就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。
「就活の答え」では総合商社業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。総合商社業界情報の6つのポイントを押さえよう
- 総合商社のビジネスモデルを理解しよう
- 総合商社業界の現状と課題・未来
- 総合商社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
- 総合商社業界に働く人のモチベ―ションは何か
- 総合商社業界に向く人、向かない人は誰か
- 5大総合商社の特徴
この記事では総合商社の現状と課題、将来性について解説していきます。総合商社入門編として活用してください。
Contents
総合商社の現状
総合商社5社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)の2021年3月期連結決算では、収益は5社とも前年比マイナスという結果でした。
純利益も総じてマイナスでしたが、丸紅は前期2020年3月期(2019年度)が1,974億5,000万円の赤字(営業利益の減益に加えて、投資事業の減損 損失等の一過性損失による)から、2,817億6,300万円の黒字に回復しています。
その一方で住友商事の純利益は、前期2020年3月期(2019年度)が1,713億5,900万円の黒字から、1,530億6,700万円の赤字の決算となっています。
これは全世界的な新型コロナウイルス感染症の蔓延により、企業活動や人の移動が大幅に制限され、またその回復も感染拡大の再加速によって緩慢であったことが大きく影響しています。
5大総合商社の業績比較
収益 (百万円) | 前年比 | 純利益 (百万円) | 前年比 | |||
連結決算期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | ||
三菱商事 | 14,779,734 | 12,884,521 | 87.18% | 535,357 | 172,550 | 32.23% |
伊藤忠商事 | 10,982,968 | 10,362,628 | 94.35% | 559,209 | 440,883 | 78.84% |
三井物産 | 8,484,130 | 8,010,235 | 94.41% | 391,513 | 335,458 | 85.68% |
丸紅 | 6,827,641 | 6,332,414 | 92.75% | -197,450 | 281,763 | - |
住友商事 | 5,299,814 | 4,645,059 | 87.65% | 171,359 | -153,067 | - |
2022年3月期(2021年度)は、資源価格の高騰によって各社とも業績は好調に推移し、増益予想となっています。
しかしながら資源価格は一時的な側面が強く、2016年には資源価格の下落に加え、資源分野で保有する権益の評価を見直した結果の減損損出により、資源関連の損出が総合商社各社の決算を大きく押し下げてしまったこともありました。
総合商社各社は、非資源分野の事業投資に力を入れて、資源に頼らないビジネスモデルの構築を急いでいます。このトレンドは今後も続いていくと分析されています。
三菱商事を例にとると、三菱商事は、軸となる事業会社や関連会社、約1200社からの連結利益で成り立っています。三菱商事の利益は連結関連会社からの利益の合算という事になります。
極論ですが事業の実態は三菱商事にはなく、事業会社にあると言っても良いでしょう。総合商社のビジネスは関連する事業に人材をおくり、事業を大きく育てる「事業経営」ビジネスに変貌しつつあるのです。
総合商社の課題と未来
総合商社が「事業経営」ビジネスに変わりつつあるため、有望な事業分野と、事業会社を選別し、そこに投資を行い、有能な人材を送り、経営に参画して大きく育てるかがとても重要になってきます。
更にシナジー効果を生むために、出来る限り川上から川下までのバリューチェーンで、関連会社をネットワークできるかという点も重要です。
全て上手く行けば良いのですが、投資であるだけに常にリスクも伴います。当然リスクマネージメントをしつつ全体の事業ポートフォリオを常に最適化していく必要があります。
最強のビジネスモデルとも言えますが、死角がないわけではありません。
有力な投資先をみつけるのは簡単ではない
そもそも投資の鉄則は小さく買って、大きく育てると言われています。そうはいっても総合商社のような大企業がビジネスを行うには、ある程度の大きいビジネス、事業会社でないと、管理コストばかりかかり投資効率が悪くなり、規模を追求できません。
結果、投資先はある程度の大きさがある企業ということになり、その企業の経営陣が総合商社と組むことによって明らかにメリットが生まれると思わない限り、商社の資本を受け入れないでしょう。
従って、どんなに有望な事業でも、商社が介在してシナジーを生まない場合は投資が難しいのです。
例えば、日本でもe-コマース業界を席巻しているアマゾンは、商社にとっていかに魅了的なビジネスと映っても、すでに自社で優れたインターフェイスと情報・物流システムを持ち、配送以外はすべて自社で完結しています。彼らのビジネスに商社が取引の一部に関われたとしても、「事業投資」できる余地はないでしょう。
情報テクノロジーの進化と影響
現在、世界で覇権を握っているIT関連の企業は、欧米だけではなく中国企業も含めて日本の大手商社と、ほとんどビジネスの接点がありません。これらの企業はAIやIoTといった技術革新、ビックデータの活用といったITの最先端を走り続けています。
部品、素材、機械といった「製品」には専門性が発揮できる総合商社も、目に見えない「技術」系企業とのビジネスや、事業投資にもキャッチアップしていく必要があります。
総合商社は、自ら物流事業に関わり、ITを活用した効率的な物流情報システムの構築や、倉庫・流通センターといった物流施設の運営にも参入するケースもありますが、将来的には全てのものがインターネットでつながるIoT技術を駆使し、それを更に高度化、ビックデータの活用で付加価値をつけていく課題もあります。
情報テクノロジーの進化は、商社が持つ情報提供機能を陳腐化する可能性すらあります。英語が出来ないため、海外とのダイレクトなビジネスができなかった中小企業の経営者も、自動通訳が進化すれば商社を必要としなくなります。
いままで自分では取れなかった海外マーケットの情報も自動翻訳の精度があがれば十分自分で取り込めるようになるでしょう。
更にIoTによる商流や人の流れ、購買行動のビックデータの分析が、データの蓄積によってAIが判断できる時代になれば、商社がアドバイスできる余地はどんどん減っていきます。もちろん全て自動化できる訳ではなく、優秀な商社マン、商社ウーマンが介在して行う分野はなくなりません。
「商い」は、人と、人との信頼の上に成り立つビジネスなので、総合商社はその事業構造を時代の要請に従いどんどん変化させていくことによって成長できる業態なのです。
自分は総合商社業界に向いているタイプか、適性を診断してみよう
自分の適性や性格が、総合商社業界の仕事に向いているのかどうか、気になりませんか?
