就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。
「就活の答え」では総合商社業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。総合商社業界情報の6つのポイントを押さえよう
- 総合商社のビジネスモデルを理解しよう
- 総合商社業界の現状と課題・未来
- 総合商社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
- 総合商社業界に働く人のモチベ―ションは何か
- 総合商社業界に向く人、向かない人は誰か
- 5大総合商社の特徴
この記事では総合商社の現状と課題、将来性について解説していきます。総合商社入門編として活用してください。
Contents
総合商社の現状
総合商社5社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)の2018年3月期連結決算では5社とも前期より大幅に伸ばし、5社を合計した純利益は前の期と比べて33%増の1兆8988億円で6年ぶりに最高益を更新しました。
これは石炭や鉄鉱石、銅などの資源価格が上昇したことに加え、ビジネスモデルの記事でも説明した非資源分野での増益が寄与した結果でした。
各社とも非資源分野に注力したことに加え、事業投資による収益も利益に貢献、例えば三菱商事が投資したルウェーのサケ養殖会社セルマック、伊藤忠は中国政府系企業の中国中信集団(CITIC)グループからの利益などがそれぞれ寄与しています。
2019年3月期も全社が増益を見込む計画になっており、三井物を除く4社が最高益を引き続き更新する見通しです。
現在絶好調ともいえる総合商社各社ですが、三菱商事と三井物産の2016年3月期決算は、資源エネルギー分野を中心に多額の損出を計上していました。2016年3月期は丸紅、住友商事、伊藤忠商事とも利益は出したもの低いレベルであり、5社ともこの2年間で急回復したことになります。
総合商社連結利益 単位:億円
2016年3月期 | 2018年3月期 | |
三菱商事 | -1,326 | 5,602 |
三井物産 | -669 | 4,185 |
住友商事 | 1,137 | 3,085 |
伊藤忠商事 | 2,403 | 4,003 |
丸紅 | 600 | 2,113 |
2016年は資源価格の下落に加え、資源分野で保有する権益の評価を見直した結果の現存損出により、資源関連の損出が各社の決算を押し下げてしまったのです。
総合商社各社は、資源価格の上昇という幸運もありましたが、この2年間大きな損失がでそうな資源投資を整理しつつ、非資源分野の事業投資に力を入れた結果が好調な決算につながったのです。このトレンドは今後も続いていくと分析されています。
三菱商事を例にとると、三菱商事は、軸となる事業会社や関連会社、約1200社からの連結利益で成り立っています。三菱商事の利益は連結関連会社からの利益の合算という事になります。
極論ですが事業の実態は三菱商事にはなく、事業会社にあると言っても良いでしょう。総合商社のビジネスは関連する事業に人材をおくり、事業を大きく育てる「事業経営」ビジネスに変貌しつつあるのです。
総合商社の課題と未来
総合商社が「事業経営」ビジネスに変わりつつあるため、有望な事業分野と、事業会社を選別し、そこに投資を行い、有能な人材を送り、経営に参画して大きく育てるかがとても重要になってきます。更にシナジー効果を生むために、出来る限り川上から川下までのバリューチェーンで、関連会社をネットワークできるかという点も重要です。
全て上手く行けば良いのですが、投資であるだけに常にリスクも伴います。当然リスクマネージメントをしつつ全体の事業ポートフォリオを常に最適化していく必要があります。
最強のビジネスモデルとも言えますが、死角がないわけではありません。
有力な投資先をみつけるのは簡単ではない
そもそも投資の鉄則は小さく買って、大きく育てると言われています。そうはいっても総合商社のような大企業がビジネスを行うには、ある程度の大きいビジネス、事業会社でないと、管理コストばかりかかり投資効率が悪くなり、規模を追求できません。
結果、投資先はある程度の大きさがある企業ということになり、その企業の経営陣が総合商社と組むことによって明らかにメリットが生まれると思わない限り、商社の資本を受け入れないでしょう。
従って、どんなに有望な事業でも、商社が介在してシナジーを生まない場合は投資が難しいのです。例えば、日本でもe-コマース業界を席巻しているアマゾンは、商社にとっていかに魅了的なビジネスと映っても、すでに自社で優れたインターフェイスと情報・物流システムを持ち、配送以外はすべて自社で完結しています。彼らのビジネスに商社が取引の一部に関われたとしても、「事業投資」できる余地はないでしょう。
情報テクノロジーの進化と影響
現在、世界で覇権を握っているIT関連の企業は、欧米だけではなく中国企業も含めて日本の大手商社と、ほとんどビジネスの接点がありません。これらの企業はAIやIoTといった技術革新、ビックデータの活用といったITの最先端を走り続けています。
部品、素材、機械といった「製品」には専門性が発揮できる総合商社も、目に見えない「技術」系企業とのビジネスや、事業投資にもキャッチアップしていく必要があります。
総合商社は、自ら物流事業に関わり、ITを活用した効率的な物流情報システムの構築や、倉庫・流通センターといった物流施設の運営にも参入するケースもありますが、将来的には全てのものがインターネットでつながるIoT技術を駆使し、それを更に高度化、ビックデータの活用で付加価値をつけていく課題もあります。
情報テクノロジーの進化は、商社が持つ情報提供機能を陳腐化する可能性すらあります。英語が出来ないため、海外とのダイレクトなビジネスができなかった中小企業の経営者も、自動通訳が進化すれば商社を必要としなくなります。
いままで自分では取れなかった海外マーケットの情報も自動翻訳の精度があがれば十分自分で取り込めるようになるでしょう。
更にIoTによる商流や人の流れ、購買行動のビックデータの分析が、データの蓄積によってAIが判断できる時代になれば、商社がアドバイスできる余地はどんどん減っていきます。もちろん全て自動化できる訳ではなく、優秀な商社マン、商社ウーマンが介在して行う分野はなくなりません。
「商い」は、人と、人との信頼の上に成り立つビジネスなので、総合商社はその事業構造を時代の要請に従いどんどん変化させていくことによって成長できる業態なのです。
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まとめ:総合商社の現在・課題・未来
- 今までもそうでしたが、これからも総合商社は時代の変化に沿って自らを変えていくでしょう。総合商社の最大の強みは、変化への対応力です。それが可能なビジネスモデルであり、ビジネスになればどんなものでも取り込んでいくアメーバのような存在ともいえるでしょう
- 時代の変化への対応という意味では最強ともいえる事業なので、将来性もあり、特に経営マインドのある学生にとっては非常に魅力的な業界と言えます
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