理解しておきましょう。

非鉄道事業の開発

 

鉄道会社の場合鉄道による「輸送」以外の事業を非鉄道事業と呼んでいます。主な非鉄道事業を挙げると宅地、マンションの開発・ホテル経営などの不動産関連事業、沿線のエンターテイメント事業、百貨店やショッピングセンターの運営、駅ナカで展開する小売業や外食業、車内の中吊り広告や液晶モニターに映し出される広告事業、駅を媒体とする広告事業、旅行代理店事業、さらにはIC乗車券と連動させたクレジットカードなどの金融事業等、多彩な事業を営んでいるのです。

一つ一つ解説していきます。

不動産関連事業

鉄道会社の沿線の不動産を開発することは、事業そのもの及び居住者やその需要による商業にもプラスの影響を与える為、歴史的に鉄道会社各社が取り組んでいる事業です。関東では東急電鉄、関西では阪急電鉄が最も力を入れており、沿線の不動産開発とブランディングもふくめて沿線そのものの価値を高める不動産開発を行っています

東急沿線をみてみても、二子玉川、たまプラーザ、あざみ野、青葉台など多数の商業施設を展開、ターミナル駅の渋谷ヒカリエや二子玉川を始めとするオフィス物件開発、大井町線沿線の賃貸住宅などを手掛け成功させています。

私鉄系の不動産会社は非常に多く、「電鉄の名前+不動産」で考えてみれば色んな会社名が出てくると思います。歴史的に私鉄各社は沿線の土地を買って鉄道を通していったため、沿線周辺に土地を持っているケースも多かったため、不動産事業との親和性は高いのです。

駅の近くに土地を持っていたり、駅の周辺開発として地権者との交渉もしやすい立場にあることから、自社でホテル事業も行っています。

沿線のエンターテイメント事業

鉄道会社がイベント・スポーツ施設を経営したり、自らプロスポーツ団体を経営する、遊園地や動物園を経営しているのは皆さんも良くご存知かと思います。

プロ野球球団の経営や、球場、遊園地や動物園、イベント施設はその沿線を利用しての集客に繋がり、ブランディング等の波及効果もあることから私鉄を中心に行われてきました。

電鉄のブランディングはなく、直接沿線という訳ではありませんが、京成電鉄は東京ディズニーランドを経営するオリエンタルランドの筆頭株主です。

阪急と宝塚、東武と東武動物公園やスカイツリー(ソラマチ)、阪神や西武のプロ野球球団など、他にも非常に多くの例がありますが、これら全て鉄道会社の非鉄道事業の発想から生まれているのです。

百貨店やショッピングセンターの経営

鉄道会社系列の百貨店・SCの経営:

駅という資産を活かして、人の動きの中で購買行動を誘うという発想から、電鉄会社自ら百貨店の経営に乗り出したのが発端です。

電鉄系の百貨店やスーパーの名前はすぐ思い出せるでしょう。JRは単独での百貨店の経営はしていませんが、ターミナル駅や主要駅では必ずと言ってよいほど商業施設、所謂、駅ビルを運営しています。JR東日本ではルミネ、アトレといったブランディングの駅ビルの他、JR各社で独自のブランディングによる駅ビルを経営して収益に貢献しているのです。大手私鉄も同様に駅ビルや駅周辺の再開発を積極的にすすめています。

駅ナカの小売業・外食産業:

JRや私鉄のキヨスクやコンビニも鉄道会社で経営しています。セブンイレブンやファミリーマート等、メジャーなコンビニを誘致している場合もありますが、例えばJR東日本のNew Daysは自らがオペレーターになっています。

外食に関しては古くは「立ち食いそば」からでしょうが、現在ではファーストフードチェーン、コーヒーショップ、ベーカリー、和・洋・中の多様式のレストラン経営などを進めています。

広告事業

電車内に掲示されている広告、駅のポスターや沿線内の大型看板、コンコースや改札前の大型ディスプレイなどの広告媒体も鉄道会社が広告スペースとして販売しているものです。利用客が多い駅や路線は広告料も高く設定できるため、鉄道事業の副産物ともいえる事業です。JR系や大手私鉄は自ら広告代理店もグループ子会社として経営しています。

旅行代理店事業

旅行代理店事業も鉄道事業と極めて親和性が高い事業です。自社ネットワーク内の観光地をプロモートすることにより、自社ネットワーク、特に長距離の利用を促進できますし、系列のホテルの利用も組み合わせることができます。

パッケージ旅行の販売によって利用が比較的少ない時間帯の指定席を売ることもできますし、観光地のビジネスの活性化にもつながるため、ほとんどの大手鉄道会社は旅行代理店をグループ子会社にしています。

IC乗車券連動金融事業

JR系鉄道会社や大手私鉄ネットワークはICチップを入れたカードを発行しており、運賃の決済をはじめとして、その他一般事業者でも使用できる電子マネーとしての利用がどんどん広がっています。

またクレジットカード機能を併せて、スマートフォンをかざすだけで決済できたり、オートチャージ機能を使うとポイントが貯まり、そのポイントをICカード(例:JR東日本、Suica)にチャージできるという便利な機能も開発しています。

ICカードを電子マネーとして使用できる提携先も着々と開発しており、コンビニ、自動販売機、スーパー、ドラックストア、駅ビル、外食、家電、タクシー、航空会社、レンタカー、アミューズメント施設などに拡大しています。

元々は切符を吸い込んで読み取っていた自動改札機のメンテナンスコストを抑え、利便性向上や効率化のために導入された交通系ICでしたが、現在では自社の電子マネーが使用されることによって決済手数料が収入になるビジネスモデルを構築しています。政府がキャッシュレス決済を促進させる方針であることから、今後も成長が期待できる分野です。

まとめ

以上鉄道会社が事業化している主なものを見てきましたが、これ以外にも非常に多くのグループ子会社、関連会社を通じて鉄道運輸事業と親和性のある事業を展開しています。例はそれほど多くありませんが、海外事業(インフラや技術の輸出・コンサルティング事業)を行っている企業もあります。

鉄道会社の事業は、交通インフラとして旅客を輸送することに留まることなく多角化をしており、むしろ本業を支えているケースもあるのです。鉄道業界を志望する場合、鉄道に興味がある、鉄道が好きというだけでは、説得力がないことが理解できたと思います。

社会的にも重要な業界なので、鉄道会社の現状や課題、未来に関しても別の記事で解説をしていきますので、そちらも是非参考にしてください。

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