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【就活の業界研究】:医薬品専門商社の概況をチェックしよう

「就活の答え」では代表的な専門商社の概況を専門分野別で紹介していきます。

専門商社と一口に言っても、国内外のメーカー企業に製造に必要な原料、素材、部品などを主に輸入して供給する上流部分を主な事業とする商社、製品や商品を国内のユーザーや小売業に卸売することを主な事業にしている商社、その両方を事業としている商社があるため注意が必要です。

それによって「海外」への向き合い方も違っています。専門的に取り扱っている分野によって、就活生の専攻や強みが活かせるかも違ってきます。企業によっても戦略に違いがあるため、商社毎の事業の内容や経営戦略を把握しておきましょう。

この記事では医薬品を主に一部医療機器を扱っている専門商社の内、上位企業5社の概況を直近年度の有価証券報告書や中期経営計画を基にまとめています。

短時間で読めるように重要なポイントをコンサイスにまとめていますので参考にしてください。

またこの記事で言及している医薬品卸の上位4社、メディセオ(メディパルホールディングスの医薬品卸売企業)、アルフレッサ、東邦薬品、スズケンは、2020年10月に厚生労働省所管の独立行政法人である「地域医療機能推進機構」が発注する医薬品の入札で談合した疑いがあるとして、公正取引委員会が強制調査を行いました。

その後、各社は排除措置命令および課徴金納付命令を受けています。

医薬品専門商社を就活の対象に検討している就活生は、大手医薬品専門商社の独占禁止法違反に関するニュースの動向やその背景も理解しておきましょう。

これらの企業では、この事態を厳粛に受け止め、これまで実施してきたコンプライアンス遵守の施策に加え、新たな再発防止策を実施し、今後、独占禁止法違反に関する被疑を受けることのないよう取組みを強化しています。

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代表的な機医薬品・医療機器専門商社の業績と概況

株式会社メディパルホールディングス

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 3,360,008
経常利益 (百万円) 65,122
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 38,806
包括利益(百万円) 51,084
従業員数(人) 12,795
外、平均臨時雇用者数 8,429
子会社 31社
関連会社 18社

メディパルホールディングスはグループで「医療用医薬品等卸売事業」、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」、「動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業」、「関連事業」の事業セグメントで、医薬品、化粧品・日用品、動物用医薬品等の販売やサービスの提供を主とする事業活動を展開しています。

メディパルホールディングスはホールディングカンパニーであり、各事業は中核となる事業会社及びグループ企業が担っています。

中核事業の医療用医薬品卸売事業は、株式会社メディセオや株式会社エパルス他、計12社が行っています。

化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業は、株式会社PALTAC(パルタック)が担っています。ちなみにPALTACは2023年3月期の売上高は1兆1,000億円を超える上場企業です。

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

メディパルホールディングスの2023年3月期におけるグループ連結業績の概要は以下の通りです。

売上高:

  • 連結売上高は3兆3,600億8百万円となり、前期から690億86百万円(2.1%)の増収
    • 売上高は全てのセグメントで前期の実績を上回っています。主に化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業が前期から584億16百万円増加が寄与

営業利益:

  • 営業利益は、前期から33億48百万円(7.3%)増益の489億72百万円
    • 売上総利益は、売上高の増加に加え、医療用医薬品等卸売事業において売上総利益率が改善されたことにより、前期から68億59百万円(3.2%)増益の2,243億4百万円
    • 販売費及び一般管理費は、将来の事業領域拡大に向けた事業投資費用が増加したことなどにより、前期から35億10百万円(2.0%)増加の1,753億31百万円

経常利益:

  • 経常利益は、営業利益が増加したことにより、前期から30億76百万円(5.0%)増益の651億22百万円

た。

親会社株主に帰属する当期純利益:

  • 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から93億82百万円(31.9%)増益の388億6百万円
    • 上記増益と投資有価証券売却益などを計上が寄与

2023年3月期連結決算での事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年3月期セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益
(百万円)
利益構成比
医療用医薬品等卸売事業 2,182,226 64.9% 21,918 44.8%
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業 1,103,830 32.9% 24,472 50.0%
動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業 73,951 2.2% 2,525 5.2%
合計 3,360,008 100.0% 48,916 100.0%
調整額 56
計上額 3,360,008 48,972

中長期計画

メディパルホールディングスグループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念に基づき事業活動を行っております。

「ありたい姿」として「『医療と健康、美』を広げ、支え、つなぐ 健康応援オーケストラ」を掲げ、「医療と健康、美」の事業フィールドで社会価値、顧客価値を創造する事業を「広げ」、強固な流通インフラで「支え」、また、様々な分野のパートナーが持つ価値を「つなぐ」ことで、誰もが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と、企業価値の向上を目指しています。

この実現に向けて、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」を策定し、2022年10月31日に発表、加えて、2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定し、事業を展開しています。

「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」の概要

中期ビジョンの実現に向けた主な取組み:

中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトに向けた成長戦略として「海外への進出」、「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」、「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」、「持続可能な流通の構築」、「地域医療における価値共創」を掲げており、これら5つの成長戦略をパートナーとの積極的な協働により展開する方針を掲げています。

成長戦略1「海外への進出」:

