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【就活の業界研究】:ガラスメーカー主要各社の現況を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では金属・ガラス・セメント素材業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

金属・ガラス・セメント素材業界の6つのポイントを押さえよう

  • 金属・ガラス・セメント、素材業界の特徴とビジネスモデル
  • 金属・ガラス・セメント、素材業界の現状と課題・未来
  • 金属・ガラス・セメント、素材メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 金属・ガラス・セメント、素材メーカーに働く人のモチベ―ションは何か
  • 金属・ガラス・セメント、素材メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 金属・ガラス・セメント、素材メーカーの上位企業の特徴と業績

この記事では素材業界の中から、ガラス素材メーカーの売上上位企業に絞って、メーカーの現況やその事業を取り巻く状況を、直近の有価証券報告書や中期経営計画を基に概要を解説していきます。

就活生が、自分自身の将来を素材メーカー、そのなかでもガラス素材メーカーに託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

ガラス素材メーカーは建設用板ガラスや自動車用ガラス、スマホ等の電子製品向けが中心ではありますが、大手企業は化学や医薬品等のガラス以外の事業に進出し、多角化しています。業界としては硝子製造業に分類されますが、各社の実態をよく理解しておきましょう。

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ガラス素材メーカー、上位企業の概況

AGC株式会社

2022年12月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 2,035,874
税引前利益(百万円) 58,512
親会社の所有者に帰属する当期純利益/純損失(百万円) -3,152
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円) 116,449
従業員数(人) 57,609
外、平均臨時雇用者数 4,670
連結子会社 225社
持分法適用会社 24社

AGCの会計年度は12月なので、上記の業績は2022年1月1日から12月31日のものです。

25年卒の就活生でAGCを志望する方は、AGCの企業サイトで2023年度の順次発表される四半期ごとの業績動向にも着目していきましょう。

旧社名、旭硝子は日本を代表する素材メーカーの一つで、旧社名の通りガラスメーカーとして幅広く産業用ガラス等の製造を行っています。

2018年社名変更をして、AGC株式会社となり、AGCはガラスセグメントの他に、電子と化学品のセグメントで事業を展開しています。

事業セグメントと主要製品は以下の通りです。

  • ガラス:
    • フロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)、自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等
  • 電子:
    • 液晶用ガラス基板、有機EL用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、ディスプレイ用周辺部材、ソーラー用ガラス、産業用加工ガラス、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、プリント基板材料、照明用製品、理化学用製品等
  • 化学品:
    • 塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、撥水撥油剤、ガス、溶剤、医農薬中間体・原体、バイオテクノロジー関連製品、ヨウ素製品等
  • その他、セラミックス製品、物流、金融サービス

また、2023年度からは、事業セグメントを以下のように再編しています。

旧セグメント→ 新セグメント
セグメント サブセグメント セグメント サブセグメント
ガラス 建築ガラス 建築ガラス アジア
欧米
自動車用ガラス オートモーティブ
電子 ディスプレイ 電子 ディスプレイ
電子部材 電子部材
化学品 クロールアルカリ・ウレタン 化学品 エッセンシャルケミカルズ
フッ素・スペシャリティ パフォーマンスケミカルズ
ライフサイエンス ライフサイエンス

2022年12月期(2022年度)連結業績の概要

2022年12月期(2022年度)におけるAGCの連結業績は、売上高が為替の影響もあり前連結会計年度比(以下、前年度比)3,385億円(19.9%)増の20,359億円となっています。

利益面では、営業利益が全ての事業において原燃材料及び電力の価格が上昇したこと、また液晶用ガラス基板において大幅な需要減少などの影響を受けたことから同222億円(10.8%)減の1,839億円という結果でした。

税引前利益は、ディスプレイ事業、プリント基板材料事業、ロシアにおける建築用・自動車用ガラス事業、欧州自動車用ガラス事業(ロシアを除く)に係る減損損失が発生したことから同1,515億円(72.1%)減の585億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、同1,270億円減の32億円の損失(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期純利益1,238億円)という結果でした。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2022年12月期連結決算セグメント状況

