「就活の答え」では就活生が特に気になる人気企業を選んで、書類選考を突破するための企業別志望動機の作成方法を解説します。この記事では安川電機への志望動機の例文をあげ、その作成方法を解説しています。
この記事で取り上げるのは技術職の志望動機でが、事務職志望にも充分応用が可能です。
技術重視のBtoB製造業の場合、理系専攻の学生でも事務系の職種に就く場合もあり、逆に言えば事務系(文系の学生)でも技術系BtoBへのしっかりとした価値観が必須です。この志望動機の例文の要素を参考にしながら自分のオリジナルを作成してください。
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では早速、例文をみてみましょう。
Contents
安川電機への志望動機(例文):技術職
安川電機に入社後、実現したいことをご記入ください
(400文字以下)
私は製造や建設現場における人と機械の共生を実現し、人は人にしかできないことに従事、集中する未来を実現したいと考えている。人口減少と高齢化が進む日本のモノづくりを支えること、そのための技術開発を進め、世界に展開していきたい。大学では制御工学を学び、ワイヤ結束型柔軟アームの研究をしている。ロボットをより柔軟、安全なものにすること、その制御を安全なものにする研究であり、人と機械の共生を実現には重要と考えたからである。貴社は製造機械の心臓部であるモーターやインバータ、ロボティクスの技術でも世界をリードする企業であり、「メカトロニクス」をIoTやAIの先端技術によりシステム化して更なる生産性の向上と応用範囲の拡大を指向している。私は貴社のチームの一員として貴社の持つ総合力と自分の研究を活かし、企業顧客が抱える課題を解決していく中で成長を遂げ、人と機械が共生する世界の加速、実現に貢献したいと考えている。(398文字)
企業別志望動機を書き始める前の注意点
志望動機を書き始める前に、絶対に注意しておくべきポイントをあげておきます。
- 自分起点、事実起点で、具体的に、ポジティブに書くこと
- 志望動機を構成する要素(下記参照)はあらかじめ全て考え、揃えて、文章にまとめておくこと
- 志望動機単独で書かない事。ES全体の回答要求項目を精査して、そのバランスの中で何をどの質問に対してメインの要素として書いていくかを決めてから書くこと
- ES全体の質問の回答要求項目に対し、文字数制限やスペース制限に従って結論ファーストでドラフトをつくる
- ドラフトが完成したら、その上で面接の質問やつっこみ、会話のつかみを想定して志望動機の論理の一貫性が保たれているか、面接のつっこみ質問に耐えられるかを想定し、推敲、改善すること
- 完成したら信頼のおける友人や近親者に読んでもらい第三者のアドバイスをもらうこと。リクルーターにコンタクトできる場合は、見てもらえるかを相談してみること
- PC上で文字数制限内(少なくとも80%以上)で書き上げ、誤字・脱字をチェックし、手書きの場合はできるかぎり丁寧に、読みやすく清書すること
従ってES解禁前の準備段階では、本サイトや他の信頼のおける就活サイトで志望企業の過去のES(直近年度及びその前)のES内容を把握しておきましょう。
稀に企業の独自の考え方でESに「志望動機」を求めない会社も存在します。その場合でも志望動機は面接時に質問されると考え、以下に解説するロジックに従って作成しておいて下さい。
志望動機の作り方
志望動機の作り方のフローは「志望動機に、あなただけの説得力を増す方法」で詳しく解説しています。作成したことがない方は参照してください。
「就活の答え」では、学生に人気のある50の業界・業種別に志望動機の書き方を解説しています。これらの記事も実践的に具体的な企業名をあげ、過去のESの設問に従って50社の志望動機の作り方を解説しています。以下の記事も是非参考にして下さい。
この記事では、自己分析や企業研究を既に行い志望企業が定まった方が、具体的な企業を例に、どのように志望動機を書くべきかを解説します。
志望動機のロジック
「就活の答え」では、以下のチャートでの志望動機のロジックを推奨しています。「本当のあなた」の価値観から積み上げていくロジックです。
就活では、ESや面接における他の重要視される質問、例えば「学部・学科の専攻の理由」や「学科、ゼミ、研究室で取り組んだこと」、「卒業/修士論文や、学科/専攻の授業の中で、最も力を入れて学んでいるテーマ」、「学生時代に最も打ち込んだエピソード(研究・研究以外)」、「これまで一番苦労したこと、それをどう乗り越えたか」、「周囲の人を巻き込んで行った経験と成果」、「チームで取り組んだ経験」、「あなたは周囲からどのような人物と言われるか」等々に対し、的確に答えていく必要があります。
そのため、自分の性格や価値観に紐づいた経験や実績、事実、そこから見出されるあなたの強みと企業選択の理由を結び付けることは非常に重要なエクササイズなのです。
このロジックの一貫性が「就活の軸」です。この軸の説得力があることがESや面接での戦闘力になります。
一部の学生は報酬や福利厚生の良さ、世間体、誰もが知っている大企業、人気企業、上場企業や格好よさげな業界や企業群から企業を選び、赤枠で囲った企業選択理由(志望動機)を考え、後付けでその下の構造を作っていく人もいます。そのやり方自体は理解できますが、お勧めはできません。
そのやり方は時間をセーブできるかもしれませんが、まともな企業であれば一部のハイパー学生(学歴も実績、能力が志望企業の水準に比べてずば抜けて高い学生)しか通用しないでしょう。
