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【就活の業界研究】5大総合商社の特徴・業績をみてみよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では総合商社業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

総合商社業界情報の6つのポイントを押さえよう

  • 総合商社のビジネスモデルを理解しよう
  • 総合商社業界の現状と課題・未来
  • 総合商社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 総合商社業界に働く人のモチベ―ションは何か
  • 総合商社業界に向く人、向かない人は誰か
  • 5大総合商社の特徴
この記事では5大総合商社と呼ばれる、三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅の特徴について解説していきます。総合商社入門編として活用してください。

三菱商事の特徴

三菱商事は総合商社のトップ企業であり、9ヵ所の国内拠点、112の海外拠点、1,785社の連結対象子会社、連結の従業員82,997名(単体5,725名)を誇る巨大企業です。

この巨大企業、三菱商事に貫かれている理念は「三綱領」と呼ばれています。

  • 「所期奉公」=「事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する」
  • 「処事光明」=「公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する」
  • 「立業貿易」=「全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る」
という内容です。

この「三綱領」は、新たな事業を社内で提案する際、投資額や収益計画などの計画数値は当然ですが、その事業がこの「三綱領」に適合しているかで判断されるほど、重要な位置づけです。

昔から「組織の三菱」とも呼ばれ、有能な人材が組織としての総合力を発揮して大きな事業を展開してきました。

現在展開している事業グループは10あり、天然ガス、総合素材、石油・化学、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発とその他(財務、経理、人事、総務、IT、保険他)、現地法人で事業を展開しています。

三菱商事株式会社の業績概要

2021年3月期連結決算(2020年度)

収益(百万円)12,884,521
売上総利益 (百万円)1,605,106
当期純利益(百万円)172,550
当期包括利益(百万円)604,354
従業員数(人)82,997
外、平均臨時雇用者数23,905
連結子会社1,265社
持分法適用関連会社456社

2021年3月期連結決算の事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

セグメント名セグメント収益 (百万円)収益構成比売上総利益 (億円)事業利益構成比
天然ガス592,2844.6%25,0161.6%
総合素材1,571,17212.2%105,0276.5%
石油・化学1,941,82415.1%95,5246.0%
金属資源1,853,15014.4%78,5924.9%
産業インフラ580,1134.5%88,1975.5%
自動車・モビリティ753,6625.8%137,0678.5%
食品産業1,646,94912.8%231,31314.4%
コンシューマー産業3,224,78825.0%683,89242.6%
電力ソリューション626,1974.9%112,9147.0%
複合都市開発89,4510.7%38,5952.4%
合計12,879,590100.0%1,596,13799.4%
その他4,9310.0%7,2310.5%
調整消去1,7380.1%
連結合計12,884,521100.0%1,605,106100.0%

三菱商事の中期経営計画

2018年11月に発表された「中期経営戦略2021~事業経営モデルによる成長の実現~」の中で一番に強調されているのが、時代の変化を捉え、その時代に最適な事業ポートフォリオを自ら構築していくことです。

そして事業ポートフォリオを組んでいく横軸を「生活」「モビリティ・インフラ」「エネルギー電力」「サービス(IT、物流、金融等)」、縦軸を「川上」「川中」「川下」の12セクターとし、どの分野に注力して事業投資をしていくかを検討していく方針を打ち出しています。

また、2018年度までの7事業グループを10グループ体制に組み替え、収益の柱としての6グループ(天然ガス、金属資源、モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション)として自立させ、他の4グループ(総合素材、石油・化学、産業インフラ、複合都市開発)は業界内でのポジショニングの再定義や、新たな成長の芽の発見、新しい視点での事業の組み合わせによる成長と、成長が見込めない事業のリストラクチャリングというミッションを遂行しています。

この10グループ全てに「グループ事業構想担当」を置き、経営企画室に「事業構想室」を設置して、全社をあげて成長のため事業ポートフォリオを積極的に更新していくという戦略です。

またそれを強力にサポートするため新たにチーフ・デジタル・オフィサーを任命し、その下に「デジタル戦略部」を立ち上げ、各グループ内にも「グループデジタル戦略担当」を置いてデジタル技術による事業価値の向上を目指すという体制を組んでいます。

事業経営モデルによる成長を益々加速させるためには、経営力の高い人材を継続的に輩出していくことが条件になります。経営力に重要なのは、構想力(洞察力、戦略構想力等)、実行力(リーダーシップ・達成意欲等)・倫理観等です。

