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【就活の業界研究】IT(SIer)業界の構造と主要各社の状況を俯瞰しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」ではIT業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

IT業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • IT業界のビジネスモデルを理解しよう
  • IT業界の現状と課題・未来
  • IT業界にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • IT業界に働く人のモチベ―ションは何か
  • IT業界に向く人、向かない人はどういう人か
  • IT業界の構造
  • IT業界、主要各社の概況
裾野が広く、業態も多様なIT業界。この記事ではIT業界の構造と、業界の中でも最も大きなウェイトを占めるSIer業界大手企業の概況をまとめました。

自分自身が、未来をIT業界、中でもどんな分野の企業に自分を託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

IT業界の構造

IT業界をどう分けるかに関しては、分析者の立場によって様々であり、正解がある訳ではありません。

それほど変化が激しく、また業際も融合していく、アメーバ的な業界でもあるため、IT業界として理解すべきかどうかも迷ってしまうのが現実です。

IT業界と認識されている企業でも、インターネット・Web系企業、例えばソフトバンクや楽天、Google、Apple, Amazonのような企業は、非常に多くのビジネスに、インターネットという武器を使って参入を果たしています。

またインターネット広告を扱うインターネット専業の広告代理店は、広告業界として扱うべきか、インターネット業界として扱うべきか、どちらが正解とも言えません。

Facebook, Twitter, Line というようなSNSも、そのサービスと顧客(会員)ベースを利用して多くの事業に参入しています。

またハードウェアを作っている企業、通信インフラを提供する企業、ソフトウェアメーカー、情報処理・システムを供給するSI系企業、コンサルティング企業など、IT業界の構造は業種・業態別に大きく違うのが実情です

従って他の業界とは異なり、IT業界を目指す就活生は自己分析に基づいて、自分の価値観に適した業態・企業を絞って研究をしていく必要があります。

例えば同じインターネット業界でEコマースを展開するアマゾンと楽天では、商品の供給側の顧客層やマネタイズするビジネスモデルも違います。共通項を見つけるよりビジネスの違いを研究していくべきなのです。

IT業界の市場規模から業界構造を見てみよう

ここでは便宜的にIT業界を経済産業省の分類による情報サービス業(ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、インターネット附随サービス業の3業種)に分けてデータを見ていきます

一般社団法人 情報サービス産業協会が、経済産業省による特定サービス産業実態調査を基に作成したデータによると、2020年の情報サービス産業 業務種類別売上高は以下のようなシェアになっています。

情報サービス産業 業務種別売上高の割合 (2020年)

 

グラフ出典:経済産業省・経済構造実態調査二次集計結果及び特定サービス産業実態調査をもとに、情報サービス産業協会で作成

日本のIT業界という括りでハードウェアを除いて考えると、受託ソフトウェアの売上シェアが圧倒的に高く、54.8%に達しています。

情報サービス産業 職種別従事者の割合 (2020年)

また同じく、情報サービス産業協会によるデータで、情報サービス産業の職種別従業者のシェアを見ると、以下のような割合となり、システムエンジニア(SE)職に従事している人が多いことが分かります。

出典:経済産業省・経済構造実態調査二次集計結果及び特定サービス産業実態調査をもとに、情報サービス産業協会で作成

資料:経済産業省・経済構造実態調査、特定サービス産業実態調査(https://www.meti.go.jp/)

この二つのデータから、この記事では情報サービス産業の中で最もシェアの高い、受託ソフトウェア、所謂SIer業界をIT業界の主要な業界とし、その主要企業の中でも上位4社の概況をまとめておきます。

新卒でITエンジニアになりたいなら、ITと就活の専門知識を持つプロに相談するのが近道

IT技術やWeb技術は今の社会にとって必要不可欠であり、それに係る人材は枯渇しています。

ITを担当するITエンジニアは多種多様な産業に渡り、且つ技術をベースとした専門分野に分かれているため、現状の自分にどんな可能性が広がっているのかを正確に判断するのは難しいものです。

