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【就活の業界研究】化粧品業界の構造と主要企業の概況をチェックしよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するためのコンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

伝統的に女子就活生に人気がある化粧品業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。この記事では化粧品業界構造と主要化粧品メーカーの概況ついて解説していきます。新卒の就活は、一生の中でも重要な決断の一つです。化粧品メーカーを志望するかどうかに関して、重要な情報になりますので、ぜひ参考にしてください。

化粧品業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 化粧品業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 化粧品メーカーの現状と課題・将来性
  • 化粧品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 化粧品メーカーで働く人のモチベ―ションは何か
  • 化粧品メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 化粧品業界の構造
  • 大手化粧品メーカーの概況

化粧品業界の構造

 

厚生労働省が発表している2020年3月末の全国の薬事関係業態数は、化粧品製造販売業が3,824社となっています。また業界団体である日本化粧品工業連合会の加盟企業だけでも1,343社に達しています。(2021年4月1日現在)、更に株式を公開している企業でも22社あります。

2020年における化粧品の国内全体の市場規模は約2兆5,948億円*、前年比7.8%*の減少と推定されています。国内市場の分野別シェアは、スキンケア市場が45.4%、メイクアップ20.7%、ヘアケア・ヘアメイク20.8%、ボディケア7.2%、メンズ化粧品4.4%、フレグランス1.3%(*2020年化粧品マーケティング要覧:富士経済調べ)となっています。

化粧品のマーケティングは、各カテゴリー別で低価格帯(マスブランド)、中価格帯(マステージブランド)、高価格帯(プレステージブランド)、業務用のブランドを分けて展開するのが一般的です。販売方法別に、セルフとカウンセリングという分類もしています。

ターゲット毎の美容ニーズや可処分所得の違い、購入チャネルも異なるため、各化粧品メーカーは消費者や顧客にニーズに最適化するために商品開発を行い、ブランディングを行っているためブランド数も多くなりがちです。

また敢えて企業ブランドをつけずに、製品ブランドのみで展開する、アウト・オブ・~~という手法もとられます。

メーカー数、企業数、ブランド数も非常に多い業界ですが国内メーカー(外資系企業を除く)の売り上げシェアでみると、資生堂、花王、コーセー、ポーラ・オルビス、の4社で国内市場の約半分を占める寡占の構造となっています。

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大手化粧品メーカーの概況

2020年度の国内大手化粧品メーカー4社(資生堂、花王、コーセー、ポーラ・オルビス)の連結売上高が1兆9,195憶円に達しています。(花王は化粧品とスキンケア・ヘアケア事業の売り上げを算入)

化粧品の国内市場が、日本の人口が縮小に転じ、国内の個人消費も伸びない中での成長してきた主な要因は、旺盛なインバウンド需要(外国人観光による需要)が大きく貢献したことによります。(新型コロナウイルス感染症の蔓延前の、2020年1月までの状況)

インバウンド需要を細かくみていくと、観光客が激増しているのはアジアからであり、化粧品の主な購入者は中国、台湾、香港、韓国のから観光客でした。

これらの国は日本国内製造のブランド化粧品に対する信頼が厚く、アベノミクスではじまった基本的な円安傾向と、現地経済の拡大・成長による可処分所得の増加によって、日本製化粧品を免税で購入することがブームとなってきたためです。

お土産需要や現地での転売需要で、訪日観光客マーケットは活況でした。特にプレステージと呼ばれる高価格帯商品が好調であることが売上高の増加に貢献してきたのです。

この外需の恩恵を受けることが出来るブランドは、海外(中国・台湾・香港・東南アジア)に進出している大手ブランドが中心となりますが、低~中価格帯のドラッグストアで売られているセルフ化粧品も、お土産や個人需要を取り込んでいるため、全体の需要を2桁まで伸ばすことに貢献してきたのです。

下記の各社の業績は、2020年12月期(資生堂・花王・ポーラ・オルビス)と2021年3月期(コーセー)を反映しています。

化粧品メーカーを目指す皆さんは、国内消費の動向や、各社から発表される四半期決算や年度の業績予測をモニターして、常に情報をアップデートしていきましょう。

それでは各社の概況を個別にみていきます。

株式会社 資生堂

2020年12月期連結決算

売上高 (百万円)920,888
営業利益 (百万円)14,963
経常利益 (百万円)9,638
親会社株主に帰属する純利益・純損失(百万円)-11,600
包括利益(百万円)10,431
従業員数(人)39,035
外、平均臨時雇用者数7,516
連結子会社72社
持分法非適用連結子会社3社
持分法適用関連会社3社