  • 2022年10月、JCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市)と、ライソゾーム病の中でも超希少疾病を対象疾患とする4つの新薬候補物質(以下、対象物質)の、日本を除く全世界における事業化に関する独占的交渉権付与に関する覚書を締結
  • 本覚書に基づき、両社は対象物質のうちフコシドーシス*を対象疾患とする物質に関する実施許諾契約を併せて締結
  • 今後は、世界中の治療薬を待ち望む人々のために、グローバルな研究開発を推進
    • *フコシドーシスとは、ライソゾーム病の一種で、遺伝子変異により糖たんぱく質の代謝酵素(α-フコシダーゼ)の活性が低下し糖鎖や糖たんぱく質が全身に蓄積する常染色体劣性遺伝性疾患

成長戦略2「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」:

  • 2023年3月、住友ファーマフード&ケミカル株式会社(大阪市北区)の全株式を取得し、完全子会社化を完了、商号を「MP五協フード&ケミカル株式会社」に変更
  • 住友ファーマフード&ケミカルが自社にて研究開発した天然由来の多糖類*やヘルシーな機能性素材**などの競争力のある製品と、メディパルグループが有する広範な流通ネットワークの活用により、予防・未病領域における高いシナジーを創出
    • *多糖類とは、グルコースやマンノース等の単糖が長くつながったものの総称で、広義では10個以上の単糖が結合することで構成されている炭水化物のこと。たれ・ソース・ドレッシング・佃煮・ゼリー・プリン・アイスクリームなどの加工食品にユニークな食感を付与したり、つくりたての状態を保持するなどの機能を有するとともに、嚥下困難者の皆さま向けの食品にも活用、また、近年では、化粧品など、食品以外の商品にも使用
    • **機能性素材とは、健康食品や飲料等に使用されるオリジナルの食物繊維類

成長戦略3「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」:

  • 株式会社エムティーアイ(東京都新宿区)との協業により、母子手帳アプリ「母子モ」の全国自治体への導入を推進(2023年3月末現在520以上の自治体で導入)
    • これをプラットフォームとし、メディパルグループがもつリアルの強みを活かし、情報の集約、整理、分析を行うことで、子育てを側面から支援し、収益を得られる仕組みを構築する
  • 2023年1月にはMEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて、かかりつけ医の医療DXを支援するプロダクトなどを提供する株式会社レイヤード(福岡市博多区)への出資
    • レイヤードのDX製品・サービスの社会実装を支援することで、クリニックにおけるDXを強力に推進するとともに、デジタルプラットフォームの構築を加速させ、クリニックの業務効率化と利便性向上に貢献する

成長戦略4「持続可能な流通の構築」:

  • 2022年4月、H.U.グループホールディングス株式会社(東京都新宿区)と、医療・ヘルスケア領域における物流合弁会社「株式会社メディスケット(埼玉県三郷市)」を設立
  • メディスケットは同年12月1日から地域別に順次稼働しており、高品質な物流機能をプラットフォーム化することによって、医薬品・検査資材等の供給と臨床・治験・研究等の検体集荷の最適化実現に加え、様々なヘルスケア関連企業との協業に向けた参画を促進
  • 2023年2月1日、東七株式会社(長崎県佐世保市)と株式交換契約を締結し、同年4月3日、東七を完全子会社化。今後は長崎県、佐賀県の流通インフラをより強固にして、多くの人々の健康に貢献する

 

また、メディパルホールディングスは株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズ(東京都千代田区、以下、JWPという)によるジェネリック医薬品メーカー、日医工株式会社(富山県富山市)の再生支援に協力することを決定、2023年3月、JWPが管理・運営する合同会社ジェイ・エス・ディー(東京都新宿区)に対してJWPファンド(JWPが管理・運営するファンドのこと)と共同で匿名組合への出資を実施しています。

成長戦略5「地域医療における価値共創」:

  • 医薬品の専門知識とスキルを有するAR*が、地域医療における新たな価値を創造するビジネスの推進役として、質の高い営業活動を展開する
  • 希少疾病領域に特化して活動するARを、RD-MR**として任命し、主に病院市場において希少疾病用医薬品の情報提供・収集活動を展開
  • また、2022年4月、女性特有の疾病(月経困難症・子宮頸がん等)に関する予防・診断・治療等の情報を総合的に医療従事者へ提供することを目的に「ウィメンズコーディネーター」を設置し、女性の健康を側面から支援する取組みを開始
  • いずれも、地域医療コーディネーターとして、地域の顧客である医療機関、自治体、学校等が抱えるヘルスケア課題を抽出し、その解決策を提案することで新たな価値共創を目指す
    • * AR(Assist Representatives)とは、MR認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称
    • ** RD-MR(Rare Disease MR)とは、希少疾病領域に特化したARなどに付与した社内呼称

国内外のベンチャー企業への投資による収益基盤の拡大と企業価値の最大化:

  • MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて、国内外のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献する
  • 2022年5月、がん領域の研究開発に特化したバイオベンチャー企業であるChordia Therapeutics株式会社(神奈川県藤沢市)へ出資を行うとともに、業務提携に関する基本合意書を締結
  • 2022年8月には、CAR-T*細胞療法を主とした新規がん免疫療法の開発を行うノイルイミューン・バイオテック株式会社(東京都港区)へ出資
  • 2022年9月には医薬品向けヒト末梢血由来完全ヒト抗体の研究・開発を行う株式会社イーベック(札幌市中央区)へ出資
    • *CAR-Tとは、白血球の一種であるTリンパ球に、がん細胞に特異的に発現する抗原を認識する抗体を導入した細胞製剤

