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【就活の業界研究】飲料業界の構造と、主要飲料メーカーの概要を知っておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するためのコンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

この記事では伝統的に就活生に人気がある飲料業界の構造と飲料メーカーの概要を解説します。

飲料業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 飲料業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 飲料メーカーの現状と課題・未来
  • 飲料メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 飲料メーカーで働く人のモチベ―ションは何か
  • 飲料メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 飲料業界の構造
  • 主要飲料メーカーの概要

飲料業界の構造

清涼飲料水市場

まず清涼飲料水市場の構造をみていきましょう。

TRCマーケティングリサーチのデータによると、2017年の清涼飲料市場は2016年とほぼ同様の3兆8217億の市場規模とされています。

容器別の構成比(数量ベース)ではPETが58.9%と6割近くを占め、缶21.9%、紙11.1%、ボトル缶5.0%、瓶他3.1%になっています。

容量別の構成比でみると、400ml~700ml未満が28.8%、200ml未満19.1%、2.0l 15.5%、200ml~300ml 未満が14.7%, 300ml~400ml未満13.5%、1.5l 5.1%、700ml~1.5l未満3.3%となっています。消費者のライフスタイルや価値観の多様化に合わせて、各社見目細かく容器/容量のSKUも増やしているため需要も分散化しています。

メーカー別のシェア(金額ベース)では、日本コカ・コーラがシェア26.4%、サントリー食品が16.6%、アサヒGHDが11.4%、キリンビバレッジが9.4%、伊藤園が9.2%の順となっており、清涼飲料は寡占市場です。

この上位5社で市場の70%以上を占めていることになります。以下、大塚ホールディングス3.4%、ダイドードリンコ2.7%、ヤクルト本社2.5%、カゴメ2.4%、サッポロ1.6%となっており、ここまでの10社でマーケットの85.6%を占めていることになります。

酒類市場

次に酒類の国内市場規模とその構造をみていきましょう。矢野経済研究所のデータでは、2016年度の酒類総市場規模は3兆5,738億円とされています。

次に、平成28年度における酒税の課税実績を数量ベースで見ると、全課税数量のおよそ3割がビール(271万KL、30.9%)となっており、最も大きなカテゴリーであることが分かります。続いてチューハイや新ジャンル飲料(第3のビール等)が大部分を占めるリキュール、(219万KL、25.0%)、発泡酒(73万KL、8.3%)、その他の醸造酒(50万KL、5.7%)となっています。これらの低アルコール飲料でおよそ国内市場の70%を占めていることが分かります。

清酒は6.1%、焼酎は甲類・乙類をあわせて9.9%、スピリッツ等6.5%、果実酒4.2%、ウィスキー1.7%という順になっています。(データ:国税庁:酒税の課税実績 H28年度)

国内酒類市場を俯瞰してみると、ビール、発泡酒、第三・第四のビール、チューハイをあわせると64.2%となり、この市場を制することが、いかに重要かを直感的に分かってもらえると思います。

この重要なビール類をみていくと、平成30年上期(1~6月)のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の課税出荷量は前年同期比3.6%減の1億8337万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と微減になっており、ビール離れを証明してしまう結果となりました。

今春、各社が実施した業務用ビールの値上げで、弱含みの需要を加速させることになり、市場縮小に歯止めがかからなくなっている状況です。値上げの影響で酒類別ではビールが6.3%減でしたが、消費者の節約志向などで、第3のビールは1.9%増と5年ぶりにプラスに転じています。

ビール類のメーカー別シェア

メーカー別では首位のアサヒが37.6%で1.9ポイント低下しています。2位のキリンは第3のビールの新商品「本麒麟」と「のどごしストロング」が好調の結果、34.0%と2.3ポイントシェアを増加しました。昨年は7.8ポイントだった両社のシェア差は3.6ポイントまで接近し今後、シェア争いがますます激化していくでしょう。

