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【就活の業界研究】通信業界の構造と主要各社の概況を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では通信業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

通信業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 通信業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 通信業界の現状と課題・未来
  • 通信業界にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 通信業界に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 通信業界に向く人、向かない人はどういう人か
  • 通信業界の構造
  • 通信業界、主要各社の概況
 日本のインフラを支え、規模が大きく社会的な影響力も大きい通信業界。この記事では通信業界の構造と通信業界大手企業4社+1社の概況をまとめました。就活生が、通信業界に自分の未来を託したいと思えるか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

通信業界の構造

まず初めに知っておくべきことは、日本の通信事業は1952年に設立された日本電電公社が独占していたという歴史です。

それが民営化されたのが1985年であり、日本電信電話株式会社(NTT)が設立されたのです。発足当時の持ち株比率は大蔵大臣100%であり、民営化されたとは言っても事実上は国有企業でした。

1987年2月9日になって日本電信電話は東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所第一部に上場していますが、それ以降、政府は所有株式を部分的、段階的に市場に放出しています。

現在でも財務大臣が35.59%の株式を保有(2022年3月31日現在)し、また総務省が電波通信行政に関する許認可権限を有していることから分かるように、政府が強い影響力を持っています。

規制緩和も段階的に行われており、それに従ってNTTは事業ごとに分社化を行っており、NTTはNTTデータ(1988年設立)とNTTドコモ*(1992年設立)、1999年設立の地域会社としての東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)、長距離会社としてエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社**(NTTコミュニケーションズ)等々を持つ持ち株会社という構造になっています。

*NTTはNTTドコモの競争力強化・成長並びにNTTグループ全体の成長に向け、2020年12月にNTTドコモを完全子会社化しています(NTTドコモは上場廃止)

**2021年1月1日、NTTドコモはエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社**(NTTコミュニケーションズ、現在は NTTCom)を完全子会社化しています。

具体的な事業はそれぞれの事業会社が行っていますが、基礎研究を手掛ける基礎研究部門は持ち株会社の中に残っています。

持ち株会社であるNTTの事務部門は基本的に、事業会社からの出向というカタチを取っていため、NTTとしての採用は研究部門のみというのが現状です。各事業会社がそれぞれ採用を行っているのです。

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固定電話の地域会社

固定電話事業を受け継いだ東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は、電気通信事業法第7条および同施行規則第14条・第40条により、基礎的電気通信役務(固定電話・公衆電話・緊急通報、いわゆるユニバーサルサービス)を離島を含めた全ての市町村を対象に提供する義務を負っています。

その意味では不採算事業を行う代わりに、規制に守られて独占に近い状態の事業も行っているということになります。

固定電話市場

2020 年度末時点における固定電話の契約数は、東日本では 2,694 万(前年同期比-1.4%)、西日本では 2,591 万(前年同期比-1.7%)となっており、NTT 東西の加入電話の契約数は継続して減少している一方、OABJ-IP 電話*の契約数は緩やかな増加傾向を示しています。

*0ABJ-IP電話:0ABJ番号とは、通話伝送の一部または全部をインターネットを経由して行うIP電話のうち、「03」「06」などで始まる、一般の加入電話に割り当てられる電話番号の形式のまま通話が可能な回線

固定電話の契約数におけるサービスうちわけをみると、0ABJ-IP電話*のシェアは東日本では 68.0%(前年同期比+1.8 ポイント)、西日本では 67.0%(前年同期比+2.1 ポイント)、NTT 東西加入電話が占める割合は東日本では 29.2%(前年同期比-1.6ポイント)、西日本では 30.4%(前年同期比-1.9 ポイント)となっており、NTT 東西加入電話の占める割合は減少を続け、全体の約3割程度という状況です。

尚、2022年3月末時点における固定電話市場の事業者別シェアは、NTT東西が64.5%(前期比-0.6%)、KDDIが22.0%(前期比+0.1%)、ソフトバンクが6.5%(前期比+0.3%)という状況です。

移動体通信市場の概況

2021 年度末時点における移動系通信の契約数は、2 億 241万(前年 同期比+4.3%)、携帯電話の契約数は、2 億 292万(前年同期比+4.4%)という状況となっており、緩やかな増加傾向が続いています。

2021年3月末時点の移動系通信市場におけるグループ別シェアは、NTT ドコモが 36.3%(前年同期比-0.6 ポイント)、KDDI グループが 27.1%(前期比±0 ポイント、前年同期比-0.1 ポイント)、ソフトバンクが 21.1%(前年同期比±0 ポイント)、楽天モバイルが 2.4%(前年同期比+1.0 ポイント)、MVNO が 13.0%*(前年同期比-0.3 ポイント)という状況です。

*IIJ、NNTコム、オプテージ、楽天モバイル(MVNO)、ビッグローブの合計

FTTH市場

NTTの光回線(自社のフレッツ光および光コラボと呼ばれる、NTT回線を使用するインターネット接続サービスの合計)は、2021年度末(2022年3月末)のFTTH(光回線サービス)の契約数は、3,666万件となっています。

2021年度末時点におけるFTTH市場(小売市場)の主な設備設置事業者別シェアは、NTT東日本が35.9%、NTT西日本が27.6%、KDDIグループが11.2%、オプテージ4.2%、その他電力系事業者が4.2%という状況です。