 

サステナビリティ方針の策定:

2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定、グループの経営理念に基づく事業活動やSDGsをはじめとした社会課題との関連性を整理し、その解決と当社グループの持続的な成長を両立させるための重要課題(マテリアリティ)を以下6項目に特定しています。

  • 「持続可能な『医療と健康、美』の流通」
  • 「新たな価値創造による収益性の向上」
  • 「未来を担う人材の育成」
  • 「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」
  • 「脱炭素への取組み」
  • 「健全で透明性の高い企業経営」

また2022年10月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、これに沿った情報を開示いたしています。今後もTCFD 提言に沿って、より精度を高めた開示に努めるとともに、財務に影響するリスクおよび機会を織り込んだ経営計画をもとに事業を継続し、持続可能な社会の実現に貢献していく方針です。

上記は中期経営計画の骨子の一部に過ぎません。

就活でメディパルホールディングスのグループ企業を目指す皆さんは業界研究、個別の企業研究を深めることにプラスして、メディパルグループの求める人材像*やグループ全体の経営方針、成長のための戦略、具体的な活動、パートナーとの関係やコンプライアンスの重要性についても深く理解しておきましょう。

*求める人材像:未来志向型人材の要件:

共通の価値観

メディパルグループの人材は「誠実」、「倫理観」、「使命感」を共通の価値観として、意思決定の基準とし、大切にしています

  • 「誠実」 常に真心を持って、公正・正直に行動している
  • 「倫理観」 法律、業界ルールはもちろんのこと、世間一般の常識に沿っている
  • 「使命感」 組織や自らのあるべき姿に向かって、責任を持って行動している

最後に、就活生が知っておくべき情報として、メディパルホールディングスグループの独占禁止法違反の事案をあげておきます。

2022年3月30日、公正取引委員会から、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が発注する医薬品の入札参加業者に対し、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った旨の発表がありました。

完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区)は、2019年11月に公正取引委員会による立入り検査を、2020年10月に東京地方検察庁による捜索及び公正取引委員会による立入り検査を受けましたが、その後、公正取引委員会に対して課徴金減免制度の適用申請を行い、過去の違反行為を自主的に申告するとともに、同委員会による調査に全面的に協力してきたことなどにより、排除措置命令、課徴金納付命令のいずれも受ける事態には至ってはいません。

また、2021年11月9日、連結対象の完全子会社である株式会社アトル(福岡市東区)は、独立行政法人国立病院機構本部が行う九州エリア所在の病院が調達する医薬品の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入り検査を受けました。

2023年3月24日、公正取引委員会から、独立行政法人国立病院機構本部が行う九州エリア所在の病院が調達する医薬品の入札参加業者に対し、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った旨の発表がありましたが、株式会社アトルは、本件に関し、公正取引委員会に対して課徴金減免制度の適用申請を行い、過去の違反行為を自主的に申告するとともに、同委員会による調査に全面的に協力してきたことなどにより、排除措置命令、課徴金納付命令のいずれも受けていません。

メディパルホールディングスでは、これらの事案を厳粛かつ真摯に受け止め、これまでに取り組んできた独占禁止法遵守に関する諸施策を、より一層徹底して推し進め、引き続きコンプライアンスの徹底を図るとともに、社会から信頼される企業として、さらなる企業価値向上に努めるとしています。

アルフレッサ ホールディングス株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 2,696,069
経常利益 (百万円) 32,831
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 25,786
包括利益(百万円) 27,641
従業員数(人) 11,772
外、平均臨時雇用者数 2,345
連結子会社 15社
持分法非適用関連会社 7社
非連結持分法非適用関連会社 14社

アルフレッサ ホールディングスは、グループ全体の経営ビジョンの策定、それに基づく経営計画の立案を行うとともに、グループとして経営資源を有効に活用し継続的な企業価値の向上を図る司令塔的な存在の持株会社です。

アルフレッサグループは、日本全国の医療機関や薬局等、約16万軒のお客様に対して、約1万4千種類の医療用医薬品をはじめ健康に関する様々な商品・サービスを提供しています。

グループとしては、以下のような体制で事業を展開しています。

  • 医療用医薬品等卸売事業:
    • アルフレッサ株式会社を中心とした医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料等の卸販売
  • セルフメディケーション卸売事業:
    • アルフレッサ ヘルスケア株式会社を中心とした一般用医薬品、健康食品、ヘルスケア関連商品等の卸販売
  • 医薬品等製造事業:
    • アルフレッサ ファーマ株式会社を中心とした医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具、医薬品原薬等の製造販売
  • 医療関連事業:
    • アポクリート株式会社を中心とした調剤薬局の経営
  • その他事業:
    • 情報システムの運用、保守、開発事業、運送・倉庫業、保険代理、不動産管理、日用品雑貨消耗品等の販売、他

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

アルフレッサホールディングスの2023年3月期におけるグループ連結業績については、医療用医薬品等卸売事業の大幅な増収により、売上高が2兆6,960億69百万円(前期比4.3%増)となっています。

