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【就活の業界研究】鉄道会社の職種の情報、やりがい、向く人、向かない人の分析

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では鉄道業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

鉄道業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 鉄道会社のビジネスモデルを理解しよう
  • 鉄道業界の現状と課題・未来
  • 鉄道会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 鉄道会社に働く人のモチベ―ションは何か
  • 鉄道会社に向く人、向かない人はどういう人か
  • 鉄道業界の構造
  • 主要鉄道会社の概況

この記事では鉄道会社の職種の情報、働く人のモチベーションや「やりがい」、向く人、向かない人はどんな人かを解説していきます。

鉄道会社の職種

鉄道会社の主な職種を挙げておきます。鉄道会社に総合職で入社すると駅勤務からはじまって数年おきにジョブローテーションを重ねて様々な部門の業務を経験していくことになります。

多くの社内人脈を築きながらマネージメントへの階段を上っていくスタイルです

採用区分は各社によって違いはありますが、概ね「事務」「運輸」「車両・機械」「施設」「電気・システム」の5つの系統に分かれており、勤務地は鉄道会社の事業エリア全域となります。

事業エリアが広いJR系の各社は転勤がありますが、事業エリアが限られている私鉄(民鉄)はそのエリアが勤務地となり、基本的に転勤はないです。

事務系職:

事務系以下には一般企業と同様な職種と考えて良いです。経営企画、総務、人事、財務、広報、営業、関連事業等が主なセクションになります。事務系職は数年ごとにジョブローテーションを行い多様な業務の経験、企画から施策の実施を通じて管理職、マネージメントとしての能力を磨いていきます。尚、入社後数か月から数年は駅勤務となり、鉄道事業・サービスの基本を身に付けるのが一般的なキャリアパスです。

 

数か月から数年の駅勤務の後は、実際の鉄道の現場からは離れていく場合が多いですが、現場という意味では駅ビルや百貨店などの関連会社への出向もありますし、乗務員が勤務する運輸所や駅の助役、科長として、更には駅長として現場のマネージメントや教育などにあたることもあります。

事務系総合職は文系の学生を対象としているのが一般的な採用パターンとなります。

「運輸」「車両・機械」「施設」「電気・システム」の4つの技術系統は、各専門分野・技術をベースに施策の企画・立案・実施を遂行します。

 


運輸系統:

鉄道輸送の安全の確保を第一の目的とし、安定性、正確性、快適性、利便性を備えた輸送サービスを提供するために、ハード・ソフトの両面からチームワークで業務を行います。

 

運輸系統は鉄道輸送に関わるさまざまな業務をジョブローテーションによって経験します。駅係員・車掌・運転士として、お客さまの安全を守り、サービスを最前線で提供することからはじまり、運輸系統の計画部門や現業機関を牽引しながらマネージメント能力を磨いていきます。

 

更に将来の輸送体系の構築や中・長期的施策の企画推進、また投資計画策定をはじめとする経営企画、安全対策、人事、広報、営業等の幅広いフィールドで活躍してくのが一般的なキャリアパスです。

運輸系統の総合職は理系の全学科に開かれているのが一般的です。また文系の学生も受け入れている企業もありますので、個別にみていく必要があります。

運転士へのキャリアパス:

大卒の総合職で採用された場合、一般的には上記のように本社で管理職を目指していくのが基本のパターンです。入社後数ヵ月から数年の駅での仕事は現場での仕事になり、この間に鉄道事業の基本をしっかり身に付けます。

 

主な仕事は、窓口での切符販売、改札業務、ホームでの業務となります。駅での業務は夜勤もあるためハードですが、接客を通じて鉄道社員の基本を体得していきます。

鉄道会社によっては、大卒者から運転士へなれる採用区分をつくっている会社があります。どうしても運転士になりたい人は、運転士へのキャリアパスがあるかを調べて下さい。

 

キャリアパスは、上記の駅勤務の後、社内の試験を受けて合格すれば車掌になることができます。車掌で数年間経験を積んだ後、養成所で数か月の訓練を受けた後、動力車操縦者免許の国家資格を取って運転士になることができます。

車両・機械系統:

車両・機械系統の職務は、鉄道車両の開発、設計、整備・メンテナンスから、駅やメンテナンス現場の機械設備、地上設備の開発、設計、管理まで幅広い領域をカバーします。鉄道輸送の安全性、安定性、快適性を支える上で必要不可欠な技術を追求する業務です。

 

キャリアパスとしては車両・機械分野のさまざまな業務を経験した上で、その知識・技術を活かしたマネージメント業務をしていきます。車両、機械、技術開発、投資計画にも関わります。

 