倫理観がしっかりあげられているところが、「三綱領」を大切にしている三菱商事らしいところです。

また中期経営計画では、事業経営モデルによる三価値(「経済価値」、「社会価値」、「環境価値」)同時実現を前提とした成長を標榜しています。

2020年度は新型コロナウイルス感染の影響を大きく受けた一方で、デジタル化、低・脱炭素社会に向けた潮流が加速する中、重要課題であるデジタルトランスフォーメーション(DX)、エネルギートランスフォーメーション(EX)を一体で推進しています。

今後三菱商事を志望される方は、エリートサラリーマンという価値観ではなく、アントレプレナーの価値観が重視されていくことは間違いありません。

伊藤忠商事の特徴

伊藤忠商事は総合商社業界のリーディング企業であり、世界62ヵ国に100拠点を展開、連結の従業員125,944名(単体4,215名)を誇ります。総合商社の収益ランキングでは業界収益では業界2位(2021年3月期)の巨大企業です

伊藤忠商事の特徴は、何と言っても非資源部門の物強さにあります。もともと繊維業をオリジンとする商社であったため、歴史的にアパレルブランドを多く手掛けるなど消費者に近いところでビジネスを展開しています。

特にファミリーマートや食品商社の日本アクセスを傘下に持つなど、食品のバリューチェーン拡大によるビジネスや、伊藤忠テクノソリューション(CTC)、オリエントコーポレーションといったIT情報事業や金融事業も傘下に持っています。

アパレル、食品、メディア、不動産仲介などで誰もが知っているブランドを傘下に、非資源部門のリーディングカンパニーの地位を築き、伊藤忠の収益の8割を非資源事業で生み出しています。

現在は以下の8事業を展開しています。既存の7事業カンパニーと協業し、特に生活消費分野に強みを持つ伊藤忠グループの様々なビジネス基盤を最大活用して、異業種融合・カンパニー横断を加速させる第8カンパニー(ファミリーマートが中核の子会社)を2019年7月に新設しました。

各ディビジョンカンパニーが、繊維や食料、住生活、情報・金融等の生活消費分野、機械や化学品、石油製品、鉄鋼製品等の基礎産業分野、そして金属資源、エネルギー資源等の資源分野において、多角的な事業活動を行っています

  1. 繊維カンパニー
  2. 機械カンパニー
  3. 金属カンパニー
  4. エネルギー・化学品カンパニー
  5. 食料カンパニー
  6. 住生活カンパニー
  7. 情報・金融カンパニー
  8. 第8カンパニー

その他:海外現地法人

伊藤忠商事株式会社の業績概要

2021年3月期連結決算(2020年度)

収益(百万円)10,362,628
売上総利益 (百万円)1,780,747
税引前利益 (百万円)512,475
当期純利益(百万円)440,883
当社株主に帰属する当期純利益(百万円)401,433
当期包括利益(百万円)729,579
当社株主に帰属する当期包括利益(百万円)655,259
従業員数(人)125,944
外、平均臨時雇用者数45,885
連結子会社585社
関連会社・ジョイントベンチャー199社

2021年3月期連結決算の事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

セグメント名セグメント収益 (百万円)収益構成比売上総利益 (億円)事業利益構成比
繊維435,1134.2%89,5215.0%
機械1,053,46510.2%173,5969.7%
金属657,1656.3%110,3806.2%
エネルギー・化学品2,217,50421.4%228,22512.8%
食料3,980,29838.4%331,19218.6%
住生活774,1837.5%147,4408.3%
情報・金融764,1337.4%280,57915.8%
第8480,7294.6%418,81923.5%
その他及び修正消去380.0%9950.1%
連結合計10,362,628100.0%1,780,747100.0%

各事業、凸凹が少なく、バランスが取れているのが特徴です。資源分野の比重が小さいため、安定した事業ポートフォリオです。

伊藤忠商事の中期経営計画

2018年5月に発表された中期経営計画では、「いざ、次世代商人へ」というスローガンのもと、伊藤忠商事を、「人の豊かな営みに根ざした、身近な商人」と位置づけ、それに加えて次世代の商い(新技術や新しいパートナーとの取り組みによってビジネスモデルを進化)と次世代の働き方(改革を深化させ、一人ひとりの社員が高い生産性と付加価値を創出)により新時代の「三方よし」*による持続的成長を図ることを標榜しています。