AGCはテレビコマーシャルで訴求しているように「素材の会社」であると理解しましょう。ガラスはコア事業ですが、利益では化学品の貢献が大きいというのが現状です。

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント営業利益・営業損失(百万円) 利益構成比
建築ガラス 482,714 23.7% 32,716 17.8%
オートモーティブ 417,639 20.5% -9,822 -5.3%
電子 304,918 15.0% 14,677 8.0%
化学品 655,013 32.2% 126,085 68.5%
ライフサイエンス 138,146 6.8% 16,862 9.2%
セラミックス・その他 37,442 1.8% 3,678 2.0%
合計 2,035,874 100.0% 184,197 100.0%
調整額 -255
連結合計 2,035,874 100.0% 183,942

中期経営計画

AGCでは、グループの全ての事業活動、社会活動を貫く企業理念として、グループビジョン“Look Beyond” 及び、新しい経営方針である「AGC plus 2.0」を発表しています。

AGCグループの企業理念:

使命:“AGC、いつも世界の大事な一部”~独自の素材・ソリューションで、いつもどこかで世界中の人々の暮らしを支えます~

価値観:

  • 「イノベーション&オペレーショナル・エクセレンス(革新と卓越)」
  • 「ダイバーシティ(多様性)」
  • 「エンバイロンメント(環境)」
  • 「インテグリティ(誠実)」

スピリット:

  • 「易きになじまず難きにつく」

AGC plus 2.0の中では、2030年の「ありたい姿」を次のように示しています。

ありたい姿:

  • 独自の素材・ソリューションの提供を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに、継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーでありたい

ありたい姿の実現のために、「コア事業」と「戦略事業」を両輪として、最適な事業ポートフォリオへの転換を図る方針です。

コア事業は、建築用ガラス、自動車用ガラス、基礎化学品、フッ素化学品、ディスプレイ、セラミックで、長期安定的な収益基盤の構築を目指し、戦略事業をモビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスとして高付加価値ビジネスの拡大による高収益事業の確立を長期戦略としています。

現在は2021年から2023年までの3年間を対象とする中期経営計画、「AGC plus-2023」を基に事業を展開しています。

AGC plus-2023の主要戦略

全社戦略:

コア事業と戦略事業を両輪として、最適な事業ポートフォリオへの転換を図り、継続的に経済価値・社会的価値を創出

  • 両利き経営の追求
    • コア事業*:各競争力を高め、強固で長期安定的な収益基盤を構築
      • *建築用ガラス、自動車用ガラス、ディスプレイ、クロールアルカリ・ウレタン、フッ素・スペシャリティ、セラミックス
    • 戦略事業:高成長分野において、自社の強みを活かし、将来の柱となる高収益事業を創出・拡大
      • エレクトロニクス、ライフサイエンス、モビリティ
  • サステナビリティ経営の推進
  • 人財の取り組み
  • オープンイノベーションを加速

コア事業の中の建設ガラス、オートモーティブ(自動車用ガラス)事業については、以下を主要課題としてあげています。

  • 業界再編を見据え構造改革を実施
  • 投資を最小化、生産集約などにより資産効率を高める
  • 生産性改善とコスト削減を着実に進め、収益を改善、キャッシュ創出力を強化

現在は、市況変動に強い体質づくりの継続と、積極的な価格政策の実行、生産効率の改善を継続して事業を展開しています

尚、 AGCでは当初AGC plus-2023で定めた2023年度に達成すべき財務目標の多くを、2021年度に前倒しで達成したことから、目標数値を大幅に上方修正しています。

AGCに興味を持った方は、素材の会社に変貌している現状と、長期ビジョンや中期経営計画を研究、理解して自己のビジョンや志望動機を磨いていくことをお勧めします。

(参考情報):建築用ガラス事業は、国内建築用ガラス市場の縮小に対応するため、セントラル硝子と事業統合の検討をしていましたが、2021年1月に国内建設用ガラスの事業統合を中止したことを発表しています。

