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【就活の業界研究】通信業界の構造と主要各社の概況を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では通信業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

通信業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 通信業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 通信業界の現状と課題・未来
  • 通信業界にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 通信業界に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 通信業界に向く人、向かない人はどういう人か
  • 通信業界の構造
  • 通信業界、主要各社の概況
 日本のインフラを支え、規模が大きく社会的な影響力も大きい通信業界。この記事では通信業界の構造と通信業界大手企業4社+1社の概況をまとめました。就活生が、通信業界に自分の未来を託したいと思えるか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

通信業界の構造

まず初めに知っておくべきことは、日本の通信事業は1952年に設立された日本電電公社が独占していたという歴史です。

それが民営化されたのが1985年であり、日本電信電話株式会社(NTT)が設立されたのです。発足当時の持ち株比率は大蔵大臣100%であり、民営化されたとは言っても事実上は国有企業でした。

1987年2月9日になって日本電信電話は東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所第一部に上場していますが、それ以降、政府は所有株式を部分的、段階的に市場に放出しています。現在でも財務大臣が34.81%の株式を保有し、また総務省が電波通信行政に関する許認可権限を有していることから政府が強い影響力を持っています。

規制緩和も段階的に行われており、それに従ってNTTは事業ごとに分社化を行っており、現在のNTTはNTTデータ(1988年設立)とNTTドコモ*(1992年設立)、1999年設立の地域会社としての東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)、長距離会社としてエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(NTTコミュニケーションズ)等々を持つ持ち株会社という構造になっています。

*NTTはNTTドコモの競争力強化・成長並びにNTTグループ全体の成長に向け、2020年12月にNTTドコモを完全子会社化しています(NTTドコモは上場廃止)

具体的な事業はそれぞれの事業会社が行っていますが、基礎研究を手掛ける基礎研究部門は持ち株会社の中に残っています。

持ち株会社であるNTTの事務部門は基本的に、事業会社からの出向というカタチを取っていため、NTTとしての採用は研究部門のみというのが現状です。各事業会社がそれぞれ採用を行っているのです。

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固定電話の地域会社

固定電話事業を受け継いだ東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は、電気通信事業法第7条および同施行規則第14条・第40条により、基礎的電気通信役務(固定電話・公衆電話・緊急通報、いわゆるユニバーサルサービス)を離島を含めた全ての市町村を対象に提供する義務を負っています。

その意味では不採算事業を行う代わりに、規制に守られて独占に近い状態の事業も行っているということになります。

2020年12月末時点における、固定電話の契約数は5,309万となっており、このうち

固定電話事業を受け継いだ東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は、電気通信事業法第7条および同施行規則第14条・第40条により、基礎的電気通信役務(固定電話・公衆電話・緊急通報、いわゆるユニバーサルサービス)を離島を含めた全ての市町村を対象に提供する義務を負っています。

その意味では不採算事業を行う代わりに、規制に守られて独占に近い状態の事業も行っているということになります。

2020年12月末時点における、固定電話の契約数は5,309万となっており、このうち0ABJ-IP電話は3,559万(前年同期比+1.5%)、NTT東西加入電話は1,604万(同−7.2%)となっています。

固定電話の契約数におけるサービスうちわけをみると、0ABJ-IP電話*のシェアは67.0%、NTT東西加入電話は30.2%という状況です。

*0ABJ-IP電話:0ABJ番号とは、通話伝送の一部または全部をインターネットを経由して行うIP電話のうち、「03」「06」などで始まる、一般の加入電話に割り当てられる電話番号の形式のまま通話が可能な回線

尚、2021年3月末時点における固定電話市場の事業者別シェアは、NTT東西が65.1%(前期比-0.8ポイント)、KDDIが32.4%(前期比―0.8ポイント)という状況です。

NTTの光回線(自社のフレッツ光および光コラボと呼ばれる、NTT回線を使用するインターネット接続サービスの合計)は、2020年度末(2021年3月末)の東西合計の契約数が22,564,000件となり、FTTH市場におけるNTTのシェアは合わせて67.6%(卸含む)となり高いシェアを維持しています。

IoT社会が実現していくと、データ通信量(トラフィック)が大幅に増えていくことが予想され、それを処理していくには無線通信と光ファイバーの両方が必要であり、全国に光ファイバー網を持つNTTは有利な立場に立つという見方もあります。