この分野のすそ野は広く、プログラミングの知識が殆どなく、その「さわり」程度の知識しかない文系の学生でもITエンジニアの卵として就職することも可能です。

また大学で情報工学を学んでいる学生や大学院でAIを専門に研究してきた学生が、IT系企業だけではなく、外資系のコンサルティング会社や投資銀行のエンジニアとして就職することも普通にできるのです。

しかしほとんどの学生の場合、産業や企業、IT系の職種に対する知識が乏しいため、具体的な就活をどう進めたらよいのか分からず、最初の段階で躓いたり、無駄な時間を使ってしまいます。

そんな不満や不安を持つ就活生は、ITと就活の専門知識を持つ、ITエンジニアになるための就活に特化した就活エージェントである、レバレッジルーキーに一度相談してみましょう。

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システムインテグレータ、SIer業界の主要企業の概要

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 2,551,906
営業利益(百万円) 212,590
税引前当期利益 (百万円) 215,849
当社株主に帰属する当期利益(百万円) 142,979
当社株主に帰属する包括利益(百万円) 227,773
従業員数(人) 151,991
外、平均臨時雇用者数 3,540
子会社 312 社
関連会社 37社

NTTデータは連結売上高2兆円強を誇る、情報サービス産業の巨大企業です。

もちろん、日本電信電話株式会社を最終的な親会社とするNTTグループに属しています。

受託ソフトウェア業界の中でも断トツの首位企業であり、就活人気も高い企業です。主要な産業別のセグメントをバランスよく持っており、海外展開にも注力しています。

主な事業セグメントは以下の通りであり、NTTデータ及びその子会社、一部関係会社が行っています。

  • 公共・社会基盤:
    • 行政、医療、通信、電力等の社会インフラや地域の活性化を担う、高付加価値なITサービスを提供する事業
  • 金融:
    • 金融機関の業務効率化やサービスに対して、高付加価値なITサービスを提供する事業
  • 法人・ソリューション:
    • 製造業、流通業、サービス業等の事業活動を支える高付加価値なITサービス、及び各分野のITサービスと連携するクレジットカード等のペイメントサービスやプラットフォームソリューションを提供する事業
  • 北米:
    • 北米ビジネスにおける市場特性を考慮した高付加価値なITサービスを提供する事業
  • EMEA・中南米:
    • EMEA(Europe, Middle East, Africa)・中南米ビジネスにおける市場特性を考慮した高付加価値なITサービスを提供する事業
  • その他:
    • 中国・APACビジネスにおける市場特性を考慮した高付加価値なITサービスの提供及び本社部門機能のサポート等

2022年3月期(2021年度)連結業績の概要

2022年3月期(2021年度)における、NTTデータの連結業績の概要は以下の通りです。

  • 受注高: 2,400,817百万円(前期比8.0%増)
  • 売上高: 2,551,906百万円(同10.1%増)
  • 営業利益: 212,590百万円(同52.8%増)
  • 税引前当期利益: 215,849百万円(同65.5%増)
  • 当社株主に帰属する当期利益 :142,979百万円(同86.1%増)

2021年度の連結業績は、当期利益をはじめとする全ての項目について過去最高を更新しています。

大幅な増益の要因は、海外事業の規模拡大及び収益性の改善、国内事業の順調な規模拡大等が寄与したカタチです。

受注高は海外事業の規模拡大及び為替影響により増加し、売上高は、全セグメントにおける規模拡大に加え、為替の影響により33期連続増収を達成しています。

2022年3月期における、事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 セグメント業績概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 営業利益/損失(百万円) 利益構成比
公共・社会基盤 486,599 19.1% 68,092 29.1%
金融 541,414 21.2% 62,332 26.6%
法人・ソリューション 460,641 18.1% 64,146 27.4%
北米 467,896 18.3% 17,169 7.3%
EMEA/中南米 542,839 21.3% 15,608 6.7%
その他 51,955 2.0% 6,733 2.9%
合計 2,551,344 100.0% 234,079 100.0%
調整額 562 -21,489
計上額 2,551,906 212,590

