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【就活の業界研究】就活のはじめに、医療機器メーカーの現在、課題、未来を把握しよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では医療機器業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

医療機器業界の7つのポイントを押さえよう

  • 医療機器業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 医療機器メーカーの現状と課題・未来
  • 医療機器メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 医療機器メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 医療機器メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 医療機器業界の構造
  • 医療機器メーカー主要各社の概況
この記事では日本の医療機器メーカーを取り巻く状況と課題、そして医療機器メーカーの未来についての解説をしています。この業界が自分にとって就活の対象にできるかを判断する上で、現在の課題や近未来に関するアウトラインを把握しておくことは重要です。医療機器業界入門編として活用してください。

日本の医療機器市場の特徴

高齢化の進行

先進国は高齢化社会を迎えています。その中でも日本の高齢化率(65歳以上の人口が占める割合)は、内閣府の発表によると2017年10月1日現在で27.7%(総人口1億2,671万人に対して65歳以上人口3,515万人の割合)に達しています。

その65歳以上人口は、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には、3,677万人、その後2042年に3,935万のピークまで増加し、その後は緩やかに減少に転じると推計されています。

更に人口減少も同時に進行していくために、高齢化率は上昇を続け、2036年に33.3%で3人に1人となった後、65歳以上人口が減少に転じる2042年以降も高齢化率は上昇を続け、2065年には38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が65歳以上の人となる社会が到来すると推計されています。

現役世代(15歳~64歳)人口の減少

高齢化人口の増加、高齢化率の増加より深刻なのが、15歳~64歳の現役世代の人口の減少です。生産年齢人口とも呼ばれる15歳~64歳の人口は、2020年時点では7,406万人と推計され、その後2030年では6875万人、2020年には5,978万人、2065年には4,592万人と減少を続けていきます。

1950年には1人の65歳以上の者に対して12.1人の現役世代(15~64歳の者)がいたのに対して、2015年には65歳以上の者1人に対して現役世代2.3人になっています。前述のように高齢化率は上昇し、現役世代の割合は低下をしていくため2065年には、65歳以上の者1人に対して1.3人の現役世代という比率になります。

医療費の増大と医療機器メーカーのビジネス

高齢化の進行と人口減少による生産性人口の減少は、医療費に大きなインパクトを与えます。政府は、2040年頃まで高齢者人口の増加が影響して医療費を含めた社会保障費全体が増えていくと見通しています。

年齢階級別で見た「1人当たり医療費」という視点でみると、厚生労働省の「2015年度医療給付費実態調査の報告書」では、70~74歳が最高の58万8723円、次いで65~69歳の42万1012円、60~64歳の32万2554円となっており、診療報酬改定や医療法等の改正の影響を受けて年度ごとに金額の規模感は異なりますが、60歳以上の1人当たり医療費が高い傾向が明らかになっています。

現在、政府は高齢化に伴う医療費の伸びを一定程度容認するスタンスですが、医療費に関わるその他の要因(入院、診療報酬、調剤)に関してはその伸びを制度改革や効率化などで抑制すべきという考え方をとっています。今後は高齢化に伴う伸びの抑制も必要になってくるでしょう。

高齢化と人口動態の変化は進行の速度の差はあれ、先進国共通の傾向です。更に言うと中国や韓国、アジアの新興国でも高齢化は進行しているのです。日本は顕著な例ですが、医療機器メーカーのビジネスは医療費抑制のプレッシャーを受けることになり、そこにビジネス上のリスクとチャンスがあることが分かります。

医療機器の需給と競争力

高齢化の進行により全体の医療ニーズが高まるため、医療機器メーカーのビジネスは安泰のように思える(チャンスと思える)かもしれませんが、そこにはリスクもあります。

政府は医療費全体の削減に取り組まなければならず、当然そこにはコスト競争力が問われてきます。実は国内市場を見ると日本の医療機器業界は以前より輸入超過が続いています。現状の国内売上額(2.8兆円)に占める輸入額の割合は49%にまで達しているのです。技術力に定評がある日本企業ですが、コスト面以外にも輸入品に頼らざるを得ない理由があります。

