就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。
「就活の答え」では広告業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。広告業界情報の7つのポイントを押さえよう
- 広告業界、広告代理店のビジネスモデルを理解しよう
- 広告代理店の現状と課題・未来
- 広告代理店にはどんな仕事があるのか、職種の情報
- 広告代理店に働く人のモチベ―ションは何か
- 広告代理店に向く人、向かない人はどういう人か
- 広告代理店業界の構造
- 主要広告代理店の概況
この記事では広告代理店の職種の情報を解説していきます。大手広告代理店、外資系広告代理店のディレクター達やマネージメントに取材をしていますので、かなり踏み込んだ、実態を反映した内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
Table of Contents
広告代理店にはどんな職種があるのか
広告代理店の職種は、会社によって呼び方が違う場合が多いので個別の企業研究で確認する必要があります。
たとえばクライアントとの連絡窓口になる「営業」を、「営業部門」と呼ぶ場合や、「アカウントサービス部門」、「アカウントプロデュース部門」などと呼びます。
戦略を考える部門は、マーケティング、もしくはプランニング、ストラテジック プランニング等と呼んでいたりします。この記事では、名前に拘らず「機能」にフォーカスして解説していくことにします。
営業
営業の役割は、クライアントとの窓口、インターフェイスとなりクライアントが依頼してくる業務の第一の受け皿になります。代理店の社内では、クライアントに代わってその業務を展開する役割を担います。またタイクライアントに対しては自社を代表して様々な連絡、調整業務を行います。
広告代理店の営業の業務の全てを書き出すことは出来ません。
何故なら、担当するクライアントごとで行う業務の内容が違ってくるためです。大手のクライアントを持つ場合、業務も大規模かつ詳細になる場合があり、単純に広告やコンテンツを制作し、媒体に掲載するという業務以外の仕事が沢山あります。
基本的な業務は、クライアントの依頼内容をまとめ、それに関連する社内のスタッフを集めて業務を遂行し、そのアウトプットをクライアントに提供することです。
そのためにはスケジューリングの作成、見積書の作成、制作物や提供サービスの進行管理、納品・請求業務などが営業が行う主な役割となります。
またクライアントの課題を戦略プランナーとともに整理して、クリエイティブ部門にブリーフィングを行う業務も重要な役割です。
営業なので、売上や収益に対して責任を負い、毎月売上と収益の管理も行います。
目の前にある業務をこなしつつ、クライアントの新規案件受注も目指して営業活動を行います。また売上、収益が目標に達しない場合は、チームとして、あるいは個人的なコネクションを使って新規広告主の開拓や、既存クライアントの新プロジェクトの獲得が必要になります。
クリエイティブ(制作)
グローバル・スタンダードという意味では、クリエイティブ部門の強さ、能力が広告会社の評価を決めると言っても過言ではありません。海外の広告会社は自らを「クリエイティブ・エージェンシー」と呼び、文字通りクリエイティブな広告コンテンツを制作することをミッションとしているからです。
日本の総合広告代理店にとっても、制作・クリエイティブ部門は重要であることに変わりは有りませんが、日本以外のAgency がクリエイティブの力こそが広告会社の力であるという指向性に対し、日本の広告代理店の場合はサービスの総合力がクライアントに評価される傾向があります。
そうはいっても大手広告代理店のクリエイティブ ディレクターの地位は非常に高く、そこまで上り詰めれば高い報酬や名声を得ることが出来ます。機能や職種に関しては、広告会社ごとに違いますが、役割と機能を中心にまとめると以下のようになります。
クリエイティブ ディレクター:
クリエイティブ ディレクターは広告やキャンペーンの核になるクリエイティブ・アイディアを創り、広告制作物のアウトプットの総合的な監修を行います。
もちろんこのポジションに直になれる訳ではありません。コピーライターやアートディレクター、CMプランナーなどのクリエイティブ業務を担当し、その中から業績を認められたものだけ就ける職種です。管理職的なポジションでもあり、仕事のスタイルは個人によって大きく異なります。
クリエイティブ ディレクターになっても自らアイディアを考え、制作物のディレクションをするディレクター、アイディアは部下や協力制作会社のスタッフに任せて、ディテクションのみ行うタイプのディレクターなど、人によってどこまでの業務にコミットするかも任されています
共通するのはクリエイティブ提案を自らプレゼンし、アウトプットに対する最終的な責任を負うことです。
コピーライター:
総合広告代理店のコピーライターの仕事は、広告のコピーを書くのは当然ですがそれ以上の仕事を求められます。
プロジェクトにアサインされた場合、制作チームの一員として「アイディア」の開発にも参画するのが一般的です。広告制作会社の場合は、コピーを書く職人として、まさにコピーライティングを担当しますが、総合広告代理店の製作スタッフの場合は総合的なコンテンツ・クリエイターとしてアイディアを創出する役割も果たしています。
アートディレクター/デザイナー:
グラフィック・デザイン、撮影におけるアートディレクション、広告ビジュアル、コピーのフォントやレイアウトなどをディレクションする仕事です。
広告会社へ新卒で入社した場合はいきなりアートディレクターとして採用されることはなく、デザイナーからそれらの仕事を担当し、キャリア積んでいくことになります。
総合広告代理店の制作スタッフの場合は総合的なコンテンツ・クリエイターとして、チームの一員としてアイディアを創出、もしくはサポートする役割も果たしています。
CMプランナー:
テレビコマーシャルや動画の企画、企画コンテの制作をして、実際の制作のディレクショ映像制作に特化したスタッフが存在します。