利益面では、営業利益が301億48百万円(同3.6%増)、経常利益は328億31百万円(同0.8%増)でした。

特別利益に投資有価証券売却益93億3百万円、特別損失に投資有価証券評価損11億59百万円、独占禁止法関連損失引当金繰入額9億93百万円を計上したこと等によって、親会社株主に帰属する当期純利益は257億86百万円(同19.9%減)という結果となっています。

2023年3月期連結決算での事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年3月期セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
医療用医薬品等卸売事業 2,378,531 88.2% 26,970 90.4%
セルフメディケーション
卸売事業
246,152 9.1% 2,110 7.1%
医薬品等製造事業 35,183 1.3% 420 1.4%
医療関連事業 36,202 1.3% 330 1.1%
合計 2,696,069 100.0% 29,833 100.0%
調整額 315
計上額 2,696,069 30,148

中長期計画

医薬品等製造事業に関しては「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」「製造受託・医薬品原薬事業の推進」「製品ラインアップの拡充と販売力強化」「海外事業の拡充」に積極的に取り組んでいます。

アルフレッサグループは、2025年3月期を終年度とする「22-24中期経営計画 未来への躍進 ~進化するヘルスケアコンソーシアム ~」を策定して事業を展開中です。

中期経営計画の概要は以下の通りです。

「事業モデルの強化」と「新たな価値の創造」

成長領域への注力によるグループ基盤の強化

  • 医療用医薬品卸売事業:
    • 成長ドライバーであるスペシャリティ領域・メディカル品に注力
  • セルフメディケーション卸売事業:
    • 専売商品を強化する取り組みと新たな販路の開拓
  • 医薬品等製造事業:
    • 受託製造の強化、ならびに中枢神経・診断薬領域の販売強化
  • 医療関連事業:
    • かかりつけ機能の充実に向けた在宅医療の取り組み強化

 

新たな価値の創造

  • トータルサプライチェーンサービスを構築し、新たな価値を生みだす
    • 各セグメントが持つ強みを活かし、アルフレッサグループのサプライチェーンをトータルに活用することにより、セグメントを超えた新たな価値を生み出す
  • デジタルツールを活用し、「つなぐ活動」を新たなステージへ
    • 医療に関連するステークホルダーをつなぐデジタル技術の導入
    • 医療従事者の働き方支援
    • ドクター同士の地域内コミュニティを構築
    • データベース等で多職種をつなぐ
  • 「グループ一体となった取り組み」による地域の健康・医療への貢献
    • グループが一体となった取り組みによる地域の健康・医療への貢献のため、各事業セグメントの事業会社が連携することで、事業モデルを強化し、新たな価値を創造することにより、グループ一丸となって、地域医療のニーズに応え、地域医療構想の実現を下支えして貢献する

 

  • 「環境保全への取り組み等」を通じたサステナブル社会への貢献
    1. カーボンニュートラルに向けた取り組みを推進
    2. 資源環境の取り組みを推進
    3. 環境汚染防止、生物との共生を推進

 

  • 「ダイバーシティ」を中心とした人財戦略の推進
    • アルフレッサグループで共に働く人々が個性や才能を発揮し、仲間とゴールに向かって協働する強い「個」の集団を実現
    • ダイバーシティを中心とした人財戦略の推進のため、アルフレッサグループの人財要件である強い使命感、高い倫理観、適応力および挑戦心の4つに加えて、新たにグループの持続的な成長のための必要な機能において、豊富な知識・経験を有し、個性や才能を存分に発揮できる高い専門性を持つ人財育成に取り組む
    • グループで共に働く人々が多様性を受け入れ、仲間と共にゴールに向かって、個性や才能を存分に発揮して協働する強い「個」の集団を実現

 

  • 「コンプライアンスの遵守」を最重要とする企業風土の醸成
    • 過去の過ちに真摯に向き合い、グループ一体となった具体的な取り組み・工夫を継続
        • 各種法令・規則・ガイドライン・コード・企業倫理・社会規範等の遵守
        • グループ会社のトップやコンプライアンス責任者が集まる会議体において、コンプライアンスの周知徹底
        • グループ会社からのメッセージ発信や会議・研修を通じたコンプライアンスの周知徹底

 

上記に加えて、グループでDXの取り組み強化と共に、事業ごとの戦略と施策を展開していく計画です。

22-24中期経営計画の最終年度である2025年3月期の経営目標は以下の通りです。

  • 売上高(連結): 2兆7,000億円
  • 営業利益率(連結):1.5%以上
  • 投資計画(累計): 1,200億円
  • 株主還元: 連結純資産配当率(DOE):2.4%以上

尚、就活生が知っておくべき情報として、公正取引委員会より独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令、及び立入検査を受けた事実を注記しておきます。

  • 連結子会社であるアルフレッサ株式会社(以下、アルフレッサ)は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反により、2021年6月に東京地方裁判所において有罪判決を受け、罰金2億50百万円の刑が確定し、2022年3月に公正取引委員会より独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令を受けています
  • 2021年11月、アルフレッサは、独立行政法人国立病院機構(NHO)または独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)が運営する九州エリアに所在する病院が調達する医薬品に関して独立行政法人国立病院機構本部が行う入札等において、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査を受け、2023年3月、公正取引委員会より独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令を受けています

就活でアルフレッサグループ企業を志望する皆さんは、企業研究を進めるのは当然として、中期経営計画の概要や具体的に行われている施策を把握して、業界の現状と多様な戦略や施策、その背景や将来への方向性を理解しておきましょう。