「三方よし」とは「売り手よし、買い手よし、世間よし」を意味する近江商人の経営哲学です。「三方よし」は2020年4月に、伊藤忠商事の企業理念になりました。伊藤忠商事を目指す皆さんは、しっかりと「三方よし」と、そこから生み出されれる企業価値の持続的拡大を理解して、選考に臨んでください。

今を時代の変革期ととらえ今からはじまる「次世代」を「第二創業」ととらえて新技術を取り込み、総合商社をあらたな形態に変えていくというステートメントです。

伊藤忠商事の社員は、個々人が強い「野武士軍団」とも称され、顧客に一度食らいついたら離さない営業力に定評があります。また財閥系3商社と比べて社員数も少なく、少数精鋭の体制で厳しい競争に挑戦してきたという自負もあります。

2021年度から2023年度までの3ヵ年計画は、新たに策定された中期経営計画である、「Brand-new Deal 2023」にまとめられています。

この経営計画では、新たな成長機会の創出による持続的な企業価値向上と社会課題の解決の両立を目指し、業態変革を強力に推進していくことで、多様化するマーケットニーズへの対応と、本業を通じた生活基盤の維持・環境改善等の「SDGs」実現への貢献を標榜しています。

具体的な方針は以下の通りです。

連結純利益6,000億円の達成:中期経営計画期間中に連結純利益6,000億円の達成を目指す

「マーケットイン」による事業変革:多様化する売り手/買い手の顕在・潜在ニーズを捉えて、川下から川上までのバリューチェーン変革による事業成長を実現

  • グループ最大の消費者基盤であるFM事業の進化
  • 川下起点のバリューチェーン全体の変革
  • データ活用・DXによる収益機会拡大

「SDGs」への貢献・取組強化:脱炭素社会の業界に先駆けた実現を目指すとともに、以下の取組みを通じて「SDGs」実現に貢献

  • 脱炭素社会を見据えた事業拡大
  • 循環型ビジネスの主導的展開
  • バリューチェーン強靭化による持続的成長

他の総合商社も同様ですが、脱炭素社会を見据えた事業展開、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応がフォーカスされています。川下を重視しているところに伊藤忠の特徴が出ている計画になっています。

伊藤忠商事を志望する皆さんは、ぜひ新しい中期経営計画を理解して就活に臨んで下さい。

伊藤忠商事の社風:

社風は他の商社と同じく体育会系で、新入社員には1年間先輩社員がメンターとしてつく、「指導社員制度」によって社会人の基礎から、伊藤忠のDNAまでをレクチャーしてくれます。

少数精鋭という事もあり、基本的に配属された部門で10年、15年とキャリアを積んで本当のエキスパートに育てるという方針です。また、伊藤忠商事は他の総合商社より、「働き方改革」に熱心に取り組んでいるという特徴もあります。

伊藤忠商事は大型案件の事業買収や提携でなどで、果敢にリスクをとっていく企業ですが、経営案件に携われるのは40以上の管理職であり、エキスパート中の実力者になってはじめてディシジョンができるという意味では保守的と言ってもいいでしょう。

またカンパニー制をとっているため縦割り構造であり、社内での横断的なダイナミズムは効きにくい体制です。逆に言えばエキスパート集団として鍛えられ、その事業での戦闘力は高い人材に育つとも言えます。

三井物産の特徴

三井物産は総合商社業界のリーディング企業であり、11の国内拠点、121の海外拠点、514社の連結対象会社、連結の従業員44,509名(単体:5,587名)を誇ります。総合商社の収益ランキングでは業界収益では業界3位(2021年3月期)の巨大企業です。

現在展開している事業セグメントは、鉄鋼製品、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、生活産業、次世代・機能推進事業に分かれています。金属資源・エネルギー、機械・インフラ、化学品事業を収益の基盤であり、中核分野です。

全世界に広がる事業拠点とその情報力を活用し、多種多様な商品の売買、製造、輸送、ファイナンスなど各種事業を多角的に行っています。

また資源・インフラ開発プロジェクトの構築、環境・新技術・次世代電力やウェルネスに関連する事業投資やデジタルを活用した価値創出などの幅広い取組みを展開しています。

昔から三菱商事、三井物産、住友商事は3大商社の性格を比較すると「組織の三菱、人の三井、結束の住友」という風にいわれてきました。実際に求める人材像は「人間的な魅力がある人。自ら考えて行動する人。泥臭くても、荒削りでも、やり遂げてみたいという強い想いを抱いている人」と言われており、真っ先に「人間的な魅力がある人」を挙げている点が三井物産らしいところです。