シェア3位はサントリーで約16.3%、4位のサッポロは約11.2%という順で続いています。

ビール系はこの4社で市場の99%を占めるほど寡占市場ということになります。

飲料業界大手メーカーの概況

このように寡占市場のため、飲料大手の概況を簡単にまとめておきます。直近の中期経営計画や有価証券報告書を中心に分析していますが、各社を志望する方はぜひそれらの情報を深堀して研究を進めて下さい。

サントリーホールディングス株式会社

2018年12月期連結決算 (単位:百万円)

売上収益(酒税込み):    2,517,258

売上収益(酒税控除後):  2,250,782

税引前利益:                      232,347

従業員数(連結全社):    39,466人

 

国内売上収益:               1,306,268 (58.0%)

海外売上収益:                   944,514 (42,0%)

セグメント別売上:

セグメント名称金額(百万円)構成比
飲料・食品1,286,58257.20%
酒類749,43933.30%
その他214,7609.50%
合計2,250,782100%

サントリーは「飲料・食品」と「酒類」の2つのコア事業をグローバルに展開し、持株会社、親会社、子会社257社、持分法適用会社41社により、飲料・食品・酒類の製造、販売、その他の事業活動を行っている巨大企業です。その他の中には健康食品・化粧品事業やハーゲンダッツ事業等を含みます。

コア事業の一翼を担い、飲料・食品事業のサントリー食品インターナショナルでは、2030円売上高2.6兆円を目指す野心的な長期及び中期経営戦略を発表しています。

酒類セグメントは、Beam Suntory Inc, サントリースピリッツ、サントリーBWS, サントリービール、サントリーワインインターナショナル、サントリー酒類等のグループ会社で日本及び米国、その他海外市場での酒類の製造・販売、関連事業を行っています。

両事業の特徴は、成長のために海外事業を重視している点です。現状でも既に海外売上が42%に達しています。サントリーホールディングスは2014年、ジムビーム(バーボン)で有名な米国ビーム社を買収し完全子会社しました。この買収により、ビーム社とサントリーのスピリッツ事業をあわせた売上高は、43億ドルを超え、世界のプレミアムスピリッツ市場において第3位のポジションを築いたのです。その後Beam Suntory 社は着実に成長を遂げて酒類セグメントの利益にも大きく貢献しています。

サントリー食品インターナショナルでは2009年フランスのオランジーナ・シュウェップスを回収して日本でも大ヒットさせるなどの成功事例もあり、今後もナチュラル&ヘルシー飲料を核に日本、欧州、アジアを中心にグローバルに事業を拡大していく計画です。

キリンホールディングス株式会社

2017年12月期連結決算 (単位:百万円)

売上収益(酒税込み): 1,930,522

税引前利益: 246,852

従業員数(連結全社):30,464人

セグメント別売上収益(連結)

セグメント名称金額(百万円)構成比
日本綜合飲料事業1,078,34855.90%
オセアニア綜合飲料事業329,49917.10%
海外その他飲料事業167,4098.70%
医薬バイオケミカル事業339,27417.60%
その他15,9920.80%
合計1,930,522100.00%

キリンホールディングスはキリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンの3社が統合して誕生した持株会社です。中核の国内総合飲料事業はこの3社を中心に展開する体制です。

オセアニア事業はオーストラリアのライオン社、海外その他の飲料事業ではミャンマー・ブルワリーの事業が中心になります。尚、フィリピンのビールメーカーのサンミゲルビール社は持分法適用関連会社です。

医薬バイオケミカル事業は協和発酵バイオが国内・海外とも担っている構造になります。

キリンの特徴は清涼飲料水においても、ビール事業においてもバランスの取れたポートフォリオを組んでいる点です。会社としても三菱グループの伝統を受け継いで、組織力に強みがあります。