入社後数年間は車両・機械分野で経験を積み、その後は経営企画、営業、総務、人事、広報、安全対策部門へのジョブローテーションを通じて能力を磨きます。

 

専門性が求められる技術職のため、機械工学、航空・宇宙工学、材料工学、電気・電子工学、情報工学、システム工学、物理工学、環境工学など、機械・材料・電気に関連する分野を専攻している学生に門戸が開かれています。

施設系統:

施設系統の職務は、鉄道の安全・安定輸送の確保やサービス向上のため、線路・土木構造物・建築物といったインフラ全般の企画から建設、保守など、広範囲にわたる業務を担っています。

 

施設系統業務について技術的見地から会社に施策を提言し、主に調査・計画、建設工事、保守、技術開発を遂行します。またキャリアパスとして、投資計画策定を含む経営企画業務、関連事業他、総務・人事・広報・安全対策といった幅広いフィールドでのマネージメントへのキャリアパスも開けています。

 

専門性が求められる技術職のため、土木工学、社会基盤工学、都市工学、建設工学、建築学、環境工学など、主に土木、建築に関する分野を専攻されている学生が対象になります。

電気・システム系統:

電気・システム系統の職務は、列車の運行やオフィス業務に必要な電気インフラ設備(電力、信号保安、情報通信、運行管理システムなど)の開発・維持・管理を担います。

 

入社後まずは鉄道事業の最前線からはじまり、その後はさまざまなフィールドでの業務を通じてマネージメント能力を高めていきます。電気・システム系統の業務に軸足を置きつつも、鉄道事業、建設工事、情報システム、技術開発の推進といったフィールドのほか、投資計画策定をはじめとした経営企画、営業、総務、人事、広報、安全対策といったフィールドでも活躍が期待されています。

 

電気電子工学、情報通信工学、メディアネットワーク、システム工学、コンピュータ・メディア工学、物理システム工学、精密工学など、主に電気電子や情報システムに関する分野を専攻されている学生を求めているのが一般的です。

総合職以外にエリアを限定したサポート的な職務での採用区分や、専門分野でエキスパートとしてキャリアを高めていく採用区分をつくっている企業も多いので、自己分析と企業研究によって自分に合った採用区分を選んでいきましょう。

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鉄道会社に勤める「やりがい」とは何か?

鉄道会社は社会インフラ企業でもあることから、カバーする範囲が多く、セクションも取引先も広汎なため、携わる部門によってその「やりがい」や、モチベーションは様々です。ここでは、「鉄道会社に勤める」という最大公約数的に、共通する部分が多いものを以下に箇条書きでまとめます。

  • 地域の人々の生活に必要不可欠なインフラを支え、役立っているという実感が持てる時に、誇りとやりがいを感じます
  • 乗客の安全を守るという事が徹底されており、その使命感がやりがいになってます
  • 単純にお客様から「ありがとう」の言葉をもらったときは嬉しいし、この仕事をしていてよかったと思う
  • 鉄道というインフラを利用して、再開発や駅ビルのプロジェクトに携わることは、自分か関わった仕事とその価値が受け継がれていくことを実感できる
  • 鉄道輸送だけではなく、新しいビジネスの仕組みを創造できる環境にあり、実際に起業する上で学ぶ事が多い点。あきらかにビジネスの実力がついていると実感できる点
  • 何と言っても人々の安全を守っていくという点に責任感とやりがいを感じます
  • 決められたこと、決めたことを着実に遂行していく業務が自分に合っている
  • 公共の役割を考える機会も多く、売上収益や利益だけではなく、人々の暮らしを支え役立っていること自体が「やりがい」に繋がっている
  • 楽ではありませんが、労働に対する報酬という点では恵まれていると感じます
  • ジョブローテーションで色々な部門の仕事が経験できることは、努力すれば自分の幅を広げることができるし、組織が大きいために人を動かすマネージメント・スキルを自然と身に付けることが出来る
  • 組織全体に規律があり自分自身も含め、そのことが全体で人々の日常生活を支え、役立っていると思える点。鉄道会社の働き方を肯定できるし、鉄道会社が自分に合っていると実感できるところ
  • チームワークで仕事を前進させている点と、チームで進めてきた案件が形になり、良い結果を確認できたときは、関わった多くの人々の全員の力を感じることが出来ます。組織が大く、ルーティンだけを淡々とこなしているだけ面白くないという人もいますが、私は少しずつでも関連部門と努力を積み上げていって、最終的に結果を出す鉄道会社の仕事の仕方が好きだし、自分にも合っていると思う
  • 技術開発が実生活の安全性や利便性に実質的に役立っていると実感できる点は、技術者としての「やりがい」に通じます。リアルなビジネスとして輸送技術の最先端を走っていく意欲を持つことが出来る点も魅力です
上記はJRで働く方のコメントが中心にしていますが、鉄道会社に共通の本質的な部分と密接に関連した「やりがい」やモチベーションです。

これらのコメント、内容に共感できた方、ピンときた方は、次に鉄道会社に向く人、向かない人はどういう人かについてもイメージを持っておきましょう。

鉄道会社に向く人、向かない人はどんな人か?

