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【就活の業界研究】建設業界の職種と「やりがい」、向き不向きをチェックしよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では建設業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

建設業界の7つのポイントを押さえよう

  • 建設業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 建設業界の構造
  • 建設業界の現状と課題・未来
  • 建設会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 建設会社に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 建設会社に向く人、向かない人はどういう人か
  • 主要建設会社各社の概況

建設会社に特有の職種と、建設会社に勤める「やりがい」やモチベーションは何か、そして向いている人、向いていない人の資質や性格もチェックしておきましょう。

職種や職務内容によって「やりがい」や適性は異なりますが、それでも共通している部分もあるため、公約数的な分析になりますが参考になると思います。

建設会社の代表的職種と仕事内容

ゼネコンを念頭に建設会社の代表的職種を解説します。会社によって部門の名称は異なる場合もあるので、企業研究の際は仕事の内容とあわせて参照してください。

建設会社の仕事は、設計、施工、技術、営業、事務管理、情報システム、安全管理に大きく分けることができます。その中でも建設会社の中核機能が施工部門、そして設計部門ということになります。

施工管理:

施工管理は建築部門、土木部門、設備部門に分かれており、それぞれの部門で工程・各工事ごとの数多くのサブコントラクター、専門工事事業者との工程管理、工事のスケジュール・進捗の管理、コスト管理、材料の手配や施主との交渉、設計部門や設計事務所との交渉などを行う中核的な役割を担います。また工事現場での安全管理、工事環境の管理を最前線で行ないます。

 

  • 建築部門:設計段階から参画し、着工から竣工、建物引き渡し後のメンテナンスやアフターフォローまでの多種多様な建物の施工管理を行います
  • 土木部門:道路、鉄道、電力、空港・港湾など、主にインフラに関わる工事を担当します。設計段階から参画し、着工から完成、引き渡し後のメンテナンスの施工に関わる管理全般を担います
  • 設備部門:建造物に合わせ、必要な電気、ガス、給排水、空調、昇降機などの設備を選定しメーカーや専門工事会社との工程管理、連絡業務などを行ないます。また完成後は設備の更新やそれに関わる施工の提案も行います
設計部門:

設計部門は施主のニーズを図面にしていく業務であり、大きく意匠設計、構造設計、設備設計に分かれています。入札やコンペの勝敗にも関わり、何よりも顧客のニーズを自社の技術、ノウハウやアイディアで実現する重要な役割を担います。

 

  • 意匠設計:建物の構造、外観、空間デザイン、間取り、環境デザインなど、建築物に関わるデザインや美しさとともに、施工の合理性(技術、コスト、納期)、竣工後の維持・管理のしやすさまでを考慮して図面を作成します
  • 構造設計:構造設計の仕事は建築物の自重や設備等の配置や重さ、地震や風、水害などの外的負荷に対して建築基準を満たし、安全な土台と骨格を設計する役割を担います。厳格な基準を満たす工法も検討、決定します。構造物の基本的な安全に関わり、建設会社の信用に関わる重要な部門です
  • 設備設計:電気、ガス、給排水、空調、昇降機などの設備を適正に配置し、建物の設備とその機能面を使いやすく、最適に実現する役割を負います。エネルギー効率など経済性や環境に配慮した設備設計も重要になっています
技術部門:

建築や土木に関する基礎研究や新しい素材や工法の開発を行う研究開発具体的な案件の施工条件による技術サポートや技術提案を行う役割を担っています。ITを採り入れた新しい取り組みやノウハウの蓄積をリードする部門です。

営業部門:

デベロッパー、民間企業や官公庁の施主との窓口となる部門です。施主の情報やニーズを引き出し自社の関係部門と調整を図りながら指名、入札、コンペによる受注につなげる役割を担います。施主のみならず同業者やサブコントラクターの営業との情報ネットワーク作りも行なっています。

事務管理部門:

他の業界と共通する部門としては、経営企画、人事、総務、経理・財務、法務、広報などが挙げられます。事務管理は本社や支社、支店だけではなく、各工事現場で実際に経理や労務、総務管理をする職務を含みます。

情報システム部門:

本社や支社・支店を繋ぐ、社内の経理や労務、業務関する基幹情報システムの情報・データ管理、維持に責任を負っています。

安全管理部門:

建設業は危険を伴う作業を行っており、安全管理は国が厳しい基準を設けています。また建設就業者の長時間労働も問題になっており、「働き方改革」の一環で、建設現場における安全管理や労務管理の重要性は高まっています。安全に対する社員教育、協力会社との安全面での連携などにより労働災害の防止や職場環境の改善や管理に責任を負っています。