ISP市場の状況

2021年度末時点におけるIPS市場規模(契約者数)は、4,317 万(前年同期比+1.0%)となっています。

事業者別シェアは、KDDI系が30.8%(前年同期比±0 ポイント)、NTT系が23.4%(同-0.9ポイント)、ソフトバンク系が13.2%(同+0.1ポイント)、ベンダー系が12.5%(同±0 ポイント)という状況です。

企業の概況

IoT社会が実現していくと、データ通信量(トラフィック)が大幅に増えていくことが予想され、それを処理していくには無線通信と光ファイバーの両方が必要であり、全国に光ファイバー網を持つNTTは有利な立場に立つという見方もあります。

一方「規制緩和」、「民業圧迫」、「健全な競争が必要」という時代の要請もあるため、政府、NTTグループと、KDDI、ソフトバンク、または新たに参入した楽天の動きは通信業界を目指す方は注目しておくべきでしょう

以下で、企業毎の業績や、中長期の戦略、方向性の概略を解説していきます。

日本電信電話株式会社 (NTT)

2022年3月期連結決算 (2021年度)

営業収益 (百万円) 12,156,447
税引前益(百万円) 1,795,525
当社に帰属する当期利益(百万円) 1,181,083
当社に帰属する当期包括利益(百万円) 1,373,364
従業員数(人) 333,840
外、平均臨時雇用者数 44,343
連結子会社 952 社
関連会社 141社

NTTグループは日本電信電話株式会社、子会社952社および関連会社141(2022年3月31日現在)により構成されており、総合ICT事業、地域通信事業、グローバル・ソリューション事業を主な事業内容としています。

連結営業収益が12兆1564億円になる巨大企業ですが、事業はNTT東西、NTTドコモ、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、エヌ・ティ・ティデータなど、傘下の巨大な子会社・孫会社群が展開し、採用もそれぞれの子会社が行っているため、就活ではそれぞれの企業のパフォーマンスや経営方針を詳しくみていくことをお勧めします。

事業セグメントと主たる連結子会社の関係は以下の通りです。

主な事業内容 主な連結子会社
総合ICT事業
携帯電話事業、国内電気通信事業における県間通信サービス、国際通信事業、ソリューション事業、システム開発事業及びそれに関連する事業 株式会社NTTドコモ、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社、株式会社NTTぷらら 他101社

地域通信事業

国内電気通信事業における県内通信サービスの提供及びそれに附帯する事業 東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社 他53社

グローバル・ソリューション事業

システムインテグレーション、ネットワークシステム、クラウド、グローバルデータセンター及びそれに関連する事業 NTT株式会社、NTT Ltd.、Dimension Data Holdings、NTTセキュリティ株式会社、NTT America、NTT EUROPE、NTT Global Data Centers EMEA、NTT Cloud Communications International Holdings、NTT Global Data Centers Americas、NTT Global Networks、NETMAGIC SOLUTIONS、NTT Global Data Centers EMEA UK、NTT ManagedServices Americas Intermediate Holdings、Transatel、NTT Security AppSec Solutions、Symmetry Holding、Spectrum Holdings、NTT America Holdings II、Dimension Data Commerce Centre 、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、NTT DATA、NTT DATA Services、NTT DATA Europe & Latam、NTT Data International 他635社

その他

不動産事業、エネルギー事業等 NTTアーバンソリューションズ株式会社、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社、株式会社NTTファシリティーズ、NTTアノードエナジー株式会社、NTTファイナンス株式会社、エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社他127社

2022年3月期(2021年度)連結決算の概要

日本電信電話株式会社の2022年3月期における連結業績は、営業収益が前期比1.8%増加し、12兆1,564億円とう結果でした。

この増収は、国内外ともに旺盛なデジタル化需要を取り込んだことによるシステムインテグレーション収入や総合ICT事業におけるスマートライフ領域の拡大によるその他の営業収入の増加等が貢献したものです。

尚、NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しているので、その分野別の営業収益をまとめておきます。

  • 固定音声関連収入:
    • 固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送等、地域通信事業セグメントと総合ICT事業セグメントの一部が含まれる
    • 固定音声関連収入:前期比0%減少し、9,161億円(営業収益の7.5%に相当)
  • 移動音声関連収入:
    • 移動音声関連サービスには、5GやLTE(Xi)等における音声通話サービス等の総合ICT事業セグメントの一部が含まれる
    • 移動音声関連収入:前期比2%減少し、1兆1,025億円(営業収益の9.1%に相当)
  • IP系・パケット通信収入:
    • IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」等の地域通信事業セグメントの一部や、5GやLTE(Xi)等におけるパケット通信サービスやArcstar Universal One、IP-VPN、OCN等の総合ICT事業セグメントの一部が含まれる
    • IP系・パケット通信収入:前期比9%減少し、3兆4,448億円(営業収益の28.3%に相当)
  • 通信端末機器販売収入:
    • 通信端末機器販売には、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれる
    • 通信端末機器販売収入:前期比1%増加し、6,947億円(営業収益の5.7%に相当)
  • システムインテグレーション収入:
    • システムインテグレーションには、グローバル・ソリューション事業セグメント、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれる
    • システムインテグレーション収入:前期比1%増加し、3兆9,887億円(営業収益の32.8%に相当)
  • その他の営業収入:
    • その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、電力販売、総合ICT事業セグメントにおけるスマートライフ領域等が含まれる
    • その他の収入:前期比7%増加し、2兆96億円(営業収益の16.5%に相当)

また利益面では、営業利益が前期比5.8%増加し、1兆7,686億円、税引前利益は前期比8.7%増加し、1兆7,955億円、当期利益は11.4%増加し1兆2,560億円、NTTに帰属する当期利益は、前期比28.9%増加し、1兆1,811億円となり、増益を達成しています。