NTTデータの事業戦略

NTTデータの企業理念:

NTTデータの企業理念は、「情報技術で、新しい『しくみ』や『価値』を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」です。

またNTTデータのグループビジョンを、「Trusted Global Innovator」としています。

成長戦略も「2025年頃に、Global Top 5の企業として世界のお客様から信頼される企業をめざす」としています。

成長ステージは以下の3つに分かれており、現在はGlobal 3rd Stage にむけて新たな中期経営計画(2022年度~2025年度)を基に、事業を展開しています。

  • Global 1st Stage: グローバルカバレッジを拡大し、2015年度までに連結売上高 6兆円、海外売上比率30%を目指す
  • Global 2nd Stage: グローバルブランドを確立し、2018年度までに連結売上高2兆円、海外売上高比率概ね50%を目指す
  • Global 3rd Stage: 信頼されるブランドの浸透とともに、2025年頃にGlobal Top 5となる

NTTデータは、前中期経営計画(2019年度~2021年度)において、グローバルで質を伴った成長をめざし、海外事業の収益性改善とデジタルへの取り組みの更なる加速を推進してきました。

一方で、社会課題の解決・地球環境の貢献に向けてデジタルトランスフォーメーションは加速しており、更なる競争力の強化に向けた取り組みが必要であることに変わりはありません。

2021年度のグローバルビジネスは41%であり、Global 3rd Stageに向けては、海外事業の質を伴った成長とデジタル領域における競争力の強化が継続課題となっています。

また世界的に人財獲得競争が激化していることを踏まえ、多様な人財が長期に活躍できる環境・文化へ変革していくとともに、真のグローバル企業へと成長していくことが課題となっています。

新中期経営計画

NTTデータグループの新中期経営計画(2022年度~2025年度)の概要は以下の通りです。

  • 基本方針:
    • Trusted Global Innovatorとして、未来に向けた価値をつくり、様々な人々をテクノロジーでつなぐことでお客様とともにサステナブルな社会を実現することをめざしていきます。
  • 中期戦略:中期戦略の骨子は以下の通りです。
    • これまで培ってきた顧客理解と高度な技術力でシステムをつくる力と、様々な企業システムや業界インフラを支え人と企業・社会をつなぐ力をさらに高める
    • 具体的には、業界・技術のフォーサイト(未来視点)を起点とした変革提案と、高いアジリティを実現するアセットベースの価値提供により、経営変革・事業変革の構想策定から実現まで、End to Endの対応力を強化
    • 様々なモノやデータをつなぐEdge to Cloud サービス*により、業界を超えて企業をつなぐ業際連携を実現し、企業・業界の枠を超えた新たな社会プラットフォームや革新的なサービスの創出を目指す
      • *Edge to Cloud サービスとは、IoT端末やスマートデバイス、その近くに設置されたサーバでデータ処理・分析を行うエッジコンピューティングと、データを集中管理・処理するクラウドコンピューティングを組み合わせたアーキテクチャ
    • これらの取り組みをグローバル全体で推進していくため、NTTグループ傘下のNTT株式会社(以下、NTT, Inc.)と海外事業を統合し、ITとConnectivityを融合したサービスをトータルで提供する企業へ進化させる
    • コンサルティングやアプリケーション開発に留まらず、Connectivity領域までを含むデジタルトランスフォーメーションに必要なサービスラインナップを一元的に整備し、複雑化・多様化するお客様のニーズにグローバルレベルで対応する

戦略の全体像:Realizing a Sustainable Future

未来に向けた価値をつくり、様々なテクノロジーで繋ぐことでお客様とともにサステナブルな社会を実現する

  • 「Clients’ Growth サステナブルな社会を支える企業の成長」
  • 「Regenerating Ecosystems 未来に向けた地球環境の保全」
  • 「Inclusive Society 誰もが健康で幸福に暮らせる社会の実現」