建設会社に働く人の「やりがい」、モチベーションは何か

建設会社で働いている人のモチベーションや「やりがい」を確認しておきましょう。当然職種によってもやりがいは違いますが、共通している部分もあるので、代表的な声をまとめておきます。

「地図に残る仕事」、「後世に残る仕事」、「記憶に残る仕事」

  • 建設業界に働く人は、どんなセクションでも「自分たちの仕事の結果がインフラや建物というカタチで残り、人々の生活に長く役立ち、貢献していく」ということに「やりがい」を感じていると思います。
  • もちろん規模が大きいランドマークのような建物には非常に多くの苦労と努力によって完成できるものであり、その意識も大きくなります。しかし個人の住宅でも、建物には施主の方の思いや夢がつめこまれているため、それを実現していくことは「記憶に残る」仕事になります

インフラを支える自負

  • インフラ関連の公共事業は、道路や橋、トンネル、ダムなどの治水工事等によって地域の人々の暮らし、便利さや豊かさにダイレクトにつながるものであるため大きな「やりがい」を感じることが出来ます

災害復旧での貢献

  • 災害の復旧工事はまさに被害にあった住民の方々の暮らしを支え、災害からの復興を促すことになるため、社会的な意義も大きく、「やりがい」やこの仕事を続けるモチベーションに繋がっています

チームで一つの事をやり遂げる達成感

  • プロジェクトが大きくなればなるほど、関わるスタッフ、関係企業が多くなります。一つのチームになって各持ち場の責任を一つ一つ果たしていき、その集大成によって大きな仕事が達成できます。スケールの大きい仕事は苦労も多いですが、やり遂げて完成したときの達成感は大きなモチベーションになります
  • また様々な人と関わる機会も多く、人に触発され、得難い経験をする機会も多く刺激的な仕事だと思います

スケールの大きいモノづくりの楽しさ

  • 建築物は一軒家から国立競技場のような巨大プロジェクトまで様々ですが、家電製品やクルマなどに比べれば規模の大きいモノづくりに携わることができます。個人の価値観によりますが、大きく立体的なものをつくっていくことに喜びや楽しさを感じることができます

仕事の工程を緻密に組み立てていく喜び

  • モノづくりの楽しさに繋がるかもしれませんが、建設という仕事は工程を緻密に積み上げてスケジュールを守っていくスキルが身に付きます。全体を俯瞰しながら必要な手を打っていくことなど、業務管理は大変ですが、状況判断やそれに従った臨機応変の対応力などが身に付き確実に成長を実感できます

様々な施主のニーズを知って知見がたまっていくこと

  • 施主の目的やニーズも多岐に渡り、その様々なニーズを理解するためには施主や施主の行っている事業を深く理解しなければなりません。建設業は様々な施主や業種に関する「学び」が多く、知見が溜まっていきスキルアップを実感できる仕事です

上記は職種によっての差はありますが、建設会社の本質的な部分と密接に関連した共通の「やりがい」やモチベーションです。

これらのコメント、内容に共感できた方、ピンときた方は、建設業界、建設会社に「向く人、向かない人」はどういう人かについてもイメージを持っておきましょう。

建設会社に向いている人、向いていない人はどういう人か

上記で解説したように建設会社にも様々な職種があり、細かく言えば職種ごとの適性があるため、最大公約数的に共通する部分のみを抽出して箇条書きにしておきます。

建設会社に向いている人

体力がある人:

建設業界は特に施工管理などの現場での業務にはどうしても「体力」が必要になる職場です。また企業全体も「男社会」のカルチャーであるため、「無理がきくこと」を前提に成り立っている職場も多いです。

プレッシャーに強い人:

建設の仕事は計画や段取り通りに進まないことが日常的に起こります。それにいちいち腹をたてたり、ナーバスになって他のことが出来ないと仕事になりません。納期が遅れても取り戻す工程や段取りを考えて指示するなど、状況を受け入れつつ改善の手を打てるような「胆力」も必要になります。

リーダーシップ、人を巻き込む力や魅力ある人:

現場の施工管理には特に必要になる資質です。ゼネコンの施工管理者、現場監督や所長の指示が回りを動かしていくことになるため、人や組織を動かしてきた経験やリーダーシップを発揮してきた人には向いている業界です。

 

リーダーシップと言っても色んなタイプがあり、スタイルは個性によって違いますが、人を巻き込んでいく能力、自然と人がついてくる資質が重要です。最終的には周囲から信頼され、「この人の言う事なら従おう」という組織がつくれるかがポイントになります。