一方「規制緩和」、「民業圧迫」、「健全な競争が必要」という時代の要請もあるため、政府、NTTグループと、KDDI、ソフトバンク、または新たに参入した楽天の動きは通信業界を目指す方は注目しておくべきでしょう。

移動体通信市場に於けるシェアの概況

2021年3月末時点の移動系通信市場におけるグループ別シェアは、NTT ドコモが37.9%(前年同期比-0.8ポイント)、NTTドコモ(MVNO)が5.6%、KDDI 27.4%(前期同期比-0.2 ポイント)KDDI (MVNO)が3.5%及びソフトバンクグループ23.1%(前年同期比+-0 ポイント)、ソフトバンクグループのMVNOが2.6%となっています。

ISP市場のシェア状況

2020年12月末時点におけるIPS市場規模(契約者数)は、4,251 万(前年同期比+2.0%)となっています。

事業者別シェアは、KDDI系が31.4%(前年同期比-.2%)、NTT東西が24.6%(同-0.7%)、ソフトバンク系が13.1%(同-0.2ポイント)、電力系が6.0%(同∓0)という状況です。

企業の概況

日本電信電話株式会社 (NTT)

2021年3月期連結決算 (2020年度)

営業収益 (百万円)11,943,966
税引前益(百万円)1,652,575
当社に帰属する当期利益(百万円)916,181
当社に帰属する当期包括利益(百万円)1,275,214
従業員数(人)324,667
外、平均臨時雇用者数47,149
連結子会社964 社
関連会社137社

NTTグループは日本電信電話株式会社、子会社964社および関連会社137社(2021年3月31日現在)により構成されており、地域通信事業、長距離・国際通信事業、移動通信事業およびデータ通信事業を主な事業内容としています。

連結営業収益が11兆7996億になる巨大企業ですが、事業はNTT東西、NTTドコモ、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、エヌ・ティ・ティデータなどの巨大な子会社が展開し、採用もそれぞれの子会社が行っているため、就活ではそれぞれの企業のパフォーマンスや経営方針を詳しくみていくことをお勧めします。

日本電信電話株式会社の2021年3月期における連結業績は、営業収益が前期比0.4%増加し、11兆9,440億円という結果でした。

これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響等による移動通信事業セグメントの端末機器販売収入や海外におけるシステムインテグレーション収入の減少等があったもの、移動通信事業セグメントのスマートライフ領域の増収や国内におけるシステムインテグレーション収入の増加等によって増収になりました。

また利益面では、営業利益が前期比7.0%増加し、1兆6,714億円、税引前利益は前期比5.3%増加し、1兆6,526億円、親会社(NTT)に帰属する当期利益は、前期比7.1%増加し、9,162億円となり、増益を達成しています。

尚、NTTの連結決算上の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期 セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客営業収益(百万円)営業収益構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
移動体通信事業4,640,25538.9%913,22754.2%
地域通信事業2,503,26221.0%420,17825.0%
長距離・国際通信事業1,959,04116.4%146,1978.7%
データ通信事業2,172,85618.2%139,1728.3%
その他の事業668,5525.6%64,8073.8%
合計11,943,966100.0%1,683,581100.0%
調整額-12,190
計上額11,943,9661,671,391

NTTグループの事業戦略

NTTグループ全体としては2018年11月に「Your Value Partner 2025」という中期経営戦略を発表しています。

その戦略の柱は以下のような構造になっています。

お客さまのデジタルトランスフォーメーションをサポート

  1. 5Gサービスの実現・展開、パーソナル化の推進
  2. B2B2X*モデル推進
  3. グローバル事業の競争力強化
  4. 国内事業のデジタルトランスフォーメーションを推進
  5. 新事業の取り組み、地域社会・経済の活性化への貢献
  6. ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上
  • *B2B2XとはNTTグループが掲げる事業モデルであり、はじめのBはNTTグループ、2番目のBはグループの法人顧客、Xは消費者や法人のエンドユーザーまでのリーチを事業化するというモデル

情報通信市場では、新たなプレイヤーを含めた熾烈な競争も進むなか、5G・仮想化・AI等の最新技術を活用した新たなサービスが発展し、デジタルトランスフォーメーションを通じたスマートな社会が実現していくと見込まれています。