株式会社スズケン

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 2,314,828
経常利益 (百万円) 36,376
親会社株主に帰属する当期(百万円) 20,345
包括利益(百万円) 19,170
従業員数(人) 13,429
外、平均臨時雇用者数 3,119
子会社 50社
関連会社 8社

スズケン及びそのグループ企業では、医薬品の販売、製造及び保険薬局を主な事業としているほか、これらに付随する医療関連サービス等の事業を展開しています。

具体的な事業区分は、医薬品卸売事業、医薬品製造事業、保険薬局事業、医療関連サービス等事業(メーカー支援サービス、介護サービス他、医療機器製造、その他)、となっており、医薬品卸業務に留まらず、多角的に医薬品・医療関連事業を展開しています。

事業の概要は以下の通りです。

  • 医薬品卸売事業:医薬品、診断薬、医療機器・材料等を販売する事業
  • 医薬品製造事業:医薬品、診断薬等を製造する事業
  • 保険薬局事業:医療機関からの処方箋に基づき調剤を行う事業
  • 医療関連サービス等事業:
    • メーカー支援サービス:医薬品の輸配送、希少疾病用医薬品の流通に関する総合的支援を行う事業等
    • 介護サービス:主に介護保険法に基づく介護サービスの提供等を行う事業
    • 医療機器製造:心電計、血圧計等の生体生理検査機器等を製造する事業
    • その他:医療関連書籍の販売等を行う事業

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

スズケンの2023年3月期におけるグループ連結業績については、売上高が2兆3,148億28百万円となり、前期比3.4%の微増収となっています。

利益面では、営業利益は326億5百万円(前期比62.1%増)、経常利益は363億76百万円(前期比55.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は203億45百万円(前期比41.4%増)となり、前期比増益を達成しています。

売上高はスペシャリティ医薬品等の新薬や新型コロナウイルス感染症関連の治療薬・診断薬が伸長したことに加えて、営業利益・経常利益はグループ全体での販売費及び一般管理費の抑制に努め適正利益の獲得に取り組んだことが寄与した結果となっています。

また、連結子会社の(株)翔薬が排除措置命令および課徴金納付命令を受けたことなどを踏まえ、一連の事案に関し今後発生しうる損失額につき、44億47百万円を特別損失(独占禁止法関連損失)として計上を行っています。

2023年3月期連結決算での事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年3月期セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益
(百万円)
利益構成比
医薬品卸売事業 2,177,030 94.0% 27,050 83.7%
医薬品製造事業 10,648 0.5% 1,221 3.8%
保険薬局事業 87,718 3.8% 2,034 6.3%
医療関連サービス等事業 39,431 1.7% 2,018 6.2%
合計 2,314,828 100.0% 32,324 100.0%
調整額 281
計上額 2,314,828 32,605

事業計画

スズケンは現在2022年度を最終年度とする新中期成長戦略「May I “health” you? 5.0」を策定して事業を展開してきました。

5.0には日本が目指す新たなデジタル社会である「Society 5.0」において、社会の課題を解決できる新たな事業展開を目指す意味が込められています。

中期計画の戦略骨子は「第3の創業に向けた新事業の立ち上げ」、「各事業の成長と事業間シナジーの発揮」、「更なる筋肉質化」であり、それを具体化するために以下の3つの「One」を実現し、連動させることでした。

中期ビジョン1: Only One 「第3の創業に向けた新事業の立ち上げ」

  1. デジタル化時代の新たなビジネスモデルの構築
  2. 地域医療貢献ビジネスモデルの追求
  3. プロダクトポートフォリオの拡充

中期ビジョン2: As One 「各事業の成長と事業間シナジーの発揮」

  1. 医薬品卸売のビジネスモデル再構築
  2. カテゴリー変化に対応した2つの流通モデルの確立
  3. 医薬品製造セグメントの事業改革
  4. 保険薬局事業の成長
  5. 介護事業の成長と黒字化
  6. 中国・韓国事業の更なる強化

中期ビジョン3: One point improvement 「更なる筋肉質化」

  1. 医薬品卸売オペレーションの抜本的な構造改革
  2. グループ間接機能の共同化
  3. グループ本社機能の適正化

2023年度から新たにスタートする中期経営計画の策定においては、スズケングループが「One Team」となって健康創造事業体の実現に向かって、変化するヘルスケアエコシステム*に新たな「解」と「希望」を送り続ける存在として新たな価値を創出し続け、さらなる企業価値の向上と社会課題の解決に貢献していく方針を掲げています。

*病院を中核プラットフォームとし、専門医療、医薬、情報、サービスなどの各種周辺事業を有機的につなぎ合わせることで、医療の質と効率性を高め、社会に貢献するための次世代型の医療インフラを意味する

2024年3月期~2026年3月期 中期経営計画の概要

スローガン:

For your next heartbeat ~未来に向けた鼓動を創ろう~

 

スズケングループが生み出す3つの“鼓動”:

  • Beat1:地域住民の健康を守る
    • 外部企業との連携を拡大し、地域医療・自治体に対するサービスパッケージを確立する
  • Beat2:需給調整機能で社会の無駄を削減
    • 効率的かつ安定的な流通機能を構築することで、医薬品ロスを低減し、安定供給を支える
  • Beat3:未来価値の創生できる人材を育成
    • 自ら社会に新しいインパクトを提供することができる、創造的なリーダーシップ人材を育成する