実現に向けての戦略

  • 戦略ITとConnectivityの融合による新たなサービスの創出
  • 戦略フォーサイト起点のコンサルティング力の強化
  • 戦略アセットベースのビジネスモデルへの進化
  • 戦略先進技術活用力とシステム開発技術力の強化
  • 戦略人財・組織力の最大化

これらの5つの戦略を支える仕組みとして、グローバルを前提としたMarketing、Innovation、Governanceの機能を強化し、事業環境の変化に迅速に対応していくとともに、Global 3rdStageに向けた事業成長を実現するためのグローバル連携機能の強化と戦略投資を実施して投資と成長の好循環を確立していく計画となっています。

またこれまでのESG経営の取り組みを拡大し、長期的な視点を持ったサステナビリティ経営を推進する方針です。

主な数値目標は以下の通りです。

新中期経営目標*:

  • 連結売上高 :4兆円超
  • 連結営業利益率: 10%
  • 海外EBITA率: 10%
  • 顧客基盤: 120社(年間売上高50億円以上(日本)、もしくは50百万ドル以上(日本以外)の顧客数)
    • NTTデータとNTT, Inc.との事業統合を前提とした数値。なお、NTT, Inc.の業績予想値については、現時点で把握可能

上記は中長期の計画の骨子のみですが、就活でNTTデータを志望する皆さんは、行っている事業や業務を深く理解することは当然として、企業の中長期の計画・戦略も把握しながら、自分の就活の軸や志望動機に役立ててください。

株式会社 野村総合研究所

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 611,634
営業利益(百万円) 106,218
税引前利益 (百万円) 104,671
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 71,445
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) 83,165
従業員数(人) 16,512
外、平均臨時雇用者数 4,626
連結子会社 92 社
持分法適用会社 11社

野村総合研究所とそのグループ各社は、リサーチ、経営コンサルティング及びシステムコンサルティングからなる「コンサル ティングサービス」、システム開発及びパッケージソフトの製品販売からなる「開発・製品販売」、アウトソーシング サービス、共同利用型サービス及び情報提供サービスからなる「運用サービス」並びに「商品販売」の4つのサービスを 展開しています。

これらのサービスと顧客、マーケットを勘案し事業セグメントを以下のように区分して事業を展開しています。

各セグメントの事業内容

  • コンサルティング:
    • 経営・事業戦略及び組織改革等の立案・実行を支援する経営コンサルティングのほか、ITマネジメント全般にわたるシステムコンサルティングを提供
  • 金融ITソリューション:
    • 主に証券業や保険業、銀行業等の金融業顧客向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービスの 提供、共同利用型システム等のITソリューションの提供
  • 産業ITソリューション:
    • 流通業、製造業、サービス業や公共向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス等の提供
  • IT基盤サービス:
    • 主に金融ITソリューションセグメント及び産業ITソリューション部門を通じて、データセンターの運営管理 やIT基盤・ネットワーク構築等のサービスを提供。また様々な業種の顧客に対してIT基盤ソリューションや情報セキュリティサービスの提供、ITソリューションに係る新事業・新商品の開発に向けた研究や先端的な情報技術等に関する研究

2022年3月期(2021年度)連結業績の概要

2022年3月期(2021年度)における野村総合研究所の連結業績は、売上収益がコンサルティングサービス、開発・製品販売や運用サービスが前年度を上回った結果、61,296百万円の増収で、611,634百万円(前年度比11.1%増)という結果でした。

利益面では、良好な受注環境、生産活動を背景に収益性が向上したことに加え、横浜野村ビルにおける信託受益権を一部売却したことに伴い固定資産売却益3,337百万円を計上した結果、営業利益は106,218百万円(同31.5%増)、営業利益率は17.4%(同2.7ポイント増)となり、増収・増益の決算となっています。