NTTグループはスマートな社会=Smart World実現への貢献を掲げ、ICTによる社会的課題の解決に取り組むとしています。

NTTグループが描くスマートな社会とは以下の内容を指します。

  • Smart Mobility: ラッシュ・渋滞解消、エネルギー化
  • Smart Factory: ダウンタイム最小化、生産性向上
  • Smart Sport: さらなる感動、新たな体験の創出
  • Smart City: 安心で快適な生活環境、都市運営の効率化
  • Smart Healthcare: 健康維持・改善、医療介護の質向上
  • Smart Agri: 技術・ノウハウ継承、生産性・品質の向上

上記は概要だけですが、NTTグループ各社への就職を目指す方は、この戦略を理解して、各社ごとの事業戦略を理解していきましょう。

BtoCビジネスではなく、BtoB中心のビジネスからエンドユーザーや様々なプレイヤーを結ぶビジネスに転換していこうという点はとても重要です。新たな事業を創っていくという姿勢で就活も進めてみてください。

NTTドコモを完全子会社化

2020年9月には、NTTとNTTドコモは、NTTがドコモを完全子会社化するためにTOB(株式公開買付)を実施すると発表し、2020年12月には完全子会社化を完了しました。

NTTグループを再編し、NTTコミュニケーションズとNTTコムウェアを、NTTドコモグループに寄せる構想(NTTドコモとの統合)も発表しています。

NTTやNTTドコモ、またNTTグループ各社への就活を目指す皆さんは、この完全子会社化の狙いや意味、グループ再編の動きに注目をしていきましょう。

選考の段階では常に最新の情報にアップデートして臨むことが不可欠になります。

株式会社NTTドコモ

 

2021年3月期連結決算 (2020年度)

営業収益(百万円)4,725,214
営業利益(百万円)913,226
税引前当期利益(百万円)915,597
当社株主に帰属する当期利益(百万円)629,029
当期包括利益(百万円)728,138
従業員数(人)28,113

NTTドコモは2020年12月に日本電信電話会社(NTT)完全子会社(非上場会社)になったため、2020年度通期(2021年3月期)の有価証券報告書は発行されていません。

上記及び以下の決算に関するデータはNTTドコモのIR資料、決算発表プレゼンテーション、公表されている連結財務諸表に基づいています。

NTTドコモの2021年3月期における連結業績は、営業収益が4兆7,252億円(前年同期比739億円増、+1.6%)となり、増収の決算となっています。

利益面では、営業利益が9,132億円(前年同期比586億円増、+6.9%)、株主に帰属する当期利益は、6,290億円(同375億円増、+6.3%)の増益を達成しています。

NTTドコモは事業セグメントとして、通信事業、スマートライフ事業、その他の事業を行っています。それぞれの事業の概要は以下の通りです。

  • 通信事業:携帯電話サービス(LTE(Xi)サービス、FOMAサービス)、光ブロードバンドサービス、衛星電話サービス、国際サービス、各サービスの端末機器販売など
  • スマートライフ事業:動画配信・音楽配信・電子書籍サービス等のdマーケットを通じたサービス、金融・決済サービス、ショッピングサービス、生活関連サービスなど
  • その他の事業:ケータイ補償サービス、システムの開発・販売・保守受託など

2021年3月期におけるセグメント別の業績は以下の通りです。

2021年3月期:セグメント別業績

セグメント名営業収益(百万円)営業収益構成比営業利益(百万円)利益構成比
通信事業3,684,30077.3%721,10079.0%
スマートライフ事業616,20012.9%59,4006.5%
その他事業465,4009.8%132,70014.5%
合計4,765,900100.0%913,200100.0%
調整額-40,700
計上額4,725,200913,200

NTTドコモの事業戦略

NTTの完全子会社になったNTTドコモが発表している事業戦略の骨子を以下にまとめます。

新しいドコモへの挑戦:イノベーションを起こし、社会に大きな変化をもたらす

  • カスタマーファーストを追求しお客さまの期待を上回る新たな価値を提供
  • 事業運営のデジタル化とデータ活用の推進・実行によるCXの向上と事業構造改革の実現
  • 事業運営とESGを一体的に推進しサステナブルな社会の創造に貢献

2021年度の具体的な取り組みは、以下の方針が示されています。

通信事業:

  • 多様なお客さまニーズに対応した料金・サービスによる顧客基盤拡大
  • 5Gエリア早期拡大とネットワークコスト効率化の両立
  • チャネルのデジタルシフトとコールセンタ・ドコモショップのDXを加速 (オンライン・オフライン融合CX)