コミュニケーション能力:

建設会社はプロジェクトに関わる人が多く、工程を踏んで進行していくため、関係者に意思や情報ををうまく繋いでいく必要があります。そこには必ずギャップが生まれるためコミュニケーションを円滑にして、しっかりとした確かな指示系統と情報のフローを保っておく必要があります。そのために折衝や交渉事も多いため、説明力や交渉力などのコミュニケーション能力は非常に重要になります。

 

また人を巻き込んでいく力という意味でもとても重視される資質です。

信頼のおける人:

建設の現場では二次、三次の下請けで工事をしてくれる現場責任者や職人さんから信頼をえられるかがとても重要になります。信頼をおけない人にはついてこないという職人気質が強い業界です。

 

また営業職でも施主は巨額の費用を支払っての発注になるため、施主やデベロッパー、公共機関の発注者からの信頼が必要不可欠です。最終的には会社に対する信用ということにはなりますが、施主のニーズや情報を引き出すには、施主と営業との間に信頼関係が築けていることが前提になります。

計画性のある人:

建設業は設計からはじまって素材や工法の選定、非常に多くの施工工程を経て完成に至る緻密なパーツの積み上げが必要な業界です。そのため計画を立てるのが得意で、進捗の管理も自分ででき、緻密に積み上げて最後まで遂行することが得意な人、自信がある人は向いている業界です。

危機管理能力:

危機や危険を未然に防ぐために、細かい点にも気を配り、布石を打って発生するのを未然に防ぐことはとても重要です。危険な事象を予知して手を打っておくことが得意な人は建設業界への適性があります。

問題解決能力:

現場で起こるトラブルを仲裁したり、上手く説明して理解を得ることによって大きな問題に発展するのを防ぐなど、問題を先送りせずにスピード感を以て適切に対処する能力は建設業に向く資質の一つです。現場以外の職場でも、問題が起こったら素早く対処することが求められる業界です。

細部へのこだわりと緻密さ:

建設業界というと豪胆なイメージが付きまといますが、事故や連絡ミスを未然に防ぐために身の回りの書類を整理整頓したり、細部へ気を配ることが求められています。

 

細かいことまでちゃんと把握して、ケアできる資質がある人は建設業界に向いています。構造計算のミスなどが起こると大きな問題になり、場合によっては人の命や企業の社会的信用に関わることになります。発注ミスなども工期の遅れや損出に繋がるため、細部までしっかりと意識できることは非常に重要な資質のひとつです。

コンプライアンスに対する意識の高さ

法令を厳格に守ることも当然ですが、談合などの不正、パワハラ、セクハラなどに対するコンプライアンスの意識の高さも求められる業界です。

建設会社に向いていない人

向いていない人は向いている人の逆の資質です。重複になるので箇条書きのみでまとめておきます。

  • 普通以上に体力に自信がないと思っている、感じている人
  • プレッシャーに弱い人。些細なことが気になって中々前に進めない性格。プレッシャーに負けて諦めてしまいがちな人。目標達成意識が弱い人
  • リーダーシップが発揮できず、常に指示を待つタイプの人。主体性に欠ける人。人に働きかけたり、巻き込んでいくことが苦手な人。チームで仕事をするのが苦手な人
  • コミュニケーション能力に欠ける人。人を説得したり、交渉したりすることが苦手な人、説得・交渉するなら妥協を選んで納得してしまいがちな人
  • 人への信頼や人からの信頼を軽視しがちな人。自分さえよければ良いと思いがちな、自分勝手な性格の人。周囲に気を配れない人
  • 計画性を立てるのが苦手な人。立てた計画を自己管理するのが苦手で、いつも最後まで計画を実施できない人
  • 細かい点を見逃したり、ミスや進捗の遅れ、不具合に対して甘く、ルーズな人。危機管理能力が薄く、最後に困ってしまうことが多い人
  • 問題が起こった時に対応がつい遅れてしまう人。問題に対して危機意識が薄いと言われてしまう人。問題に対し真摯に向き合わず、放置したり、逃げてしまうことが多い人
  • 細部への気配り、目配りをせず、大雑把なことからよく問題を起こしてしまう人。細かいことは気にしないのが正しいと思っている人
  • コンプライアンスへの意識が低い、ルーズな人。いい加減な人。力をはき違えて解釈しているタイプの人
あくまで公約数的なまとめなので、建設会社の社員でも当てはまらない人はいますし、入社後の成長で克服・対応できるケースもあります。一般論としての参考にして、自己分析の結果と照らしながら検討していきましょう。

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