日本板硝子株式会社

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 763,521
税引前利益・又は損失 (百万円) -21,933
親会社の所有者に帰属する当期利益/損失(百万円) -33,761
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) -58,297
従業員数(人) 24,880
外、平均臨時雇用者数 2,508
連結子会社 184社
持分法適用関連会社 20社

日本板硝子及びグループ企業は建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業及び高機能ガラス事業を主として展開しています。

具体的な事業セグメントと主な製品は以下の通りです。

  • 建築用ガラス事業:
    • 建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売、他、太陽電池パネル用ガラス事業(売上比率:48%)
  • 自動車用ガラス事業:
    • 新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売(売上比率:47%)
  • 高性能ガラス事業:
    • ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター向けレンズ及び光ガイドの製造・販売、並びに電池用セパレーターやエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売等(売上比率:5%)
  • その他:
    • 全前述の各セグメントに含まれない小規模な事業及びピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費、社費用、連結調整が含まれています

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

日本板硝子の2023年3月期におけるグループ連結業績は、売上高が建築用ガラス事業及び自動車用ガラス事業の増収により前年度比27%増の7,635億円(前連結会計年度は6,006億円)となっています。為替の影響を除くと売上高は前年度比21%増という結果でした。

損益面では、個別開示項目*前営業利益は348億円(前連結会計年度は200億円)、税引前損失は-219億円 (前連結会計年度は119億円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は、多額の個別開示項目費用*を計上した結果、-338億円(前連結会計年度は41億円の利益)となり、

*尚、個別開示項目とは、リストラ費用や減損損失などの非経常的な項目のことで、日本板硝子の2022年度の決算では、個別開示項目費用として主に2006年のピルキントン社買収により生じた欧州の自動車用ガラス事業に係るのれん及び無形資産の残存価額全額の減損処理(48,776百万円)が影響したものです。

2023年3月期(2022年度)のセグメント別業績は以下の通りです。

2023年3月期連結決算セグメント状況

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益
(百万円)
利益構成比
建築用ガラス事業 365,947 47.9% 33,557 96.4%
自動車用ガラス事業 354,693 46.5% 4,052 11.6%
高機能ガラス事業 38,754 5.1% 8,733 25.1%
その他 4,127 0.5% -11,530 -33.1%
合計 763,521 100.0% 34,812 100.0%
調整額
計上額 763,521 34,812

中期経営計画

日本板硝子では固定費が高く、市況変動に左右されやすい事業構造をより一層変革するために、抜本的な構造変革の必要性を認識し、2022年3月期から2024年3月期までの期間を、持続的な成長を目指せる事業体質を構築する3年間と定め、新たな中期経営計画である「リバイバル計画24(PR24)」を策定し、事業を展開しています。

リバイバル計画24(PR24)では、以下の「3つの改革」と「2つの重点施策」を断行し、持続的成長が果たせる強い事業体質を構築する方針です。

3つの改革:

  • コスト構造改革:
    • 本質的なコスト構造改革(人員削減、固定費削減、購買コスト削減等)の取り組み、一層のコスト低減を図る
  • 事業構造改革:
    • 高付加価値事業の拡大、新規成長分野の育成、投資・資産効率の重視により、成長を重視したメリハリのある事業構造への変革を図る
  • 企業風土改革:
    • 「顧客重視」、「迅速な意思決定とアクション」、「困難な課題の克服」を重視し、常に変革に挑戦し、やり抜き結果を出す企業グループへの変革を図る

2つの重点施策:

  • 財務基盤の回復:
    • 成長投資は戦略上の中核事業に絞り、優先順位をつけて実施
    • 徹底的なコスト見直しと生産性向上により、持続的利益とフリー・キャッシュ・フローを創出できる事業体質を構築
    • フリー・キャッシュ・フローと純利益の積み増しによる自己資本の改善、中長期的視点での財務基盤の強化を機動的に検討
  • 高収益事業へのポートフォリオ転換:
    • 戦略上の非中核事業は大胆な縮小・撤退を検討
    • 投資・資産効率を重視し、限られた経営資源を成長・高付加価値分野に集中
    • 事業の高収益化とマネジメントコストの圧縮により、持続的成長基盤を構築