スマートライフ事業:

  • 金融・決済領域の拡大・データドリブンでのB2B2Xエコシステム確立
  • 映像事業を中心とした新たなライフスタイル創出・新規事業領域拡大

法人事業:

  • 5Gソリューションの適用分野・業界の拡大および全国展開
  • ビジネスdアカウント早期拡大による中堅・中小企業のDX推進支援

顧客基盤の拡大

  • お客さまのニーズに応じた料金・サービスにより顧客基盤を拡大
    • 5Gギガプレミア、ギガホプレミア、aham等による
  • 2021年度5G契約者数1,000万人をめざす(2020年度309万人から、2021年度で3倍増)

5Gエリア早期拡大と効率化の両立

  • 速さ・広さで他社を上回る5Gエリアとサービス高度化を実現
  • 経営資源を5Gに集中し、効率化と両立
  • 2020年度主要574都市7,100局より2021年度2万局、高速・大容量人口カバー率55%を目指す

販売チャネルのデジタル化推進

社会のニーズに応え、チャネルのデジタルシフトとDX活用を加速 (お客さまのデジタル化・DX推進を支援)

  • 店頭でのDX活用(オンライン接客)、デジタルシフト(ahamo、デジタル化による店頭サポート)、コールセンターでのAIによる対応サポート等

データ活用人材強化

  • デジタルマーケティングの高度化に向けてデータ活用人材を早期に1,000人以上に拡充
    • データを活用した深いお客さま理解により、多様なお客さまニーズに対応した料金・サービスをデジタルに展開
    • データエンジニア、機械学習エンジニア、データコンサルタント、マーケター

金融・決済の成長・領域拡大

  • 日常利用促進による金融・決済領域の更なる成長と顧客接点強化・データ活用による領域拡大
    • dカード・d払いの取扱高拡大
    • 決済を起点とした顧客接点強化・領域拡大(決済、デジタル口座サービス(三菱UFJ銀行と共同開発)、新たな金融サービス

新たなライフスタイル創出

  • 5Gの特徴を活かした映像事業の強化と会員基盤を活用した新たな事業への挑戦
    • 映像とリアルを組合せた新たなライフスタイルの創出
    • オンライン診療を起点としたメディカルサービス展開

5Gソリューションの提供

  • 5Gソリューションの充実等により、提供業界の拡大・高度化国内外に水平展開を図り、成長を加速

ビジネスdアカウントの早期拡大

ビジネス向け機能とdアカウント認証基盤拡充により、様々なビジネス・サービス、ソリューションに対応

  • 遠隔サポート、遠隔教育、アバターによる遠隔対応、映像配信・ソリューション、ロボティクス分野での遠隔操作・自動制御、スマートシティ等

サステナビリティ経営

  • 事業運営とESGを一体的に推進しサステナブルな社会の創造に貢献
    • 脱炭素への取組み、多様性推進・働き方改革、DXによる社会課題解決

上記は概要だけですが、NTTドコモへの就職を目指す方は、これらの事業戦略を深く理解して就活を行う事が必要です。

BtoCビジネスだけではなく、BtoBのビジネスからエンドユーザーや様々なプレーヤーを結ぶビジネスに転換していこうという点はNTT全体の戦略と整合しています。

またNTTによるグループ再編の動向にも高いアンテナを張って下さい。

通信事業での競争が激化し、GAFAなど異業種からのプレイヤーとの競争が加速しているとともに、社会の変化やユーザーニーズの多様化や高度化、複雑化があり、市場環境が大きく変化しています。

5G時代から6G、7Gと進んでいく中で、社会がリモート型に大きく変わっていくため、ドコモ自体がモバイル中心から事業領域を拡大し、ユーザーニーズにトータルで応えられるような変革が必要になってきています。

もはやNTTドコモを携帯、移動体通信会社として理解するのではなく、技術や社会の大きな革新の中で、どのように事業を再編していくかが問われているのです。

就活でNTTドコモを目指す皆さんは、技術と社会的課題にアンテナを巡らせて、ドコモのビジョンを自分事化して、自分の言葉で語れるように、就活の軸や志望動機を精緻化していきましょう。

KDDI株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)5,312,599
税引前益(百万円)1,038,056
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)651,496
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円)736,709
従業員数(人)47,320
外、平均臨時雇用者数35,240
連結子会社156社
持分法適用関連会社39社