尚、NTTの連結決算上の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客営業収益(百万円) 営業収益構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
総合ICT事業 5,581,895 45.9% 1,072,544 59.7%
地域通信事業 2,498,908 20.6% 440,013 24.5%
グローバル・ソリューション事業 3,415,856 28.1% 210,507 11.7%
その他(不動産、エネルギー等) 659,788 5.4% 72,505 4.0%
合計 12,156,447 100.0% 1,795,569 100.0%
調整額 -26,976
計上額 12,156,447 1,768,593

NTTグループの事業戦略

NTTグループ全体としては2018年11月に「Your Value Partner 2025」という中期経営戦略を発表して事業を展開してきました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大等により、リモート・分散型社会が拡大し、デジタル化やデジタルトランスフォーメーションが進展する一方で、世界の分断が加速しており監視社会等のデジタル化の負の側面の課題も大きくなっています。

また経済安全保障の重要性の増大や世界規模での自然災害の巨大化等の大きな環境変化に対応するために、2018年11月に発表したNTTグループ中期経営戦略を見直し、2021年10月にNTTグループの変革の方向性を新たに策定し、発表しています。

その戦略の柱は以下のような構造になっています。

社会・経済の方向性 NTTグループの方向性
With/Afterコロナ社会へ 分散型ネットワーク社会に対応した新たな経営スタイル
デジタル化/DXの推進 国内/グローバル事業の強化
Well-being社会の実現 ESGへの取り組みによる企業価値の向上

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新たな戦略の枠組み

新たな経営スタイルへの変革 リモートワークを基本とする新しいスタイル
国内/グローバル事業の強化 新生ドコモグループの成長・強化

IOWN*開発・導入計画の推進

グローバル事業の競争力強化

B2B2X**モデル推進

新規事業の強化

企業価値の向上 新たな環境エネルギービジョン

災害対策の取り組み

株主還元の充実

  • *IOWN (アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)の略:光信号と電気信号を融合する光電融合技術の研究開発による、革新的なネットワーク
    • IOWNは主に、光技術を適用するオールフォトニクス・ネットワーク(APN)、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とするデジタルツインコンピューティング(DTC)、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備するコグニティブ・ファウンデーション(CF)の3つで構成
  • **B2B2XとはNTTグループが掲げる事業モデルであり、はじめのBはNTTグループ、2番目のBはグループの法人顧客、Xは消費者や法人のエンドユーザーまでのリーチを事業化するというモデル

情報通信市場では、新たなプレイヤーを含めた熾烈な競争も進むなか、モバイル通信技術・仮想化・AI等の最新技術を活用した新たなサービスが発展し、デジタルトランスフォーメーションを通じたスマートな社会が実現していくと見込まれています。

また、その先にはIOWANの実現や宇宙統合コンピューティング・ネットワークの構築等、高度化した未来社会へと繋がっていきます。

上記は概要だけですが、NTTグループ各社への就職を目指す方は、この戦略の方向性を理解した上で、各社ごとの事業戦略を理解していきましょう。

BtoCビジネスではなく、BtoB中心のビジネスからエンドユーザーや様々なプレイヤーを結ぶビジネスに転換していこうという点はとても重要です。

新たな事業を創っていくという姿勢で就活も進めてみてください。

NTTドコモを完全子会社化

2020年9月には、NTTとNTTドコモは、NTTがドコモを完全子会社化するためにTOB(株式公開買付)を実施すると発表し、2020年12月には完全子会社化を完了しました。

NTTグループを再編し、NTTコミュニケーションズとNTTコムウェアを、NTTドコモの子会社としています。

NTTドコモとNTTコミュニケーションズやNTTコムウェアの機能統合を進めシナジー効果を生むとともに、新ドコモグループによる新たな中期戦略の取り組みを発表しています。

中期戦略として掲げる7つの取組み(法人事業の拡大、スマートライフ事業の拡大、通信事業の強化、国際事業の強化、ITの強化、R&Dの強化、ESGの推進)を通じて、更なる成長を目指し、事業を展開しています。

NTTやNTTドコモ、またNTTグループ各社への就活を目指す皆さんは、この完全子会社化の狙いや意味、グループ再編の理由や今後の動向にも注目をしていきましょう。

選考の段階では常に最新の情報にアップデートして臨むことが不可欠になるので注意して臨んで下さい。

株式会社NTTドコモ

2022年3月期連結決算 (2021年度)

旧ドコモグループ*の連結財務諸表より作成

*以下の表は、NTTコミュニケーションズ株式会社及びその子会社並びにNTTコムウェア株式会社及びその子会社を連結上の子会社ではないものとみなした参考情報

営業収益(百万円) 4,713,808 前年比-0.2%
営業利益(百万円) 927,944 前年比+1.6%
税引前当期利益 930,859 前年比+1.7%
当社株主に帰属する当期利益(百万円) 648,042 前年比+3.0%
従業員数(人):グループ 46,506
従業員数(人):単体 8,847
グループ会社 13社

NTTドコモは2020年12月に日本電信電話会社(NTT)完全子会社(非上場会社)になったため、2020年度通期(2021年3月期)以降の有価証券報告書は発行されていません。

上記及び以下の決算に関するデータはNTTドコモのIR資料、決算発表プレゼンテーション、公表されている連結財務諸表に基づいています。

NTTドコモ(旧ドコモグループ)の2022年3月期における連結業績は、営業収益が4兆7,138億円(前年同期比114億円減、-0.24%)となり、減収という結果でした。