資生堂は、株式会社 資生堂と子会社80社(連結子会社73社、持分法非適用非連結子会社4社)及び持分法適用関連会社3社で構成されており、化粧品、化粧用具、トイレタリー製品、理・美容製品、美容食品、医薬品の製造・販売を主な事業内容としています。国内の「化粧品メーカー」という意味では、断トツの首位企業です。

資生堂の事業セグメントは、日本事業、中国事業、アジアパシフィック事業、米州事業、欧州事業と地域毎になっており、それにプラスしてトラベルリテール事業、プロフェッショナル事業と全社(共通)に分かれており、このことからもグローバル経営を意識していることが分かります。

以下は2020年12月期のセグメント別、売上、利益の概要は以下の通りです。

2020年12月期 事業セグメント別の業績

事業名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益。損失(百万円)
日本事業303,03532.9%10,473
中国事業235,80425.6%18,386
アジアパシフィック事業59,1736.4%3,248
米州事業91,4109.9%-22,254
欧州事業94,28010.2%-13,231
トラベルリテール事業98,50110.7%14,640
プロフェッショナル事業12,7551.4%-34
その他25,9272.8%3,475
合計920,888100.0%14,702
調整額261
計上額920,88814,963

資生堂の2020年12月期(2020年度)の連結売上高は、成長戦略領域への投資による、中国プレステージ及びトラベルリテールアジアの成長拡大、スキンビューティーブランドの成長によるスキンケア売上比率の向上、Eコマース売上の拡大があったものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主要ブランドは前年に対して売上が減少しています。

現地通貨ベースで前年比17.8%減、「Drunk Elephant」買収影響等を除く実質ベースでは前年比18.8%減となり、円換算後では、前年比18.6%減の9,209億円という結果でした。

特にプレステージブランドの「SHISEIDO」及び「クレ・ド・ポー ボーテ」は、国内での緊急事態宣言による小売店の臨時休業、消費者の外出自粛等による来店客数減の影響に加えて、訪日外国人旅行者の大幅な減少によりインバウンド需要の激減等による日本事業の売上減少の影響が大きく響き、それぞれ前年比12%減、17%減という厳しい状況でした。3月下旬以降、新型コロナウイルスの感染者数が減少し、回復基調が続いた中国において販売好調であったものの、補いきれない結果となりました。

利益面では、営業利益が前年比86.9%減の150億円、経常利益は、営業利益の減少により、前年比91.1%減の96億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業減益に加え、休業中の従業員給与、店舗・工場維持費等、新型コロナウイルス感染症による特別損失を計上したことなどから、117億円の損失となってしまいました。赤字決算は2013年3月期以来となっています。

地域別売上高

地域別の売上の状況は以下の通りです。

  • 日本:3,333億円(構成比:36.2%)
  • 米州:931億円 (構成比:10.1%):内、米国が811億円
  • 欧州:1,013億円 (構成比:11.0%)
  • アジア・オセアニア:3,931億円(構成比:42.7%):内、中国が2,890億円

唯一成長を遂げたのが、新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く止めた巨大市場である中国です。中国市場は第四四半期(10月~12月)は前年対比+40%、年間でも+11%の成長を達成しています。

資生堂の中長期経営戦略

資生堂グループは、スキンビューティー領域をコア事業とする抜本的な経営改革を実行し、2030年までにこの領域における世界No.1の企業になることを目指すことを長期の戦略目標に置いています。定量目標としては、2030年に売上高2兆円、営業利益率18%を目指すとしています。

新型コロナウイルスの影響をはじめ、外部環境が急激に変化する中、2021年~2023年の3年間は、これまでの売上拡大による成長重視から、収益性とキャッシュ・フロー重視の戦略へと転換し、“Skin Beauty Company (スキンビューティーカンパニー)”としての基盤を盤石にするために以下の取り組みを加速させる方針です。

  • 2021年:「変革と次への準備」を行う期間
    • With / Afterコロナへの対応・準備をしながら、事業ポートフォリオの再構築を中心とした構造改革と財務基盤の強化に集中
  • 2022年:「再び成長軌道へ」の年
    • グローバルブランドのさらなる成長及び、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを加速
  • 2023年:「完全復活」の年
    • 「スキンビューティーカンパニー」として、売上高1兆円程度、営業利益率15%の達成を目指す