2022年3月期連結決算における、各セグメントの状況は以下の通りです。

2022年3月期 セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客売上収益(百万円) 売上構成比 営業利益(百万円) 利益構成比
コンサルティング 42,807 7.0% 12,820 12.4%
金融ITソリューション 303,635 49.6% 43,877 42.6%
産業ITソリューション 222,583 36.4% 25,449 24.7%
IT基盤サービス 42,607 7.0% 20,955 20.3%
合計 611,634 100.0% 103,102 100.0%
調整額 3,116
計上額 611,634 106,218

野村総合研究所の事業戦略

野村総合研究所は長期経営ビジョン 「Vision2022」を基に「NRIグループ中期経営計画(2019年度~2022年度)」を立て、一層の生産性向上と 既存事業の拡大に取り組んでいます。またグローバルやデジタルビジネス分野等の新領域において、事業基盤の形成や実績の蓄積に注力しています。

現在企業においてはDX(デジタルトランスフォーメーション)といわれるデジタル技術を活用した業務プロセスの変革やビジネスモデルの変革が進展しています。

その一方で、既存システムの複雑化・ブラックボックス化がDX実現への阻害要因になっているほか、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など新しいデジタル技術を活用した新規市場の創出を推進するIT人材の不足、さらにはグローバル事業の強化やクラウド利用によるITコスト削減も引き続き顧客企業における重要な経営課題となっています。

このような環境に対応するため、野村総合研究所では以下を経営戦略の柱として事業を展開しています。

中期経営計画2022の成長戦略:

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略:
    • テクノロジーを活用した顧客のビジネスモデル・プロセスの変革
    • グループの強みを活かしたビジネスプラットフォームの進化
    • クラウドを活用し多様化するシステム基盤からアプリ開発までをトータル支援
  • グローバル戦略:豪州・米国での外部成長を軸に事業基盤を拡大
  • 人材・リソース戦略:グループの競争力を支える人材の採用・育成、パートナー連携

また、中期経営計画2022の最終年度(2022年度、2023年3月期)に、売上収益6,700億円以上、海外売上収益1,000億円、営業利益1,000億円、営業利益率14%以上、EBITDAマージン20%以上、ROE14%の数値目標を設定して、事業を展開中です。

具体的な既存事業の拡大に向けた取組みとして、野村総合研究所の強みである金融ITソリューション分野では、国債の決済期間短縮化や証券保管振替機構の次期システムへの移行など、金融業界の制度改正への着実な対応や顧客業務の高度化や効率化の支援を進めています。

グローバル事業においては、日系企業のグローバル展開のサポートや現地政府・企業向け事業の開拓に加え、新たな事業領域の拡大に向け、新技術や経験、優れたネットワークを持つ企業との協業やM&Aなども進めています。

就活で野村総合研究所を志望する皆さんは、行っている事業や業務を深く理解することは当然として、職種志望動機を固める上でも企業の中長期の計画・戦略も把握しながら、自分の就活の軸や志望動機、キャリアプランの作成に役立ててください。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上収益 (百万円) 522,356
税引前利益(百万円) 51,875
当社株主に帰属する当期純利益(百万円) 35,373
当社株主に帰属する当期包括利益(百万円) 41,250
従業員数(人) 9,291
外、平均臨時雇用者数 6,371
連結子会社 16 社
関連会社 13社

伊藤忠テクノソリューションズは、エンタープライズ事業、流通事業、情報通信事業、広域・社会インフラ事業、金融事業、ITサービス事業、その他というセグメントで事業を展開しています。

伊藤忠テクノソリューションズ及びグループ企業は、これらの事業領域において、コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、データセンターサービス、サポートなどの事業を展開しています。

いずれの事業もコンサルティングからシステム設計・構築、保守・運用サービスまでの総合的な提案・販売活動及びITインフラアウトソーシングや、一部ハードウェア、ソフトウェアの販売を行っています。