利益面では、営業利益が9,279億円(前年同期比147億円増、+1.6%)、株主に帰属する当期利益は、6,480億円(同190億円増、+3.0%)の増益を達成しています。

ちなみに、NTTコミュニケーションズ株式会社及びその子会社並びにNTTコムウェア株式会社及びその子会社を加えた連結業績の概要は以下の通りです。

営業収益(百万円) 5,870,200 前年比-0.2%
営業利益(百万円) 1,072,500 前年比+1.2%
当社株主に帰属する当期利益(百万円) 752,100 前年比+0.3%

新しいNTTドコモグループは、事業セグメントを、以下のように法人事業、スマートライフ事業、コンシューマ通信事業としています。

  

  • 法人事業:
    • 法人のお客様向けモバイル通信サービス、固定通信サービス、端末機器販売、システムインテグレーションサービス等
  • スマートラーフ事業:
    • 金融決済サービス、マーケティングソリューション、コンテンツ・ライフスタイルサービス、あんしん系サポート
  • コンシューマ通信
    • 個人のお客様向けモバイル通信サービス、固定通信サービス、端末機器販売等

2022年3月期における新たなセグメント別(NTTコミュニケーションズ株式会社及びその子会社並びにNTTコムウェア株式会社及びその子会社を連結)の業績は以下の通りです。

2022年3月期:セグメント別業績(参考情報)

セグメント名 営業収益(百万円) 営業収益構成比 営業利益(百万円) 利益構成比
法人事業 1,719,500 28.1% 251,600 23.5%
スマートライフ事業 960,400 15.7% 197,800 18.4%
コンシューマ事業 3,434,600 56.2% 623,100 58.1%
合計 6,114,500 100.0% 1,072,500 100.0%
調整額 -244,300
計上額 5,870,200 1,072,500

NTTドコモの事業戦略

NTTの完全子会社になり、NTTコミュニケーションズ株式会社、NTTコムウェア株式会社とその子会社を統合した新たな事業セグメントにおける戦略の骨子を以下にまとめます。

成長と事業ポートフォリオの変革

基本方針:総合ICT企業に向け、事業ポートフォリオを変革し、持続的成長を実現

法人事業:

  • モバイル・クラウド・ソリューション等の成長領域を拡大
  • 大企業から中小企業まで、ドコモ・・コミュニケーションズの強みを活かし、モバイル・固定・クラウドを自由に組合わせて利用できるサービスをワンストップで提供
    • 大企業:モバイル・クラウドファーストでの先進ソリューションやパートナーとの共創により、Smart X/BBXビジネスを拡大し、社会・産業のDXに貢献
    • 中小企業:地域のすべての法人のお客さま/自治体へのDX支援強化を通じ、地方創生/分散社会の実現に貢献

 

スマートライフ事業:

  • 金融・決済、マーケティングソリューションの更なる成長
  • でんき、メディカル、XR等の新領域を拡大
  • 会員基盤・データの活用により更なる成長を図る
  • メディカル・XR等新規領域で早期に一気通貫のエコシステムを構築

 

コンシューマ通信事業:

  • 5Gによる新サービス、顧客基盤の拡大で成長軌道へ転換
    • 多様なお客さまニーズに応える料金プランと 生活関連サービスとのクロスセルの推進により顧客基盤を拡大
    • 速さ・広さで他社を上回る5G顧客体験の追求と 経済的かつ信頼性の高いネットワークへの変革
  • 販売チャネル・ネットワークの構造改革により利益を維持・拡大
    • リアルとオンラインが融合したハイブリッドチャネルへ進化

上記の3事業と併せ、NTTコムウエアによるソフトウェア開発と国際事業、R&Dによる新ドコモグループ体制が2022年7月1日よりスタートしています。

上記は概要だけですが、NTTドコモへの就職を目指す方は、これらの事業戦略を深く理解して就活を行う事が必要です。

BtoCビジネスだけではなく、BtoBのビジネスからエンドユーザーや様々なプレーヤーを結ぶビジネスに転換していこうという点はNTT全体の戦略と整合しています。

通信事業での競争が激化し、GAFAなど異業種からのプレイヤーとの競争が加速しているとともに、社会の変化やユーザーニーズの多様化や高度化、複雑化があり、市場環境が大きく変化しています。

5G時代から6G、7Gと進んでいく中で、社会がリモート型に大きく変わっていくため、ドコモ自体がモバイル中心から事業領域を拡大し、ユーザーニーズにトータルで応えられるような変革が必要になってきています。

もはやNTTドコモを携帯、移動体通信会社として理解するのではなく、技術や社会の大きな革新の中で、どのように事業を再編し、成長を継続していくかが問われているのです。

就活でNTTドコモを目指す皆さんは、技術と社会的課題にアンテナを巡らせて、ドコモのビジョンを自分事化して、自分の言葉で語れるように、就活の軸や志望動機を精緻化していきましょう。

KDDI株式会社

2021年3月期連結決算 (2021年度)

売上高 (百万円) 5,446,708
税引前益(百万円) 1,064,497
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 672,486
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) 706,668
従業員数(人) 48,829
外、平均臨時雇用者数 37,180
連結子会社 159社
持分法適用関連会社 38社