あとは人手不足でどんな学生でも欲しい企業、ブラック企業、ブラックでなくても早期離職が当たり前の厳しい業界や企業であれば内定は取れるでしょう。しかしそれは皆さんが望んでいることではないはずです。
人事担当や面接官はその企業で評価されている人達です。企業研究の深さや動機の強さ、弱さ、適性はすぐに分かってしまいます。
また機械製造企業、工作機器メーカーや産業用ロボットメーカーの場合、志望者の専攻や興味、研究に対する姿勢、実績は特に重視されます。文系であっても自身の専攻やゼミ、研究内に対する姿勢は重視されます。
BtoB企業は機械そのものの信頼性は当然ですが、顧客との長期的な信頼関係構築が非常に重要なため、何事に対しても「真摯に」、「誠実に」取組む姿勢が重視されます。選考過程において「嘘」、「ごまかし」、「不誠実さ」が感じられてしまうと、選考は通過させません。
安川電機への志望動機(例文)の解説:技術職
それでは上記のロジックで積み上げた、安川電機への志望動機を再度例示しておきます。
安川電機のESでの志望動機関連の設問(技術職)は、「安川電機に入社後、実現したいこと」を記述する内容になっていました。
再掲: 安川電機に入社後、実現したいことをご記入ください
(400文字以下)
私は製造や建設現場における人と機械の共生を実現し、人は人にしかできないことに従事、集中する未来を実現したいと考えている。人口減少と高齢化が進む日本のモノづくりを支えること、そのための技術開発を進め、世界に展開していきたい。大学では制御工学を学び、ワイヤ結束型柔軟アームの研究をしている。ロボットをより柔軟、安全なものにすること、その制御を安全なものにする研究であり、人と機械の共生を実現には重要と考えたからである。貴社は製造機械の心臓部であるモーターやインバータ、ロボティクスの技術でも世界をリードする企業であり、「メカトロニクス」をIoTやAIの先端技術によりシステム化して更なる生産性の向上と応用範囲の拡大を指向している。私は貴社のチームの一員として貴社の持つ総合力と自分の研究を活かし、企業顧客が抱える課題を解決していく中で成長を遂げ、人と機械が共生する世界の加速、実現に貢献したいと考えている。(398文字)
要素の分解:
結論:安川電機に入社後、実現したいこと
- 私は製造や建設現場における人と機械の共生を実現し、人は人にしかできないことに従事、集中する未来を実現したいと考えている
- →求められている回答を、志望者の「就活の軸」を明確に述べ、結論ファーストで記載
- 人口減少と高齢化が進む日本のモノづくりを支えること、そのための技術開発を進め、世界に展開していきたい
- →何故それを実現したいのかを、志望者ならではの情報(例文の場合は志望者の価値観)で補強
結論のRTB (Reason to believe):
- 大学では制御工学を学び、ワイヤ結束型柔軟アームの研究をしている
- →安川電機を志望する理由、入社して実現したい事(結論)の前提として、志望者の専攻(強み)を記述
- ロボットをより柔軟、安全なものにすること、その制御を安全なものにする研究であり、人と機械の共生を実現には重要と考えたからである。
- →志望者の研究と安川電機の事業分野と「実現したいこと」に連結して根拠づける
- 貴社は製造機械の心臓部であるモーターやインバータ、ロボティクスの技術でも世界をリードする企業であり、「メカトロニクス」をIoTやAIの先端技術によりシステム化して更なる生産性の向上と応用範囲の拡大を指向している
- →安川電機ならではの情報として特徴、強みを志望者の視点で記述し、志望理由の根拠とする
まとめ:
- 私は貴社のチームの一員として貴社の持つ総合力と自分の研究を活かし、企業顧客が抱える課題を解決していく中で成長を遂げ、人と機械が共生する世界の加速、実現に貢献したいと考えている
- →実現したいことを記述するだけではなく、その実現のために何を、どうしようと考えているのかを志望者の言葉で語り、成長意欲の表現で文を結ぶ
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参考記事:
まとめ
ESの設問のパターンによって答え方、書き方をアレンジする必要はありますが、志望動機のロジックツリーはあらかじめ作っておけるはずです。
あなたの軸が強ければ後は書き方を工夫すれば良いだけです。この志望者の志望動機の構成は、事務系職種への志望動機にも充分応用が可能です。要素の分解の→以下の要素を参考にしながら、自分のオリジナルを作っていきましょう。
また安川電機のインターンシップや工場見学に参加できた人は、その体験を通じての気づきや感動、安川電機の社員から得られたものを理由にあげることは極めて有効です。実際の体験を通じた「安川電機ならでは」を積極的に表現してください。厳しい選考を経て参加できた方はぜひ利用しましょう。
BtoBメーカーの場合、安川電機のESのように志望動機関連の記述を求めない場合もありますが、面接では志望動機関連の質問は絶対にありますので、しっかり準備をしておきましょう。
ESの質問項目は毎年少しずつ変わる場合もありますが、志望動機のロジックツリーがしっかりできていれば問題ありません。
そして下書きができたら信用のおける第三者にみてもらい、ブラシュアップをしていきましょう。
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