海外事業に関しては2011年にブラジルのビール大手、スキンカリオールの株式50.45%を約2000億円で取得しましたが、残り49.55%を保有する株主に訴訟を起こされ、最終的に全株を取得することになり買収金額は合計約3000億円に膨れ上がってしまいました。それでも利益が出ていればよかったのですが、ブラジルの景気後退により失速してしまい、2015年12月期の連結決算はブラジルキリンを減損処理した結果、上場以来初めて560億円の赤字となってしまいました。その後結果的に2017年に全株式を売却、撤退するという高い授業料を払う結果となりました。

逆に言えばこの失敗によって、海外展開のノウハウを蓄積できたということも言えるのです。国内市場の成長が期待できない現状では、海外展開は避けては通れないパスです。新たに入社する人材には、海外市場展開に対する期待も非常に大きいのです。

キリンはは2019年度に、2027年に向けた新たなキリングループ長期経営構想である「キリングループ・ビジョン2027」(略称:KV2027)と、KV2027の実現に向けた最初の3カ年計画として「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」(略称:2019年中計)を策定しています。KV2027 は長期経営構想であり、これからのキリンの方向性が分かるので、キリンを志望する方は必ず読んで頭に入れておきましょう。

アサヒグループホールディングス株式会社

2018年12月期連結決算 (単位:百万円)

売上収益(酒税込み):  2,120,291

税引前利益:                      207,308

従業員数(連結全社)        28,055人

セグメント別売上収益(連結)

セグメント名称売上収益 (百万円)構成比
酒類886,74041.8%
飲料360,29017.0%
食品114,6525.4%
国際710,38433.5%
その他48,2232.3%
合計2,120,291100.0%

アサヒグループは、持株会社であるアサヒグループホールディングスと連結子会社142社及び関連会社24社により構成される巨大企業です。メインになる酒類事業はアサヒビール、ニッカウヰスキー、サントネージュワイン、エノテカ等の有力連結子会社によって行われています。

飲料事業はアサヒ飲料、カルピス、食品・薬品事業はアサヒグループ食品という連結子会社を中心に展開されています。

アサヒのビール事業はスーパードライが代名詞ですが、スーパードライのブランド拡張も行っています。またクリアアサヒも定番としてブランド確立しています。

清涼飲料水はカルピスや三ツ矢サイダー等の定番ブランド、ミント菓子のミンティアなど競争の激しいコンビニで棚を確保している商品の多く、飲料メーカーの中では最も元気でアグレッシブ、営業力が強い企業です。

国際事業は北米、中国、東南アジア、欧州、オセアニアに連結子会社や合弁による連結子会社を設立して酒類事業を中心に展開しています。スーパードライの展開も含め、現地の企業と合弁会社をつくって市場を広げています。2018度の決算の国際事業の売上収益は、オセアニア事業が好調に推移したほか、新たに取得した欧州事業の業績の上乗せもあり、前期比48.5%のプラスで7132億円となっています。国際事業の事業利益は前期比48.5%増の995億8800万円となり好調です。

尚、就活という側面では、アサヒビール、アサヒ飲料と酒類と飲料を分けて採用活動を行っているため、興味や価値観を絞って志望できるのもアサヒグループの特徴です。

サッポロホールディングス株式会社

2018年12月期連結決算 (単位:百万円)

売上収益(酒税込): 521,856

税引前利益: 9,492

従業員数(連結全社):7,904人

セグメント別売上収益(連結)

セグメント名称売上高(百万円)構成比
国内酒類事業250,86748.1%
国際事業79,52115.2%
食品・飲料事業127,21924.4%
外食事業27,5695.3%
不動産事業24,4834.7%
その他12,1982.3%
合計521,856100.0%

サッポロの特徴は国内市場を中心として事業を展開している点です。外食産業は国内の飲食店を自ら経営している売上ですし、不動産事業も自ら開発・所有している国内の不動産売上となります。

海外展開の売上は15.2%であり、明らかに国内市場を重視した事業展開となっています。2018年度決算では、連結売上高は前期比147億円のマイナス、3%減という結果になっています。