KDDIは2020年3月期(2019年度)からは、パーソナル事業、ビジネス事業、その他というシンプルな事業セグメントに再編して事業を展開しています。

現在の事業セグメントと、事業の概要は以下の通りです。

パーソナル事業 日本国内及び海外における、個人顧客向け通信サービス(モバイル、固定通信等)及びライフデザインサービス(コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育等)の提供
ビジネス事業 日本国内及び海外における、法人の顧客向け通信サービス(モバイル、固定通信等)及びICTソリューション・データセンターサービス等の提供
その他 通信設備建設及び保守、情報通信技術の研究及び開発等

主要事業セグメントの具体的な事業内容

パーソナルセグメント:

  • 通信サービス(スマートフォン・携帯電話、FTTH/CATVサービスなど)を中心に、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育・ヘルスケアなどのライフデザインサービスを連携しながら拡充することで、新たな体験価値を提供
  • モバイル通信サービスでは、5Gにも対応した「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドを通じて、市場環境やお客さまニーズに即したさまざまなサービスを機動的に提供
  • ライフデザイン領域では、au PAYやauスマートパスといったお客さま接点を起点に、金融・エネルギー・コマースといったサービスを提供し、お客さま接点の強化とポイント流通によるau経済圏の拡大を目指す
  • 海外においては、国内で培った事業ノウハウを生かし、ミャンマーやモンゴルをはじめとするアジア地域を中心とした個人のお客さま向けに、通信サービス及びライフデザインサービスを提供

ビジネスセグメント:

  • 日本国内及び海外において、幅広い法人のお客さま向けに、スマートフォン等のデバイス、ネットワーク・クラウド等の多様なソリューションに加え、「TELEHOUSE」ブランドでのデータセンターサービス等を提供
  • 5GやIoTなどの技術を活用し、グローバル規模でお客さまのビジネスの発展・拡大に貢献するソリューションを、パートナー企業との連携によってワンストップで提供することで、お客さまのDXを共創
  • また、日本国内の中小企業のお客さまについては、連結子会社のKDDIまとめてオフィスグループによる地域に密着したサポート体制を全国規模で実現

KDDIのパーソナル事業では、スマートフォン・タブレットの普及やIoTに対する取り組みの強化、様々なデバイ スの連携による新たな体験価値の創造等への取り組みを本格的に推進し、「au顧客数(ID)×エンゲージメント*ARPA*」の最大化による国内通信事業の持続的成長に引き続き注力している状況です。

*ARPA: Average Revenue per Accountの略でモバイル契約者(プリペイド/MVNO除く)1人当たりの月間売上高

またauブランドに加え、UQコミュニケーションズ株式会社、 株式会社ジュピターテレコム、ビッグローブ株式会社においてMVNO事業を推進しており、「モバイ ルID数」の拡大にも積極的に取り組んでいます。

法人ビジネスにおいては、「通信とライフデザインの融合」を目指し、従来の通信サービスに加え、コマース・ 金融・エネルギー・エンターテインメント・教育等のライフデザインサービスを拡充しています。

2022年3月期(2021年度)連結業績の概要

KDDIの2022年3月期(2021年度)における連結業績は、売上高が前期と比較し、端末販売収入やエネルギー事業収入の増加等により134,108百万円増加(2.5%増)して、5,446,708百万円という結果となっています。

利益面では、営業利益が前期と比較し、売上高の増加等により、1,060,592百万円(2.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、672,486百万円(3.2%増)となり、増収増益の決算となっています。

事業セグメント別の業績は以下の通りです。

2022年3月期:セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
パーソナル事業 4,597,313 84.4% 865,476 81.5%
ビジネス事業 828,038 15.2% 186,049 17.5%
その他 21,357 0.4% 10,229 1.0%
合計 5,446,708 100.0% 1,061,754 100.0%
調整額 -1,162
計上額 5,446,708 1,060,592

KDDIの事業戦略

通信業界を取り巻く事業環境は、大変革期にあり、5G/IoT、AI・ビッグデータ等の急速な技術革新による、産業や生活のあらゆる領域でのデジタル化、DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しています。

通信業界では、新規通信事業者の参入や競争の促進によって、サービス・料金プランが多様化するとともに、通信・インターネット技術、データの活用等のデジタルシフトによって産業の垣根を超えた競争や融合が起こっています。

更に、新型コロナウイルスの蔓延により、新しい生活様式での通信の活用・重要性が更に高まっています。

KDDIは、この様な事業環境に対処すべく、現在は2022年度から2024年度(2025/3/31まで)をカバーした、中期経営計画を基に事業を展開しています。

「中期経営戦略(2022-24年度)」の骨子は以下の通りです。

中期経営計画(2022-24年度):

企業理念:

KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。

ブランドメッセージ:Tomorrow, Together KDDI / おもしろいほうの未来へ。au

目指す姿:

  1. お客さまに一番身近に感じてもらえる会社
  2. ワクワクを提案し続ける会社
  3. 社会の持続的な成長に貢献する会社

KDDI VISION 2030:

「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。

事業戦略:サテライトグロース戦略

5Gによる通信事業の進化と、通信を核とした注力領域の事業拡大を図る

5つの注力領域

  1. DX(デジタルトランスフォーメーション)
    • 通信をIoTという形であらゆるもの(車、工業設備、各種メーターなど)に溶け込ませ、お客さまが意識することなく5Gを活用できる環境を整備
    • さまざまな業界ごとの個別ニーズに応じたビジネスプラットフォームを提供し、お客さまのビジネス創造をサポート
    • 新たに生まれた付加価値により、人々の暮らしがトランスフォームされていくDXの好循環を目指す
  1. 金融
    • 金融クロスユースの拡大を推進し、通信と金融によるエンゲージメント向上へ寄与
    • 金融各機能のさらなるスケール化を推進し、KDDIグループの金融各社の成長を実現
  1. エネルギー
    • 電力小売事業を引き続き強化するとともに、カーボンニュートラル関連事業の新規参入を図り、カーボンニュートラルへ貢献
  1. LX (ライフトランスフォーメーション)
    • KDDIのテクノロジー戦略である「ライフトランスフォーメーション テクノロジー(LXテクノロジー)」により、モビリティ・宇宙・メタバースなど、多様化が進む消費・体験行動に革新を起こす新たなビジネスの創出を実現
  1. 地域共創 -CATV等-
    • 過疎化・高齢化などによる地域社会が抱える課題に向き合い、デジタルデバイド解消・地域共創を実現
    • 全国の地域CATV局や地域を支える企業に対する経営支援により地域共創の取り組みを推進

また経営基盤強化として、社会と企業の持続的な成長に貢献するため、特に以下の3つの経営基盤を強化する計画です。

  1. カーボンニュートラルの実現
  2. 人財ファースト企業への変革
    • 「KDDI版ジョブ型人事制度」・「社内DXの推進」・「KDDI 新働き方宣言の実現」の3つの柱で進めるとともに、「KDDI DX University」の活用による全社員のDXスキル向上とプロフェッショナル人財の育成により、注力領域への要員シフトを実行
  1. グループ一体経営の推進とガバナンスの強化

上記は骨子のみですが、KDDIを志望する就活生の皆さんは、中長期の事業戦略と自分の志望動機をマッチングできるように深い企業研究を行っていきましょう。

特に事業戦略は通信各社の特徴に差が出る部分なので競合企業の戦略と比較しながら、自分の言葉でビジョンや就活の軸、志望動機を語れるように活用してください。 

ソフトバンク株式会社

2022年3月期連結決算 (2021年度)

売上高 (百万円) 5,690,606
営業利益(百万円) 985,746
税引前利益(百万円) 880,363
親会社の所有者に帰属する純利益(百万円) 517,517
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円) 526,204
従業員数(人) 49,581
外、平均臨時雇用者数 21,096
子会社 245社
関連会社/共同支配企業 74社

ソフトバンクグループは主な事業として、コンシューマ事業、法人事業、流通事業、ヤフー・LINE事業、その他の事業に分けて事業を展開しています。その事業の概要は以下のようになっています。

コンシューマ事業 :

主として、日本国内での個人顧客に対し、モバイルサービス、ブロー ドバンドサービス等の通信サービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売。

モバイルサービスは以下の3ブランドを展開しています。

  • 「SoftBank」ブランド : 最新のスマートフォンや携帯端末、大容量データプランを求めるスマートフォンヘビーユーザー向け高付加価値ブランド
  • 「Y!mobile」ブランド : 低価格かつ安心のサービスを特徴とするブランド/ライトユーザーや月々の通信料を抑えることを重視する顧客へ、スマートフォン、Pocket Wi-Fi等を提供するブランド
  • 「LINEMO」ブランド: コミュニケーションアプリ「LINE」等の主要SNSの使い放題プランを提供するほか、全ての手続きをオンライン上で完了できるオンライン専用ブランド

ブロードバンドサービス :

  • ブロードバンドサービスでは、主として、個人顧客に対し高速・大容量通信回線サービスの「SoftBank 光」、「フレッツ光」とセットで提供するISPサービスを展開
  • 「Yahoo! BB 光 with フレッツ」、ADSL回線サービスとISPを統合した「Yahoo! BB ADSL」の他、ブローバンドサービスと移動通信サービスの通信料金を割り引くサービスも実施

電力サービス:

  • 主に個人向けの電力供給サービスの提供。(「おうちでんき」、「自然でんき」等)

法人事業 :

  • 法人顧客に対しモバイル回線提供や携帯端末レンタル等のモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定電話サービス、データセンターサービス、クラウドサービス、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等の多岐にわたる法人向けソリューション、サービスを提供

流通事業 :

  • 流通事業は、ソフトウエアの卸販売というソフトバンクグループの創業事業を受け継ぐ事業であり、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供
    • 法人顧客には、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用し商材を提供
    • 個人顧客には、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供

ヤフー・LINE事業:

  • メディア、コマース、決済金融を中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供
    • メディア領域:インターネット上や「LINE」での広告関連サービスの提供
    • コマース領域:「Yahoo!ショッピング」、「PayPayモール」、「ZOZOTOWN」などのeコマースサービスや「ヤフオク!」などのリユースサービス
    • 戦略領域:メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechを中心とした決済、金融サービスの提供

その他の事業 :

  • 決済代行サービス、スマートフォン専業証券、クラウドサービス、セキュリティ運用監視サービス、IoTソリューションの提供、デジタルメディア・デジタルコンテンツの企画・制作、パソコン用ソフトウエアのダウンロードライセンス販売・広告販売、Solar HAPS(注11)およびネットワーク機器の研究開発・製造・運用・管理・事業企画、IoTおよびLinux/OSS、認証・セキュリティサービスなど
  • 最先端の技術革新をビジネスチャンスとして常に追求し、FinTech、IoT、クラウドなどの分野に積極的に投資を行い、事業を展開

2022年3月期(2021年度)連結業績の概要

ソフトバンクグループの2022年3月期における連結業績は、売上高が前期比4,851億円(9.3%)増の56,906億円という結果でした。

ヤフー・LINE事業はLINE(株)の子会社化に伴う増加などにより3,616億円、コンシューマ事業は通信料の値下げによる平均単価の減少が影響したものの、でんきや物販等売上の増加などにより1,123億円、法人事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより241億円、それぞれ増収となっています。