社風としては、他の総合商社と比べて「個」が尊重される、自由闊達な社風が挙げられます。具体的に三井物産には、部門を超えて異動の希望を出せる制度もあるので、個性を重視したい学生に向いている総合商社と言えるでしょう。

三井物産株式会社の業績概要

2021年3月期連結決算(2020年度)

収益(百万円)8,010,235
売上総利益 (百万円)811,465
当期純利益(百万円)335,458
当期包括利益(百万円)964,652
従業員数(人)44,509
外、平均臨時雇用者数9,721
連結子会社280社
持分法適用関連会社234社

2021年3月期連結決算の事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

セグメント名セグメント収益 (百万円)収益構成比売上総利益 (百万円)事業利益構成比
鉄鋼製品436,5795.5%21,1842.6%
金属資源1,396,90217.4%251,15031.0%
エネルギー838,59810.5%62,8877.7%
機械・インフラ792,2009.9%107,72913.3%
化学品1,933,79524.1%124,90415.4%
生活産業2,373,08229.6%133,78216.5%
次世代・機能推進236,1202.9%107,00113.2%
合計8,007,276100.0%808,63799.7%
その他2,9600.0%2,3770.3%
調整・消去-10.0%4510.1%
連結合計8,010,235100.0%811,465100.0%

三井物産の中期経営計画

三井物産は2020年5月に新しい中期経営計画2023「変革と成長」を発表しています。前計画からの継続的な課題に加え、新型コロナウイルス感染拡大とデジタルエコノミーや気候変動への対応等の経営環境の激変を踏まえ、以下の6つの戦略が柱となっています。

新たな企業理念は以下の通りです。

  • Mission: 世界中の未来をつくる
  • Vision: 360° business innovators (一人ひとりの挑戦と創造」で事業を生み育て。社会課題を解決し、成長を続ける企業グループ)
  • Values: 変革と行動で、個から成長を、多様性を力に、真摯に誠実に

 変革:

  • 投下資本に見合った収益性向上・ROE向上
  • 社員一人ひとりの意識、行動様式、働き方の変革
  1. 事業経営力強化
  2. 財務戦略・ポートフォリオ経営の進化
  3. 人材戦略

 

成長:

  • 三井物産の総合力が活きる成長領域
  • デジタル化等、変化するトレンドへの対応

 

  1. Strategic Focus
    • エネルギーソリューション
    • ヘルスケア・ニュートリション
    • マーケット・アジア
  1. 基盤事業の収益力強化と新事業への挑戦

 

6. サステナビリティ経営/ESGの強化: 一層のサステナビリティ経営の実践

    • 中期経営計画2023重点課題:「気候変動」、「サーキュラーエコノミー」、「ビジネスと人権」
    • ガバナンス強化:取締役会実効性の更なる向上

就活の文脈で特に注目してほしいのが、Strategic Focusにおける重点施策です。

エネルギーソリューションでは、気候変動への取組みとして、温室効果ガスの排出削減に向けたエネルギー転換に重要な役割を果たすLNGのプロジェクト、また、米国カリフォルニア州での水素ステーション事業、中国でのバイオエタノール事業やバイオジェット事業への取り組み等、次世代燃料分野への展開を行っています。

国内外で太陽光・風力等の再生エネルギー事業への取組みを着実に進め、強みである天然ガス・発電インフラ事業をプラットフォームとして活かしながら、持続可能なエネルギー・電力の安定確保、安定供給と低炭素化社会の実現へのトランジションを進めています。

またヘルスケア・ニュートリション施策では、病院事業の強化やアジアを起点としたウェルネスサービスプラットフォームの構築を目指す計画となっています。

アジア市場での成長戦略やサステナビリティ経営など、就活で活かして欲しい情報が多い為、中期経営計画の内容を理解しておきましょう。

丸紅の特徴

丸紅は総合商社業界第4位(2021年3月期決算)の企業で、世界68の国と地域で133拠点(本社、国内支社・支店・出張所 12カ所、海外支店・出張所 58カ所、海外現地法人 29社およびこれらの支店・出張所等 33カ所)を有しています。