そしてこの3年間で、ブランド・イノベーション・サプライチェーン・DX・人材組織への積極的な投資を継続し、強化していく方針です。

資生堂を志望する皆さんは、IR資料に目を通し、資生堂の企業理念、「THE SHISEIDOPHILOSOPHY」の内容や、資生堂が向かおうとしている方向性や戦略を深く理解して就活に臨んで下さい。

「THE SHISEIDOPHILOSOPHY」の中で示されている、OUR PRINCIPLES (TRUST 8)は、資生堂の社員が日々ともに仕事をするうえで大切にしている心構えや行動原理・規範を示したものです。自己PRで取り上げるエピソードの選び方や、アピールする内容に活かして下さい。

尚、2023年卒で資生堂を志望する就活生は既にご存知のことと思いますが、資生堂は、2021年7月1日をもってパーソナルケア事業を投資ファンドのCVC Capital Partners社に譲渡し、その後同事業を運営する会社の株主として参画して、合弁事業としています。

資生堂のパーソナルケア事業には、皆さん良くご存知の「TSUBAKI」や「専科」、「uno」、「シーブリーズ(SEA BREEZE)」等が含まれていますので、注意してください。

花王 株式会社

2020年12月期連結決算

売上高 (百万円)1,381,997
税引前利益 (百万円)173,971
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)126,142
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円)132,941
従業員数(人)33,409
外、平均臨時雇用者数11,969
子会社114社
関連会社5社

花王株式会社と関係会社(子会社114社、関係会社5社)で構成された、生活用品という括りでは国内首位の企業です。

花王の事業構成は、大きくコンシューマープロダクト事業とケミカル事業、その他と分かれており、コンシューマープロダクト事業の中が更に化粧品事業、スキンケア・ヘアケア事業、ヒューマンヘルスケア事業(サニタリー製品、オーラルケア製品、入浴剤・温熱シート、ヘルシア等をカバー)、ファブリック&ホームケア事業(衣類用洗剤、洗濯仕上剤、キッチン、バス、トイレ、等リビング製品をカバー)が区分されています。

以下は2020年12月期のセグメント別、売上、利益の概要です。

2019年20月期 事業セグメント別の業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
化粧品事業234,06816.9%2,5841.5%
スキンケア・ヘアケア事業308,89722.4%50,82329.1%
ヒューマンヘルスケア事業233,97116.9%12,8507.3%
ファブリック&ホームケア事業374,36727.1%80,90846.3%
ケミカル事業230,69416.7%27,69215.8%
合計1,381,997100.0%174,857100.0%
セグメント間取引調整他706
計上額1,381,997100.0%175,563

2020年12月期の化粧品事業とスキンケア・ヘアケア事業の連結業績は、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受け、厳しいものになりました。

花王の連結業績は、売上高が前期に対して8.0%減の1兆3,820億円(実質5.2%減)となりました。営業利益は1,756億円(対前期362億円減)、営業利益率は12.7%となり、税引前利益は1,740億円(対前期367億円減)、当期利益は、1,281億円(対前期223億円減)となり、減収減益の決算となっています。

化粧品事業の概況

化粧品事業は、インバウンド需要が大幅に減少すると共に、世界中で店舗閉鎖や外出規制等が行われた影響で、売上高が前期に対して22.4%減の2,341億円(実質22.1%減)となりました。

マスク着用が常態化したことで、メイクアップ製品の売り上げが減少し、日本ではインバウンド需要の減少に加え、感染症拡大により外出自粛や小売店の臨時休業が行われた影響が大きく、感染症の終息が見えない中で回復が遅れた結果です。

営業利益は、日本の大幅な減収により、26億円(対前期388億円減)となりました。

スキンケア・ヘアケア事業の概況

スキンケア・ヘアケア事業の売上高は、会計処理上の影響もあり、前期に対して9.3%減の3,089億円(実質1.4%増)となりました。

スキンケア製品では、「ビオレu」のハンドソープ、手指消毒液等の衛生関連製品は、日本で感染症拡大による需要増により、売り上げを伸ばし、ヘアケア製品では、日本で外出自粛により自宅でのケアの機会が増えヘアカラー製品は売り上げを伸ばしました

営業利益は、508億円(対前期13億円増)となり、増益も達成しています。

化粧品事業とスキンケア・ヘアケア事業の地域別売上の状況は以下の通りです。

化粧品事業地域別売上高(セグメント間の売上げ含む)