レピュテーションリスクと製品ポートフォリオの拡大

日本の医療機器メーカーの製品は一部で製品を除くと国際競争力に劣ると分析されています。診断機器分やについては、画像診断装置を中心に日本企業が世界市場において一定のシェアを獲得しています。

しかし人体に与えるリスクが大きいペースメーカーなどの治癒機器については、日本メーカーはレピュテーションリスク(万が一医療事故が起こってしまった時の信用失墜のリスク)を気にして、消極的であったことから欧米メーカーの後塵を拝してきました。

国内市場では、狭心症などの循環器疾患でカテーテルを用いた治療が増加していることを反映し、テルモをはじめとする企業が治癒機器の一部分野で存在感を示し治癒系機器の全体の売上の伸びを示していますが、業界全体としては更なる治癒機器分野の開拓が大きな課題になっています。

画像診断装置(CT/MRI等)での強み

日本の医療機器メーカーは診断機器、特にX線装置、CT、MRI、血管撮影装置などの画像診断装置に強みがあります。国内の人口100万人あたりの配置数をみるとCTも、MRIも世界でNo.1の普及率なっています。この画像診断装置分野は、日立、キヤノン(東芝の医療機器事業を買収)、島津製作所、富士フイルム等の大手企業が参入しています。

コスト競争力

消耗品も含めて中国をはじめ、新興国では医療機器産業の国産化を進める動きが現れており、廉価な機器については新興国メーカーの製品も市場に導入されつつあります。こうした新興国企業の追い上げにも注意を払わなければなりません。

日本企業にとっては国内市場を侵食されるだけではなく、進出国での機器の価格競争力がないと現在持っているシェアも奪われてしまうリスクがあるからです。汎用品に関しては製造工ストの安い海外生産を進め、現地のニーズや近隣諸国への輸出というモデルを加速させる必要があります。

日本市場では今後も輸入超過の傾向が続くとみられ、輸入は 2022 年にかけて年率+5.5%の拡大を予測されています。(みずほ銀行産業調査部調べ)日本メーカーの製品の技術や品質には定評がありますが、オリンパスにおける内視鏡のような圧倒的な技術差がある製品で市場を独占している場合以外はコスト競争力も重要な要因になっています。

医療施設数の減少と医療機器メーカーへの影響

 

厚生労働省の医療施設動態調査(2018年2月末現在)では、2016年2月の全国の病院病床数が1,563,619であったのに対し、2018年2月末現在では1,555,133と2年間で8,486病床減少しています。

病床数のみでなく全国の医療施設数も減少しています。病院の施設数は計17万8937施設で、2018年1月末から1ヵ月で92施設減少*しました。(*2018年1月末と2月末の差)

国内では200 床未満の民間病院が全病院数の過半数を占め、1~2次医療の提供や急性期を脱した患者に対する回復期・慢性期医療の提供面で重要な役割を果たしていますが、医師の絶対数の不足、地域間・診療科間の医師の偏在、大病院への集中等の要因により、中小病院の医師採用環境は非常に厳しくなっています。そのため経営統合を行うか、ダウンサイジング、もしくは自主廃業(閉院)という対策が取られています。

この医療施設数の減少は医療機器メーカーにとってはマイナスとプラスの両方の見方ができます。病院経営の効率化という意味で病院数は減り、地域連携や機能の集約化が進むリスクがあります。

しかしながら高齢化によって全体としての医療ニーズは当面増えることが予想されているため、医療サービスをより効率的に行う必要があるからです。その効率化のニーズの一部を満たすのが医療機器であり、それは医療機器めーかーにとってチャンスでもある訳です。

医師の偏在と医療機器

 

国内市場をみると医師の数は2030年ころまで緩やかに増加していくことが予想されています。厚生労働省の「医師の需給推計」でみると、中位推計においては、2024年頃に医師数約32万人、上位推計においては、2033年頃に約32万人で均衡すると推計されています。いずれの場合も需給が均衡した後は、将来人口の減少により、医師の需要は減少すると考えられています。

医師数そのものは問題ではなく、医師の地域偏在/診療科偏在が大きな問題になっています。外科や産婦人科などの診療所に従事する医師数が減少する中、皮膚科、眼科などの診療所の医師数が増加しており、医師数の増加が診療科偏在の是正に寄与していないことが問題になっています。