KDDIの2021年3月期における連結業績は、売上高が前期と比較し、端末販売収入が減少したものの、モバイル通信料収入(ローミング収入等含む)やソリューション収入の増加等により、5,312,599百万円(1.4%増)となり、増収となっています。

利益面では、営業利益が前期と比較し、売上高の増加等により1,037,395百万円(1.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加等により、651,496百万円(1.8%増)となり、増益を達成しています。

KDDIは2019年3月期までは、主な事業として、パーソナル事業、バリュー事業、ビジネス事業、グローバル事業その他の事業に分けて事業を展開してきましたが、2020年3月期(2019年度)からは、パーソナル事業、ビジネス事業、その他というシンプルな事業セグメントに再編しています。

再編した事業の概要は以下の通りです。

パーソナル事業日本国内及び海外における、個人顧客向け通信サービス(モバイル、固定通信等)及びライフデザインサービス(コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育等)の提供
ビジネス事業日本国内及び海外における、法人の顧客向け通信サービス(モバイル、固定通信等)及びICTソリューション・データセンターサービス等の提供
その他通信設備建設及び保守、情報通信技術の研究及び開発等
上記の事業セグメント別の業績は以下の通りです。

2021年3月期:セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
パーソナル事業4,506,41284.8%862,85883.2%
ビジネス事業779,85214.7%166,67516.1%
その他26,3360.5%7,3550.7%
合計5,312,599100.0%1,036,888100.0%
調整額507
計上額5,312,5991,037,395

KDDIのパーソナル事業では、スマートフォン・タブレットの普及やIoTに対する取り組みの強化、様々なデバイ スの連携による新たな体験価値の創造等への取り組みを本格的に推進し、「au顧客数(ID)×エンゲージメント*ARPA*」の最大化による国内通信事業の持続的成長に引き続き注力している状況です。

*ARPA: Average Revenue per Accountの略でモバイル契約者(プリペイド/MVNO除く)1人当たりの月間売上高

またauブランドに加え、UQコミュニケーションズ株式会社、 株式会社ジュピターテレコム、ビッグローブ株式会社においてMVNO事業を推進しており、「モバイ ルID数」の拡大にも積極的に取り組んでいます。

法人ビジネスにおいては、「通信とライフデザインの融合」を目指し、従来の通信サービスに加え、コマース・ 金融・エネルギー・エンターテインメント・教育等のライフデザインサービスを拡充しています。

KDDIの事業戦略

通信業界を取り巻く事業環境は、大変革期にあり、5G/IoT、AI・ビッグデータ等の急速な技術革新による、産業や生活のあらゆる領域でのデジタル化、DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しています。

通信業界では、新規通信事業者の参入や競争の促進によって、サービス・料金プランが多様化するとともに、通信・インターネット技術、データの活用等のデジタルシフトによって産業の垣根を超えた競争や融合が起こっています。

更に、新型コロナウイルスの蔓延により、新しい生活様式での通信の活用・重要性が更に高まっています。

KDDIは、この様な事業環境に対処すべく、現在は2019年度から2021年度(2022/3/31まで)をカバーした、中期経営計画を基に事業を展開しています。

中期経営計画の骨子は以下の通りです。

中期経営計画(2019-21年度):

ブランドメッセージ:Tomorrow, Together KDDI / おもしろいほうの未来へ。au

目指す姿:

  1. お客さまに一番身近に感じてもらえる会社
  2. ワクワクを提案し続ける会社
  3. 社会の持続的な成長に貢献する会社

事業戦略:通信を中心に周辺ビジネスを拡大する「通信とライフデザインの融合」を核として、7つの事業戦略に沿って、持続的な成長を実現

  • 7つの事業戦略の骨子
  1. 5G時代に向けたイノベーションの創出
  2. 通信とライフデザインの融合
  3. グローバル事業のさらなる拡大
  4. ビッグデータの活用
  5. 金融事業の拡大
  6. グループとしての成長
  7. サステナビリティ

また財務目標としては2024年度のEPS(Earnings Per Sharの略で、1株当たり当期利益)を2018年度比で1.5倍にするなどの定量目標や、経営基盤強化として財務面における収益性や効率性等の改善に取り組むとともに、人財ファースト企業への変革に取り組むとしています。