連結の従業員数45,470名(単体:4,389名)を誇る日本を代表する総合商社の一つです。

丸紅及び連結子会社は、国内外のネットワークを通じて、ライフスタイル、情報・不動産、フォレストプロダクツ、食料、アグリ事業、化学品、エネルギー、金属、電力、インフラプロジェクト、航空・船舶、金融・リース事業、建機・産機・モビリティ、次世代事業開発、その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引のほか、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しています。

20019年度より以下のグループで事業を展開しています。

  • ライフスタイル
  • 情報・不動産
  • フォレストプロダクツ
  • 食料
  • アグリ事業
  • 化学品
  • エネルギー
  • 金属
  • 電力
  • インフラプロジェクト
  • 航空・船舶
  • 金融・リース事業
  • 建機・産機・モビリティ
  • 次世代事業開発
  • その他(本部。管理等)

丸紅株式会社の業績概要

2021年3月期連結決算(2020年度)

収益(百万円)6,332,414
税引前利益 (百万円)281,763
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)225,343
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円)355,477
従業員数(人)45,470
外、平均臨時雇用者数7,589
連結子会社310社
持分法適用関連会社146社

2021年3月期連結決算の事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

セグメント名セグメント収益 (百万円)収益構成比売上総利益 (億円)事業利益構成比
ライフスタイル123,0581.9%18,2332.7%
情報・不動産360,1055.7%115,10817.0%
フォレストプロダクツ231,8003.7%24,0353.6%
食料1,276,05220.2%109,08316.2%
アグリ事業2,795,46644.1%198,68029.4%
化学品403,5696.4%38,9555.8%
エネルギー447,8387.1%37,2815.5%
金属295,3804.7%20,9793.1%
電力169,3362.7%11,5151.7%
インフラプロジェクト22,1540.3%10,0061.5%
航空・船舶56,4900.9%14,6152.2%
金融・リース事業6,8640.1%3,9030.6%
建機・産機・モビリティ290,2864.6%80,82612.0%
次世代事業開発2,7590.0%1,7620.3%
その他-148,743-2.3%-9,563-1.4%
連結合計6,332,414100.0%675,418100.0%

丸紅の特徴は食料グループの強みにあり、特に穀物の取扱量は総合商社トップを誇ります。

また電力ビジネスも日本国内を含む世界24ヵ国において発電事業を展開し、長期売電契約に基づく安定収益型資産を保有、プロジェクトリーダーとして、再生可能エネルギーを含む数多くの発電事業も手掛けています。エネルギーソリューション事業については世界トップクラスのプレーヤーなのです。

丸紅の場合、事業を業種別とは別の、セールス&マーケティング事業、ファイナンス事業、安定収益型事業、資源投資いうマトリックスで分析し、4つのビジネスモデル毎に明確な投資方針を示しているとことが他の商社と違うところです。

また他の商社の事業経営モデルとは一線を画し、強い事業をより強くする集中型の競争戦略をとっている点も特徴的です。

丸紅の中期経営計画

丸紅グループは、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、経営戦略の基本方針「2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する」を明示した3ヵ年の中期経営戦略「Globalcrossvalue platform 2021」(以下、GC2021)を策定し、2019年度よりスタートしています。

丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」:

  • 時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張により、社会・顧客に向けてソリューションを創出する
  • 丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造する

中期計画では新たな事業指針として SPP(「Strategy」 × 「Prime」 × 「Platform」)を掲げています。新たな事業指針SPPを徹底し、新規投資を戦略的に厳選するとともに、既存事業の強化及び回収・資産入替えの促進を図り、丸紅グループ全体の事業ポートフォリオの価値最大化を目指すことを掲げています。

既存事業基盤を強化・拡大しながら、同時に現状では取り込めていない成長領域・新たなビジネスモデルにも取り組んでいく方針です。

しかし、2020年3月期(2019年度)は、大幅な赤字決算になってしまいました。

赤字の主な理由は、一過性損失4,220億円が発生したためです。一過性損失のうち、約3,940億円を第4四半期に計上され、主な内訳は、石油・ガス開発事業で1,313億円、米国穀物事業で982億円、チリ銅事業で603億円、海外電力およびインフラ連事業で457億円、航空機リース事業のAircastleで392億円と説明されています。

更に2020年度に入り、新型コロナウイルス感染症拡大により、経営環境が大幅に悪化したため2020年5月には、財務基盤の再生・強化を最優先課題としてキャッシュ・フロー重視の経営を徹底する方針を発表(定量目標を修正)しています。