 

中期経営計画 骨子:

本中計期間では、「既存事業の変革」と「新たな成長事業の準備」を主なテーマと位置づける

  • 「既存事業の変革」:
    • サステナブルな社会インフラ基盤の確立に向けてヘルスケア流通改革を実践し、生産性を上げることで一層の利益体質へと転換
  • 「新たな成長事業の準備」:
    • 前中期経営計画での取組みと上記各Beatを連動させ、日本の新たなヘルスケアエコシステムの創生に向けて、オープンイノベーションによる発想で協業企業とともに新たな価値創造を図る
  1. サステナブルな社会インフラ基盤の確立
    • ヘルスケア流通改革
    • アジア(中国・韓国)事業の再構築
  2. 日本の新たなヘルスケアエコシステムの創生
    • スマートロジスティクス
    • デジタルヘルスケア
    • 地域医療介護支援
    • ヘルスケア製品開発

 

また、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、独占禁止法違反事件への対応をあげています。

スズケンの連結子会社である(株)翔薬は、独立行政法人国立病院機構(NHO)の入札に関する独占禁止法違反について、2023年3月に公正取引委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。

スズケンは、本件を厳粛に受け止め、再発防止に向けたコンプライアンス遵守徹底の取り組みについて、全グループをあげて取り組み、二度とこのような事態を起こさないことを通じ、信頼の回復に取り組むとしています。

また中期経営系計画において目標とすべき、主要財務指標とESG、サステナビリティに関する数値目標も設定しています。

上記は骨子のみですが、スズケンを志望する就活生は、事業環境や経営課題を含め、是非この中期経営計画のコンセプトを理解して選考に臨んで下さい。

東邦ホールディングス株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 1,388,565
経常利益 (百万円) 19,176
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 13,630
包括利益(百万円) 11,592
従業員数(人) 7,699
外、平均臨時雇用者数 2,324
子会社 60社
関連会社 11社

東邦ホールディングス及びグループ会社は、医薬品卸事業を主に、以下の事業を展開しています。

  • 医薬品卸売事業:
    • 製薬メーカー等から医薬品及び医療関連商品を仕入れ、病院・診療所・調剤薬局等へ販売、医薬品卸売グループ企業のデータ処理等の基幹システムの請負業務、不動産賃貸業等
  • 調剤薬局事業:
    • 保険調剤薬局経営、調剤薬局事業の管理事業
  • 医薬品製造販売事業:
    • 連結子会社である共創未来ファーマ株式会社、他関連会社2社による医薬品の製造販売、ジェネリック医薬品の製造販売および注射用医薬品の受託製造(ジェネリック医薬品は、主に東邦薬品株式会社に供給)
  • その他事業:
    • 治験施設の支援をはじめとした、グループ企業による、上記事業に関連する周辺事業

中核事業の医薬品卸売事業は、東邦薬品株式会社、及び連結子会社28社他、グループ企業により事業を展開しています。

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

東邦ホールディングスの2023年3月期におけるグループ連結業績については売上高が1,388,565百万円となり、前期比9.7%の増収でした。

利益面では、営業利益が12,813百万円(前期比2.3%増)、経常利益は19,176百万円(前期比5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が13,630百万円(前期比1.9%増)という結果となっています。

主力の医薬品卸売事業は、2022年4月に実施された診療報酬改定において、薬剤費ベースで6.69%の薬価基準の引き下げが行われるなど、引き続き医療費抑制策の影響を受けましたが、新型コロナウイルスによる第7波および第8波の感染拡大に伴い、治療薬・検査キットなどの関連製品の売上が拡大し、プラス成長となったカタチです。

グループ各社も、新型コロナウイルス関連製品の売上が大きく寄与したことに加え、がん治療薬・スペシャリティ医薬品の伸長等により増収増益となっています。

2023年3月期連結決算での事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年3月期セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
医薬品卸売事業 1,289,136 92.8% 10,443 72.7%
調剤薬局事業 92,337 6.6% 2,431 16.9%
医薬品製造販売事業 2,105 0.2% 864 6.0%
その他周辺事業 4,985 0.4% 621 4.3%
合計 1,388,565 100.0% 14,360 100.0%
調整額* -1,547
計上額 1,388,565 12,813

*セグメント利益の調整額は、セグメント間の内部取引の消去、未実現利益の消去及び全社費用

主力の医薬品卸売事業は、独占禁止法違反による入札指名停止の影響を受けたものの、東邦ホールディングスグループの物流機能ならびに価格管理体制を製薬メーカーから評価され、スペシャリティ医薬品をはじめとする、取扱卸を限定した製品の取り扱いが順調に拡大しています。

治療薬や検査キット等の新型コロナウイルス関連製品の売上も伸長し、業績に大きく貢献したカタチです。

事業計画

我が国では現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定など医療費抑制のための様々な施策や、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みが推進されています。

また、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額で厳密な管理が必要とされる医薬品が多く登場し、医薬品のモダリティ(創薬技術や手法等の治療手段の種別)が大きく変化しており、医薬品等の多様性に対応できる営業・物流体制の構築が求められています。

医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、東邦薬品グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献し、社会から継続して支持される企業であることを目指しています