流通事業は、サブスクリプションサービスが堅調に増加しているものの、前期における行政の大型プロジェクト向けの売上高が剥落したことにより307億円の減収となっています。

利益面の概要は以下の通りです。

  • 営業利益:前期比150億円(1.5%)増の9,857億円
  • 純利益:前期比362億円(6.6%)増の5,840億円
  • 親会社の所有者に帰属する純利益:前期比262億円(5.3%)増の5,175億円

2022年3月期におけるセグメント別業績概要は以下の通りです。

2022年3月期:セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
コンシューマ事業 2,874,931 50.5% 639,467 64.6%
法人事業 702,165 12.3% 128,454 13.0%
流通事業 448,232 7.9% 22,898 2.3%
ヤフー・LINE事業 1,538,506 27.0% 189,504 19.2%
その他事業 126,772 2.2% 8,858 0.9%
合計 5,690,606 100.0% 989,181 100.0%
調整額 -3,435
計上額 5,690,606 985,746

ソフトバンクの事業戦略

ソフトバンクは単なる通信事業者から脱却し、「Beyond Carrier」への転換を急いでいます。

これは中長期的に持続的な成長を実現させるために描いた戦略で、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的に事業を展開することで、企業価値の最大化を目指すものです。

通信事業では、多様化するニーズに合わせた複数ブランド展開により、スマートフォンやブロードバンドの契約数の拡大を図るとともに、5Gサービスの普及に取り組も方針です。

具体的には以下の戦略を骨子として事業を展開しています。

通信事業のさらなる成長:

  • スマートフォン契約数の拡大
    • 特長の異なる3つのモバイルブランドを展開することで、大容量ユーザーから節約志向まで、幅広いユーザーのニーズに応える
    • 「Yahoo!」の各種サービスや国内最大のメッセージサービス「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」といった、グループが提供するさまざまなサービスとの連携を強化
    • 5Gを活用したVR・クラウドゲーミングなどのコンテンツを積極的に展開することで、他社にはない新たな魅力を提供し、契約数の着実な拡大を図る
  • ブロードバンド契約数の拡大
    • 「SoftBank 光」を中心とする家庭向け高速インターネットサービスの販売拡大に注力
  • 法人向けソリューションビジネスの拡大
    • 急速に拡大する企業のデジタル化ニーズに最適なICTソリューションの販売に注力
    • 社員のリスキルや積極的な採用活動を通じてデジタル人材を確保し、企業の抱える課題を解決する高付加価値なソリューションの提案
    • IoTやAI、クラウド、ロボットなどの最先端テクノロジーの知見を駆使し、社会に新しい価値を生み出す
  • 5Gの展開
    • 2022年3月には人口カバー率90%超を目指す計画を達成
    • 今後も5Gのさらなる高度化とエリア拡大に注力
    • 設備投資については、全に20万カ所以上ある既存の基地局サイトを最大限に活用し、4G周波数帯の5Gへの転用や他社との協業、通信設備の効率化などのさまざまな工夫を行うことで、コスト効率化を図る

通信以外の領域では、連結子会社であるヤフー(株)やLINE(株)を中心に、eコマースやインターネットメディア、SNS・コミュニケーションなどのサービスを拡大し、急成長を遂げるキャッシュレス決済サービス「PayPay」を筆頭に、AI・IoT・FinTech、ヘルスケアなどの領域で、最先端テクノロジーを用いた新規ビジネスやソリューションビジネスの成長を加速する戦略となっています。

ヤフー・LINE事業の成長:

  • コマース・メディア領域の成長
    • ユーザーのニーズが多様化する中、規模や形態の異なるさまざまなストアが集まる「Yahoo!ショッピング」や人気の家電量販店やファッションブランドショップなど厳選されたストアが参加する「PayPayモール」、国内最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」など、特長の異なる複数のコマースサービスを展開することで幅広いユーザーの取り込みを図る
    • 今後は、オンラインとオフラインの融合や配送品質の向上、コミュニケーションを軸とした新たなショッピング体験の追求を通じて、eコマース取扱高の持続的な成長を目指す
  • メディア・戦略領域の拡大
    • 広告の表示デザインの改善や配信精度の向上などにより広告単価を高めることで、既存広告の売上の最大化を図るとともに、新たなマーケットの開拓にも取り組む
    • 戦略領域では、金融サービスなどを創出・拡大し、新たな収益の柱を構築

新規事業の創出・拡大:

通信事業やヤフー・LINE事業、キャッシュレス決済サービス「PayPay」の数千万規模の顧客基盤と5Gやソフトウエアの技術、法人事業の営業力を組み合わせることで、新規事業の垂直立ち上げを実現していく計画です。

FinTech、セキュリティ、クラウド、AI、IoT、モビリティ等の領域において革新的なサービスを提供していくために、優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ企業に投資をする「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先や、その他ソフトバンクグループのビジネスパートナーとの連携を強化し、新規事業の創出と拡大を目指しています。

事業戦略の一環として、同時に働き方改革やオペレーションのデジタル化による生産性向上、Zホールディングスグループとの共同購買やグループ内企業による業務の内製化の推進により、コストの効率化・コストダウンを図ると同時に、財務戦略ではグループの健全な財務体質の維持や成長のための投資と株主還元の原資となる調整後フリー・キャッシュ・フローの創出を目指しています。