上記は骨子のみですが、KDDIを志望する就活生の皆さんは、中長期の事業戦略と自分の志望動機をマッチングできるように深い企業研究を行っていきましょう。

特に事業戦略は通信各社の特徴に差が出る部分なので競合企業の戦略と比較しながら、自分の言葉でビジョンや就活の軸、志望動機を語れるように活用してください。

ソフトバンク株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)5,205,537
営業利益(百万円)970,770
税引前利益(百万円)847,699
親会社の所有者に帰属する純利益(百万円)491,287
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円)529,890
従業員数(人)47,313
外、平均臨時雇用者数18,607
子会社255社
関連会社63社
共同支配企業17社

ソフトバンクグループの2021年3月期における連結業績は、売上高が下記の全セグメントで増収し、前期比344,290百万円(7.1%)増の5,205,537百万円となり、増収を達成しています。

法人事業はテレワーク関連の商材需要の増加などにより52,757百万円、ヤフー事業ではeコマース取扱高の増加などにより152,905百万円、コンシューマ事業はサービス売上の増加により73,701百万円、流通事業は行政の大型プロジェクト受注により48,892百万円となって、それぞれ増収となっています。

利益面では、営業利益が全セグメントで増益し、前期比59,045百万円(6.5%)増の970,770百万円、法人事業では24,124百万円、ヤフー事業では9,849百万円、コンシューマ事業では11,354百万円、流通事業では5,129百万円の増益となっています。

その結果、純利益が前期比41,052百万円(8.1%)増の547,720百万円、親会社の所有者に帰属する純利益は前期比18,152百万円(3.8%)増の491,287百万円となり、増益を達成して、増収増益の決算となっています。

ソフトバンクグループは主な事業として、コンシューマ事業、法人事業、流通事業、ヤフー事業、その他の事業に分けて事業を展開しています。その事業の概要は以下のようになっています。

コンシューマ事業 :

主として、日本国内での個人顧客に対し、移動通信サービス(付随する携帯端末の販売を含む)、ブロー ドバンドサービス等の通信サービスを提供し、移動通信サービスは以下の3ブランドを展開しています。

  • 「SoftBank」ブランド : 最新のスマートフォンや携帯端末、大容量データプランを求めるスマートフォンヘビーユーザー向け高付加価値ブランド
  • 「Y!mobile」ブランド : 低価格かつ安心のサービスを特徴とするブランド/ライトユーザーや月々の通信料を抑えることを重視する顧客へ、スマートフォン、Pocket Wi-Fi等を提供するブランド
  • 「LINEMO」ブランド: コミュニケーションアプリ「LINE」等の主要SNSの使い放題プランを提供するほか、全ての手続きをオンライン上で完了できるオンライン専用ブランド

携帯端末の販売については、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店(ディーラー)または個人に対し直接販売しています。

ブロードバンドサービス :

  • ブロードバンドサービスでは、主として、個人顧客に対し高速・大容量通信回線サービスの「SoftBank 光」、「フレッツ光」とセットで提供するISPサービスを展開
  • 「Yahoo! BB 光 with フレッツ」、ADSL回線サービスとISPを統合した「Yahoo! BB ADSL」の他、ブローバンドサービスと移動通信サービスの通信料金を割り引くサービスも実施

電力サービス:

  • 主に個人向けの電力供給サービスの提供。(「おうちでんき」、「自然でんき」等)

法人事業 :

  • 法人顧客に対し移動通信サービス、固定電話サービス、インターネットなどのネットワーク・VPNサービス、データセンターサービス、クラウドサービス、AI、IoT、ロボット、セキュリティ、デジタルマーケティング等の多岐にわたる法人向けソリューション、サービ スを提供

流通事業 :

  • 流通事業は、ソフトウエアの卸販売というソフトバンクグループの創業事業を受け継ぐ事業であり、最先端のプロダクトとサービスを提供
  • 法人顧客には、ICT、ク ラウドサービス、IoTソリューション等に対応した商材、個人向けには、アクセサリーを含むモバイル・PC周辺機器、ソフトウエア、IoTプロダクト 等、多岐にわたる商品の企画・供給を展開

ヤフー事業:

  • eコマース、決済金融、メディアを中心とした100を超えるサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供
  • コマース領域においては「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」などのeコマースサービス、「Yahoo!プレミアム」などの会員向けサービス、クレジットカード等の決済金融サービスの提供、メディア領域においては、インターネット上の広告関連サービスの提供を展開
  • 2021年3月よりLINE株式会社がヤフー事業に組み込まれています