既存事業基盤の強化と新たなビジネスモデル創出により中長期的な企業価値向上を追求する計画です。

事業戦略の強化として追加された項目:

  • コスト削減を含む既存事業の強化・底上げを徹底し、持続的かつ強靭な事業基盤を構築
  • 新型コロナウイルス感染症収束後の世界経済、社会課題、成長領域、ビジネスモデルの変化を見据え、資産の入替え・優良化に取り組む
  • 過去の事業投資パフォーマンスを総括し、リスクマネジメントの更なる拡充・強化

丸紅の特徴は、展開する事業分野において、世界のトップ企業との競争を勝ち抜き、その地域や社会に貢献することがはっきりと謳われており、事業展開をする各国のローカルマーケットで勝ち抜くことをビジネスのベクトルとしている点です。

海外事業においては、「具体的に丸紅グループの強い事業分野(アグリ関連事業、インフラ事業、輸送機関連事業)をより強くするとともに、新たな事業を戦略的に推進していく」とし、市場としては米国を中心とする先進国、中間層が厚みを増すアセアンを重点市場とし、将来への布石としてサブサハラ地域へ積極的に取り組む計画です。

丸紅の社風:

丸紅は元をただせば伊藤忠商事と同じ、1858年に伊藤忠兵衛の創業した会社です。分割、合併、財閥解体という経緯を経て誕生した会社です。野武士集団、体育会系の伊藤忠商事と比べると、丸紅は穏やかな社風、真面目、堅実と言われています。

丸紅も総合商社としては従業員が少なく、少数精鋭のため、若手でも海外に出ていき、大きな仕事問も任せられ、鍛えられます。その意味では若手でもチャレンジしあいのある職場環境です。

財閥系3社と比べて「しがらみ」が少ないため、風通しも良い社風です。

育成方針は伊藤忠商事と同じく、同一部門で経験を積みエキスパートになっていくパターンです。

丸紅の場合、事業経営モデルを前面に押し出していないことと、そもそも連結する事業会社の数が少ないため出向して経営に携わる機会は他の総合商社に比べれば少ないといえます。その意味でも配属された部門で、エキスパートとして自分を高めていけるタイプの人には向いている商社です。

住友商事の特徴

住友商事は総合商社業界のリーディング企業であり、世界66の国と地域に展開しており、22の国内拠点、113の海外拠点、662社の連結子会社、273社の持分法適用会社、連結の従業員74,920名(単体:5,390名)を誇ります。総合商社の収益ランキングでは業界収益では業界5位(2021年3月期)の巨大企業です

住友商事の特徴は堅実経営です。昔から「石橋をたたいても渡らない」と評されてきました。

具体的に、「リスクに対するリターンが投資家から期待される株主資本コストを上回ること」を最低限クリアしなければならない基準としています。全社でリスク・リターン7.5%を最低基準としており、個々のビジネスの選別を行う場合でもリスク・リターン7.5%が基準です。

住友商事には創業以来約400年に渡り受け継がれてきた「住友の事業精神」があります。

口語訳は以下の通りです。

営業の要旨 (口語訳)

  • 第一条    わが営業は、信用を重んじ確実を根本理念とし、これにより住友が盤石に、ますます栄えるようにしたい。
  • 第二条    わが営業は、時代の移り変わり、財貨運用の損得を考えて、拡張したり縮小したり、起業したり廃業したりするのであるが、いやしくも目先の利益に走り、軽々しく進んではいけない。
ここからも分かるように、信用を大切にして、じっくりと腰を据えて事業に取り組むのが住友らしさといえるでしょう。

住友商事の社風は(他の商社も同様ですが)、体育会系で上下関係は厳しく年功序列はしっかりしています。社員同士の中も良く、風通しもよいとされています。また住友商事の人は、穏やかで腰が低い人が多いとも言われています。会社への帰属意識も高く、チームワークを重視して仕事をする社員が多いのも特徴です。

ある意味保守的な社風であり、堅実経営の方針やコンプライアンスも厳しいため、新しいことにチャレンジしたいと思っている若手社員は多少窮屈に感じてしまうこともあるようです。

現在展開している事業グループは、金属事業、輸送機・建機事業、インフラ事業、メディア・デジタル事業、生活・不動産事業、資源・化学品事業に分かれています。

住友商事株式会社の業績概要

2021年3月期連結決算(2020年度)