上記に加え、具体的な財務目標とサステナビリティへの取り組みが骨子の計画となっています。

日本板硝子では、新規事業の育成・新しい顧客価値創造の取り組みをさらに加速していくためのビジネス・イノベーション・センターを立ち上げ、ライフサイエンスやIndustry 4.0といった有望分野における新規事業の開発も加速させています。

環境への貢献(太陽電池パネル用ガラス、ZEB/ZEH等の省エネルギーガラスなど)、健康への貢献 (PCR検査機や抗菌ガラスなど)、テレワークなど通信需要拡大への貢献(光通信デバイスなど)といった製品分野は、日本板硝子が強い分野であり注目すべき領域です。

就活で日本板硝子を志望する皆さんは、事業の現状を理解するとともに、成長分野や企業の中長期の戦略や現在具体的に取り組んでいる成長への施策を把握して、自分自身のビジョンや志望動機の作成等に役立てていきましょう。

セントラル硝子株式会社

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 169,309
経常利益 (百万円) 19,637
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 42,494
包括利益(百万円) 35,839
従業員数(人) 3,350
外、平均臨時雇用者数 437
子会社 30社
関連会社 14社

セントラル硝子及びグループ会社の行っている事業セグメントは、ガラス事業と化成品事業の二つに分かれています。主要な製品は以下の通りです。

  • ガラス事業:
    • 建築用ガラス、自動車用ガラス、ガラス繊維の製造・販売
  • 化成品事業:
    •  素材化学品、医療化学品、電子材料、エネルギー材料、肥料の製造・販売

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

セントラル硝子の2023年3月期におけるグループ連結業績は、売上高が169,309百万円と、前期比17.9%の減少という結果でした。この減収は、2022年5月7日に株式譲渡を完了した欧米自動車ガラス事業会社2社が、第1四半期連結会計期間の期首より連結対象から除外となったことが影響したものです。

損益面の業績については、経営全般にわたる業務の効率化・合理化施策を推進し、加えて為替が円安に推移した影響もあり、経常利益は前期比7,700百万円増加の19,637百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比82,338百万円改善の42,494百万円となっています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2023年3月期連結決算セグメント状況

事業名 外部顧客売上(百万円) 売上構成比 セグメント利益
(百万円)
利益構成比
ガラス事業 54,684 32.3% 2,662 15.9%
化成品事業 114,625 67.7% 14,095 84.1%
合計 169,309 100.0% 16,757 100.0%
調整額
計上額 169,309 16,757

中期経営計画

国内建築用ガラス事業は、新設住宅着工数の減少や複層ガラスの普及に伴う需要構造の変化を受け、合理化や流通形態の変革が継続的に行われてきたものの、厳しい経営環境が続いています。

更に少子高齢化等により、今後更に需要の減退が見込まれる中で、産業全体としても改革が必要となっています。

セントラル硝子では保有する独創的な技術を通じて、成長分野である高機能・高付加価値製品分野への経営資源の重点的な投入 し、中長期的な視点から企業価値を増大させていく戦略をとっています。

また、環境対応・省エネルギー化の推進や、グローバルな事業展開による収益力の向上に注力し、安定した財務体質のもと企業価値を増大させる方針です。

現在は、2022年度から2024年度までの3年間を対象とした中期計画を新たに策定し、事業を展開しています。

中期経営計画(2022年~2024年)の骨子は以下の通りです。

基本方針:

1.事業基盤の強化と独創的な技術を通じて新たな成長へ

  • 成長基調への回帰
    • 伸ばすべき事業へ経営資源を集中、収益事業モデルの確立と成長市場への事業展開を加速
    • 化成品事業は、これまでの投資成果を回収、更なる将来への投資の継続
    • ガラス事業は構造改革を仕上げ、収益事業へ再生
    • その他の事業は収益力を更に高め、フリーキャッシュフローを最大化
  • 将来の成長を担保する研究開発の強化を継続
  • 全従業員が品質意識を高め、ステークホルダーへ安心と信頼を提供