  • 日本:1,642億円(構成比:70.2%)
  • アジア:454億円(構成比:19.4%)
  • 米州:55億円 (構成比:2.3%)
  • 欧州:190億円 (構成比:8.1%)

 

スキンケア・ヘアケア事業地域別売上高(セグメント間の売上げ含む)

  • 日本:1,777億円(構成比:57.5%)
  • アジア:253億円(構成比:8.2%)
  • 米州:687億円 (構成比:22.2%)
  • 欧州:372億円 (構成比:12.0%)

この記事では化粧品事業とスキンケア・ヘアケア事業にフォーカスして解説しますが、就活の対象として考える場合は企業全体の研究が必要です。

花王グループの化粧品事業はカネボウ化粧品、エキップの他、「ソフィーナ(SOFINA)」「キュレル(CUREL)」「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」の各ブランドによる5つの事業体を持っています。今まで各ブランドが独自運営を続けたことでグ、各ブランドの下に細分化されたブランドが広がり、グループ全体のブランド数が49まで膨れ上がってしまいました。

そのためブランド毎の役割や優先順位が不明瞭となり効率が低下、国内の市場シェアも横ばいから縮小傾向になってしまい対策が急がれていました。

花王は2018年5月、現状の49のブランドを整理し、グローバル戦略ブランドを11、国内戦略ブランドを8つに絞って育成していく方針を発表しています。国内市場では、これまでの複数の分類を排除して、シンプルにカウンセリングブランドとセルフブランドの2つに再編しています。

グローバル戦略ブランドは2020年に誕生したエキップの新ブランド「athletia」(アスレティア)と、カネボウ化粧品が欧州・中東の40カ国以上で展開している「センサイ(SENSAI)」の他、「RMK」「スック(SUQQU)」「エスト(EST)」「KANEBO」「ソフィーナ iP」「モルトンブラウン」「ケイト(KATE)」「フリープラス(FREEPLUS)」「キュレル」の11ブランドとなっています。

国内戦略ブランドは「ルナソル(LUNASOL)」「トワニー(TWANY)」「リサージ(LISSAGE)」「プリマヴィスタ(PRIMAVISTA)」「コフレドール(COFFRET DOR)」「アリー(ALLIE)」「エビータ(EVITA)」「メディア(MEDIA)」の8ブランドとしています。

花王はスキンケアを中心として、花王ならではのエビデンス(効果実感)と五感に訴える感性美を融合させて各ブランドの育成・成長を図っていく計画です。また消費者の購買行動の変化に対応して、デジタルマーケティングの強化に注力しています。

花王は2030年までにあるべき姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献との両立によって、これまでの『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になるという将来像をさらに一歩進め、『グローバルで存在価値のある企業「Kao」』になることを目指しています。

またESGを通じて将来にわたって、人・社会・地球にとって価値のある存在になることを標榜しており、環境に対する姿勢や、最小限の資源で最大の価値を生み出す、”Maximum with minimum”を経営の指針、グローバル市場での成長など、自分自身の就活の軸や自己PR、志望動機の作成へ活かせるように、企業研究を追深めていきましょう。

株式会社 コーセー

2021年3月期連結決算

売上高 (百万円)279,389
経常利益 (百万円)18,745
親会社株主に帰属する当期 純利益(百万円)11,986
包括利益(百万円)15,228
従業員数(人)8,767
外、平均臨時雇用者数5,636
連結子会社39社

コーセー及びグルプ企業は、化粧品事業、コスメタリー事業、その他事業というセグメントで事業を展開しています。ブランドのカテゴリーでは、ハイプレステージ、プレステージ、コスメタリーという分類をしています。コスメタリーはセルフ販売を中心とした購入しやすい価格帯のブランドになります。

コーセーでは、企業名を冠した「コーセーブランド」と、独自性の高い多彩なブランド群である「インディヴィデュアルブランド」 の2つに大別して、ブランド管理をしています。

ハイプレステージ下には有力子会社としてアルビオンがあり、ALBIONやANNA SUIなどのブランドも展開しています。

以下は2021年3月期のセグメント別、売上、利益の概要です。

2021年3月期 事業セグメント別の業績

事業名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益・損失(百万円)利益構成比
化粧品事業218,48278.2%18,66995.4%
コスメタリー事業58,43420.9%-63-0.3%
その他2,4720.9%9735.0%
合計279,389100.0%19,579100.0%
調整額-6,285
計上額279,38913,294