鉄道会社に向く人

鉄道会社の職種で解説したように鉄道会社にも様々な職種があります。細かく言えば職種ごとの適性があるため、最大公約数的に共通する部分のみ抽出して箇条書きにします。

時間管理・自己管理ができる人:

 

鉄道は秒単位で運行スケジュールが組まれており、それが仕事全般にも求められているため、時間にルーズなことは許されない文化があります。時間管理は非常に厳しい職場です。時間やスケジュールを守ること、そのための自己管理をちゃんとできる人は鉄道会社に向いています。駅の勤務の場合は夜勤もあるため、朝に強いことも必要な資質です。

チームワークで仕事をすることが得意な人:

 

鉄道会社は組織も巨大であり、列車を運行するためには非常に多くの部門が関係するシステムで動いています。その中で自分の役割を正確に、着実に行うことが常に求められます。個人プレーは必要ない職場です。チームの一員として頑張れるタイプの人が求められます

責任感が強い人:

 

乗客の安全、安心、人命を預かっている仕事なので、仕事に対する責任感が強い人が多いのも鉄道会社の特徴です

規律を守れる人:

 

安全の確保や時間の厳守にも通じますが、鉄道事業は非常に多くの法令、規制やルールによって運用されています。決められたルールを守る、コンプライアンス意識の高さは必要な資質です。単純な作業の場合でも「いい加減」、「適当でよい」という人には適さない職場です

ストレス耐性があり、冷静・沈着な判断や対応や接客ができる人:

 

駅は接客の場でもあり、お客様対応も丁寧であることが求められます。しかし事故等で列車のスケジュールが大幅に乱れる場合もあり、乗客の怒りを買うことも日常的にあります。

 

鉄道の現場は安全かつスケジュール通りに運行されて当然と思われていますが、それを実現する上でのストレスは溜まります。駅の勤務は夜勤もあるため日常のストレスに耐えて、厳しい状況でも冷静に判断し、対応することが要求される職場です。

コミュニケーション能力:

 

運輸サービス業という側面では、現場の仕事ではコミュニケーション能力が必要です。それ以外でも関係する組織、人も多いため組織で動くという意味でもコミュニケーション能力は重視されます

コツコツ仕事を積み上げられる人:

 

鉄道業務はルーティンの積み上げで成り立っているため、特別な事象が起きない限り起伏が少なく安定しているという特徴もあります。コツコツと着実に仕事を積み上げられる人に向いている業界でもあります

学習意欲や向上心が高い人:

 

一般企業と比較すると、鉄道会社の総合職、専門職のキャリアパスは試験や資格が介在する場合が多いです。またジョブローテーションも多く、新しい仕事を担当しながら管理能力を身に付けていきます。従って仕事をこなしていく上で常に勉強・学習・研修することも多く、向上心が高いことが評価されます

計数に強い人:

 

文科系であっても計数に強いことは必要な資質です。鉄道事業全体が計算によって積み上げられている企業文化であるため、感覚や感性ではなく、数字・データが重視されます。データを論理的に組み上げて提案に結び付けることが求められます

鉄道会社に向かない人

向いていない人は向いている人の逆の資質です。重複になるので箇条書きのみでまとめておきます。

  • 時間管理が苦手な人、スケジュールに対する意識が低い人、自己管理が苦手な人
  • チームワークで仕事をすることが苦手、一人で仕事をしたいタイプ
  • 責任感に欠ける人、安全への意識が希薄な人
  • 規律を守れない人、コンプライアンス意識が低い人
  • ストレス耐性がない人
  • コツコツと着実に積み上げていくような業務が苦手な人
  • 冷静・沈着な判断が出来ず、感情的になってしまう人
  • 接客が苦手な人、人とコミュニケーションをとるのが苦手な人
  • 学習意欲やない人、向上心に欠ける人
  • 計数に弱い人
  • データに基づいた論理的思考が苦手な人
上記はあくまで公約数なので、鉄道会社の社員でも全員が当てはまるとは限りませんし、全部が当てはまるとも限りません。入社後の成長で克服・対応できるケースもあります。しかしここに上げた資質は重要な資質です。一般論として、自己分析の結果と照らすための参考にしてください。

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