2.健全な財務基盤の維持

  • 株主還元、投資、財務規律のバランスが取れたキャッシュフローの配分

3.地球環境への貢献

  • 温室効果ガス排出量削減
  • 環境負荷低減に貢献する製品、技術の提供

また最終年度である2024年度に達成すべき営業利益や、営業利益率等の財務目標値も設定しています。

尚、セントラル硝子は吸収分割*により国内ガラス事業の会社分割を実施(2023年4月1日)しました。

  • *セントラル硝子株式会社を分割会社、セントラル硝子プロダクツを承継会社として、セントラル硝子の硝子繊維事業および電子材料用硝子事業を除く、建築用硝子および自動車用硝子に係る製造・販売事業に関する権利義務をセントラル硝子プロダクツに承継させる吸収分割
  • セントラル硝子プロダクツは普通株式 9,000 株を新たに発行し、その全てをセントラル硝子にして割り当て交付、セントラル硝子プロダクツはセントラル硝子株式会社の完全子会社の位置づけには変更はありません

セントラル硝子は更なる事業構造改善を推進するとともに、中期経営計画で基本方針としている研究開発及び技術開発の強化と成長分野へ経営資源を重点的に投入することにより、グループ企業力の強化を推進する方針です。

セントラル硝子を志望する就活生の皆さんは、事業の環境や状況は当然のとして、中長期計画での方向性や戦略も把握しておきましょう。

(参考情報):

セントラル硝子は2019年12月9日、AGC株式会社との間で、国内建築用ガラス事業に関する事業統合についての基本合意書を締結して協議を続けてきましたが、結果的に統合対象だった事業の将来の見通しや評価額について、両社の見解が一致しなかったため2021年1月にAGCとの事業統合は中止となっています。

日本電気硝子株式会社

2022年12月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 324,634
経常利益 (百万円) 34,058
親会社株主に帰属する当期純利益又は純損失(百万円) 28,167
包括利益(百万円) 40,733
従業員数(人) 6,349
子会社 25社
関連会社 3社

日本電気硝子株式会社及びグループ企業は、電子・情報の分野におけるガラスをはじめとする特殊ガラス製品及びガラス製造機械類の製造、販売等事業を行っており、事業セグメントも「ガラス事業」の単一セグメントです。

主要製品は「電子・情報」分野と「機能性材料・その他」に分かれており、主要製品は以下の通りです。

  • 電子・情報:
    • 薄型パネルディスプレイ用ガラス、化学強化専用ガラス、光関連ガラス、電子デバイス用ガラスの製造、販売等
  • 機能材料・その他:
    • ガラスファイバ、建築用ガラス、耐熱ガラス、照明用ガラス、医療用ガラス、ガラス製造機械類の製造、販売等

日本電気硝子グループは、世界一の特殊ガラスメーカーを目指し材料設計・溶融・成形・加工といった技術により様々な特性や機能を持つガラス製品を開発・生産し、市場に潤沢に供給することにより、社会のニーズに対応していくことを経営の基本にしています。

展開する市場分野:

  • 自動車 :
    • 軽量化材料、照明、ディスプレイ、自動運転(カメラ・センサ等)、各種電子機器
  • エネルギー :
    • 二次電池、再生可能エネルギーシステム
  • 医療 :
    • 先進医薬容器、先端医療機器・設備
  • 半導体 :
    • 次世代半導体材料(小型高精細・高機能)、半導体製造プロセス
  • ディスプレイ :
    • 高機能ディスプレイ(高精細・薄型軽量・フレキシブル)
  • 情報通信 :
    • 光通信デバイス(次世代高速通信対応)
  • 社会インフラ :
    • 高機能防火設備、高性能構造材料(安全・耐久・軽量)
  • 家電・住設 :
    • 高機能家電・住設材料、多機能壁材