収益(百万円)4,645,059
売上総利益 (百万円)729,461
当期純利益又は損出(百万円)-153,067
当期包括利益(百万円)76,083
従業員数(人)74,920
外、平均臨時雇用者数28,523
連結子会社662社
関連会社等273社

2021年3月期連結決算の事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

セグメント名セグメント収益 (百万円)収益構成比売上総利益 (百万円)事業利益構成比
金属910,64519.6%73,82510.1%
輸送機・建機684,43914.7%140,38419.2%
インフラ347,5197.5%15,5452.1%
メディア・デジタル399,2798.6%105,24114.4%
生活・不動産1,110,13123.9%238,80832.7%
資源・化学品1,092,87523.5%151,57620.8%
合計4,544,88897.8%725,37999.4%
消去又は全社100,1712.2%4,0820.6%
連結合計4,645,059100.0%729,461100.0%

住友商事の中期経営計画

住友商事が2018年5月に発表した中期経営計画では、成長戦略として3つの柱を立て、その下に注力していく事業とその戦略を掲げていました。

  • 成長戦略1:既存事業のバリューアップ(既存6事業の収益の柱をさらに太くする、事業のポテンシャルをフルに追及、ビジネス環境変化への迅速な対応)
  • 成長戦略2:次世代新規ビジネス創出(テクノロジー×イノベーション(第四次産業革命領域)、ヘルスケア、社会インフラ事業へ3年間で3,000億円程度を投資)
  • 成長戦略3:プラットフォーム事業の活用(複数事業の掛合せ・組織間の連携による新たな価値の創造)

三菱商事や三井物産と違って、事業経営モデルが強調して打ち出されていないところも慎重・堅実な住友らしさと言えるでしょう。それでも次世代新規ビジネスの創出は柱の一つなのです。

「新規事業開発支援」として、、全社視点で次世代ビジネスを育成していく仕組みづくりに取り組み、ヘルスケア、スマートシティ等の成長ポテンシャルの高い分野において、組織間連携を通じ、全社プロジェクトとして取組む体制を強化してきたのです。

2020年度は「新たな価値創造への飽くなき挑戦」をスローガンに掲げ、経営基盤の強化を図りながら、成長戦略を推進してきた3年間の最終年度でした。

初年度は、期初の計画を達成し、業績も過去最高益となりましたが、2019年度は、米中貿易摩擦による世界経済の低迷の影響等により期初の目標が未達、最終年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響や低採算事業の整理等に伴う多額の一過性損失により1,531億円の赤字決算となりました。

住友商事では2021年度からは2023年度の3年間を対象とした、新しい中期経営計画「SHIFT 2023」を策定しています。

「SHIFT 2023」では、「事業ポートフォリオのシフト」を掲げて、現行の事業ポートフォリオをより高い収益性と環境変化への耐性を兼ね備えたポートフォリオに移行していくことを目指しています。

住友商事の全ての事業をSBUに括り直し、「バリュー実現」、「バリューアップ」、「注力事業」及び「シーディング」の4つのカテゴリーに分類しています。中期経営計画では、4象限のマトリックスで事業をポジショニングしています。

また、次世代のコアビジネスを育成すべく、以下の6つの分野を「次世代成長戦略テーマ」として設定し、同分野における事業を全社で中長期的に強化・育成していく計画です。

  1. デジタルトランスフォーメーション(DX): デジタル、テクノロジーXイノベーションを活用した事業変革と新事業開発
  2. 次世代エネルギー
  3. 社会インフラ
  4. リテイル・コンシューマー
  5. ヘルスケア
  6. 農業

住友商事を志望する方は、ぜひ新しい中期経営計画を理解しておきましょう。

まとめ:

5大総合商社は、それぞれ上記のような特徴があります。総合商社を志望したいと思った学生の皆さんは、是非突っ込んだ企業研究やOB/OG訪問、インターンシップへの参加を通じて自分にベスト、ベターな総合商社をみつけてください。

やりがいのある職場であり、実力も磨けます。また平均年収、生涯所得も非常に高いのはご存知の通りです。商社出身で、独立したり、起業して成功を納めているビジネスパーソンも沢山います。

プロ経営者として、他の大企業の経営層や商社出身の社長を多く輩出しているのも特徴の一つです。ピンときた学生は、ぜひチャレンジしてみてください。

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