コーセーグループの2021年3月期の連結業績は、中国での販売が好調だったものの、日本および中国以外の各国で新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、売上高は前年同期比14.7%減の279,389百万円(為替の影響を除くと14.2%減)と減収になりました。

利益面では、売上高減少が響き、営業利益は13,294百万円(前年同期比67.0%減)、経常利益は助成金収入により18,745百万円(同54.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,986百万円(同55.1%減)となり減収減益の決算になっています。

化粧品事業はインバウンド売り上げの減少が響き、売上高は218,482百万円(前年同期比13.3%減)、営業利益は18,669百万円(同58.2%減)という結果でした。

コスメタリー事業では、コロナ禍で需要が高まっている「メイク キープ ミスト」や「リップジェル マジック」、ヘアケアブランドの「スティーブンノル ニューヨーク」などが売上に貢献、またコーセーコスメポートの「グレイスワン」や「コエンリッチ」が好調に推移しましたが、売上高は58,434百万円(前年同期比18.7%減)、営業損失は63百万円(前期は211百万円の営業利益)と苦しい状況でした。

なお、連結売上高に占める欧州、アメリカ、アジアの売上高の割合は40.1%となりました。

コーセーの中期経営計画

コーセーでは2026年の創業80周年に向けて更なる成長ステージを目指した中長期ビジョン「VISION 2026」を推進しています。

「VISION 2026」の基本骨子は以下の通りです。

コーセーグループ中長期ビジョン「VISION 2026」

  • 定量目標
    • 売上高 5,000億円
    • 営業利益率 16%以上
    • ROA 18%以上
    • ROE 15%以上
  • ロードマップ
    • PhaseI:「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化」
    • PhaseII:「世界での存在感拡大と更なる顧客体験の追求」
    • PhaseIII:「世界のひとりひとりに存在感のある顧客感動企業への進化」
  • 基本戦略

3つの成長戦略

    1. ブランドのグローバル展開加速
    2. 独自性のある商品の積極的開発
    3. 新たな成長領域へのチャレンジ

2つの価値追求

    1. デジタルを活用したパーソナルな顧客体験の追求
    2. 外部リソースや技術と連携した独自の価値追求

3つの経営基盤

    1. 企業の成長を支える経営基盤の構築
    2. ダイバーシティ&インクルージョン経営の実践
    3. バリューチェーン全体にわたるサステナビリティ戦略の推進

コーセーを志望する皆さんは、この中期計画の内容を理解して、自身の就活の軸や志望動機の作成に役立ててください。さらなる成長のためには、グローバル展開の加速が必要不可欠であることが理解できると思います。

株式会社 ポーラ・オルビスホールディングス

2020年12月期連結決算

売上高 (百万円)176,311
経常利益 (百万円)12,579
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)4,632
包括利益(百万円)4,463
従業員数(人)4,734
外、平均臨時雇用者数1,802
連結子会社30社
持分法非適用連結子会社1社

ポーラ・オルビスホールディングスグループは、純粋持株会社制を導入しており、ポーラ・オルビスホールディングス及び子会社31社で、ビューティケア事業を始めとした「美と健康」に関わる事業を中心に展開しています。

ポーラ・オルビスホールディングスは、持株会社としてグループ戦略の策定、グループ経営のモニタリング機能を果たすとともに、グループ会社への経営管理業務(経営上の重要事項に係る指導・助言等)を行なう経営体制となっています。

ポーラのブランドは一部百貨店にも展開していますが、主力事業である委託販売チャネルでは、全国3,780拠点のショップ、35,591人のビューティーディレクター(2020年12月31日時点)を通じたカウンセリング販売を実施しています。

ショップオーナー/マネージャー、ビューティーディレクターは、委託販売契約に基づく販売パートナーである個人事業主であり、ショップは、ポーラグループ外の独立した組織として存在しています。

ビューティケア事業は、国内市場の基幹ブランドとして、「POLA」がハイプレステージとプレステージをカバー、「ORBIS」がミドルをカバーする構造になっています。

また海外ブランドとして「Jurlique」「H2O PLUS」を、育成ブランドとして「THREE」「DECENCIA」「Amplitude」「ITRIM」「FIVEISM×THREE」を展開しています。

POLAブランドでは、市場からのニーズが高いエイジングケア・美白を中心とした高付加価値商品の投入、ならびに基本活動であるカウンセリング・エステに注力することで、継続率の高い顧客の獲得を目指しています。