そんな時、力になるのは本格的な適職診断ソフト、「Analyze U+」です。
「Analyze U+」は251問の質問に答える本格的な診断テストで、質問に答えていくと経済産業省が作った「社会人基礎力」を基に、25項目に分けてあなたの強みを偏差値的に解析してくれるものです。
本当のあなたの強みや向いている仕事を素早く「見える化」してくれます。
「Analyze U+」を利用するには、スカウト型就活サイト「OfferBox」への会員登録が必要です。もちろん全て無料で利用できます。
OfferBoxは、自分のプロフィールを登録しておくだけで、あなたに関心を持った企業から選考のオファーがもらえるサイトなので登録して損はありません。
手早く本格的で客観的な自己分析を済ませ、納得の結果を追求していきましょう。
まとめ:総合商社の現在・課題・未来
- 今までもそうでしたが、これからも総合商社は時代の変化に沿って自らを変えていくでしょう。総合商社の最大の強みは、変化への対応力です。それが可能なビジネスモデルであり、ビジネスになればどんなものでも取り込んでいくアメーバのような存在ともいえるでしょう
- 時代の変化への対応という意味では最強ともいえる事業なので、将来性もあり、特に経営マインドのある学生にとっては非常に魅力的な業界と言えます
この記事を読んだ人は、以下の記事も併せて読んでいます。
170万人の学習データとAIで作る、あなただけの英語学習アプリ
\\ アプリをダウンロードして、無料プランで試してみよう //
レシピ― 英語・英会話学習
レシピ―(ポリグロッツ)無料posted withアプリーチ
36の質問で、あなたの強み・適職を診断
就活は自己分析が必須!…ただ、やり方がわからず、悩んでいる人も多いはず。 そんな時は、自己分析ツールを活用しましょう キャリアパークのツールを使えば、36の質問に答えるだけであなたの強み・適職を診断できます。 サクッと自己分析を終わらせ、内定を勝ち取りましょう。あわせて読みたい!就活に即効の記事、ベスト5
- 1
-
26年卒の登録が殺到中!大手企業も利用するオファーボックスでスカウトをもらおう
資生堂、マイクロソフト、朝日新聞、ニトリ、コクヨ、SoftBank、JCB、Opt、Funai Soken、sansan、mixi、ROHTO、RISOなども利用している逆求人型スカウトサービスのOfferBoxを賢く使い、就活のもう一つのルートをいち早く開いておこう
- 2
-
25年卒・26年卒の就活生には、dodaキャンパスを賢く利用する打ち手がある
少しでも納得感が高い内定を得たいと考えている25年卒の就活生や、インターン先をみつけたい26年卒の就活生は、スカウトサービスで急成長しているdodaキャンパスを試してみよう。オファーの受信率は99%(23卒2022年6月時点、プロフィール入力率80%以上の場合)。ベネッセならではの充実したオンライン講座やイベント、本格的な適性診断まで無料で使えます!
- 3
-
納得の内定を得るための就活サイト、【就活会議】に無料登録すれば、88,000枚以上の本物のESを閲覧できる!
就活は情報戦。企業が提供する情報は重要ですが、それだけでは不安です。実際の社員の評価や、選考を受けた先輩達の口コミによる生の声を入手できる「就活会議」を徹底解説。ESや選考情報のリアルを手に入れよう
- 4
-
落ちてしまった選考の結果を、スカウト獲得に活用できる心強いサービスがある
スカウトサービスの大手、【キミスカ】の特徴は、落ちてしまった選考の結果さえもスカウト獲得に利用できる点です。それまでの頑張りを評価してくれる、「本当のあなた」を認めてくれる企業からのオファーを獲得しよう
- 5
-
【25卒】首都圏の学生で、納得できる内定が取れていない人への神サービスを試してみよう
もう一人で悩まなくていい。就活の専任アドバイザーがマンツーマンでES添削・面談対策をしてくれ、しかもあなたに合った優良企業を紹介、完全無料の就活サポートをしてくれる「キャリアチケット」を紹介します