各事業ではそれぞれの顧客ニーズ・課題解決に最新技術を取り入れて対応しています。5Gの本格展開に向けた案件の獲得や、ビジネスの次世代化に向けてのIoT、AI、ビッグデータやアジャイル型の開発を活用したソリューションの提供に積極的に取り組んでいます。

2022年3月期(2021年度)連結業績の概要

2022年3月期(2021年度)における、伊藤忠テクノソリューションズの連結業績の概要は以下の通りです。

  • 売上収益:前連結会計年度と比べて42,477百万円(前年同期比8.9%)増加し、522,356百万円
    • 売上収益は官公庁、通信、製造、自動車、運輸、流通、研究機関、金融、社会インフラ向けなど様々な分野で増加したことに加え、海外事業会社の増収が寄与
  • 売上総利益:前年度と比べて13,212百万円(同10.9%)増加し、134,678百万円
    • 増収に加え、売上総利益率*の改善による
    • *売上総利益率は、サービスの利益率改善に加え、開発不採算案件の抑制などにより、前連結会計年度の3%から0.5ポイント増加の25.8%に向上
  • 営業利益:営業利益は、前年度と比べて6,857百万円(同15.7%)増加し、50,482百万円
  • 税引前利益:税引前利益は、前年度と比べて7,923百万円(同18.0%)増加し、51,875百万円
  • 当社株主に帰属する当期純利益:当社株主に帰属する当期純利益は前年度と比べて4,886百万円(同16.0%)増加し、35,373百万円

2022年3月期のセグメント別の業績は以下の通りです。

2022年3月期セグメント業績概要

セグメント名 外部顧客売上収益(百万円) 売上構成比 税引前利益(百万円) 利益構成比
エンタープライズ事業 127,340 24.4% 9,198 16.8%
流通事業 52,922 10.1% 3,619 6.6%
情報通信事業 188,719 36.1% 18,833 34.4%
広域・社会インフラ事業 70,081 13.4% 4,984 9.1%
金融事業 28,240 5.4% 2,462 4.5%
ITサービス事業 10,790 2.1% 18,650 34.1%
その他 44,264 8.5% -3,010 -5.5%
合計 522,356 100.0% 54,736 100.0%
調整額 -2,861
計上額 522,356 51,875

伊藤忠テクノソリューションズの事業戦略

伊藤忠テクノソリューションズは、CTCの由来である「Challenging Tomorrow’s Changes」をグループ全体のスローガンとして、日々変化を遂げる顧客の事業環境変化に機敏に対応し、顧客価値を提供する企業たるべく挑戦し続けることにより、事業活動等を通じて夢のある豊かな社会の実現に貢献していくことを標榜しています。

企業理念では、ミッションとグループが共通でもつべき価値観を以下のように規定しています。

  • Mission (使命):明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する

 

  • Values (価値観)とAction Guidelines(心得)
    • 変化への挑戦:常に新しいことに取り組み、決して諦めずに臨んでいるか?
    • 価値への挑戦:お客様が期待する以上の価値を、生み出しているか?
    • 明日への挑戦:自由な発想で、よりよい明日の姿を描いているのか?

また2021年4月にはグループのマテリアリティ(重要課題)を以下のように規定しています。

    • ITを通じた社会課題の解決:先進技術のたゆまぬ追求、様々なパートナー都のビジネスの共創、安心で安全なITサービスの提供
    • 明日を支える人材の創出:多様なプロフェッショナルの育成、互いを尊重し合える風土の醸成、未来を創る人材教育への貢献
    • 責任ある企業活動の実行:実効性のあるガバナンスの強化、気候変動対応への貢献、一人ひとりの責任ある行動の実践

そして現在は2021年4月から2024年3月までの3か年の新たな中期経営計画「Beyond the Horizons ~その先の未来へ~」を策定し、以下3つの基本方針を着実に実行することに注力をしています。