しかし、すべての広告会社にCMプランナーがいるという訳ではなく、CM制作が多い代理店が置いている職種と考え下さい。CMプランナーがいない場合はクリエイティブ ディレクター、コピーライター、もしくはCM制作会社のプランナーがコマーシャルのアイディア出しをする場合も普通にあります。
プロデューサー:
この職種も、広告会社によって置いていたり、置いていなかったりします。
広告会社におけるプロデューサーの役割は、外部スタッフ・プロダクションのソーシングや業務スケジュール、コストの管理、タレントのキャスティング調整などが主な業務となります。
この機能を営業や制作チームが行う場合も多いのが実情です。大手広告会社の場合、キャスティング部門を独立させている場合もあります。
制作進行管理/トラフィック:
制作のスタッフィング、制作スケジュール、費用見積、営業等、他部門の調整を行います。制作チームのマネージャー的な役割を果たします。
マーケティング/プランニング
広告代理店にはプランナー、ストラテジックプランナー、リサーチャー、等と呼ばれるスタッフで構成される部門があります。その役割と業際は広告代理店の経営方針の違いによって違っています。
共通するのは、調査やデータを基に企業の依頼事項に関する分析を行って、その課題を解決するための最適解を提案することです。企業の課題は様々ですが、主にマーケティング コミュニケーションに関する提案が主な役割となります。
総合広告代理店のビジネスのスタンスは、クライアントのマーケティングやブランディングに関わること、もっと言うとそれらに関わらない事でも「クライアントが求めるれば、なんでもビジネスにしてしまう」というポジションをとります。
その結果、本来はクライアントがやるべきマーケティング業務をサポートしたり、代行する場合も普通にあります。
プランニングセクションの中に、どの分野を包括するかも代理店毎に違います。
デジタル・マーケティング、チャネルプラニング、コミュニケーション・デザイン、セールスプロモーション、アクティベーションなど、プランニング職は細分化する傾向もあります。調査とプランニング(マーケティング)、訴求コンセプトの創出以上の領域をカバーしているのが実情です。
それは企業のマーケティング コミュニケーションに対するソリューションの方法が複雑化、多様化している証でもあります。
メディア・媒体部門
営業が社内でクライアントを代表す立場であるのに対し、メディア・媒体部門は担当する媒体社と交渉してクライアントの要求・期待を実現するように、自社やそのクライアントに対して有利な条件を引き出す仕事をしています。また同時に社内の営業に対しては、媒体社の立場も代表して媒体社側の合意を得られるような調整を行います。
その内容は、媒体枠そのものの関する交渉、枠の確保、広告掲載・オンエアスケジュール調整、コスト、広告主・広告内容の媒体審査の調整、媒体社側が制作する編集タイアップの調整、PR枠(パブリシティ)の獲得交渉、媒体社側の編集・編成内容の取材と早期取得、番組内容のチェックや一部の収録立ち合いなど、各媒体社側との交渉案件の全てを担当します。
媒体部門でも、各媒体社と枠のバイイングの交渉を行うメディアバイヤー、各媒体のパフォーマンスやコストを分析して最適な広告出稿の全体プランを考えるメディアプランナーとういう職種(役割)があります。
また各担当バイヤーは、基本的に一つ、もしくは複数の媒体社を担当し自社内におけるその媒体社の扱い増を目指すため、個々のバイヤーをまとめて、個別最適ではなく全体最適化を担保するように一定の方針を示す「業務推進」と呼ばれる職種もあります。
イベント・プロモーション部門
大手総合広告代理店は様々なイベントに関わっています。
日本国内はもとより、世界的なスポーツイベントや展示会での企業ブース制作・運営、などにも深く関わっています。運営そのものをビジネスにしている事業部や、スポーツやコンサートなどのイベントスポンサーシップもビジネスにしています。また企業のPRイベントや周年記念イベントのプロデュースも行います。
電通などの一部の大手広告代理店は、世界のスポーツ機関・連盟のマーケティング・ライツとメディア・ライツを握って、それを企業や放送局、国や公共団体に再販するビジネスも行っています。
イベント事業には専門的なノウハウ、経験知や人脈が必要になります。営業部門からイベントスタッフ職になる場合もありますが、営業職のままスポンサー企業が関わるイベント運営を行う場合も多いです。
その他の部門
PR部門
大手の総合広告代理店の場合は、自社内でPRセクションを持つ場合もあります。自社内のスタッフと外部PR会社との協業によって、クライアントの広報ニーズをサポートします。
セールスプロモーション部門
消費者キャンペーン企画、運営を行います。プレミアム商品の企画や、検証、SNSやWEBでのキャンペーンなのアクティベーションを担当します。
実際には外部のセールスプロモーションを得意とする企業と協業してキャンペーン事務局の運営などを行います。また店頭POPの企画制作もセールスプロモーション部門の仕事になります。
事業部・IP部門
大手総合広告代理店の場合、自ら映画などのコンテンツ制作に関わったり、キャラクター等のIPビジネスを行う部門を持っている場合があります。
海外部門
総合広告代理店の大手の中でも数社は海外部門を持っています。
自社の海外ネットワークで日本の広告主の業務をサポートすることからはじまりましたが、最近では海外のエージェンシーを買収して、日本企業が介在せず、純粋に海外だけで完結するビジネスも展開しています。この部門の役割は、日本の広告主の海外ビジネス展開のサポートやコーディネート、また外資系クライアントの日本ビジネスのサポート役として実務に落としていきます。
他の業界と共通の職種としては、経営企画、経理・財務、法務、人事、総務、広報、資材購買部門等があります。広告会社の規模や得意分野によってその組織のありかたは違うため、興味を持った方個別企業の詳細な研究に進んでください。
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