ソフトバンクを志望する就活生の皆さんは、企業研究を進めて事業の内容と戦略を理解するとともに、孫正義社長の考えが凝縮されたソフトバンクグループの新30年ビジョンのプレゼンテーションをみて、大きなビジョンを理解しておくことをおすすめします。

参考:楽天グループ株式会社

2021年12月期連結決算 (2021年度)

売上収益 (百万円) 1,681,757
税引前利益/損失(百万円) -212,630
当期利益/損失(百万円) -135,826
当期包括利益(百万円) -73,041
従業員数(人) 28,261
連結子会社 191社
持分法適用関連会社 58社

楽天グループの事業セグメントは、以下の構成になっています。

  • インターネットサービスセグメント:インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト等の運営や、北米地域でのデジタルコンテンツサイト等の運営、メッセージングサービスの提供や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営を行う事業
  • フィンテックセグメント:インターネットを介した銀行及び証券サービス、クレジットカード関連サービス、生命保険サービス、損害保険サービス及び電子マネーサービスの提供、暗号資産(仮想通貨)の媒介等を行う事業
  • 「モバイル」セグメント:通信及びメッセージングサービスの提供、並びにデジタルコンテンツサイト等の運営等を行う事業

楽天グループのモバイル事業のサービスと、その提供主体企業の関係は以下の通りです。

  • 移動通信サービスの提供:楽天モバイル株式会社
  • 光ブロードバンド回線サービス『楽天ひかり』の運営:楽天モバイル株式会社
  • 電力供給サービス『楽天でんき』の運営:楽天エナジー株式会社

上記のモバイル事業の従業員数は8,025名(連結)となっています。

2021年12月期(2021年度)連結業績の概要

2021年12月期(2021年度) の楽天グループの連結業績は、売上収益が1,681,757百万円(前連結会計年度比15.5%増)と、増収になっていますが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失*は224,999百万円(前年度は102,667百万円の損失)となり、損失が拡大した結果となっています。

*Non-GAAP営業利益・損失は、国際会計基準に基づく営業利益から、楽天グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したもの

2021年12月期のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年12月期のセグメント別業績概要

セグメント名 売上収益(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円)
インターネットサービス 1,003,382 54.2% 107,548
フィンテック 619,048 33.5% 89,120
モバイル 227,511 12.3% -421,172
合計 1,849,941 100.0% -224,504
調整額(内部取引等) -168184 -495
計上額 1,681,757 -224,999

モバイル事業の顧客との契約から認識した収益は、204,523(百万円)

モバイル事業の現状

楽天のモバイル事業に関しては、2020年4月の本格的なサービスの開始、9月には5Gのサービスを開始してモバイル事業に参入しました。

楽天の仮想化(RCP)によるモバイルネットワークビジネスは、基地局への投資を抑えることが可能ですが、それでも全国をカバーするためには投資が必要であるため、この技術のグローバル展開も含め、モバイルビジネスは中長期で見ていく必要があります。

全国での基地局の開設を加速化させ、自社回線によるサービス提供エリアの拡大やネットワークの品質向上等のための投資が必要であるため、モバイル事業の2021年12月期における連結業績は、売上収益が227,142百万円(前連結会計年度比31.9%増)、セグメント損失は421,172百万円(前連結会計年度は227,258百万円の損失)という結果でした。

本格参入以降、楽天エコシステム内外からの顧客獲得を進めてきましたが、2022年6月末現在、契約数は546万という状況です。

これは2022年3月末時点の568万件と比べ、22万件減少した結果となっています。減少の理由はマスコミでも大きなニュースになった、ゼロ円で使える幅を廃止した新料金プランを導入した影響によるものと説明されています。

楽天モバイルでは契約数は減少したが、1GB以上のユーザーが純増を記録したデータもあり、楽天モバイル会長の三木谷浩史氏は半期の決算説明会で「実際にお支払いいただいているユーザーは増えている。ユーザーが入れ替わっている」と述べ、業績に好影響を与えるとの見方を示しています。

しかしながら、楽天グループ全体の連続した大幅な赤字は、モバイル事業に起因するものであることは確かです。

就活で楽天グループを目指す皆さんは、四半期決算説明のプレゼンテーションビデオ(WEBで視聴可能)も参考にしながら、楽天という企業のユニークさ、三木谷CEOのビジョンもあわせて深く理解しておきましょう。また英語のスキルアップも忘れずにしておきましょう。

楽天グループの決算は12月決算のため、2024年卒の一般選考ルートの就活が解禁された2023年3月1日時点で、2022年度の連結業績の概要が発表されています。

楽天を志望する就活生の皆さんは順次発表されていく四半期、半期ごとの業績も把握しておきましょう。

まとめ

以上、駆け足で通信業界の構造と大手キャリア3グループ4社の概況を解説しました。大きなトレンドや企業の特徴、課題や今後の方向性は理解できたと思います。

通信業界は変化のスピードが速い業界です。時代の最先端を走っている業界であり、変化を受け入れ成長したいと思っている学生には「やりがい」のある業種です。

通信業界は新型コロナウイルス感染症の影響が少ない、もしくはリモートの拡大によりプラスに働く可能性もある数少ない業界です。

また海外志向の強い学生にも大いにチャンスはあるでしょう。インフラを担い、これからの社会や生活に大きな影響を与えるビックビジネスであることは間違いありません。ぜひ就活の検討に加えてみてください。そして企業毎に深い研究を進めていきましょう。

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