基本方針とそれを実現する重点シナリオのポイントは以下の通りです。

基本方針1Accelerate:顧客の変革を支える新たな取り組みを加速

  • 顧客業務、顧客事業、生活者の日常のDX
  • コミュニティ形成と共創ビジネス拡大
  • 高付加価値サービス、先進技術の提供

基本方針2 Expand:強い領域における更なる探求と市場拡大

  • ”つくる”を土台にした5Gビジネスの拡大
  • XaaS*ビジネスの強化
  • 国内ビジネスモデルのグローバル展開

*XaaS:情報システムの構築や運用に必要な様々な資源(ソフトウェアやハードウェアなど)をインターネット等を通じてクラウドで提供・利用するようにしたサービスの総称

基本方針3 Upgrade:未来を捉えた自己変革の実践

  • 個の成長と適材適所を組み合わせた総合力強化
  • 環境変化に適応する経営基盤改革
  • 多用なステークホルダーとの共存

上記は骨子のみですが、就活で伊藤忠テクノソリューションズを志望する皆さんは、事業や業務を深く理解することは当然として、企業の中長期の計画・戦略も把握しながら、自分の就活の軸や志望動機、キャリアプランの作成に役立ててください。

また企業のDNAとしての変化や挑戦に対する行動原理も自分事化して深耕しておきましょう。

TIS株式会社

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 482,547
経常利益(百万円) 55,710
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 39,462
包括利益(百万円) 37,481
従業員数(人) 21,709
外、平均臨時雇用者数 2,060
連結子会社 53社
持分法適用関連会社 76社

TIS及びそのグループ企業の主な業務は、情報化投資に関わるアウトソーシング業務・クラウドサービス、ソフトウェア開発、ソリューションの提供を行っており、これらの業務に関連するコンサルティング業、不動産賃貸・管理事業など付帯関連する業務もカバーしています。

尚、TISでは更なる構造転換の推進に向け、グループ全体でのマネジメント体制を変更したことに伴い、事業セグメントを2023年3月期より以下のように変更しています。

新しい開示セグメントは「オファリングサービス」、「BPM」、「金融IT」、「産業IT」、「広域ITソリューション」及び「その他」の6つになります。

TISは、オファリングサービス、金融IT、産業ITの各セグメントにおいて、グループの中心となって事業を展開するカタチです。

  • オファリングサービス:
    • TISグループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供
    • 主な連結子会社:TISシステムサービス株式会社、MFEC Public Company Limited、Sequent Software Inc.
  • BPM
    • ビジネスプロセスに関する課題をIT技術、業務ノウハウ、人材などで高度化・効率化・アウトソーシングを実現・提供
    • 主な連結子会社:株式会社アグレックス
  • 金融IT
    • 金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援
  • 産業IT:
    • 金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援
    • 主な連結子会社:クオリカ株式会社、AJS株式会社
  • 広域ITソリューション:
    • ITのプロフェッショナルサービスを地域や顧客サイトを含み、広範に提供し、そのノウハウをソリューションとして蓄積・展開して、課題解決や事業推進を支援
    • 主な連結子会社:株式会社インテック、TISソリューションリンク株式会社
  • その他:
    • 各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成
    • 主な連結子会社:TISトータルサービス株式会社、ソランピュア株式会社

2022年3月期(2021年度)連結業績の概要

2022年3月期(2021年度)におけるTISの連結業績は、売上高が482,547百万円(前期比7.6%増)となり、増収を達成しています。

利益面では、営業利益が54,739百万円(同19.7%増)、経常利益55,710百万円(同41.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は39,462百万円(同42.5%増)となり、大幅増益の決算となっています。

事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
オファリングサービス 91,586 19.0% 4,692 8.6%
BPM 40,611 8.4% 4,991 9.1%
金融IT 90,011 18.7% 12,355 22.6%
産業IT 106,936 22.2% 15,356 28.1%
広域ITソリューション 150,685 31.2% 16,492 30.2%
その他 2,716 0.6% 770 1.4%
合計 482,547 100.0% 54,659 100.0%
調整額 79
計上額 482,547 54,739

