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【就活の業界研究】:精密機器・事務機器業界のビジネスモデルを理解しよう

「就活の答え」では精密機器業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

精密業界の6つのポイントを押さえよう

  • 精密機器業界の特徴とビジネスモデルを理解しよう
  • 精密機器業界の現状と課題・未来
  • 精密機器・事務機器業界にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 精密機器・事務機器業界に働く人のモチベ―ションは何か
  • 精密機器・事務機器業界に向く人、向かない人はどんな人か
  • 精密機器・事務機器業界メーカー上位企業の特徴と業績

この記事では精密機器業界の特徴とビジネスモデルを中心に分かり易く解説します。精密機器界入門編として活用してください。

精密機器業界を整理して理解しよう

精密機器とは具体的にどういう「機器」を指すのでしょうか?その想像する範囲は人それぞれで大きく違います。

実際に精密機器には明確な定義はなく、古くから一般的に使われてきた非常に曖昧な分類を表す言葉です。

精密機器とは、一般に、微細な部品で構成された機械装置、または高度な精密さに加え、電子制御やソフトウェア制御によって動作させる機器を精密機器とも言われますが、そもそも日本の工業製品の殆どが精密な部品で構成され、且つ電子的に制御されています。

精密な機械装置全般を精密機器と言ってきたため、古くは時計、カメラ、オルゴールなどの製品が精密機器の代表でしたが、電子工学、エレクトロニクス、デジタル技術の発達と機械との融合によって、現在では,光学機器や事務機器の一部、医療用機器、電子計測器等も精密機器と呼んでいます。またそれらを電子機器と呼ぶ場合もあって、明確に分類することはできません。

経済産業省の「工業統計表」では、「業務用機械器具製造業」に分類され、複写機、娯楽用機器、自動販売機、精密測定器、理化学機器、分析器、医療用機器、顕微鏡、望遠鏡、写真機、映画用機器などが分類されています。

それ以外では「生産用機械器具製造業」に含まれる半導体製造装置や、「電気機械器具製造業」の医療用電子応用装置、医療用計測器、「情報通信機械器具製造業」のデジタルカメラやビデオ機器も精密機器としても捉えられるため、「精密機器メーカー」の定義も曖昧になっています。

「精密機器メーカー」についての一般的な認識

就活という目的では、一般的な認識で「精密機器メーカー」を捉えていきましょう。

就活生に「精密機器メーカー」の名前を聞くと、多くの学生がキヤノン、リコー、ニコン、オリンパス、コニカミノルタ、富士フィルム、富士ゼロックス(2021年4月1日から、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社に社名を変更しています)、エプソン、セイコー、シチズン等のメーカーをあげます。

つまり、一般的に「精密機器メーカー」として直感的にとらえられているのが、カメラを中心とした光学機器、コピー機やプリンター等の事務機器、計測機器を基にその周辺ビジネスを展開している企業ということになります。

またオリンパスの例が典型となりますが、これらの企業は医療機器分野にも進出しています。また高精度な部品や、高精度の部品を製造するための機械や装置も製造・販売しています。

実態からみると、精密機器メーカーは主要な事業として光学機器類、事務機器類、計測機器類、医療機器類の4分野の全て、もしくは複数の事業を展開している企業と考えて良いでしょう。例えばテルモやニプロは医療機器メーカー、セイコーやシチズンは時計メーカーとして考えた方が分かり易いと思います。

精密機器・事務機器は日本メーカーの得意な領域であることから、大手企業の製品は海外に輸出、もしくは海外生産されて、世界市場で高いシェアを獲得しているカテゴリーも多く、各メーカーの海外売上比率も高い業界です。そのため貿易摩擦や関税、為替の変動によりビジネスに大きな影響を受ける業界と言えます。

就活の答え」では医療機器業界、電子部品業界、産業用機械業界は個別に解説していますので、そちらも併せて参照ください。

この記事では、光学機器類、事務機器類、計測機器類、医療機器類の4業種のすべて、もしくは殆どの事業を手掛けている、キヤノン、リコー、ニコン、オリンパス、コニカミノルタ、富士フィルム(富士フイルムビジネスイノベーション)、エプソン等の事業を念頭に置いて「精密機器メーカー」のビジネスモデルを解説します。

精密機器メーカーのビジネスモデル

光学機械事業の歴史と現状

精密機械・事務機メーカーの殆どが、カメラをはじめてとした光学機器の製造から発展してきた企業です。

最近では、写真はスマートフォンで撮ることが多くなりましたが、少し前まではコンパクト・デジタルカメラやデジタル・ビデオカメラでの撮影が主流、もう少し前まではフィルム式カメラ、テープで記録するビデオカメラが主流でした。

現在でもプロカメラマンはデジタル一眼レフやプロ用のデジタルカメラで撮影しており、デジタルカメラ市場は縮小傾向とは言え、精密機械メーカーの重要な事業の一つです。

日本のカメラメーカーの殆どが第二次世界大戦前前に誕生し、当時のカメラ業界をリードしていたドイツの技術を導入して国産化を進めていきました。

戦後、日本のカメラメーカーは駐留軍用と輸出用として再出発をし、その後のカメラ産業の発展に繋がっていきます。

日本のカメラメーカーの性能が高かったことから、戦後早くから世界的にも評価を得て、1964年には生産台数、金額とも当時の西ドイツを抜いてトップとなりました。

高度経済成長にのって一般家庭にも急速にカメラが普及し、その後電子技術を積極的に取り入れることによって更に発展、デジタルカメラに需要が移行しても日本のカメラメーカーの世界市場での強さは変わりませんでした。