また売上が少ないにもかかわらず収益に貢献しているのが不動産事業です。主たる事業の国内酒類事業の年度営業利益が100億円に対し不動産事業は103億円と、主たる事業と同程度の利益をあげています。

これは不動産事業の好調を意味するのではなく、本業の利益の少なさを物語っています。2018年度においてビールでは、「サッポロ生ビール黒ラベル」は好調に推移し、4年連続で売上成長を達成していますが、発泡酒及び新ジャンルは、市場の競争激化やRTDへの需要のシフト等の影響を受けて苦戦し、ビール類合計の売上数量は前期比92%という結果でした。

一方RTDでは、8月に発売したストロング系の「サッポロチューハイ99.99<フォーナイン>」が年間販売目標の200万ケースを11月末に達成し、「男梅サワー」「愛のスコールホワイトサワー」「キレートレモンサワー」等のコラボRTDの主軸商品も順調に推移したことで、売上は前期を大幅に上回るという明るいニュースもありました。

サッポロを特徴付けるのは、売上の約1/4を占める食品・飲料事業です。2011年にポッカコーポレーションを買収しており、期間商品のポッカレモンやキレートレモンやインスタントスープ事業を展開しています。

サッポロに求められているのは、かつて市場に先駆けて第三のビール「ドラフトワン」をローンチして大ヒットさせたイノベーションや、その新ジャンルに味の良さを常識化した「麦とホップ」を開発したようなイノベーションです。上位3社との競合が激しく簡単ではありませんが、エビスビールなど、クオリティの意味で根強いファンももっているブランドの為、国内酒類事業の反転攻勢を期待するところです。

参考:コカ・コーラボトラージャパンホールディングスと日本コカ・コーラ

コカ・コーラボトラージャパンホールディングスグループは、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社、子会社24社、関連会社2社、持分法非適用関連会社1社により構成されており、清涼飲料事業を主たる業務として行っています。

清涼飲料事業として、コカ・コーラ等の飲料の製造・販売を地域毎のボトラー各社が行う構造です。傘下には自動販売機関連事業の子会社や不動産、保険代理、原料資材の調達、情報システムの構築を担当する子会社を持っています。変わったところでは、ヘルスケア・スキンケア事業を行っているキューサイ(青汁やコラリッチの製造・通販)もコカ・コーラボトラージャパンホールディングスも連結子会社です。

コカ・コーラボトラージャパンホールディングスは、2018年度の決算では売上9273億円を誇る立派な東証一部上場企業です。しかし飲料の開発とマーケティング全般は日本コカ・コーラ株式会社が専門で担当しているため、飲料マーケティングを志向する学生であれば、非常に難易度は上がりますが日本コカ・コーラを志望してみる価値はあります。日本コカ・コーラは実力本位のキャリア採用が基本の外資系企業であることは覚悟してください。そのマーケティングは非常に高度なレベルを要求しますので、業務はハードで、戦略コンサルと思った方が良いかと思います。

日本コカ・コーラ出身で、外資系企業のマーケティングを渡り歩いて、ブランドマネージャーやディレクター、外資や日系企業の経営マネージメントに携わっている人も多く、プロ経営者への登竜門的な存在でもあります。

まとめ

以上駆け足で業界の構造と飲料大手企業の概況を解説しました。大きなトレンドや企業の特徴、課題や今後の方向性は理解できたと思います。

飲料業界は競争が非常に厳しく、成長という視点では国内市場に期待できないため、マーケティングによるイノベーションで新たな市場を創っていくか、海外に活路を求めるしかありません。

競争は厳しいですが、給与面や福利厚生、待遇は恵まれておりチャレンジ精神旺盛で、変化を受け入れ成長したいと思っている学生には「やりがい」のある業種であり、企業です。志望してみたいと思った方は、ぜひ企業毎に深い研究を進めていってください。

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