その他の事業 :

  • 決済代行サービス、スマートフォン専業証券、パブリッククラウドサービスの設計・開発事業のほか、オンラインビジネスのソリューションおよびサービスの提供、デジタルメディア・デジタルコン テンツの企画・制作も展開
  • 移動通信サービスをプラットフォームとする最先端の技術革新をビジネスチャンスとして常に追求しており、FinTech、IoT、クラウド等の分野にも積極的に投資を実施

2021年3月期におけるセグメント別業績概要は以下の通りです。

2021年3月期:セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
コンシューマ事業2,762,30553.1%658,62467.9%
法人事業681,77313.1%107,73111.1%
流通事業479,5129.2%22,2932.3%
ヤフー事業1,182,54522.7%162,12516.7%
その他事業99,4021.9%19,5152.0%
合計5,205,537100.0%970,288100.0%
調整額482
計上額5,205,537970,770

ソフトバンクの事業戦略

ソフトバンクは単なる通信事業者から脱却し、「Beyond Carrier」への転換を急いでいます。

これは中長期的に持続的な成長を実現させるために描いた戦略で、通信事業の顧客基盤を拡大しつつ、その広範な基盤を生かしてサービス・コンテンツや隣接領域に事業を広げていこうというものです。

従来の通信キャリアという枠組みを超え、通信事業に加えて、ヤフーおよび新領域の3つの領域(AI,テクノロジー,最先端ビジネスモデル)を伸ばしていくことで収益基盤を強化し、持続的な成長を目指す方針です。

傘下のZホールディングスとLINEの経営統合により、日本でも有数の通信ネットワーク、インターネットメディア、スマートフォン決済プラットフォーム、メッセージアプリプラットフォームを有する企業として、「Beyond Carrier」戦略を第2フェーズとしてさらに進化させる「総合デジタルプラットフォーマー」となることを目指しています。

具体的には以下の戦略を骨子として事業を展開しています。

通信事業のさらなる成長

  1. スマートフォン契約数の拡大(Yahoo!のサービスとの連携、PayPay、 LINEとの連携強化や5Gを活用したVR/クラウドゲーミングなどのコンテンツ展開を強化)
  2. ブロードバンド契約数の拡大
  3. 5Gの展開(2022年3月には人口カバー率90%超を目指す計画)
  4. 法人向けソリューションビジネスの拡大(企業の業務デジタル化や自動化に適した通信ソリューションの販売に注力、IoTやAI、クラウド、ロボットなどの最先端技術を用いた高付加価値なソリューションの提案で、企業のデジタルトランスフォーメーションをサポート)

ヤフー事業の成長

  1. コマース・メディア領域の拡大(ZOZOとの連携やPayPayブランドによる新コマースサービスの積極展開によるeコマース取扱高の拡大、ビックデータの活用、金融事業への注力)
  2. LINEとの経営統合(AI、通信、広告、決済、コミュニケーションなど、様々な分野での協業により、各事業領域における強みを生かしたシナジーを追求)

新規事業の創出拡大

5Gへの投資以外でも、新事業の種まきとして内外の企業に投資を行うと同時に新事業を共同で開発するなどの新しい成長ドライバーを作る活動も積極的に行っています。

通信事業やヤフー事業での顧客基盤、5Gやソフトウエアの技術、法人事業の営業力を組み合わせることで、新規事業の垂直立ち上げを実現していく計画です。

FinTech、セキュリティ、クラウド、AI、IoT、モビリティ等の領域において革新的なサービスを提供していくために、優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ企業に投資をする「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先や、その他ソフトバンクグループのビジネスパートナーとの連携を強化し、新規事業の創出と拡大を目指しています。

 

同時に働き方改革やオペレーションのデジタル化による生産性向上、Zホールディングスグループとの共同購買やグループ内企業による業務の内製化の推進により、コストの効率化・コストダウンを図ると同時に、財務戦略ではグループの健全な財務体質の維持や成長のための投資と株主還元の原資となる調整後フリー・キャッシュ・フローの創出を目指しています。

 

ソフトバンクを志望する就活生の皆さんは、企業研究を進めて事業の内容と戦略を理解するとともに、孫正義社長の考えが凝縮されたソフトバンクグループの新30年ビジョンのプレゼンテーションをみて、大きなビジョンを理解しておくことをおすすめします。