TISの事業戦略

TISグループでは目指す企業像を「Create Exciting Future」をグループ共通の価値観として、「先進技術・ノウハウを駆使しビジネスの革新と市場創造を実現し、顧客からは戦略パートナーとして頼りにされ、既成業界・市場の変革に常にチャレンジし、新たな市場を創造するイノベーターとなることを目指す」、と定めています。

その実現に向けて、以下の4つの戦略ドメインを基に事業を展開しています。

  • ストラテジックパートナーシップビジネス :
    • 業界トップクラスの顧客に対して、業界に関する先見性と他社が追随できないビジネス・知見を武器として、事業戦略を共に検討・推進し、ビジネスの根幹を担う
  • ITオファリングサービス:
    • 蓄積したノウハウと、保有している先進技術を組み合わせることで、顧客より先回りしたITソリューションサービスを創出し、スピーディーに提供
  • ビジネスファンクションサービス:
    • 蓄積した業界・業務に関する知見を組み合わせ、先進技術を活用することにより、顧客バリューチェーンのビジネス機能群を、先回りしてサービスとして提供
  • フロンティア市場創造ビジネス:
    • 保有する技術・業務ノウハウ、顧客基盤を活かして、社会・業界の新たなニーズに応える新市場/ビジネスモデルを創造し、自らが事業主体となってビジネスを展開

尚、TISが前中期経営計画(2018-2020)で定めた最終年度となる2021年3月期の重要経営指標(戦略ドメイン比率50%以上、営業利益430億円、営業利益率10%,ROE 12%) は、2020年3月期では、全ての指標において目標を上回り1年前倒しで達成しています。

現在は、中期経営計画(2021-2023)を策定し、「Be a Digital Mover 2023」をスローガンに、グループビジョン2026の達成に向けた成長加速のため、DX提供価値の向上を基軸とした、事業構造転換の実現に取り組んでいます。

グローバル事業に関しては、前中期経営計画において確立したASEAN各国のパートナーとのアライアンスを強化し、最先端技術や破壊的テクノロジーを活用することで、グローバルでITオファリングサービス、フロンティア市場創造ビジネスを拡大する計画であり、2026年度にはASEAN地区子会社と持分法提供会社の売上高合計で、1,000億円を目指しています。

具体的には、タイ、インドネシアに続き、マレーシア、ベトナム、フィリピンを中心にASEANの事業基盤を構築すべく投資を推進していく計画です。

就活生の中にはテレビコマーシャルでTISインテックグループを知った方も多いと思います。システム・インテグレーター事業に興味のある就活生は、ぜひTISの企業研究もしてみて下さい。

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まとめ

以上、駆け足でIT業界の構造と大手SIer企業の概況を解説しました。大きなトレンドや企業の特徴、課題や今後の方向性は理解できたと思います。

IT業界は変化のスピードが速い業界です。国内市場は当面IT投資が旺盛で成長が続くことに期待できますが、長期的には人口減少や、エンジニア不足による問題に直面するでしょう。

海外人材、外国人エンジニアの受け入れも、今後加速していくでしょう。また一部大手の企業は、既に海外市場を積極的に開拓する戦略を並行して行っています。

さらに海外の巨大IT企業は、圧倒的な規模、資金力によって、新しい技術への開発投資に莫大な金額を投じて更に競争力を強めています。その意味で日本企業が生き残り、更に成長をしていくためには、ニッチな市場でも独占的なシェアを握れるようなイノベーションを行っていくしかありません。

時代の最先端を走っている業界であり、変化を受け入れ成長したいと思っている学生には「やりがい」のある業種です。また海外志向の強い学生も、外資系企業も含めてぜひ検討に加えてみてください。そして企業毎に深い研究を進めていきましょう。

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