また地域の格差も大きな問題になっています。過疎地域においては、今後、更なる医師不足と医師の高齢化に悩む可能性があります。女性医師や若手医師が今後、現在と同様の大都市での勤務地選択を行うと仮定すると、2016 年から2036 年にかけて、大都市では 25%臨床医が増える可能性がある一方で、過疎地域では12%臨床医が減少する可能性が指摘されています。

この二つの偏在問題の内、地域偏在の問題は医療機器でのイノベーションで改善が期待できる分野です。規制の問題は常につきまといますが、遠隔地診断や遠隔地治療は医療機器が解決できる分野であり、チャンスととらえることができます。

事業・製品ポートフォリオ戦略

医療機器は国毎に認可を取得する必要があるため、国内で多様な製品ポートフォリオを持っている大手企業でも、海外市場でそれをそのまま展開は出来ず、一部製品の輸出にとどまっている例も多くみられます。

新製品の開発は各国での臨床試験や許可取得等で大きな費用と時間も必要なために、自社の現在の戦略やポートフォリオとのシナジーがある製品を持っている企業をM&Aにより取り込む必要があります。逆に成長のための製品ポートフォリオ戦略からはずれる分野は思い切って売却する企業も出てきています。

このような選択と集中の戦略によって、国内の複数企業に小規模に分散した医療機器事業の集約が進めば、開発、生産、販売に係るコストの引き下げを通じた価格競争力の強化、積極的な資金投入による海外展開強化も期待できます。

デジタルイノベーションによる変革

デジタルヘルスケア

医療機器業界におけるデジタルイノベーションには多様な意味があります。大きなトレンドとしては、医療全体がキュア(治療)から、ヘルスケア(健康維持・増進のための行為や健康管理)への流れが重視されています。

現状の医療ビジネスは病状ごとへの薬や医療サービスの提供という、個別のニーズを満たす事業が中心であるのに対し、今後はライフシーンや共通の属性を持った個人のデータを有効活用した新しいヘルスケア(健康維持、増進、管理)のサービスの創造が期待されています。

具体的にはウエアラブル端末、ICTプラットフォームやインフラの提供、データ解析サービス、健康アドバイスなどを組み込み、健診情報や個人活動データを収集・解析して、ユーザーの行動変容につなげるなど、医療(ヘルスケア)機器とネットワークを駆使したソリューション事業の開発も期待されています。

今後は自社だけではなく、IT企業やスポーツジム、食品企業など、他企業との協業による新たな事業の創造も必要になってくるでしょう。

IOT、AI、ロボティクス技術の応用

医療機器業界では IoT、AI、ロボティクス技術を活用したデジタルイノベーションに精力的に取り組んでいます。具体的にはバイタルセンサー等を搭載した機器を在宅・ 病院内でインターネットに接続(IoT 化)してのモニタリングサービスや、AI を活用して画像診断を支援するソフトウェアの開発等に取り組んでいます。

このデジタル分野はデータ収集・分析に強みを持つIBMやApple 等の IT 系事業者が既に医療市場へ参入し、ビッグデータ解析サービスや医療・健康データの収集を目的としたオープンソースソフトウェアを提供しています。

またAIを活用した画像診断ではアメリカや中国では既に実用化されており、大きな成果を上げています。画像診断はそのスキルを持った個人の目と経験値に大きく依存しており、誤診や発見が遅れてしまうことがありがちな分野であり、AIのディープラーニング機能が最も効果を発揮できる分野と言われています。

日本の医療機器メーカーは単体製品の製造から、既存製品のIoT化を早急に進める必要があります。また自社の枠から出て、AI・ロボティクスなどの新技術を有する企業と連携して、自社製品の付加価値向上の向上をしていくことが課題となっています。

まとめ

医療機器メーカーの現状と課題、そして未来に関してアウトラインを解説してきました。外から概況だけみると安定成長している業界に見えますが、課題も多いことが分かります。

日本企業は特定分野の品質や技術には定評があり、世界でシェアを獲得できていますが、国内市場には成長の限界が見えているため新しい戦略が必要になっています。これから医療機器業界を目指す皆さんは、新しい柔軟な発想も必要なことを是非意識して就活に臨むことをお勧めします。

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