現在、東邦薬品グループでは中期経営計画2023-2025「次代を創る」を策定し、事業を展開しています。

中期経営計画2023-2025「次代を創る」概要:

期間の位置づけ:中期経営計画年度において次代に繋がる基盤を創る

  • 企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスというそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けたサステナビリティ経営を推進する
  • 医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、物流センターからお得意先への直送や配送回数の適正化、共同物流など配送効率の向上に取り組む
  • 性別・国籍・年齢等を問わない幅広い人財活用と、各種研修やプロジェクトへの参画を通じた人財育成、社員一人ひとりの人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成するとともに、人的資本価値の最大化を図る
  • 健全な事業活動を行うべく、ガバナンスの一層の強化を図るとともに、全ての役職員が「関連法規の遵守」と「コンプライアンス・リスクマネジメント」を最優先事項として行動する
  • 医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに推進する

このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指す計画となっています。

東邦ホールディングスでは、医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、中期的な収益性向上のための施策として、主力の医薬品卸売事業については、患者、医療機関、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案、DXの推進に積極的に取り組んでいます。

22,000軒以上の調剤薬局が参画する薬局共創未来(地域で将来も自主性を持って薬局事業を展開したいという薬局経営者のグループ)との連携強化を図るとともに、大規模高機能物流センターであるTBCダイナベースを起点とした治験物流やメーカー物流の推進、さらにバイオ医薬品・遺伝子治療薬・再生医療等製品・バイオシミラーといった今後の成長が期待される事業領域に挑戦していく方針です。

調剤薬局事業では、以下の取り組みを強化。推進中です。

  • 店舗数の拡大や調剤報酬改定への対応を進めることによる収益の確保
  • DXの推進により薬剤師業務の効率化と患者様の利便性の向上
  • オンライン服薬指導の体制強化
  • SNSを活用した服薬フォロー、物販の拡大など健康サポート薬局としての機能を強化
  • 地域医療に密着したサービスの提供と、高度な薬学管理知識を有する薬剤師の育成により、それぞれ地域連携薬局と専門医療機関連携薬局としての機能を果たすことで調剤薬局事業の高付加価値化を推進

尚、就活生が知っておくべき情報として、独占禁止法違反に関する事実をあげておきます。

連結子会社の東邦薬品株式会社と東邦ホールディングスの従業員は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の入札に関する独占禁止法違反について、2021年6月30日に東京地方裁判所において、同法違反により罰金刑、懲役刑(執行猶予付き)の判決を受け、2022年3月30日には東邦薬品株式会社が公正取引委員会より排除措置命令および課徴金納付命令を受けています。

また、2021年11月9日には当社連結子会社である九州東邦株式会社が、独立行政法人国立病院機構本部を発注者とする、九州エリアにおける医療用医薬品の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査を受け、2023年3月24日に公正取引委員会より排除措置命令および課徴金納付命令を受けています。

東邦ホールディングスグループはこれらの事態を厳粛に受けとめ、グループ一丸となってコンプライアンスの再徹底に全力取り組み、信頼回復に向けて健全かつ透明性の高い事業活動を推進・実践中です。

株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングス

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 579,772
経常利益 (百万円) 5,960
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 4,831
包括利益(百万円) 2,491
従業員数(人) 3,719
外、平均臨時雇用者数 1,607
子会社 18社
関連会社 4社

バイタルケーエスケー・ホールディングスは東京都世田谷区に本社を持つ企業で、グループ企業と共に医薬品卸売事業、薬局事業、動物用医薬品卸売事業及びその他事業を行っています。

  • 医薬品卸売事業:
    • 病院、開業医、薬局等の医療機関に、医薬品・診断薬・医療機器・材料等の販売等
  • 薬局事業:
    • 一般消費者に医薬品・医療機器・器具及び衛生材料等の販売
  • 動物用医薬品卸売事業:
    • 農場、牧場、動物病院、診療所等に、動物用医薬品・飼料等の販売等

その他事業には運送業、介護サービス業、医療機関に対するコンサルティング業、損害保険代理業、不動産斡旋業、駐車場等の事業活動が含まれています。

主力の医薬品卸売事業では、株式会社バイタルネット、株式会社ケーエスケーが中核の企業として事業を展開しています。

2023年3月期(2022年度)連結業績概要

バイタルケーエスケー・ホールディングスの2023年3月期におけるグループ連結業績は、売上高が579,772百万円となり、前連結会計年度比0.4%の増収でした。

主に、新型コロナウイルス感染症関連の医療用医薬品や医療機器、臨床検査試薬等の販売が好調に推移したことによるものです。

利益面の業績は、売上総利益が44,963百万円(同2.2%増)、営業利益は、2,470百万(同16.1%減)、経常利益は5,960百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、最終的に4,831百万円(同1.3%増)という結果でした。

2023年3月期連結決算での事業セグメント別業績概要は以下の通りです。

2023年3月期セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
医薬品卸売事業 546,058 94.2% 2,053 89.5%
薬局事業 18,361 3.2% 106 4.6%
動物用医薬品卸売事業 10,879 1.9% 339 14.8%
その他 4,473 0.8% -204 -8.9%
合計 579,772 100.0% 2,295 100.0%
調整額 175
計上額 579,772 2,470

