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【就活の業界研究】就活のはじめに、化学メーカーのビジネスモデルを知っておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では化学業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

化学メーカーの7つのポイントを押さえよう

  • 化学メーカーのビジネスモデルを理解しよう
  • 化学メーカー、業界の現状と課題・未来
  • 化学メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 化学メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 化学メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 化学メーカーの構造
  • 総合化学メーカー主要各社の概況
この記事ではそもそも、化学メーカー業界をどうとらえるべきかを、そのビジネスモデを分析して解説しています。化学業界入門編として活用してください。

化学製品とは何か

就活生、特に文系の就活生で「化学製品とは何か」をちゃんと答えられる人は少ないと思います。業界研究のはじめにあたり、化学製品とはどこまでを言うのかを把握しておきましょう。

そもそも「化学」とは、物質が、何から、どのような構造で出来ており、それがどんな特徴や性質を持っているか、そして相互作用や反応によってどのように別なものに変化するかを研究するものです。

原子・分子レベルでの物質の構造や性質を解明して、また新しい物質や反応を構築する基礎的な研究分野であるため、その応用範囲は非常に広く、理学、工学から医学・薬学、農業・環境分野など多岐にわたります。

多種多様な工業製品の素材を供給する非常に大きな役割を担っている産業であると同時に、近年ではバイオテクノロジーやエレクトロニクス、新素材や高機能材料など現代科学の最先端技術に新物質や設計・製造の新手段を発明する上で欠かせないものとなっています。

化学品の種類

化学工業全体は、化学工業 + プラスチック製品 + ゴム製品と考えれば分かり易いでしょう。また炭素を含むか含まないかで無機化学品と有機化学品に分けて考えますが、多くの化学メーカーはその両方を生産しています。化学品は、その工程に於いて主に基礎化学品、誘導品、最終製品の3つに分類できます。

  • 基礎化学品:石油や天然ガスなどの原料から最初に生成される化合物、石油化学一次産品が代表的な製品です。具体的にはエチレン、プロピレン、トルエン、キシレンなどの製品です
  • 誘導品:基礎化学品に他の分子を結合してできる化合物を指します。ポリエチレン樹脂やエチレングリコールなどの化学品、テレフタール酸やポリエステル樹脂などを指します
  • 最終製品:最終化学品とも呼ばれ、医薬品、農薬、塗料、化粧品や他の産業(食品、衣料、繊維,電気電子、自動車、建設など)の原料や素材となる製品を指します
このように製造業全般を支える産業のため、化学工業の産業規模は非常に大きく、日本の製造業の規模としては自動車を中心とする輸送機械産業に続いて第二位の大きさを誇ります。

化学メーカーはプロセス産業

化学メーカーは原料からある機能をもった化学物質を生産し、化学物質そのもの、もしくは原料や素材を生産する産業であるため、原料からいかに効率的・経済的に求める物質、もしくは素材を製造できるかのプロセスそのもの、工程=プロセスの設計そのものが非常に重要になります。

自動車、食品、電機、エレクトロニクスなどのメーカーは、化学メーカーが生産した素材を加工し、組み合わせ、機能を盛り込む設計を経て付加価値のある製品をつくることが重視されます。メーカー自らも基礎研究も行っていますが、どちらかと言えば「組み立てる」、「加工」する機能設計が重要な製造業という違いがあります。

巨大な装置が必要な産業

 

化学メーカーと聞いて、石油コンビナートの巨大な工場群の写真を想い浮かべる方も多いでしょう。石油コンビナートは原油から取り出されたナフサ(粗製ガソリン)などの成分を使用して、エチレン*他の化学物質や薬品などを隣接する工場で生産している工場の集積地なのです。

化学工業は大型の設備によって生産能力を増加させることによって、製品の生産コストを大幅に下げることが可能な、スケールメリットが大きく効く業界という特徴があります。逆に言えば大きな設備投資が必要な業界とも言えます。

  • *エチレン:プラスチックや化学繊維など石油化学製品の基礎原料。加工するとスーパーの買い物袋や家電製品の外装など身の回りの様々なものになります。日本ではナフサ(粗製ガソリン)を分解して生産しています

BtoBビジネスが基本

化学工業メーカーが自ら最終消費財(住宅から食品のラップ、洗剤あるいはタイヤなど)を製造する場合もありますが、むしろその例は少なく、大半は原料として他の財をつくるための中間投入財を製造するのが主な事業になります。

従って、BtoB のビジネスが主流であり、変化の少ない比較的安定した事業構造であるという特徴があります。もちろんどの分野の何を製造しているか、競争環境、社風によっても違いはありますが、巨大な資本も必要となる参入のし難さもあり、BtoCビジネスのように短期間で激しくユーザーのトレンドが変化するということは稀です。

知識とノウハウが集約された業界

化学工業製品には合成樹脂・洗剤・肥料などの様々な製品の原料として大量に生産され、広範に利用されるアンモニア・尿素・酢酸・エタノール・ナフサ・ベンゼン・フェノール・ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの製品(汎用品)があります。汎用品の他に、付加価値が高い偏光板やフィルター、炭素繊維、特殊フィルムなどの多様な製品群があります。

後者の高付加価値を持つ化学製品は日本の化学メーカーが得意としており、世界でNo1シェアを持っていることも多いのです。特に新しい有機化学製品の開発は、長い時間をかけ試行錯誤の繰り返しによって開発される場合が殆どです。独自に開発できればその製法も含めて特許に守られるというメリットも享受できます。

高機能素材の開発には人材、知識、ノウハウの蓄積が必要であるため、歴史があり、その分野に強みのある日本企業が優位性を享受できたのです。今後はデータの解析技術やAI技術の発展により、状況が変わってくる可能性もありますが、日本メーカーの存在意義は世界に高付加価値製品を供給し続けることに変わりはないでしょう。

世界を相手にしたビジネス構造

化学工業は産業全般を支える産業という性格を持つため、化学工業製品の需要は基本的にGDPに比例しています。化学メーカーの場合、もちろん日本国内のビジネスも重要ですが、ご存知の通り日本は既に人口減少社会を迎えており、GDPの伸びもかつてのような高度成長は望めません。

したがって企業を成長さえていくためには、需要の旺盛な世界の国々に輸出するか、現地で生産を伸ばして外需で稼ぐという戦略も、高付加価値製品の供給と併せて非常に重要なのです。

日本化学工業会のデータでは日本の化学工業全体の海外生産比率は19.4%(2015年時点)に達しています。また企業によっても差がありますが、大手化学メーカーの場合既に海外での売上が大きな柱になっています。化学メーカーをこれから目指す方はグローバル市場展開を避けては通れません。

化学メーカーは日本の産業の基礎を支える重要な産業であり、知識や技術、製造ノウハウの蓄積などの強みを持っている業界です。規模も大きく日本経済に与える影響も大きいため、派手さはありませんが将来性もある業界です。基本的なビジネスモデルが理解出来たら、化学素材メーカーの現状と課題、そして未来も理解していきましょう。

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