しかしスマートフォンで写真を撮影し、共有する撮影行動が一般化したため、カメラという製品の価値そのものが大きく変わってしまい、特にコンパクト・デジタルカメラ市場は大幅に縮小しています。

カメラ映像機器工業会の統計によれば、10年前の2009年のコンパクトデジタルカメラの出荷台数が95,952,937台であったのに対し、2020年1月~12月の年間総出荷台数は3,578,643台と激減しています。

デジタル一眼レフに関しては2009年の出荷台数は、9,910,695台、2020年の出荷実績は5,307,649と減少してはいますが、コンパクトデジカメのような非常に極端な減少幅にはなっていません。

レンズ交換型デジタルカメラの市場は縮小傾向にあるなかで、一般用にはミラーレスタイプに置き換わりつつあるのが現状です。

常に新しい技術を取り入れて市場を占有し、量産効果でビジネスを拡大してきた日本のカメラメーカーですが、それだけのビジネスモデルでは既に通用しない段階に入っており、一部メーカーではコンパクト・デジタルカメラからの撤退を検討しているという報道も出てきています。

事業の売却やミラーレスやプロ用機への選択と集中は十分考えられる選択肢です。

事務機器事業のビジネスモデル

事務機器のビジネスモデル

精密機器メーカーの事務機器のビジネスモデルを象徴するのがコピー機に関するモデルです。

精密機器メーカーはコピー機、業務用プリンター、プリンターやファックス機能を持つ複合機を製造しています。(一部一般家庭用も含む)

OA(オフィスオートメーション)機器とも呼ばれたこれらの機器は、まさに機械技術と電子技術が融合して発展してきたものであり、特にコピー機・複合機市場では、日本の精密機器メーカーの評価が高く、世界でも市場シェアも占有しています。

これらの事務機のビジネスモデルは販売会社・リース会社への販売収入、コピーカウンター料金、トナーやインク等の消耗品の販売、メーカーメンテナンスによる収入になります。

このうち法人の場合、ほとんどの場合、機械本体は一括購入もしくはリース契約をすることになります。しかしこれ以外に、最低コピー枚数を基にした基本料金とそれを超える場合のモノクロコピー1枚単位、カラーコピー1枚単位で単価が設定されていて、顧客企業にとっては月のトータルのコピー枚数に従って支払うことによって、トナー代金や修理代金をまかなうランニングコストになります。

一般家家庭用のプリンターにメーカー純性のインクカートリッジによる販売収入がメーカーの収益になります。本体の販売によって利益が出なくても、純性のインクカートリッジによって回収し、利益を生むというモデルです。

医療機器事業のビジネスモデル

医療機器メーカーは直接医師や病院の購買部へ自社の製品情報の提供や、納入後のサポートを行いますが、販売先は販売会社や医療機器卸企業となるのが一般的なパターンです。

医療機器卸業者、医療機器商社はメーカー各社から商品を仕入れ、病院に対しては配送、在庫、適正使用支援、アフターサービスなどの医療機器卸特有の役割を担い、ワンストップなサービスを提供しています。

医療機器メーカーの営業やサービスエンジニアは納品後の医療機器の適性使用支援を行いますが、医療品卸業者も自ら、あるいはメーカーと役割分担を決めて手術、検査時における医療機器の説明、あるいは手術、検査等に立ち会いを行い医療の安全体制をサポートしています。

計測機器事業のビジネスモデル

計測分析機器は「顕微鏡」、「分光計」、「表面分析装置」、「磁気共鳴装置」、「質量分析計」「X線分析装置」等に分類されます。新しい原理の機器や、2種類以上の手法を複合化した機器等、従来の分類に収まらない機器も多数生まれています。

計測分析が行われる場所は、大学や企業の研究所など、いわゆるラボシーンにおいて行われています。しかし最近では計測分析対象をラボシーン以外の「その場」で計測したいという社会ニーズが顕在化しており、屋外(フィールド)を含む「生産現場」「流通現場」「家庭」「医療現場」等にシーンが広がっています。

精密機器メーカーの手掛ける計測機器の一分野が医療機器の一部でもあり、通常はそれぞれの分野に特化した専門商社・販売会社を通じて製品流通が行われています。

尚、代理店や販社を通さず、専門知識を持った営業担当者が生産現場に足を運び、顧客の課題に合わせて最適製品を製品とソリューションをご提案して成功している企業もあります。その代表例がキーエンスであり、キーエンスではこの直販システムを「グローバルダイレクトセールス」と呼んでいます。

精密機器メーカーは産業機器分野にも進出しています。代表的な製品は半導体製造装置や、FDP(Flat Display Panel) 製造装置ですが、世界で高いシェアを握っている分野もあり、市場規模は大きくありませんがOnly Oneを狙える可能性のある事業です。

まとめ

精密機器メーカーの特徴的な光学機械事業、事務機器事業、医療機器事業、計測器事業の特徴とビジネスモデルの概要の解説でした。

特に光学機器、事務機器に関しては時代の変化が速いために、今まで強かった分野にも大きな変化が訪れています。

精密機器業界の特徴を理解出来たら、この業界の現状と課題、そして未来についても俯瞰して理解しておきましょう。

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