中期経営計画

バイタルケーエスケー・ホールディングスは、長期ビジョン(2025年にグループの目指す姿)として、「医療・介護を支える商品やサービスを戦略的に提供することにより、地域・コミュニティのヘルスケアになくてはならない存在となる」を掲げてきました。

2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる「2025年問題」を控え、より一層エリアに密着・深耕し、地域のヘルスケアの様々な課題に対して長期ビジョンに基づいたサポートやソリューションの提供に注力して事業を展開しています。

上記に加え、現在、医療では抗がん剤や希少疾患薬などアンメット・メディカル・ニーズに応えた高額薬(大半がいわゆるスペシャリティ薬)が市場伸長の中心となっており、これらの薬剤は限られた専門医療機関で使用されますが、より高度な情報提供などその専門性に応じた新たな医薬品流通上のニーズも生じることから、その対応が課題となっています。

更に先端技術を活用した新たな診断技術や治療技術の提供が大きなイノベーションを興しつつあり、再生医療に加え、新たな診断薬、医療機器、ロボットなど、新たな診断・治療手段は今後の市場伸長を牽引する一方、流通上の新たな課題も生まれています。

医療を中心としたヘルスケア領域におけるDXの進展は、地域のヘルスケア提供の効率化・高度化などに寄与するとともにそこに関わるすべてのビジネスに大きな変革をもたらすと思われます。

このような市場構造変化と経営環境変化を踏まえて、バイタルケーエスケー・グループでは、2024年3月期より新しい「長期ビジョン2035」を策定し、発表しています。

長期ビジョン2035

垣根を越えて 薬の先へ “つなぐ”ことで医療の未来を革新する

主な実践課題:

  • 物流機能の高度化⇒ 3PL事業の展開
  • 医薬品卸売事業の刷新⇒ 各事業エリアにおける最適な事業戦略
  • メディカル商材の拡販⇒ 医薬品周辺事業への深耕
  • レンタル事業の強化⇒ 各種ソリューションの提供
  • 薬局事業の拡大⇒ 薬の受け取り方を変える
  • 行政・自治体との連携強化⇒ 健康寿命延伸に貢献
  • ライフサポート事業の展開⇒ 子育て支援や病気の予防
  • コンパニオンアニマルとアグリテック分野の事業拡張⇒エリア拡大と新事業の展開

この長期ビジョンのもと、「信頼・挑戦・連携」という3つの価値観をベースに、自立と連携により医薬品・メディカルの持続可能な流通体制を構築することと、社会課題の解決と健康寿命の延伸に寄与することを目的に医療周辺ビジネスを拡大する方針です。

具体的な経営計画として、バイタルケーエスケー・ホールディングスでは、2023年3月期から2025年3月期までの3年間にわたる第5次中期経営計画を策定し、事業を展開しています。

第5次中期経営計画の骨子は以下の通りです。

中期ビジョン:「次代を見据えたビジネスモデルの革新」

  1. 市場の構造変化と市場特性に合わせた医薬品流通モデルの追求
  2. 医療のDX進展に伴う流通・マーケティングモデルの進化
  3. プライム市場に対応したグループ経営推進

主な実践課題:

医薬品卸売事業:

  1. 市場構造変化を踏まえた体制整備
    1. 効率化・適正化推進によるローコストオペレーションの実現
    2. 処方元への効率的・効果的マーケティング活動の実施
    3. MS機能の拡張(MR機能の代替へ)
  2. 地域の医療提供の中核となる“病院”への取組み強化・営業体制刷新
  3. 調剤薬局のDX推進
  4. サプライチェーンマネジメント力の持続的向上
    1. 在庫管理システムを活用したパッケージ納品の拡大
    2. 3PL事業の展開
    3. 調剤センターを活用したサプライチェーン構想実施
    4. 物流品質と効率化の持続的向上

グループ経営戦略:

  1. 財務戦略
    1. ROE 5%以上
    2. 適正な株主還元策の実行、配当性向25%以上
    3. 政策保有株式の縮減
  2. より高度なコーポレート・ガバナンスの検討・整備
  3. コーポレート・コミュニケーション(CC)のさらなる充実
  • ネット時代と財務戦略を踏まえた適切なCC活動の実施
    1. 英文開示の充実(当社ホームページ、株主総会招集通知書など)
    2. ESGに加え、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)を見据えたコーポレート・コミュニケーション活動

上記は中期経営計画の骨子のみですが、医薬品専門商社事業の課題や成長戦略を理解する上での参考になると思います。就活で、バイタルケーエスケーグループを志望する方は、概要を理解し選考に臨んで下さい。

まとめ

専門商社を目指す就活生は、その分野の代表的な企業を深く研究することが不可欠です。各社の戦略に違いがあり、その特徴を自分の価値観や強味、就活の軸に照らして吟味して、志望動機を磨いていきましょう。

そのマッチングが曖昧だと、上位企業の選考には勝ち残れません。「商社ビジネス」への憧れや、海外志向から志望業界にするのは良いですが、志望動機と現実を意識して専門分野と企業研究に時間をかけて取り組んでください。

医薬品専門商社は売り上げ規模を大きく、製薬企業と共に国民の健康に貢献する重要な役割を担っています。製薬企業を志望する方は、この業界も併せて検討・研究してみてください。そして興味が繋げた方は、ぜひ積極的にチャレンジしてみましょう。

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