参考:楽天株式会社

2020年12月期連結決算 (2020年度)

売上収益 (百万円)1,455,538
税引前利益/損失(百万円)-151,016
当期利益/損失(百万円)-115,838
当期包括利益(百万円)-132,401
従業員数(人)23,841
連結子会社174社
持分法適用関連会社64社

2020年12月期(2020年) の楽天株式会社の連結業績は、売上収益が1,455,538百万円(前連結会計年度比15.2%増)と増収でしたが、利益面ではモバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、Non-GAAP*営業損失は102,667百万円となり、損失計上の決算となっています。

*Non-GAAP営業利益は、国際会計基準に基づく営業利益から、楽天グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したもの

楽天の事業セグメントは、以下の構成になっています。

 

  • インターネットサービスセグメント:インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト等の運営や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等を行う事業
  • フィンテックセグメント:インターネットを介した銀行及び証券サービス、クレジットカード関連サービス、生命保険サービス、損害保険サービス及び電子マネーサービスの提供等を行う事業
  • 「モバイル」セグメント:通信及びメッセージングサービスの提供、並びにデジタルコンテンツサイト等の運営等を行う事業

2020年12月期のセグメント別業績概要は以下の通りです。

2020年12月期のセグメント別業績概要

セグメント名売上収益(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
インターネットサービス820,11550.5%40,114-38.0%
フィンテック576,19535.5%81,291-77.0%
モバイル227,14214.0%-226,976215.0%
合計1,623,452100.0%-105,571100.0%
調整額(内部取引等)-1679142,904
計上額1,455,538-102,667

楽天のモバイル事業のサービスと、その提供主体企業の関係は以下の通りです。

  • 移動通信サービスの提供:楽天モバイル株式会社
  • 光ブロードバンド回線サービス『楽天ひかり』の運営:楽天モバイル株式会社
  • 電力供給サービス『楽天でんき』の運営:楽天モバイル株式会社
  • IP電話サービス、クラウドサービス等の提供:楽天コミュニケーションズ(株)
  • モバイルメッセージング及びVoIPサービスの提供:Viber Media S.a.r.l.
  • 電子書籍サービスの提供:Rakuten Kobo Inc.

上記のモバイル事業の従業員数は5,327名となっています。

楽天のモバイル事業に関しては、2020年4月の本格的なサービスの開始、9月には5Gのサービスを開始して2020年12月に累計契約申し込み数が200万回線を突破しています。

以降も楽天エコシステム内外からの顧客獲得が進んでいますが(2021年6月現在442万まで拡大)、全国での基地局の開設を加速化させ、自社回線によるサービス提供エリアの拡大やネットワークの品質向上等のための投資が必要であるため、モバイル事業の2020年12月期における連結業績は、売上収益が227,142百万円(前連結会計年度比34.4%増)、セグメント損失は226,976百万円(前連結会計年度は76,524百万円の損失)となっています。

楽天の仮想化(RCP)によるモバイルネットワークビジネスは、基地局への投資を抑えることが可能ですが、それでも全国をカバーするためには投資が必要であるため、この技術のグローバル展開も含め、モバイルビジネスは中長期で見ていく必要があります。

就活で楽天を目指す皆さんは、四半期決算説明のプレゼンテーションビデオ(WEBで視聴可能)も参考にしながら、楽天という企業のユニークさ、三木谷CEOのビジョンもあわせて深く理解しておきましょう。また英語のスキルアップも忘れずにしておきましょう。

まとめ

以上、駆け足で通信業界の構造と大手キャリア3グループ4社の概況を解説しました。大きなトレンドや企業の特徴、課題や今後の方向性は理解できたと思います。

通信業界は変化のスピードが速い業界です。時代の最先端を走っている業界であり、変化を受け入れ成長したいと思っている学生には「やりがい」のある業種です。

通信業界は新型コロナウイルス感染症の影響が少ない、もしくはリモートの拡大によりプラスに働く可能性もある数少ない業界です。

また海外志向の強い学生にも大いにチャンスはあるでしょう。インフラを担い、これからの社会や生活に大きな影響を与えるビックビジネスであることは間違いありません。ぜひ就活の検討に加えてみてください。そして企業毎に深い研究を進めていきましょう。

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