オルビスは1987年にポーラの通販化粧品部門として誕生し、オルビス、アクアフォースやオルビスユ―などのブランドを展開しています。2000年以降は通信販売だけでなく、店舗展開もしています。

オルビスは高品質な商品が低価格で通信販売で購入できるという点が、忙しい女性に評判になり、事業を拡大してきました。

比較的新しいブランドと思えるかもしれませんが、既に発売以来30年以上の歴史を刻んでいます。その間国内市場では自然派化粧品ブランドは乱立し、オルビスのブランド価値も希薄化してきたため、高収益事業へと再成長を遂げるため、リブランディングや「オルビスユー」シリーズの導入を行い、新たな顧客層の獲得やブランド差別性の創出による存在感の向上に取り組んでいます。

ポーラ・オルビスホールディングスのセグメントは、ビューティケア事業、不動産事業、その他というシンプルな構造になっています。

以下は2020年12月期のセグメント別、売上、利益の概要です。

2020年12月期 事業セグメント別の業績

事業名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益
(百万円)
利益構成比
ビューティケア事業171,65897.4%12,96593.9%
不動産事業2,2911.3%7105.1%
その他事業2,3611.3%1280.9%
合計176,311100.0%13,804100.0%
調整額-51
計上額176,31113,752

ポーラ・オルビスの2020年12月期における連結業績は、売上高が前年同期比19.8%減の176,311百万円、営業利益は、売上高減による売上総利益減少により、前年同期比55.8%減の13,752百万円、経常利益は前年同期比58.9%減の12,579百万円、純利益は前年同期比76.5%減の4,632百万円となり減収減益の厳しい決算となっています。

これは国内化粧品市場の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うインバウンド需要の大幅減少、緊急事態宣言の発出に伴う、店舗休業や外出自粛等により、対面型サービスを利用した消費行動の急速な落ち込みが主因となっています。

ポーラ・オルビスの中長期戦略

ポーラ・オルビスグループは、創業100周年にあたる2029年を見据え、Missionとして「感受性のスイッチを全開にする」、Visionとして「ブランドひとつひとつの異なる個性を生かして、世界中の人々の人生を彩る企業グループ」、さらにこれらを実現するための5つの行動指針を加えた、グループ理念を掲げています。

この企業理念のもと、個性・特徴を持ったブランドを複数保有し、それぞれの事業が成長することでグループ全体の企業価値向上を図っていく、「マルチブランド戦略」を展開しています。

新中期経営計画(2021年~2023年)では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により一変した経済・市場環境を踏まえて、持続的な成長に向けた基盤構築の期間と位置づけ、コロナ禍以前(2019年12月期)の業績回復を目指し、以下を柱とした戦略を展開しています。

  1. 国内ダイレクトセリングの強化
  2. 海外事業の利益ある成長(特に重点市場である中国の強化)
  3. 育成ブランドの利益貢献(THREE, DECENCIA)
  4. 経営基盤の強化(研究開発の強化等)
  5. 新ブランド、「美」に関する領域拡張(D2C、ビューティーテック領域の投資先とのオープンイノベーションにより、新ブランドの創出やM&Aによる子会社化)

上記は中期経営計画の骨子のみですが、ポーラ・オルビスを就活の対象と考える方は、独自の販売チャネルや中長期のプラン、方向性や内容を理解した上で、自身の就活の軸や志望動機に活かしてください。

まとめ

以上駆け足で4大ブランドをみてきました。それぞれ特徴がありますが、コロナ禍以前では、日本製のプレステージ、ハイプレステージブランドが日本、およびアジア、特に中国で受け入れられており、各社とも現地での販売拡大や、訪日外国人観光客の需要を取り込んで全般的には好調だった共通点があります。

しかしながら、2020年度では、各社とも、全世界での新型コロナウイルス感染症の影響により業績の悪化は避けられませんでした。特にインバウンド消費は2021年度に入っても、未だ先が読めず回復は見込めない状況が続いています。

各社とも成長のために、海外マーケットでの売上を伸ばすこと、デジタルチャネルでの販売強化が課題である点も共通しています。インバウンドやツーリスト需要だけではなく、真に展開各国でのマーケティングに勝っていくことが、これからの日本の化粧品メーカーに求められています。

これから大手化粧品メーカーを目指す皆さんは、ぜひ新たな市場や、ビジネスの開拓に果敢にチャレンジしていく気概をもっていただければと思います。

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