2022年12月期(2022年度)連結業績の概要

日本電気硝子の2022年12月期のグループ連結業績は、売上高3,246億34百万円(前連結会計年度比11.2%増)の増収となっています。

損益面の業績に関しては、営業利益261億84百万円(同20.1%減)、経常利益340億58百万円(同24.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益281億67百万(同0.9%増)という結果でした。

損益面では、原燃料価格や物流費の高騰、円安の進行等によりコストが上昇する中、費用削減や生産性改善等の取り組みを強化し、製品価格の改定や各種サーチャージによるコストの回収に努めましたが、FPD用ガラスを中心とした稼働率低下による原価高が大きく影響したことが営業利益の減益の要因となっています。

世界一の特殊ガラスメーカーを目指して事業を展開しているため、地域別の売上状況を参考までに掲載しておきます。

地域 売上(百万円) 売上構成比
日本 42,920 13.2%
中国 94,038 29.0%
韓国 38,416 11.8%
米国 62,961 19.4%
欧州 51,974 16.0%
その他の地域 34,324 10.6%
合計 324,634 100.0%

中長期計画

日本電気硝子は具体的な経営計画として、新たに2022年度から2026年度の5か年をカバーする新中期経営計画「EGP2026」(Electric Glass Prospects 2026)を策定し、事業を展開しています。

新中期経営計画「EGP2026」の概要

スローガン:

“STRONG GROWTH” ~ 自らが変化し、スピードをあげて、やり遂げよう

基本方針:

企業体質をより強くし、世界一環境に優しいガラスづくりを通して、「世界一の特殊ガラスメーカー」を目指す。

期間:2022年1月1日~2026年12月31日(5か年)

経営目標:

  • 売上高 4,000億円(電子・情報2,100億円、機能材料・その他1,900億円)
  • 営業利益 450億円
  • 営業利益率 11%
  • 目標達成年度 2026年度
  • 各事業分野において、成長に向けた戦略を着実に実行し、目標を達成する

成長に向けての重点施策:

  1. 事業基盤の強化
    • 強固なサプライチェーンの構築
    • 工場の強健化
    • 基礎的研究開発の継続
  2. 機動的な投資
    • マーケットの成長やカスタマーニーズに応じた迅速な投資
    • DXの推進とスマートファクトリーの実現
    • M&Aの積極的な取り組み
  3. 新事業の推進
    • 全固体Naイオン二次電池など新製品の事業化
    • 半導体分野における基板ガラス、カバーガラス、LTCC材料事業の拡大
    • 他社との協業、提携等の積極的な活用
  4. カーボンニュートラルの推進
    • 全プロセスの電化を進め、競争力向上との両立を目指す
    • 再生可能エネルギーへの投資と調達
    • CO2フリーエネルギー(水素等)の技術開発
  5. 人材戦略
    • 高度な知識や技術を持つ人材の採用と育成
    • 多様な人材の登用
    • 働きやすく、働きがいのある職場の整備

上記に加え、財務方針、利益還元方針やカーボンニュートラル推進体制や具体的な取り組みが骨子となっています。

上記は骨子のみですが、就活で日本電気硝子を志望する方は、企業のユニークなポジショニングや今後の成長戦略を企業研究でしっかり把握して、選考に臨みましょう。

まとめ

以上、ガラスメーカーの上位企業の現状をみてきました。凝縮したサマリーですが、ガラス業界における主要企業の多角化した事業内容と規模感、グローバル市場における存在感を感覚的にも理解できたと思います。

またガラス事業も建設用ガラスや自動車用ガラス事業は効率化による収益確保が必須の状況であり、更なる成長には多角化や技術の応用による他事業への展開、転換等が不可欠です。

これらの素材業界に興味や志望意欲を繋ぐことができた方は、志望企業候補のあたりをつけて、詳細な企業研究を進めて下さい。

また上位企業の多くはインターンシップに積極的、且つ重視しています。OB・OG訪問も含めぜひトライして門戸を開いていってください。

特に技術系ではインターンシップへの参加からの特別選考ルートにのることや、リクルーターから高評価を得ることがポイントになる業界なので、企業研究を徹底的に行って早期に具体的なアクションを起こしていきましょう。

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